登壇

9月9日、下記、4項目について質疑一般質問を行いました。答弁内容とあわせて掲載いたします。(再質問及び再質問に対する答弁など、一部、発言の趣旨を踏まえて内容を要約しています。正式な議事録ではございませんので、あらかじめご承知おきを願います。)【追記:9月10日】

 

 

〇大津宿場町構想となぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのあり方について
 
はじめに、大津宿場町構想のあり方について。大津市は庁内にプロジェクトチームを設置し「なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクト」に取り組まれています。プロジェクトの方向性として、竣工から20年以上経過したなぎさ公園の魅力とにぎわいをさらに創出すること、また、人が訪れ、憩い、周遊できる仕掛けづくりが示されています。今期通常会議に提出されている、一般会計補正予算案においても関連する予算が計上されていますが、中心市街地エリアの活性化を図るためには、「大津宿場町構想」のあり方をあわせて検討する必要があると考えます。ちなみに現在、大津市はホームページにおいて、同構想を以下のように紹介しています。
 
『大津市では、中心市街地活性化基本計画に基づき、大津駅前・港を結ぶ都市機能の集約・複合化、大津百町の歴史・文化を生かす暮らしとにぎわい創出、琵琶湖を生かす観光と環境共生のまちづくりの基本方針のもと、まちなか再生や、商店街の活性化など、中心市街地の賑わい創出に向けた取り組みを進めてきました。中心市街地エリアは東海道53次の大津宿であり、街道最大の宿場として栄え、現在でも大津百町として繁栄したまちの歴史資源が存在し、文化が継承されています。これらを踏まえ、次世代に大津宿の歴史を伝えるとともに、大津のまちにおける人の滞在期間の増加を目的に、宿場町大津の復活を目指して空き町家等の利活用と宿場町大津の魅力を伝える人材育成を図るための取り組みを進める「宿場町構想」を策定しました。』
 
引用は以上となりますが、大津市が策定したとする宿場町構想については、平成30年3月に委託業者から提出を受けた大津宿場町構想策定支援業務報告書が構想の本編として取り扱われています。「人を育て、エリアの魅力を増進させ、発信する」という方向性については賛同するものの、大津市が主体となって具体的に何を掲げているのか、市民にとって分かりづらい状態にあると評価するものです。
 
リンク:大津市ホームページ 大津宿場町構想について

 
平成30年4月には、大津市中心市街地活性化事業の成果を受け継ぎ、琵琶湖を中心に地域の歴史文化を生かしつつ、さらなる大津市中心部の恒常的かつ持続性のある活力あふれる回遊性豊かなにぎわいの創出を目指すことを目的として、「びわ湖大津まちづくり会議」が設立されました。大津市中心市街地活性化基本計画の推進を担ってきた法定協議会が解散したことを受けて設立された任意の後継組織であり、大津市中心部の活性化に寄与する事業の企画及び実施提案を行うこと、また、都市再生推進法人である株式会社まちづくり大津に対し、設立目的を達成するための検討、提言を行うための活動を行うとして、大津公共空間活用協議会等と連携が図られてきましたが、昨年度末をもって同会議は解散されたと認識しています。
 
平成30年5月に設立された大津宿場町構想実行委員会においては、大津市が提唱する同構想に基づき、宿場町大津の復活を目指し、次世代や来訪者に大津宿の歴史と魅力を伝えるとともに、来訪者の滞在時間延長を図り、民間事業者等による空き町家などの利活用を進めることにより、大津市中心市街地の活性化と発展に寄与することを目的として活動を展開されてきました。
 
これまでの間、大津まちなか大学大津百町おもてなし学部の開校、また、「リノベーションスクール@大津」の開催等を通じて、人材の育成や町屋・空き家の利活用に取り組まれてきたことに敬意を表するものですが、規約に基づき組織運営を図るうえにおいて、びわ湖大津まちづくり会議の解散は株式会社まちづくり大津、大津商工会議所をはじめとする商業観光団体、また、地域まちづくり団体等と連携を図るうえにおいて、少なからず影響があるものと考えます。
 
