登壇
12月3日、下記4項目について質疑一般質問を行いました。選挙公約「タニフェスト」の実現を目指し、これからも指摘と提言を重ねてまいります。
参考:大津市議会インターネット議会中継 令和元年11月通常会議 谷 祐治 質疑一般質問
令和元年11月通常会議 谷 祐治 質疑一般質問(要約)
〇湖都大津にふさわしい地域循環社会の実現に向けた取り組みについて
現在、大津市においては廃棄物減量推進課が中心となって、琵琶湖と瀬田川に植生する水草の堆肥化に取り組んでいます。平成30年度においては、特定外来生物であるオオバナミズキンバイの種子が死滅をしているか、実際にサツマイモの苗などが植えられ、発芽の有無について確認が行われました。この事業は環境省の確認を得て実施されており、モニタリング期間は令和元年度末となっていますが、作物は大きく育ち、堆肥の品質に問題はないとの評価が得られていると認識しています。資源循環社会を実現するためにも、地域資源ともいえる水生外来生物の堆肥化を促進すべきと考えますが、今後、どういった方針のもとで取り組んでいくつもりなのか。
また、大津市企業局においては、湖都大津・水道ビジョンに基づき、浄水工程で発生する土を再利用して植栽土壌とする事業に取り組んでいます。一般の植栽土壌と比べて、その重さは体積比で6割程度であり、特有の臭いも全くありません。セメント材料の副資材として活用するよりも、財政的効果は大きく、そしてなにより、琵琶湖を水源とする大津市にとって、環境面においても有意義な取り組みであると評価するものです。
今後はオオバナミズキンバイを含む水生外来生物の堆肥などをブレンドし、大津市内の公園や学校園等で有効活用が図られるよう、取り組みを進めるべきと提言するものです。大津市が取り組む国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の推進にも寄与すると考え、見解を求めます。
〇災害対応力の強化に向けた取り組みについて
1点目、水防対策の強化に向けた取り組みについて。平成31年3月19日、水防法の改正を踏まえ、滋賀県は淀川水系琵琶湖ならびに同大戸川について、また、国土交通省近畿地方整備局は淀川水系瀬田川上流(瀬田川洗堰以北)の区間について、洪水浸水想定区域を新たに指定しました。近年、各地で浸水被害が多発していることを受けての対応であり、想定し得る最大規模の洪水で区域の拡充が図られ、浸水深の表示についても見直しが行われました。立ち退き避難の要否判断等に活用できる情報として、浸水継続時間が新たに設定をされましたが、氾濫流・河岸浸食による家屋倒壊等の危険性については、国・県とも連携を図りながら、水防対策の強化に向けた取り組みとあわせて周知されるべきと考えます。今後、大津市は都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画において、生活サービスや地域コミュニティの確保などを目指す居住誘導区域を定めることになりますが、洪水時に家屋が流出・倒壊等のおそれがある「家屋倒壊等氾濫想定区域」における災害リスクに対する評価をどういった方針のもとで行っていくつもりなのか。
また、琵琶湖からの浸水は水位が下がるまで時間を要することになります。湖岸に立地するマンション等においては、いわゆる垂直避難による安全の確保が想定をされますが、電気・ガス・水道・トイレ等が使えない環境のもとでの避難生活が長期化するおそれがあります。福祉避難所を含む指定避難所の安全性を再確認することはもとより、大規模な水害発生時においては、広域に及ぶ避難所の開設状況を迅速かつ適切に情報発信する必要がありますが、洪水浸水想定区域のあらためての指定を踏まえ、どういった方針のもとで取り組みを強化していく考えなのか。
追記:現時点においては、最大水位の見直しにより、BSL(東京湾を基準とした琵琶湖の平均水位)+2.6と想定されています。
2点目、停電対策の強化に向けた取り組みについて。昨年の9月、台風21号の襲来によって、大津市内においても大規模な停電が発生しました。関西電力における対応体制が不十分であったこともあって、市民からの問い合わせが大津市に殺到、長時間にわたって危機・防災対策課の本来業務に影響が及びました。当時、大津市長は関西電力滋賀支社に対して、今後の対策強化を要望いたしましたが、早期復旧に向けた対応については、両者が連携して行っていく必要があります。特に復旧作業の妨げとなる障害物の除却に関する情報は迅速かつ的確に共有する必要があり、停電が長期する地域を対象としたポータブル発電機の貸し出しについても、役割分担を明確にしておかなければなりません。
