7月特別会議
7月17日、7月特別会議に提出をされた議案のうち、一般会計補正予算について下記、質疑を行いました。
議案98号 令和2年度大津市一般会計補正予算(第4号)について
〇「新しい生活様式」に沿った結婚披露宴の開催応援金について
(予算計上されるに至った経緯と経過について)
市内の会場で、感染症予防対策を講じた上で開催される結婚披露宴への応援金として、事務用消耗品、郵送料50万円をあわせて1,050万円の予算が計上されています。
給付金額は1組あたり5万円で先着200組、二人の内いずれかが大津市民で10人以上かつ10万円以上の結婚披露宴を開催した方が補助金支給の対象になり、会場が発行した領収書及び感染症予防対策確認シート等の提出を求めると説明を受けています。
「大津市新型コロナウイルス感染症対策パッケージ(第3弾)」として編成された7月補正予算においては、感染防止対策、生活・子育て対策、経済・「新しい生活様式」対策を実現するため、数多くの事業費が計上されていますが、当該事業は若手職員提案事業であることを強調されたうえ、提案説明に臨まれています。
若手職員による提案事業については、「コロナに負けるなプロジェクト」と命名されており、他の事業と政策形成過程が異なるとの印象を受けました。当該事業費はどういった経緯・経過をもって、予算化されるに至ったのか。
(事業実施の効果について)
質疑の通告にあたり、所管部から大津市結婚披露宴等応援給付金支援要綱の案について資料提供を受けました。当該要綱は、市長が指定する期間内において、新型コロナウイルス感染症予防対策を講じた本市内の結婚式場等で結婚披露宴を開催する者に対し、予算の範囲内において給付金を給付することにより結婚披露宴等の開催を推奨し、もって新しい生活様式の定着と第2波、第3波への備えに資することを目的に策定されるものであり、「配偶者等」「結婚披露宴等」「結婚式業者」「結婚式会場等」の用語が定義づけられています。
1組あたり5万円を給付することによって、地方自治体である大津市が結婚披露宴等を推奨、すなわち、すすめることによって、新しい生活様式の定着と第2波、第3波への備えに資するとされていますが、期待される効果をどのように評価されたうえで事業を実施されようとしているのか。
(結婚披露宴等の定義について)
大津市結婚披露宴等応援給付金支援要綱案において、「結婚披露宴等」とは、「結婚を披露するために催す結婚披露宴その他の飲食を伴う会席」と定義づけられていますが、会費の徴収をもって開催される、二次会や三次会等といった催しも支給の対象に含まれるのか。収支実態を給付要件に含められなかった理由とあわせて答弁を求めます。
〇「新しい生活様式」に向けた非来館型の図書館サービス整備経費について
(選書について)
「新しい生活様式」に向けた非来館型の図書館サービス整備経費として、電子図書5,000タイトル導入関連経費に要する予算、2,000万円が計上されています。
全額、国費を活用しての事業と説明を受けていますが、書籍の選書はどのように実施されることになるのか。選書にあたっては、大津市立図書館が責任をもって、主体的に関与すべきと考え、見解を求めます。
(今後の取り組みについて)
電子図書のさらなる充実を図るのであれば、計画性をもって取り組んでいく必要があります。今後、大津市教育委員会はどういった方針のもと、電子図書の充実に取り組んでいく考えなのか。財源確保に向けた方針とあわせ、見解を求めます。
午後から開催された予算決算常任委員会生活産業分科会における審査内容を踏まえ、同委員会全体会において、令和2年度大津市一般会計補正予算(第4号)の組み替えを求める動議を提出いたしました。
本会議においてもあらためて提出をいたしましたが、賛成少数につき、動議については否決をされました。
参考:令和2年度大津市一般会計補正予算(第4号)の組み替えを求める動議
組み替えを求める理由(下記記載については、上記動議より引用)
(1) 「新しい生活様式」に沿った結婚披露宴の開催応援金の給付に要する1,050万円について