大津市においては令和3年3月に大津市歴史的風致維持向上計画を策定し、大津百町地域は堅田地域、坂本地域とあわせて重点区域に設定されています。同計画の副題は「わがまちの風情あるまちなみと営みを次の世代へ」と定められていますが、「人を育て、エリアの魅力を増進させ、発信する」という宿場町構想の理念を実現するにあたっては、歴史まちづくり法に基づく大津市歴史的風致維持向上協議会のもとでより効果的に取り組める体制をあらためて整備・構築されることを提言するものです。

これまで大津宿場町構想実行委員会が主体となって推進されてきた事業の多くが大津市歴史的風致維持向上計画に位置付けられたことを踏まえ、大津市は今後、どういった方針のもとで宿場町構想のあり方及び推進体制を見直していくつもりなのか。現状における課題認識とあわせて見解を求めます。
 
次に、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトに関して、2点質問いたします。
 
1点目、滋賀県が整備する(仮称)新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接する市有地の活用策について。
私は令和3年2月通常会議において、同館の整備が予定されている大津港港湾業務隣用地に隣接する市有地については、塩漬け土地であった同地を大津市土地開発公社の解散に伴い保有するに至った経緯、また、県道からの接道状況やその敷地形状を踏まえ、浜大津及び大津市全体の活性化に資するよう、県有地である同港湾業務用地と一体的に活用されるべきとの趣旨で指摘提言を行いました。
 
大津市はなぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトにおいて、浜大津周辺を「歴史・文化、都市型観光発信エリア」と位置付けられました。当該市有地については、大津市中心市街地活性化基本計画において定められていたエリア内にあり、この地にふさわしい新たな価値の創造を図るため、これまで行政財産として保持してきたとの見解を示されていますが、資材置き場などでの暫定利用が常態化しています。
 
大津港港湾業務用地約8,000㎡のうち、新・琵琶湖文化館の建築敷地は約3,000㎡と想定されていますが、残地を含めた大津港港湾業務用地全体の利活用について、大津市はどのような方針と取り組みのもと、滋賀県と将来展望を共有していく考えなのか。令和3年2月通常会議において、滋賀県の意向を確認しながら必要な協議を進めていくとの方針を示されたことを踏まえ、これまでの協議経過と現状における課題認識とあわせて見解を求めます。
 
2点目、大津市立図書館本館の移転整備に向けた取り組みについて。
 
(仮称)新・琵琶湖文化館の誘致に伴い、大津市はびわ湖浜大津駅周辺に立地する文化、芸術、社会教育に関する広域施設に求められる機能や役割について調査を深めるため、今期通常会議に提出されている一般会計補正予算案に必要となる費用を計上されています。この項の質問を行うにあたり、公文書公開請求によって、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトにおける庁内会議資料の開示を受けました。調査業務の対象となる施設のうち、大津市民会館については、現状と課題を分析され、令和3年4月に策定された立地適正化計画を踏まえながら、今後のあり方について検討が進められています。

令和2年11月通常会議において、私は執行部案として示されているゾーニングやエリアのあり方について問題提起をいたしましたが、市有施設のあり方を施設毎に単独で検討するのではなく、これからの大津市にとって必要な機能を外部の知見を交えて精査・分析し、地域の特性を踏まえて複合的に検討することは、大津市都市計画マスタープランをはじめとする各種計画の推進に寄与する取り組みであると評価するものです。
 
なお、この度の調査対象施設には、先に述べた大津市民会館及び併設される大津公民館、旧大津公会堂、スカイプラザ浜大津のほか、大津市立図書館本館も含められています。

大津市は市立図書館の目指す姿を「市民に寄り添い くらしを支える身近な知の広場 ~ひと・まちとつながる市民とともにあゆむ図書館~」と定めていますが、同館については築40年近くが経過をし、建物、設備機器の老朽化が著しく、また、15万冊収蔵の書庫に約24万冊が収蔵されているなど、狭隘化についても著しい状態にあります。

また、どなたにとっても利用しやすい図書館であってほしいと願うものですが、敷地内や隣接地に一般利用者用の駐車場は整備されておらず、施設のバリアフリー化を図る上においても多くの課題を抱えていると認識しています。
 
