仙台ラウンドテーブル
所属する公益社団法人日本建築家協会(The Japan Institute of Architects)が発行する「JIA MAGAZIN」2021年1月号に掲載された記事のうち、東北支部宮城地域会の取り組みを紹介した「 震災復興から見えてきた新しい地域社会と専門家の役割」が強く印象に残りました。仙台市役所財政局理財部本庁舎建替準備室、宮城県建築士会、宮城県建築士事務所協会、JIA東北支部宮城地域会、四者による座談会を紹介した記事であり、合意形成のあり方について、それぞれの立場で意見が述べられています。
仙台市においては、本庁舎の建て替えに向け、検討が進められています。
リンク:仙台市ホームページ 仙台市役所本庁舎建て替えの検討状況
大津市においても参考にすべきと考えるのは、「仙台ラウンドテーブル」における取り組みです。
特筆すべきは、主催者が仙台市、宮城県建築士会、宮城県建築士事務所協会、JIA東北支部宮城地域会という点です。
仙台ラウンドテーブル(市民と専門家による仙台市役所本庁舎建替えシンポジウム)における取り組みを開催案内チラシに記された内容を引用して紹介いたします。
第 1 回仙台ラウンドテーブル「市役所(シティホール)を考える」
「仙台市役所本庁舎建替え」は、その建築的なあり方だけでなく、今後百年の、市政や市民協働・市民参加の在り方、仙台市中心部のまちづくりに大きな影響を及ぼします。この重要なプロジェクトに際し、仙台市と地域の建築系専門家が協働して、みんなで考える場を設けました。「仙台ラウンドテーブル」は円卓形式で「私たちのシティホール」を考える誰にでも開かれた場です。市民・行政・支援者・事業者・様々な専門家たちが一堂に集い、様々な視点で議論を展開します。
共通テーマ:市役所建替えプロジェクトの意味と意義についてみんなで考える。
前半ラウンドテーブル
「市民の視点からみた市役所建替えプロジェクトの意味と意義」
テーブル A 【市民参加 ・ 市民協働の視点から】計画プロセスと運営を考える
テーブル B 【日常的な市民利用の視点から】市民のための「シティホールとは何か」を考える
テーブル C 【市民イベントや観光など非日常的な利用の視線から】市役所を考える
後半ラウンドテーブル
「都市・まちづくりの側からみた意味と意義/場所の価値づくり」
テーブル D 【他都市との比較の視点から】「仙台らしさ」を考える
テーブル E 【まちづくりの視点から】界隈や定禅寺通への波及効果 ・ 相乗効果を考える
テーブル F 【過去から未来への視点から】時系列の中での市役所の在り方を考える
第2回仙台ラウンドテーブル「みんなの市役所(シティホール)を模索する」
「仙台市役所本庁舎」は「仙台市」という行政の姿を象徴的に示す建物であり、その建替えは建築行為だけではなく、今後百年の、市政や市民協働・市民参加の在り方、仙台市中心部のまちづくりに大きな影響を及ぼします。この重要なプロジェクトに際し、仙台市と地域の専門家が協働して、みんなで考える場を設けました。「仙台ラウンドテーブル」は、様々な立場からのまなざしや意見を整理し、あらゆる観点から見て納得できる合理性を組み立てることを目標としています。「仙台ラウンドテーブル」では、次の三つのことを大切にします。
①誰にでも広く開かれた場であること。
②様々な意見を受け入れ取り入れること。
③地域の専門家が中心となって責任ある議論をすること。
「仙台ラウンドテーブル」は、何かを決定する場でもなく、見つけた論理を誰かに押し付けるものでもありません。しかし「広く開かれ整理された論理」には、誰もが納得せざるを得ない強さがあります。ぜひ皆様の貴重なご意見をこのテーブルにお寄せください。
共通テーマ:市民のための本庁舎建替えプロジェクトをみんなで模索する。
前半ラウンドテーブル
テーブル A1
様々な市民の視点から「大きな都市ビジョン」を考える
それぞれが思う都市ビジョンを共有し、大きな都市ビジョンを官民連携で考える
テーブル B1
「これからの仙台を担う仕組み」を公共・市民協働の側面から考える
市民協働・新しい公共の在り方から「公共を担う仕組み」を考える
テーブル C1