大津市結婚披露宴等応援給付金支援要綱案によると、市長が指定する期間内において、新型コロナウイルス感染症予防対策を講じた本市内の結婚式場等で結婚披露宴を開催する者に対し、予算の範囲内において給付金を給付することにより結婚披露宴等の開催を推奨し、もって新しい生活様式の定着と第2波、第3波への備えに資することを目的としているが、収支実態に関わらず、いわゆる披露宴の二次会等といった宴席の開催費用についても支給の対象に含まれている。
また、当該事業は給付金額として、1組当たり5万円を想定されているが、コロナ禍のもと、会場のキャンセル料の発生や、その他経済的な事情等から、披露宴の開催が困難な市民を対象とする事業ではない。
新しい生活様式の定着と新型コロナウイルス感染症拡大の第2波、第3波への備えに資することを目的とするのであれば、滋賀県とも連携を図りながら、感染予防のための設備等の充実に取り組まれるホテルや飲食店等を運営される事業主に対し、必要となる整備費用等の支援をされるべきであり、当該予算措置は適切でない。
(2) 「新しい生活様式」に向けた非来館型の図書館サービス整備経費のうち、電子図書導入関連経費2,668万3,000円について
当該予算については、全額が国からの地方創生臨時交付金を活用するものとなっているが、事業者との契約に基づき設定される期限を超えたもの、また、貸出回数の上限に達したものについては、更新のために改めて予算措置が必要となり、さらなる充実が望まれる蔵書の購入に及ぼす影響も懸念される。
電子図書を導入されるに当たっては、大津市の図書館運営についての諮問機関として、また、広く市民、有識者等の意見を図書館運営に反映されるために設置されている大津市図書館協議会での協議を経る必要があると考えることから、現時点での予算措置は時期尚早である。
(3) 「新しい生活様式」を踏まえた環境負荷低減対策費600万円について
当該予算は、新しい生活様式の定着と環境負荷低減対策を目的とした宅配バッグの普及を図るため、当該バッグの価格4,000円のうち、大津市が3,000円を負担することによって、2,000世帯が1,000円の負担で購入できるようにするものである。
しかしながら、現時点において既に事業者が決定をしており、商品ありきの事業と言える。大きさや仕様等についても選択の余地はなく、予算編成過程における公平性、透明性に欠ける。
参考:令和2年7月市議会特別会議予算決算常任委員会生活産業分科会 資料「宅配バッグ」普及事業について
2 組み替えの内容
上記3件の事業に措置された予算を削除した上で、市民及び事業者にとって、より緊急性の高い予算に充当することを求める。
……引用終わり……
議会図書室に「われらの図書館」という書籍が配備されています。
東京都日野市立図書館長、滋賀県立図書館長等を歴任なされた前川恒雄氏による著作であり、図書館のあるべき姿について理解を深めたうえで質疑に臨みました。
大津市が「新しい生活様式」に向けた非来館型の図書館サービス整備経費として、電子図書5,000タイトル導入関連経費に要する予算、2,000万円を計上するにあたり、民間事業者から徴取された参考見積を質疑に先立ち、確認をいたしました。
品目:電子書籍ライセンス(平均単価)
数量:5,000
単位:タイトル
税込価格:4,000
金額:20,000,000
備考欄には「公立図書館での貸出、閲覧等の許諾クリアの商用電子書籍です」「タイトル確定前の概算見積となります(過去発注分の平均単価にて算出しています)」「選定ご希望のタイトルが確定しましたら、再見積させていただきます」との記述がありましたが、いわゆる「一式計上」です。
なお、神戸市においては、平成30年6月から「KOBE電子図書館」を施行実施されてきました。
令和2年4月をもって終了される予定でしたが、新型コロナウイルス対策のため、年末まで延長されると広報されています。
リンク:神戸市ホームページ「KOBE電子図書館」試行実施
組替動議でも述べましたが、電子図書の導入については、大津市図書館協議会の議論を踏まえて方針を決定すべきと考えます。