図書館は地域社会の活性化に資する、市民にとって必要不可欠な生涯学習の拠点施設です。大津市は図書館本館における施設面での課題とまちの魅力向上に及ぼす影響をどの様に評価されているのか。なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトにおける検討を契機として、本館の移転整備に向けた取り組みが進むことを期待し、見解を求めます。
 
最後に都市再生整備計画の策定について質問を行います。
 
大津市においては、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトを推進するにあたり、昨年度においては、「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業、また、今年度においては「既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業」の選定をそれぞれ観光庁から受け、事業実施に必要となる予算を効果的に確保されてきました。

国からの支援を継続して受けていくためにも、また、今後の取り組み方針を広く市民、事業者と共有するためにも、都市再生整備計画をあらためて作成し、社会資本総合整備計画に位置付けたうえでハード、ソフト事業に取り組まれるべきと考えます。大津市は今後、どういった方針のもと、国や県と連携を図りながら事業に必要となる予算を確保していくつもりなのか、見解を求めます。
 
【答弁:副市長】
 

まず始めに、2項目めの、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトについてのうち、1点目の(仮称)新・琵琶湖文化館建設予定地の残地を含めた大津港港湾業務用地全体の利活用について、どのような方針と取組のもと、滋賀県と将来展望を共有していく考えなのかについてでありますが、本市からの令和4年度滋賀県予算の編成にあたっての要望において、(仮称)新・琵琶湖文化館の着実な整備と大津港臨港地区の再整備等による一体的な活用について、最重点要望として要望したところであります。浜大津周辺は、魅力的な都市空間を形成し、恒常的なにぎわいを創出する「都心エリア」であることから、陸上、湖上交通の結節点である立地特性を最大限に生かし、本市の新たなゲートウェイとなるよう取組を進めていく必要があると認識しております。
 
このことから、びわ湖浜大津駅周辺の市有広域施設の利活用の検討に係る調査業務に要する経費を本通常会議に補正予算案として上程し、(仮称)新・琵琶湖文化館が整備されることによる浜大津周辺に与える影響と効果、及び歴史・文化に係る周辺地域の魅力の向上とにぎわいの創出のために、本市所有施設に求められる機能や取組について、来年度にかけて調査、整理をしようとするところです。

一方で、(仮称)新・琵琶湖文化館の敷地の範囲は、現在のところ、確定されておらず、今後、県が測量設計をする予定です。大津港港湾業務用地に隣接する市有地が、この地にふさわしい新たな価値の創造を図るため、これまで行政財産として保有してきたものであること、また本市が県に対し、(仮称)新・琵琶湖文化館の誘致を要望してきたことなどを踏まえて、まずは県の意向を確認し、(仮称)新・琵琶湖文化館の敷地についての協議を進めてまいります。
 
次に、2点目の図書館本館における施設面での課題とまちの魅力向上に及ぼす影響をどの様に評価しているかについてでありますが、施設面としては、建築後約40年が経過し、各種施設の老朽化や書庫が狭小であるなどの課題を抱えていると認識しております。
一方、図書館は、その基本的運営方針に示すように、市民の主体的な学びに対して、収集した情報を提供することなどによって、市民の豊かな暮らしを支え、また、本を通じて人づくりやまちづくりを支援する、市民にとって身近な施設であり、学び、集いの場として、都市の魅力の向上やにぎわいの創出に寄与する施設であると考えております。

このことから、まずは、(仮称)新・琵琶湖文化館の整備を契機として、図書館を含む市有広域施設それぞれが相乗効果を発揮するために、今日に求められる機能や取組について、調査、整理をしてまいります。

 

【答弁:都市計画部長】
 

大津宿場町構想となぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのあり方についてのうち、1項目めの大津宿場町構想のあり方についてでありますが、宿場町構想の現状における課題につきましては、宿場町構想、また大津宿場町構想実行委員会の位置づけやその取組が、地域の住民の皆様に対し、十分に理解されていないことが考えられます。

