【登壇】

9月12日、下記6項目について質疑・一般質問を行いました。中消防署用地の選定に向けた取り組みについては、災害対応拠点の整備は喫緊の課題であるとの危機感がまるで感じられず、これまで大津市が公表してきた候補地の他に候補地を見出すに至っているのか、いないのかについても、明らかにされることはありませんでした。仮に、相手側の意向もあり、新候補地の選定に向けて、水面下で検討や交渉を進められているのであれば、大津市長には先頭に立っていただき、必ずや候補地の確保につなげていただきたいと考えます。そうでなければ、市民の安全がより長期間に渡って損なわれる結果となりかねません。

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◯大津市中心部の活性化に向けた取り組みについて

平成30年4月、大津市中心市街地活性化事業の成果を受け継ぎ、琵琶湖を中心に地域の歴史・文化を活かしつつ、更なる大津市中心部の恒常的、かつ、持続性のある活力溢れる、回遊性豊かな賑わいの創出をめざすことを目的として、びわ湖大津まちづくり会議が設立されました。
大津市中心市街地活性化基本計画の推進を担ってきた協議会が3月末に解散したことを受けて設立された後継組織であり、大津市中心部の活性化に寄与する事業の企画および実施提案を行うこと、また、都市再生推進法人である株式会社まちづくり大津に対し、設立目的を達成するための検討・提言を行うことが規約に定められています。

都市再生推進法人とは、都市再生特別措置法に基づき、地域のまちづくりを担う法人として市町村が指定するものであり、株式会社まちづくり大津は事業実施に必要となる都市再生整備計画を大津市に提案することができ、社会資本整備総合交付金等による支援を国から直接受ける事が可能となります。
ジュネーブという都市の名称を冠した構想の具現化を図るため、大津市は公園や道路等の公共空間を活用して、カフェなどの整備に取り組もうとされていますが、制度の趣旨からいえば、株式会社まちづくり大津が主体となって推進されなければ、都市再生推進法人に指定した意義が問われると考えます。

そもそも大津市は、自らも出資して設立された株式会社まちづくり大津が大津市の中心部、ひいては大津市を活性化させるうえにおいて、どのような役割を担うことを期待しているのか。
このままでは、都市再生推進法人に指定されるも、その効果はまちづくりの成果として十分に発揮されないと考え、大津市の見解を求めます。

また、びわ湖大津まちづくり会議は、都市再生整備計画の作成や実施に必要な協議を行うため、市町村毎に設置することができる都市再生推進協議会として設立された法定協議会ではなく、任意の組織体として、株式会社まちづくり大津内に事務局が置かれています。
大津市はこの会議に委員として参加をしていませんが、株式会社まちづくり大津との連携による成果が大津市中心部の活性化に資するものとなるため、大津市はどういった役割を担うべきと考えているのか。
大津市が株式会社まちづくり大津を都市再生推進法人に指定した理由とあわせて答弁を求めます。

次に、大津駅前商店街再生整備事業の推進に向けた取り組みについて質問します。
大津市は中心市街地活性化基本計画において、大津の玄関口でもある大津駅前商店街の再生を図り、中心市街地全体の回遊性を促す動線としての機能を発揮するため、アーケード改修等の施設整備を行うことを大津駅前商店街再生整備事業に位置付けましたが、事業着手にかかる合意形成に至らず、未実施となってしまいました。

大津駅前商店街(寺町通り)を通って、旧大津公会堂から湖岸に向かう経路の活性化は今後も継続して取り組むべき重要な課題であり、ジュネーブという都市の名称を冠した構想の具現化に取り組む大津市ですが、大津駅前商店街には魅力あるお店が集積しており、地域に根付いた事業者の支援に取り組むことは、持続可能なまちの賑わいの創出につながると考えます。
国に提出された認定中心市街地活性化基本計画の最終フォローアップに関する報告によると、今後も事業主体において、事業実施にかかる協議を行い、事業の方向性を検討していくと明記されていますが、具体的にどういった方針のもとで検討を行っていくつもりなのか。

また、合意形成に至らなかった理由として、大津駅前都市改造関連施設整備基金の処分のあり方があげられますが、条例においては、大津駅前の都市改造に係る駐車場等商業振興施設整備事業の経費財源に充てる場合に限り、処分することができると定められています。
基金が設置されてから40年近くが経過しようとしていることを踏まえ、あらためてどういった経費の財源に充てることがJR大津駅前のまちづくりにとって相応しいのか、大津駅前商店街とも協議を重ねながら、あらためて検討を開始することについて、大津市の見解を求めます。

追記:質問を終えて

大津市はジュネーブという都市の名称を冠した構想を掲げ、積極的にPRに努めていますが、国から認定を受け、官民連携のもとで取り組んできた「中心市街地活性化基本計画」に代わるものではありません。

これからしようとする事柄について考えを組み立てること、また、組み立てた考えの内容を「構想」といいますが、公共空間を効果的に活用し、もって、大津駅から琵琶湖岸周辺を活性化させることを目指すのであれば、「ジュネーブ構想」などという構想名は必要ないと考えます。

