平成19年度、経済産業省は歴史的文化価値を有する建造物や機械装置等を「近代化産業遺産」と命名し、575件について大臣認定をおこないました。認定の目的は、その価値を顕在化させ、それらを種として地域の活性化を図ることであり、平成20年度には機械工業や化学工業の歩みを物語る施設など、新たに540件の近代化産業遺産の追加認定がなされました。また、相互に関連する複数の遺産により構成される「近代化産業遺産群33」及び「近代化産業遺産群・続33」が産業史や地域史のストーリーを軸に選定されました。それぞれの産業遺産がもつ偉大さ、貴重さを伝えるものであり、大津市に位置するものは下記のとおりとなっています。
近代化産業遺産群33
■ タイトル |
外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した 観光産業草創期の歩みを物語る近代化産業遺産群 |
■ 地 域 |
滋賀県大津市 |
■ 遺産名称 |
琵琶湖ホテル産業遺産 旧琵琶湖ホテル (現びわ湖大津館) |
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■ タイトル |
京都における産業の近代化の歩みを物語る 琵琶湖疏水などの近代化産業遺産群 |
■ 地 域 |
滋賀県大津市、京都府京都市 |
■ 遺産名称 |
琵琶湖疏水関連遺産 琵琶湖疏水 |
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■ タイトル |
山岳・海峡を克服し全国鉄道網形成に貢献した
トンネル建設等の歩みを物語る近代化産業遺産群 |
■ 地 域 |
滋賀県大津市 |
■ 遺産名称 |
戦前の主要鉄道トンネル 旧逢坂山隧道(東口) |
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このうち、旧琵琶湖ホテルについては大津市の所有となり、現在は「びわ湖大津館」として(財)大津市公園緑地協会が管理運営をおこなっています。建物が持つ魅力と湖畔に面したロケーション等から、憩いの場として市民から親しまれているものの、貸会議室15室における年間平均稼働率は3割未満であり、施設の活性化に向けたさらなる取組みが必要であると考えます。
また、大津市観光交流基本計画アクションプランにおいては、まちの個性を活かした新しい魅力づくりとして、産業観光の推進が施策項目に掲げられています。旧琵琶湖ホテル、琵琶湖疎水、旧逢坂山隧道(トンネル)はいずれも施策を推進する上において活かすべき産業遺産であり、関係機関及び団体との連携がより一層図られるよう、努めてまいります。
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