宿場町構想のあり方につきましては、今後、大津市歴史的風致維持向上計画の中で、大津百町重点区域として「人材育成」、「エリア魅力増進・発信」、「町家空き家活用」についての取り組みを推進してまいります。この3つの取組内容につきましては、歴史的風致維持向上協議会において事業内容や進捗状況について協議・報告をするとともに、ホームページでの情報発信や地域住民向けの勉強会などを開催してまいります。 
また、推進体制につきましては、宿場町構想実行委員会のメンバーを中心に、その他のまちづくり団体や地域住民などもメンバーに加えて、歴史的風致維持向上協議会の下で新たな組織体の設置を検討してまいります。
 
次に、3項目めの都市再生整備計画の策定についてでありますが、今後、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトの推進と、大津駅やびわ湖浜大津駅周辺などの都心エリアのにぎわいを創出するためには、市民や事業者、滋賀県を含めた関係機関等と連携して、魅力の向上、にぎわいの創出に向けた取組を進めていく必要がございます。

都市再生整備計画は公共施設の整備等を重点的に実施する区域を定め、都市の再生を効率的に推進するものであり、市街化調整区域である大津湖岸なぎさ公園などについては、水辺とまちが融合した良好な空間形成に向けて「かわまちづくり計画」を策定することにより、計画区域に加えることが可能となります。

このことから、地域住民や河川管理者である滋賀県、その他関係機関等とともに「かわまちづくり計画」を策定した上で、都市再生整備計画に位置づけることで、国の補助制度が活用できるものと考えております。
 
【再質問】
 

なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトのうち、新琵琶湖文化館の建築敷地予定地に隣接する市有地のあり方について。
2月通常会議におきましても、滋賀県の意向を確認するといった趣旨で答弁をいただいております。滋賀県に対して要望いただいた経過については、今改めて答弁をいただいたところでありますが、滋賀県の意向というのは、大津市として全く把握をされていないのでしょうか。

私、隣接地における利活用の方向性が見いだせられない中で、(仮称)新琵琶湖文化館の計画が進められていこうということに対して懸念をしております。この地域にふさわしい新たな価値の創造という観点で申し上げますと、やはり、同時並行的に隣接する市有地がどういう形で利活用されるかについては、市民の皆様、事業者の皆様ともしっかりと情報共有を図っていくべきだと考え、改めてこの項の質問を行っています。

改めて質問させていただきますが、滋賀県の意向、現時点でどのように把握・認識されているのか。また今後どういった形でその意向を認識されて、庁内に設置されている会議など、今後のまちづくりに反映されていかれるつもりなのか、改めて答弁を求めます。
 
【答弁:副市長】
 

この琵琶湖文化館の隣接地について、県の意向をというのは現時点でどういうふうに聞いているかということと、今後どう対応していくかというようなご質問だったかと思います。

まず県の意向の部分でございますけれども、大津市から滋賀県に対して、仮称新琵琶湖文化館の着実な整備と大津港臨港地区の再整備等による一体的な活用について要望させていただいております。臨港地区というところに、議員ご指摘の土地も含まれますので、そういった要望をさせていただいた中で、県の方からはこういった市からの要望に対して、今後、よく協議をしながら検討していきたいというような、趣旨の話があったと認識しております。

 
議員お述べの部分の土地についての具体的な活用の意向というのはまだ県の方から示されておりませんけれども、琵琶湖文化館の整備というものが今後進められる中で、同時並行的に検討を進める必要があるということについては議員ご指摘の通りだと思いますので、引き続き県とよく状況を確認しながらですね、この琵琶湖文化館の整備と、うまくスケジュール的な遅れが生じないよう県としっかりと協議をしていきたいと思います。

 
【再再問】
 

現時点において、滋賀県から大津市に対して意向や方針というのは何ら示されていないというふうに認識させていただいてよいのでしょうか。その確認だけさせてください。
 
【答弁:副市長】
 

今議員のご確認の点でございますが、現時点においては、県から琵琶湖文化館の建設予定地の隣接についての利活用についての具体的な意向というのは示されておりません。

 

 

〇庁舎整備基本構想策定に向けた取り組みについて
 
令和3年6月通常会議において、庁舎整備基本構想の策定に当たって市民意見を聴取しない理由と同基本計画の策定着手までに行うべき取り組みに関して指摘提言を行いましたが、執行部からの答弁内容を踏まえ、以下、あらためて2点、質問を行います。
 
