大津市土地開発公社(以下、公社)が保有する用地費の総額は約67億2400万円(平成22年度末時点)。このうち、成安造形大学の用地以外は大津市からの依頼によるものであり、この中には長期間に渡って買戻しがなされていない、いわゆる「塩漬け土地」が存在します。
取得を依頼した当時の事業目的が存在しなくなったこと、また、都市計画道路の整備に必要な代替地として取得したものの、事業協力者が移転先として希望しなかったこと等が理由にあげられますが、事業化するまでの期間及び限度額が市議会の議決により設定されるようになったのは平成21年度予算の審査からであり、市長が長年に渡って理事長を務めてきた公社理事会のチェック機能にも問題があったと考えます。
大津市は平成21年9月に「土地開発公社の経営健全化に関する計画書」を策定しましたが、用地費約4億円に対し、大津市が公社に支払う利息が約3億円に増幅する見込みの事業が存在するなど、塩漬け土地の金利負担抑制は、財政規律をまもる上において喫緊の課題となっています。現在、大津市土地開発公社は金融機関に対して年間約1億円もの金利を支払っていますが、塩漬けの更なる長期化は将来負担の増大につながるものであり、問題を先送りしないためにも、大津市土地開発公社そのものを清算すべきと考えます。
買戻すための事業目的が見出せないことを理由に、利用可能な土地が未利用となり、地域活性化や市税収入の機会が損失してはなりません。大津市において有効な土地利用が図られないのであれば、民間に売却をして基金の積み増しにあてるべきと考えます。
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