本年は関東地方・東北地方において、台風を原因とする大規模な停電が相次ぎました。高圧線の通電をもって復旧地域とされたにも関わらず、屋内配線の安全性が確認できず、送電ができないことによって、家庭の電気がつかない、いわゆる「隠れ停電」が数多く発生したと認識しています。今後、大津市においても被害拡大の防止、また、早期復旧を実現するためにも、関西電力とは情報共有を図りながら連携体制をより強化していく必要があります。災害発生状況を踏まえた課題認識と今後の対応方針について見解を求めます。
3点目、中消防署用地の選定に向けた取り組みについて。平成29年10月2日、大津市議会において、「必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、中消防署用地の早期選定を求める決議」が全会一致で決議されてから2年以上が経過をしました。私は決議案を議会に提出した議員の一人として、いまもって中消防署用地の選定どころか、絞り込みすら行われていない現状に強い危機感を覚え、どういった方針のもとで早期選定を実現しようとしているのか、令和元年6月通常会議において、それぞれの候補地を対象に行われた検討の経過とあわせて見解を求めました。
大津市消防局からは、別所合同宿舎及び大津市役所別館現地建替の2箇所2候補地に絞り込みを進めたこと、また、びわこ競艇場駐車場については、管轄バランス、法令上の規制、近隣との関係や接道等に一定の評価をしているものの、まずは当該敷地を所管している滋賀県の意向等を十分に確認し、新たな候補地として成りえるかを見極めていくとの方針が示されましたが、救急・救助活動を担う中消防署の整備は、本市喫緊の課題です。大津市長は整備用地の早期選定に向けた検討を自らの責務として、より一層加速させなければなりません。別所合同宿舎及び大津市役所別館現地建替の2箇所2候補地ならびにびわこ競艇場駐車場を対象に行われた検討経過ならびに当該用地の分割活用を前提にした財務省近畿財務局及び滋賀県との協議経過を災害対応拠点でありながら、必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた検討の進捗とあわせて答弁を求めます。
4点目、指定避難所を開設するうえでの課題について。令和元年9月15日、大津市総合防災訓練が大津市立藤尾小学校にて開催されました。所属をする公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会においては、大津市との間で「災害時における避難施設等のセーフティチェックに関する協定」を締結しており、避難所となる体育館において実施された被災建築物応急危険度判定の訓練に参加をしてまいりました。同地区委員会においては、昨年度から危機・防災対策課が所管する避難所担当員を対象とした研修の運営に参画をしています。大地震が発生した際、まずもって派遣されるのは大津市の職員である避難所担当員であり、建築士会に対する派遣依頼はさらなる安全確認が必要と判断された場合に想定されることから、訓練においては判定業務の手順のほか、未来まちづくり部建築課からの連絡体制の確認もあわせて行われました。また、避難所担当員を務められる市職員からは、安全確認をする際に留意すべき事項等について、多くの質問が被災建築物応急危険度判定士の資格を有する建築士によせられましたが、避難所を開設いただくにあたって、当事者意識をもって訓練に参加していただくことの意義をあらためて実感いたしました。
現在、各学区においては、自発的な防災活動の指針となる地区防災計画の策定に取り組まれるなど、地域防災力の向上を自助・共助・公助の力を合わせることによって、実現されようとしています。大地震が発生した際、多くの市民は自主的に最寄りの指定避難所へ避難されると考えますが、避難所担当員が配置されている避難所は市立小中学校の体育館に限られています。いずれの避難所を開設するかについては、災害対策本部が決定することになりますが、一時避難場所において、避難者による避難所の開設確認が町内会単位で行われるとは限りません。そもそも、避難所担当員が配置されていない指定避難所においては、県立・私立学校や指定管理者制度が導入されている施設を含め、施設管理者との間で開設に至るまでの対応について、認識の共有が十分に図られていないと考えます。