1点目、外部有識者による懇話会について。
 
今期通常会議に提出をされた大津市一般会計補正予算案に庁舎整備検討事業費として、庁舎整備基本構想策定に係る外部有識者による懇話会の運営経費が計上されました。当該懇話会は建築、設備、都市計画、防災、環境、ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革すること意味する「デジタル・トランスフォーメーション」の専門家など7名によって組織され、計3回の開催が予定されています。

今年の8月には庁内組織である庁舎整備推進本部会議が開催をされていますが、懇話会を設置するまでに庁舎整備候補地は決定しているものと理解してよいのでしょうか。また、懇話会の委員には実務に即した相当な専門性が求められます。大津市による人選はどのような形で行われることになるのか。開催回数を計3回と見込まれた根拠とあわせ、見解を求めます。
 
2点目、市民意見聴取のあり方について。
 
大津市庁舎整備基本構想策定支援業務の仕様書には、事業の推進に当たっては非常に膨大な事業費を要するため、市民の意見をしっかり聞いて整備方針等に反映していき、市民に理解をいただける庁舎整備事業となることが不可欠と記されています。令和3年6月通常会議、私は、いつの時点で市民意見を聴取する方針なのか、大津市に見解を求めましたが、明快な答弁をえることができませんでした。

あらためて申し上げるまでもなく、市民理解を得ながら検討を進めていくことは、基本構想、基本計画、基本設計、実施設計と庁舎整備に向けた業務を進めていくにあたり、何より重要となります。基本構想の策定期間である今年度中に市民を対象としたアンケートの実施、パブリックコメントの実施等は予定されていないと認識していますが、大津市はどの時点で市民意見を聴取する方針なのか。基本構想の策定にあたって、市民意見を聴取されない理由とあわせて見解を求めます。
 
【答弁:総務部長】
 

1項目めの外部有識者による懇話会についてのうち、1点目の懇話会を設置するまでに庁舎整備候補地は決定しているのかについてでありますが、懇話会の設置は10月を予定しているところであり、その段階では実現可能性の評価に関わらず複数の候補地の想定の提示を目指す考えであります。
 
2点目の懇話会の委員の人選はどのような形で行われるか、開催回数を3回と見込んだ根拠についてでありますが、委員については本市の各種審議会等や他市での同様の委員の実績を有する方々の中から選んでいきたいと考えております。

また、開催回数につきましては、策定作業の進捗を勘案し、今年度において概ね2ヶ月ごとの開催を考えていることから3回としたものです。

2項目めの市民意見聴取のあり方についてでありますが、前回の議会でもご答弁させていただいたとおり、基本計画に至るまでに市民の皆様のご意見を聴取することは必要であると認識していることから、現在の基本構想策定支援業務に市民アンケート業務を追加し、基本構想の案に対して市民のご意見を聴取し、構想案に反映した上で基本構想として取りまとめたいと考えております。
 
【再質問】
 

まず、外部有識者による懇話会について。複数の候補地の想定、意図されているところが理解しきれませんので、もう少し詳しくお聞かせをください。
 
次に開催回数について。3回で十分なのかと懸念をいたします。様々な諸課題がある中で本当にこの3回という回数、また、せっかく設置をいただく懇話会でありますので、基本構想の策定期間内だけで設置いただくのが、基本計画また基本設計に向けて、望ましものなのか。
改めて伺いますが、基本構想策定期間内における計3回、この回数をもって懇話会の役割をしっかり果たしていただけるものかどうかについて、改めて見解を求めます。
 
最後、市民意見聴取のあり方について。構想案に対して市民意見を聴取いただき、その結果を踏まえて最初の案、すなわち「基本構想」としていただけるとの答弁であったと理解いたしました。市民意見を聴取される時点においては、複数の候補地があるとの答弁であったと思うのですが、目指されているところは、基本構想の策定期間内において、大津市が望ましいとする候補地を絞り込みされる考えでおられるのか。今後のスケジュールとあわせて、改めて見解を求めます。
 
