登壇

9月13日、下記5項目について質疑一般質問を行いました。1項目目(市民病院が公立病院としての使命を果たすために大津市が担うべき役割について)に時間を要しすぎてしまい、通告していた全ての項目(本来は6項目)に対して答弁をえることが出来ませんでした。次期通常会議までにあらためて調査を重ねるとともに持ち時間(60分)内に全ての質問を終えられるよう、より一層、発言内容を精査してまいります。
 
参考:令和元年 9月通常会議( 9月13日)谷 祐治質疑一般質問 録画映像
 

 

 

〇市民病院が公立病院としての使命を果たすために大津市が担うべき役割について
 
1点目、運営費負担金のあり方について。令和元年度9月補正予算案に地方独立行政法人市立大津市民病院に対する運営費負担金12億7,200万円が追加計上されました。
先の6月通常会議、運営費負担金の増額を求める予算の組み替え動議が予算決算常任委員会で可決されたことを踏まえ、大津市長は7月中に示される予定であった経営改善計画における今年度の見通しを見極めたうえ、あらためて9月補正予算で追加計上する方針を示されましたが、7月26日に開催された市民病院理事会終了後、市が想定した経営改善計画ではないことを理由として、このままでは補正予算を編成することは出来ないとの意向を自ら示されました。
現在作成中の経営改善計画の取り組み期間は大津市議会が議決した第1期中期計画の終期を超え、令和3年度末までとなっていますが、経営改善計画としての正当性と実効性を大津市長はどのように評価されているのか。そして、公言されたとおり、経営改善計画における今年度の見通しを適切に見極めたうえで運営費負担金を追加補正されたのか、それとも、中期計画に基づく今年度の上限額24億円を算定根拠とされたのか、9月補正予算額の決定に至るまでの経過とあわせて見解を求めます。
 

私は、市長が出席された議会運営委員会や6月補正予算に対する反対討論において、経営改善計画の作成期間が短いことを指摘いたしましたが、大津市長は当該予算議案を大津市議会に提案した時点において、計上された運営費負担金では9月の元利償還で資金ショートすることを理事会での議論を通じて認識されていました。
当初予算編成時における運営費負担金の算定根拠については、基準財政需要額を踏まえ、地方交付税措置の対象となる金額をあらかじめ中期財政フレームに反映させたものであり、6月補正予算における追加補正についてもこの方針を踏まえたものでした。
私は、中期計画において、短期借入金の限度額が20億円と定められていることを踏まえ、令和元年度における資金繰りを見込んだ補正額となりえているのか、6月通常会議において、質疑一般質問を行いました。
大津市からの答弁は、当初予算への計上内容に精査を加えたものであり、今年度末までに短期借入金が限度額を超過しないために行う資金支援ではなく、その上で、現在の法人の運営状況を踏まえた、今年度末までに必要な資金の手当てについては、法人からのさらなる経営改善に向けた提案を求めるとともに、その提案内容と改善効果に照らしながら、検討していくといったものでした。その後、大津市長は私が提出した運営費負担金の増額を求める予算の組み替え動議が予算決算常任委員会で可決されたことを契機として、市民病院の短期借入金への対応を含め、本年度の運営費の一部に充てるために必要な金額を運営費負担金として計上し、改めて補正予算案を市議会に提出する意向が示されました。
9月補正予算案において追加計上された運営費負担金は12億7,200万円ですが、この金額は6月補正予算の編成に際し、大津市民病院が保健所に要求した額14億4,800万円から措置された1億7,600万円を差し引いた金額であることを大津市長は重く受け止めるべきと考えます。
6月通常会議において、今年度、さらなる追加補正を行う必要のない規模で9月に補正を行うとする方針を示すに至った経緯を大津市長はどのように評価しているのか。予算議案提出時点において、9月の元利償還で資金ショートすることが見込まれる補正額であったにも関わらず、その事実を市議会に説明されなかった理由とあわせて見解を求めます。
 
2点目、医療機能の現状と経営上の課題に対する評価について。令和元年度9月補正予算案には、第2期中期目標の策定を支援するための委託費が次年度までの債務負担行為として設定されています。現中期目標の前文には、市民病院と同じ大津保健医療圏域に同等規模以上の病院が存在していること及び圏域を越えて患者が流出していることを踏まえるとともに、経営状況を念頭に置いた上で、今後、市民病院は、圏域において担っていく役割及び果たすべき機能を見極め、地域の医療機関との機能分化を図り、連携を強化し、地域医療支援病院として適切な医療サービスの提供に努めなければならないと記されています。
このことは、2期目となる中期目標を策定するうえにおいても留意すべきことであり、滋賀県地域医療構想を含む滋賀県保健医療計画やおおつ保健医療プランを踏まえ、大津市民病院が担うべき急性期、回復期、慢性期などの医療機能をあらためて見極めていく必要があります。
公的医療機関や民間医療機関との機能分化を図り、連携を強化し、地域医療支援病院として適切な医療サービスを提供することは、公立病院である大津市民病院の責務です。
大津市長は大津市民病院における医療機能の現状と経営上の課題をどのように評価し、次期中期目標の策定に取り組まれようとしているのか。大津圏域地域医療構想調整会議における検討経過ならびに債務超過と不良債務の解消に向けた方針とあわせて見解を求めます。