避難所の開設に関する情報については、大津市や関係機関のホームページ、また、メールやSNS等も活用されながら広く発信されることになると理解していますが、指定避難所の一覧は、電話番号と共に所在する学区ごとに公開されていることから、市民からの問い合わせが施設側に直接なされることも想定されます。避難所担当員を務められる市職員が配置をされてない指定避難所、その中でも大津市が設置または管理しない施設においては、双方とも混乱されるケースが数多く生じるのではないかと危惧するものです。大津市は避難所担当員が配置されていない指定避難所を開設するにあたって、今後、どういった取り組みが必要になってくると考えているのか。現状における課題認識とあわせて見解を求めます。
また、一部の福祉避難所については、バリアフリー化が図られておらず、トイレについても、福祉避難所となることを想定して整備されていません。かねてから防災対策特別委員会等を通じて問題視されてきた課題であり、誰もが安心して利用できる避難所となることを目指して、早急に見直しを図るべきと考えます。大津市はどういった方針のもとで福祉避難所の位置づけを見直していくつもりなのか。
〇公共施設のバリアフリー推進に向けた取り組みについて
令和元年11月14日、福祉子ども部障害福祉課所管のもと、大津市立図書館(本館)ならびに大津市歴史博物館・市民文化会館を対象に公共施設バリアフリーチェックが実施をされました。この取り組みは、大津市差別解消支援地域協議会の構成団体参加のもとで行われており、私は、公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会の一員として参加してまいりました。昨年度は生涯学習センター・北部地域文化センター・和邇文化センターを対象に実施され、いくつもの課題が確認をされましたが、大津市立図書館ならびに大津市歴史博物館・市民文化会館においても、参加者から様々な指摘や合理的配慮に向けた提言がなされました。
大津市立図書館においては、そもそも、来場者用の駐車場が整備をされておらず、現施設におけるバリアフリーには限界があると感じましたが、来館者が利用するエレベーターであるにも関わらず、管理上の問題から2階に停止をしない現状については、運行を見直される方針であることを確認いたしました。
大津市歴史博物館・市民文化会館においては、車椅子を利用される方が駐車される専用区画が整備されているものの、両開きの扉のうち、開錠されている片側扉を押して入館することは困難であるとの指摘がなされました。また、駐車場には移動に配慮が必要な方が利用しやすい駐車区画が設けられていません。一部区画の見直しを行い、整備されるべきと提言するものです。また、この施設には視覚障害者誘導用ブロックが整備をされていません。「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(旧ハートビル法)」ならびに「だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例が施行される以前に設計され、竣工した建物ではありますが、早急に整備をされるべきと考えます。この他にもバリアフリーチェックにおいては、トイレの利用に関する指摘など、利用する側の立場から様々な指摘・提言がなされました。これら内容を精査し、施設改修の必要性を検討し、そのうえで、合理的配慮を提供するなど、どなたにとっても利用しやすい施設となるよう、大津市は全庁あげて取り組むべきと考えます。
大津市長ならびに教育長は前年度にバリアフリーチェックが実施された生涯学習センター、北部地域文化センター、和邇文化センターにおける対応状況をどの様に認識されているのか。今年度実施された大津市立図書館、大津市歴史博物館・市民文化会館に対するバリアフリーチェックに対する評価とあわせて見解を求めます。
また、計画的に市有施設のバリアフリー化を推進するためには、法定点検の対象となる施設については、大津市として主体的にチェックを行うべきと提言するものです。公共施設マネジメントの観点からも効果的な取り組みであると考え、見解を求めます。
〇大津びわこ競輪場跡地に整備された商業施設の開業に伴う交通安全対策について
令和元年11月29日、大津びわこ競輪場跡地にブランチ大津京が開業しました。施設周辺に住まいをしておりますことから、オープンを待ち望む声が聞かれた一方、屋上駐車場から湖西線と並行する大津市道幹2125号線に設けられた車両の出入口が事故や渋滞の要因とならないか、危惧する声が寄せられています。
私自身、この道路を日常的に通行していますが、車両の出入りが重なった場合を想定すると同様の不安を抱くものです。現時点において、恒常的な車両の出入りが確定したものでないと認識していますが、大津市が円滑な出入りは可能と判断された根拠ならびに今後の対応方針について見解を求めます。