日本建築学会の調査によると、阪神淡路大震災における震度7の地域では、住宅の全半壊をまぬがれたにもかかわらず、全体の約6割の部屋で家具が転倒し、部屋全体に散乱しました。家具類の転倒は怪我の原因、また、火災から逃げ遅れる等の要因となりますが、平成21年度に内閣府がおこなった「防災に関する特別世論調査」によると、大地震に備えてとっている対策のうち、「家具や冷蔵庫などを固定し、転倒を防止している」と回答のあった割合は約26%という低い結果でした。家具類を固定しない理由として多かった回答(複数回答可)は下記のとおりであり、市民の命をまもるという観点から、行政として更なる取り組みが必要であると考えます。
・「面倒だから」28.7%
・「固定しても大地震の時には効果がないと思うから」14.3%
・「転倒しても危険でないと思うから」12.3%
・「固定する方法が分かっていても自分ではできないと思うから」11.6%
・「お金がかかるから」11.4%
・「家具や壁などに傷をつけるから」10.2%
・「地震が起きても転倒しないと思うから」10.2%
・「どうやって固定してよいかわからないから」9.8%
大津市は地震発生時における家具類の転倒による被害を最小限に抑えるため、65歳以上の一人暮らしまたは高齢者のみの世帯を対象に、家具類の転倒防止器具を無料で設置する制度を設けました。今年度までを実施期間とする事業で、初年度となる平成22年度は137世帯を対象に金物の取付けが行われましたが、各家庭における防災・減災力の向上がより一層図られるよう、補助対象世帯の拡充に努めてまいります。
|