 
 

〇公民館をコミュニティセンター化するまでに取り組むべき課題について
 
1点目、コミュニティセンターにおける使用許可について。近隣住民を対象とした公民館は、町内会等一定の地区の住民を対象とし、当該地区住民の社会教育的な活動あるいは自治活動の目的の用に供するために設ける建築物であることから、学校、図書館その他これらに類するものに該当すると位置付けられてきました。

公の施設として、施設管理上必要な制限のみ設け、より自由に使える施設とすることを方針として掲げ、まちづくりという条例の目的に沿ったものであれば、営利目的の利用を可能にすると説明を受けてきましたが、都市計画における市街化区域・市街化調整区域の線引きや建築物自身の安全等に関わる単体規程等を踏まえ、事業の主催者はその対象や利用の頻度においてどういった制約を受けることになるのか。公共施設対策特別委員会において、コミュニティセンターの設置に伴う条例案を議会に提出する方針が示されたことを受け、これまでの間、独自に調査を深めてまいりましたが、これまで議会や市民に対して行われてきた内容とは異なる使用許可になるとの認識を持つに至りました。
現在、投影している資料は、市民センター改革推進室が建築指導課及び開発調整課との協議を経て、議案が議会に提出された後、私に示されたコミュニティセンターにおける使用許可事例(案)です。
 
参考:コミュニティセンターにおける使用許可事例(案)
 

大津市はこれまでの間、新たに可能となる使用例として、講演会、コンサート、著名人等の有料講座など参加費を徴収する事業や商品の展示・説明・販売等を含めていましたが、演劇や演芸、コンサート等においては、参加費を徴収することを認めるものの、主催は事業者を除く地域団体、利用者団体、その他団体に限定し、興行にあたるイベントについては、興行場法の取り扱いを踏まえ、その回数は4回以内に限られ、これを超える場合については、保健所の許可が必要となります。また、商品の物販等については、講座でのテキスト販売やフリーマーケットを除き、主催が誰であっても、その対象が地域住民であっても、許可されることはありません。
執行部内における関係法令の検証は不十分であり、正しい認識を職員間で共有されないまま、市民説明会に臨まれています。コミュニティセンター化に伴うメリットが過大に伝わっていないかと危惧するものですが、大津市はこの事実をどのように受け止めているのか。コミュニティセンターにおける使用許可基準を市民に分かりやすく明確にする必要とあわせ、見解を求めます。
 
2点目、貸館業務を委託することの妥当性について。社会教育施設として公民館は廃止するものの、あらためて生涯学習専門員をコミュニティセンター移行後においても、一定期間、配置する方針を示されました。支所長を兼務するコミュニティセンター長を配置したうえ、生涯学習専門員を配置するパターンとしないパターンが想定されています。地方自治法は最少の経費で最大の効果を発揮することを定めていますが、生涯学習専門員を配置されながら、許認可を除く貸館業務(軽微な施設管理・広報誌作成・講座開設・利用者団体管理)を行政と地域が分担する必要性については、公共施設対策特別委員会においても、納得のいく答弁が得られませんでした。
大津市においては市内7学区で公民館自主運営モデル事業が実施されており、市職員と地域住民との間に指揮命令権が存在しないことについては、実績として問題ないと説明を受けましたが、そもそもこのモデル事業は指定管理者制度の導入を視野に入れた取り組みであり、課題抽出に対する対応策についてもこれかの検討課題が多いと認識しています。大津市長はこれまでの間、市民センター機能の見直しに伴う財政面での効果を強調されてきました。今年度からの体制見直しに伴い、不足する人員が充足されることについては賛同するものですが、一体、大津市長にとって、何を優先しての市民センター機能の見直しであったのか、素案作成からの検討を振り返り、釈然としない思いがしております。
生涯学習専門員の配置を継続するか否かについては、当該コミュニティセンターが設置される地域の判断に一定委ねられると公共施設対策特別委員会で説明を受けましたが、どういった前提、根拠をもって地域の判断とすることを可能とするのか。市職員の配置を前提として貸館業務を委託することの必要性に対する評価とあわせて見解を求めます。