【答弁:総務部長】
 

まず1点目、複数の候補地の想定ということで、先ほど答弁申し上げました通り、実現可能性の評価にかかわらず、想定される複数の候補地、これを提示して、懇話会の場で議論をいただきたい、このように考えております。
 
それから、懇話会の回数、今後の会議運営の進捗にもよろうかと思います。特に今回、先ほどご答弁申し上げました通り、アンケートを追加するということにさせていただいた、そういったことで検討期間も少し延びるということでありますので、その中で回数のことについては、進捗に応じて対応していきたいというふうに思います。
 
構想の期間内のみで終わるのかというご質問、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関しましては日進月歩であり、委員すべてを包括するというわけではなく、分野を選定する中で、基本計画においても委員さんを活用させていただくということは、可能性としてあるというふうに考えております。
 
それから、最後候補地の絞り込みについてであります。基本構想を策定してその次に基本計画に移っていきたいと思いますが、基本計画の段階で複数の候補地を検討することは計画を複数案持ってしまうことになります。非常に時間もかかってしまいますので、その段階では、できれば1候補地に絞っていきたいと考えております。

それがただ、基本構想の中で、アンケートする前なのか、或いはアンケートをしたあと、そこで絞り込むのか、それについては今後の庁舎整備推進本部会議、或いは外部有識者の意見、またアンケートの内容をどうするかによっても決まってくると思いますので、それに応じて検討していきたいと考えております。
 
【再々質問】
 

市民アンケートを行っていただくには予算が必要となります。議会に対して、また市民に対して、どの様な形で理解を求められていかれるつもりなのか、また、必要な説明を行っていただけるのか、答弁を求めます。
 
【答弁:総務部長】
 

アンケートに関する予算、これはアンケート内容であったりサンプル数であったり、或いはどのような分析をするかによって、規模が決まってくるかと思います。その段階でまた現計の予算内での対応も含め、今の契約の変更で対応していきたいとも思いますが、いずれにしましても、議会には改めて説明をさせていただきたい、このように考えております。

 
 
 
〇避難情報の発令を危険な場所からの避難行動につなげるための取り組みについて
 
令和3年8月14日、私が住まいする滋賀学区の土砂災害警戒区域等を対象に「警戒レベル3」に該当する「高齢者等避難」が発令されました。大津市消防団に所属をしており、当日は滋賀分団の一員として、発令時間、発令地区、発令理由、避難場所等が記された赤色の伝達文を対象世帯に配布しました。

内閣府が定める「避難情報におけるガイドライン」において、高齢者等避難における「高齢者等」とは、「避難に時間を要する又は独力で避難できない在宅又は施設を利用している高齢者や障害のある人等、及び避難を支援する者」と定義づけられていますが、警戒レベル3は「高齢者等」以外の方も必要に応じ、出勤等の外出を控えるなど普段の行動を見合わせ始めたり、避難の準備をしたり、自主的に避難するタイミングともされています。

新たなガイドラインが策定されて日が浅いこともあり、8月14日当日、「警戒レベル」に関するご質問を数多くいただきましたが、当該ガイドラインの改定によって「避難勧告」が廃止をされたこと、また、警戒レベル5「緊急安全確保」ではなく、警戒レベル4「避難指示」までに必ず避難いただく必要があることを、より分かりやすい形で周知していくことの重要性を再認識いたしました。
 
気象庁は大雨による災害発生の危険度の高まりを地図上で確認できる「キキクル」(警報の危険度分布)公表しています。「キキクル」という名称は『危機が来る』に由来しており、雨による災害の危険度が5段階に色分けされています。警戒レベルとの関係性も分かりやすく、当該ホームページのQRコードを避難情報の発令に伴う伝達文に記すことは危険性をタイムリーに把握いただくうえにおいて、大変効果的であると提言するものです。大津市はこの度の「高齢者等避難」の発令を通じて明らかとなった課題をどの様に捉え、今後の防災活動に活かしていく方針なのか。見解を求めます。
 
【答弁:危機管理監】

 

