決意を新たに

10月16日、9月通常会議における決算議案などの採決が行われました。次年度の予算編成を見据え、私からは下記4点を指摘・提言いたしました。なお、平成30年度ガス事業会計決算に伴う利益剰余金85億円のうち、60億円もの予算を学校給食事業特別会計へ繰り出すことについては、下記理由をもって反対をいたしました。
 

 
【行政評価システムのあり方について】
決算総括説明時においても指摘をいたしましたが、行政評価システムの実効性をより高めていくためには、大津市庁議規程に定められている部長会議や政策調整会議をより効果的に機能させる必要があります。
執行機関である市長のトップマネジメントを真に支えるためにも、意思決定過程の透明性については、より一層高められることをあらためて求めます。
 
【指定管理者に対するモニタリングのあり方について】
市民サービスの向上や見直しにつながってこそのモニタリングと認識するものですが、サービスの本質とは異なる視点での評価がモニタリング結果そのものに大きな影響を及ぼしている事業を確認いたしました。
大津市が求めるサービスに見合った指定管理料となりえているのかについても、あわせて検証される必要性があると考えます。
 
【シェアリングエコノミーの推進に向けた取り組みについて】
シェアリングエコノミーの推進に向けた啓発事業については、シェアリングエコノミー協会に対する委託の効果を検証され、事業手法を見直しが必要であると考えます。
シェアリングエコノミーシティ宣言の趣旨は理解するものの、予算計上に伴う参考見積を徴収されるにあたっては、公平性と公明性のさらなる確保が求められると判断するものです。
 
【大津市スポーツハウス・リバーヒルのあり方について】
大津市は平成28年6月通常会議、今後のリバーヒル大石の運営について、「更に3年間、指定管理者制度による運営を行い、その間に施設のあり方について検討していく。施設のあり方の検討内容としては、過去3年間の運営データの分析による事業の継続性、新名神高速道路のスマートインターチェンジの開設など周辺環境の変化、民間事業者への意見聴取や事業提案による、参画意欲やサービス内容など検討を行い、早期に今後のあり方を決定していきたいと考えている。」との方針を示しています。
 
同施設は、自転車道路協会の委託により平成6年に開設され、平成11年度末に同協会が解散して以降は、施設を大津市が受納する形で事業が継続されてきました。全国サイクリングターミナル協議会加盟のサイクリングターミナルとして長年営業を続けてきましたが、その名に見合った運営が行われてこなかったことなどから、平成26年度に名称変更がなされ、今日に至っています。
平成21年度から施設運営のあり方について指摘を行ってまいりましたが、稼働率の低下が著しいことを踏まえ、事業そのものを継続するか否かについて、方針を決定される時期に来ています。
 
【議案第106号107号】
令和元年度 大津市一般会計補正予算(第4号)、令和元年度 大津市学校給食事業特別会計補正予算(第1号)について、関連することから、一括して反対討論を行います。
 
平成30年度ガス事業会計決算に伴う利益剰余金85億円はガス特定運営事業等に係る公共施設等運営権の設定によるものですが、大津市長はその大半を中学校給食の実施に伴い必要となる予算に充てる方針を示しました。
60億円もの予算を学校給食事業特別会計へ繰り出す必要性について、運営基盤強化に向けた基金造成に伴う繰出金と説明を受けましたが、長期的にはいずれ必要となる予算であったとしても、本市喫緊の課題である地方独立行政法人市立大津市民病院が令和3年度以降、2期目を迎えるにあたって必要不可欠となる債務超過や不良債務の解消に向けた予算措置のありか方については、執行部内において対応方針が決定されていません。
 
また、必要な耐震化が図られていない庁舎整に必要となる予算についても、公共施設等適正管理推進事業債の活用は視野に入れられているものの、本館棟の耐震化に免振工法を採用するにあたっては、現在、基金で積立てられている予算で必要な額となりえているのか、さらなる調査のもと、検証が必要であると認識しています。
 
本市の医療・健康・福祉政策に多大な影響を及ぼす大津市民病院の存続に必要となる財源の確保について大津市としての方針が示されていないなか、また、災害時における災害対応拠点の耐震化の進捗が今もって図られていない現状を踏まえ、60億円もの予算を学校給食事業特別会計に繰り出す当該議案には反対をいたします。
 

 
議事終了後、通常会議を閉じるにあたって、議長から市長に対して下記意見が述べられました。
 

 

今期 通常会議においては、コミュニティセンター条例の制定をめぐって、市民不在とも言える事態が相次ぎました。
当初提出された議案の撤回のみならず、撤回の前提として新たな議案の提出を市長自らが公言されたにもかかわらず、撤回が承認されたその翌日に再提出を見送ることが決定されるなど、執行部の対応は二転三転し、市議会の運営も大きく混乱したところであります。
これらのことは、大きく報道され、関係団体はもちろんのこと、市民の皆様の大津市政に対する信頼が損なわれかねない事態となり、市議会議長として誠に遺憾であります。
 
そもそも議案については、十分な検討・精査をしたうえで 提出されることは申すまでもありませんが、特に市民生活に大きな影響を及ぼす議案については、市民に対して十分周知するとともに、その意見をしっかりと受け止め、丁寧な課題検討を行ったうえで提出すべきものであります。
 
市長は 最終的には提出議案の内容を決断される立場にありますが、その判断に至るまでには、副市長をはじめとする関係職員との熟議を重ね、さらには関係機関や団体等との十分な調整を経たうえで、議案を精査することが重要であると考えます。

越市長におかれましては、今期 通常会議で起きた混乱を深く心に刻み、このような事態が二度と起こることがないよう、市民へのより丁寧な説明や、十分な庁内協議等に努められるよう市議会を代表して意見いたします。
 
・・・・・引用終わり・・・・・ 
 
大津市長には、市議会議長の発言を重く受けとめていただきたいと考えます。
 
追記

 
9月通常会議、二元代表制を効果的に機能させることが出来ませんでした。
大津市議会を構成する一人の議員として、このような事態を招いたことに対して責任を感じています。
 
会期中に数多くいただいた「大津市、しっかりせよ!!」とのご意見を自らに寄せられたものと受け止め、皆様のご負託にお応えできるよう、決意を新たに臨んでまいります。
 
 
大津市議会議員 谷 祐治
  

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