 
3点目、まちづくり協議会の位置づけについて。大津市においては、平成23年4月1日に「大津市『結の湖都』協働のまちづくり推進条例」が施行され、大津市総合計画基本構想に基づき、「大津市協働のまちづくり推進計画(第2期大津市協働推進計画)」が策定されていますが、現計画においてまちづく協議会の位置づけは明確なものとなっていません。  
第2期大津市協働推進計画については、大津市総合計画実行計画に合わせる形で次年度、検証と見直しが行われると認識していますが、まちづくり協議会を大津市のパートナーとしてどのような形で位置付ける方針なのか。明日都浜大津に設置されている市民活動センターが担う役割のあり方とあわせて見解を求めます。
 
〇ガス事業会計決算に伴う利益剰余金から60億円もの予算を学校給食事業特別会計へ繰り出す必要性について
 
平成30年度ガス事業会計決算に伴う利益剰余金85億円のうち、60億円を学校給食事業特別会計へ繰り出す予算が令和元年度9月補正予算案に計上されました。この剰余金は大津市ガス特定運営事業等に係る公共施設等運営権の設定によるものですが、大津市長はその大半を中学校給食の実施に伴い必要となる予算に充てる方針を示しました。運営基盤強化に向けた基金造成に伴う繰出金と説明を受けましたが、長期的にはいずれ必要となる予算であったとしても、老朽化が進む公共施設の維持管理・更新費など、喫緊の課題として優先的に取り組む事業は山積しています。
大津市公共施設等整備基金には一切繰出しをされなかったことを踏まえ、なぜ、いま、この時点において、優先的に学校給食事業特別会計に60億円を繰出す必要性があると判断されたのか。大津市長の見解を求めます。
 
〇散策等の園外活動経路及び通学路の安全対策について
 
1点目、交通安全対策の推進に向けた方針について。令和元年度9月補正予算において、交通安全対策推進費として9億914万7千円が計上されました。事業費の内訳は一般財源となっていますが、国による財政支援を見据えての取り組みであり、制度化を待って入札執行となった場合には、当該事業の工事着手は11月以降になることも見込まれると説明を受けました。設計委託を伴う工事については、さらなる工期が必要となりますが、次年度以降への繰越明許費は設定されず、あくまで単年度で予算を執行される方針であると説明を受けました。
子どもの安全を守るための取り組みであり、早期の実現を願うものですが、年度末に向けて、短期間の間に完工を目指すのであれば、未来まちづくり部における人的体制の充実は必要不可欠となります。どういった方針のもと、国から財政支援を受け、なおかつ、必要となる職員数をどの程度見込まれたうえで、当該業務に配置されようとしているのか。株式会社大林組からの湖西台用地寄付採納に伴う7億円の寄付金を当該予算に全額充当される理由との整合性とあわせ、繰越明許費を設定しなくても完工できると判断された理由とあわせ見解を求めます。
 
2点目、開発工事に伴う安全対策の向上について。宅地造成等の開発工事が行われる場合においては、事前協議の段階において、開発調整課から児童生徒支援課や保育幼稚園課に対して、工事概要が記された図書とあわせて意見照会が行われます。通学路における工事用車両の通行や交通誘導員の配置等について対応を求めておられると認識していますが、学校園との情報共有は必要不可欠であり、周辺環境に見合った安全対策が個別に求められる場合においては、事前に対応方針を明確に示されることを申請者側に求められるべきと考えます。大津市教育委員会は今後、どういった取り組みのもとで開発工事に伴う安全対策の向上に取り組まれる考えなのか、現状の対応に対する評価とあわせて見解を求めます。
 

〇共生社会の実現に向けて率先して取り組む課題について
 
1点目、ユニバーサルデザインを基本としたまちづくりについて。大津市公共施設バリアフリーチェックによって得られた気づきを整理し、その情報を市民、事業者に公開をし、施設整備や維持更新の参考にしていただけるよう、指針として取りまとめられることを提言するものです。また、大津市が改築、改修する施設のうち、必要と判断されるものについては、移動に配慮が必要な方の意見が設計、施工の段階から施設整備に反映されるよう、あわせて制度化を図るべきと考えますが、次期大津市バリアフリー基本構想の策定を見据え、大津市はどういった取り組みのもとでユニバーサルデザインを基本としたまちづくりを推進させていくつもりなのか。おおつ障害者プランのさらなる推進を図る観点から、見解を求めます。
 
2点目、ユニバーサルデザイン2020行動計画の実現に向けた取り組みについて。東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、ユニバーサルデザイン2020行動計画が国によって策定されました。心のバリアフリーを推進することによって、共生社会を実現するための方針が示されており、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うこととの重要性が記されています。具体的な取り組みについては、学校教育、企業、地域及び国民全体、そして障害のある人による取組に分けて施策が検討されています。大津市においても心のバリアフリーの推進が図られるよう、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」の実現に向けて取り組むべきと考えますが、市長ならびに教育長の見解を求めます。

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