3項目目の避難情報の発令を危険な場所からの避難行動につなげるための取り組みについてのうち、「高齢者等避難」の発令を通じて明らかとなった課題と今後の方針についてでありますが、「高齢者等避難」が、避難に時間を要する方に、早く避難を開始してもらう目的の発令であることなど、発令する避難情報の趣旨をさらに周知していく必要があると考えております。
 
本年5月に内閣府の「避難情報に関するガイドライン」が改定され、これに基づく新たな避難情報の内容については、これまでも広報おおつへの掲載や報道機関の協力を得て、市民の皆様に周知を行ってまいりましたが、避難情報が発令された際の迅速かつ適切な避難行動につなげるため、今年度全戸配布を予定しているハザードマップの裏面にわかりやすく掲載するなど、今後も引き続き周知に努めてまいります。
 
【答弁:消防局長】
 

避難情報の発令を危険な場所からの避難行動につなげるための取り組みについてのうち、「キキクル」のホームページのQRコードを避難情報の発令に伴う伝達文に記すことについてでありますが、消防局では、国が示す「避難情報に関するガイドライン」改正の趣旨等を踏まえ、避難情報伝達カードの配布・活用方法を改めて検討しなければならないと考えております。

市民一人ひとりが、迅速かつ安全に、危険な場所からの避難行動につなげていただけるよう、避難情報伝達カードへのQRコードの追記も含めて、今後、検討してまいります。

 

 
 
〇コロナ禍におけるICTを活用した自宅での学習のあり方について
 
教育長は2学期の開始にあたり、児童・生徒のみならず、保護者に向けてもメッセージを発出されています。今日における新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、子どもたちの学びを保障し継続することが大切との考えを述べておられますが、今後の感染拡大状況によっては、午前中授業のさらなる継続も想定されるところです。児童生徒は午後から自宅で学習に取り組むことになりますが、タブレット端末を活用した学習のあり方について、大津市教育委員会はどの様な方針を各校に示されているのでしょうか。現状における課題認識とあわせて見解を求めます。

 
また、感染拡大に伴って、学校、学年単位での休校が増加する可能性があります。隣接する草津市においては臨時休校等により、一定の期間、児童生徒がやむを得ず学校に登校できない場合については、教材等を活用した学習とともに、同時双方向型のオンライン授業や授業動画等のオンデマンド配信、ウェブサイトを活用した指導等を実施する方針を教育委員会事務局のホームページで明らかにされています。

全市的な対応を教育委員会として詳細に明らかにされていることは、保護者はもとより、児童生徒の安心にもつながると考えます。大津市教育委員会においても、学校、学年単位での休校を想定した対応をより具体的に示されるべきと考えますが、現在の取り組み状況に対する評価とあわせ、本市の見解を求めます。
 
【答弁:教育長】
 

1項目めのタブレット端末の活用についてでありますが、情報化社会が一層進展するなか、これからの学校教育において、タブレット端末は授業での日常的な活用のほか、臨時休業等における家庭での利用等、学習を保障するという観点から、大変重要なツールであると考えております。

今年4月から、タブレット端末の活用が本格的に開始され、様々な場面で活用されるようになってまいりましたが、教員のICT活用指導力や学校間の活用頻度に差も見られます。これらの課題に対して、教員研修の充実や機器のトラブル時に適切な支援を行い、これまでの教育で培ってきた教育実践を大切にしながら、本市のICT教育を一層推進していきたいと考えております。
 

次に2項目めの、クラス単位での臨時休業を想定した対応についてでありますが、現在、市内小・中学校においては、臨時休業をはじめ、感染及び濃厚接触による出席停止や感染不安などにより、登校できない児童生徒もおり、学習保障の観点から、オンラインによる学習を充実させる必要があると考えております。

このことから9月10日までにすべての学校で、タブレット端末の家庭への持ち帰りを実施し、家庭の通信環境におけるインターネット接続等の確認を行っているところです。

今後は、教科書やプリントの活用に加え、オンライン教材や、ウェブ会議システムを活用した双方向型学習等を行うことで、子どもの学びを保障していきたいと考えており、このことについて、学校に通知すると共に教育委員会のホームページに掲載してまいります。

 

«
»