「基本計画検討委員会資料」をレビューし、様々な市民目線を網羅する
既存本庁舎の価値を議論し、建替え手順や建物配置・規模・スカイラインの構成を考える
後半ラウンドテーブル
テーブル A2
様々な市民の視点から「大きな都市ビジョン」を考える
いまここから、大きな都市ビジョンをどう形成するかをみんなで考える
テーブル B2
「これからの仙台を担う仕組み」を公共・市民協働の側面から考える
「市民と議会と行政」の関係から「公共を担う仕組み」を考える
テーブル C2
「基本計画検討委員会資料」をレビューし、様々な市民目線を網羅する
低層部を中心にレビューし、低層部の必要機能を考える
第3回仙台ラウンドテーブル「地域コアとなる市役所(シティホール)を育む」
「仙台市役所本庁舎の建替」は今後百年の、市政や市民協働の在り方、まちづくりに大きな影響を及ぼします。この重要なプロジェクトに際し、仙台市と地域の専門家が協働して、市民がみんなで考える場を設けました。これまでのラウンドテーブルでは、震災復興の過程で再認識した「ゆるやかな合意形成による社会運営を風土とする東北」の中心であるという都市ビジョンが共有され、それを踏まえた私たちの市庁舎は、市民協働の土壌を活かした新しい民主主義・市民社会の象徴であるべきことが、おぼろげながら見えてきました。
「仙台ラウンドテーブル」は、様々な立場からの意見を重ねることにより、議論に厚みを加え、考えの幅を担保し、議論の中心が何処にあるのかを、みんなで共有していくことを目標としています。「仙台ラウンドテーブル」では、次の三つのことを大切にします。
①誰にでも広く開かれた場であること。
②様々な意見を受け入れ取り入れること。
③地域の専門家が中心となって責任ある議論をすること。
「仙台ラウンドテーブル」は、何かを決定する場でもなく、見つけた論理を誰かに押し付けるものでもありません。しかし「広く開かれ厚みを持った議論」は、誰をも納得させる強さを持ちます。ぜひ皆様の貴重なご意見をこのテーブルにお寄せください。
共通テーマ:市民のための本庁舎建替えプロジェクトをみんなで模索する。
前半ラウンドテーブル
テーブル A1
「都市ビジョン」の一翼を担う市役所本庁舎とは何かを考える
中心部他施設とのネットワークから「市役所(シティホール)」が担う役割を考える
テーブル B1
「これからの仙台を担う仕組み」を考える
市民協働・これからの仙台を担う仕組みから「市役所(シティホール)」を考える
テーブル C1
「基本計画検討委員会資料」をレビューし、様々な市民目線を網羅する
基本計画検討委員会資料レビューする
後半ラウンドテーブル
テーブル A2
「都市ビジョン」の一翼を担う市役所本庁舎とは何かを考える
周辺エリアのビジョンの一翼を担う「役所市(シティホール)」を考える
テーブル B2
「これからの仙台を担う仕組み」を考える
低層部の必要機能と運営手法を考える
テーブル C2
「基本計画検討委員会資料」をレビューし、様々な市民目線を網羅する
勾当台エリア・新本庁舎を環境の視点から考える
リンク 仙台市HP:市役所本庁舎建て替えシンポジウム「仙台ラウンドテーブル」の報告書を作成しました
以前、NPO法人の運営に関わる立場にて、「ラウンドテーブルしが(滋賀県における協働事業)」で世話人を務めていました。
様々な課題をテーマに意見交換や課題抽出を行ってきましたが、異なる立場、視点で意見を交わすことは、相互理解を深めるうえにおいても大変意義深いと感じてきました。
大津市は庁舎整備に向け、基本構想を策定する方針を示しています。
「仙台市ラウンドテーブル」を仙台市と共に主催されてきた建築士会、建築士事務所協会、建築家協会(JIA)は全国組織であり、滋賀県においても組織されています。
大津市においても市民との合意形成を図るうえにおいて、また、協働のまちづくりを推進する観点から、地域で活動・活躍される専門家に協力を求めることの意義は大きいと考えます。
そのためにも、庁舎整備に特化した組織の設置は必要不可欠です。
繰り返しになりますが、庁舎整備に係る情報提供(これまでの経過、課題認識、今後のスケジュール等)の充実と組織体制のさらなる強化を今後も求めてまいります。