現市政における「ジュネーブ構想」とは、他都市の名称を冠することで、イメージ(印象)の定着を図ることを目指しているとしか、私には感じられません。
比較の対象として参考にするならいざしらず、JR大津駅から湖岸の賑わい創出を目指すうえにおいて、他都市に誇るべき歴史と文化を有する古都大津市がなぜ、他都市の名称をまちづくりの構想に掲げなくてはならないのか!?
都市計画マスタープランを策定する都市計画審議会においても、テレビ報道で知るに至った「ジュネーブ構想」を掲げる必要性について、自らの考えを申し述べましたが、今もって全く理解が出来ません

レマン湖に伸びるモン・ブラン通りが大津駅から琵琶湖岸につながる中央大通りに似ているそうです。
当地の歴史や文化、暮らしや営みを実感できておりませんことから、何をもって市長が似ていると評価されているのか、私には分かりません。
歴史文化基本構想のもと、歴史的風致維持向上計画を策定されることは大いに評価するものですが、大津市中心部の活性化は大津市全域のまちづくりに影響を及ぼすものであり、再三申し上げますが、わざわざジュネーブという異なる歴史・文化を有するまちの名称を構想に冠する必要はないと考えます。

昨年度、年度当初の施設常任委員会において、未来まちづくり部は「構想になりますと、大津をジュネーブにするというような誤解が生じますので、一旦この表現については、きちっとその内容が浸透するまでは用いずに、きちっと御理解をいただいた上で使うべきという判断が実はうちの部内でございまして、一旦この表現は取り下げております。」との見解を示されましたが、今も本当にジュネーブ構想なる構想が「市民にとって分かりやすく、イメージしやすい」と考えておられるのでしょうか!?

確かに、昭和30年代前半から「ジュネーブ」という都市の名は大津市政において認知されていますが、国の主導による「近畿観光圏」での取り組みを踏まえてのことであり、その後、京都市とは国際会議場の誘致を巡って対立し、国を巻き込んだ議論を繰り広げていくことになります。

近畿観光圏建設協議会「近畿観光圏建設要綱」において、「本圏を天与の諸条件を生かしこれに近代的な観光諸施設を完備し、もって『東洋のジュネーブ』たらしめる」と掲げられ、大津市においても、「比叡・比良の秀峰に連なる長等山山系を背負い、麗湖びわの湖畔に所在する大津市は優雅な景観と千年の古い歴史に恵まれた臨水都市として雄大な観光資源を有しており、大津市のこの年的性格と近畿観光圏建設における使命とに鑑み自然の風光と文化的な資源を十分に調和させた国際観光遊園都市の建設を図る。」という基本方針に基づいて観光施設整備計画がたてられました。

観光施設整備計画では、国際的協議規準をもった総合体育施設や国際小会議場(この後、駐留軍用地のあった皇子山の地と宝ヶ池の地が国際会議場の候補地となり、大津市と京都市は候補地を争うことになります)、音楽ホール、博物館、図書館等の文化施設を設けること、また、中小型飛行機及びヘリコプターによる国際空港間連絡飛行場として元駐留軍使用の飛行場を整備することなどが比叡山ドライブウェイの整備等とあわせて位置付けられています。

当時、大津市においては、米軍キャンプ返還に伴う跡地利用のあり方が社会問題となっており、近隣市とも連携を図りながら、観光施策が講じられようとしていました。
大津市長は世界中から観光客を大津駅や琵琶湖岸に集まってもらうことを目指しておられますが、このことは戦後の高度経済成長期が始まる頃からの取り組みであり、大津市議会においても、「大津国際文化観光都市建設にかかる決議」の宣言ならびに「国立国際会館建設設置場所選定に関する意見書」が提出されています。(共に昭和三十三年三月)

新大津市史に大変興味深い表記があります。
それは何かというと、当時、京都市長が上記に記した「近畿観光圏建設協議会」の音頭をとったのは、経済審議庁長官の国立国際会館京都建設案を実現するためであったとの内容です。
なお、最初は京都市岡崎に建設を予定するも、規模も小さかったことから、後になって、宝ヶ池公園が候補地となったそうです…。
皇子山誘致は堤康次郎 衆議院議員(大津市名誉市民)が中心となって行われましたが、新大津市史を読んでいると、「ジュネーブ」という都市をレマン湖に象徴される風光明媚な都市としてだけでなく、国際的な会議が行われる、世界外交の場として評価されていた側面が大きいと理解するものです。

なお、国際会議場誘致を巡る政府与党内の対立は、安全保障条約改定の政府方針をつらぬくのに支障を来すと堤氏は考えられ、この見地から譲歩されたと新大津市史は記しています。
今はもう存在しませんが、皇子が丘公園内に国立ユースホステルが立地したのは、こうした経過を経てのことでした。

前置きが大変長くなりましたが、大津市に国際会議場が立地し、国際空港間連絡飛行場が整備されていれば、今とは異なる環境のもとで都市計画や観光施策が進められていたかもしれません。
私が危惧するのは、「かつて、大津市は東洋のジュネーブと呼ばれていた」という程度の認識をもって、「世界中から来訪者が集まるまちを目指しましょう!!」というのは、夢があるとか、民間主導のまちづくりとか、それ以前の問題であると評価するものです。

平成19年12月定例会、株式会社まちづくり大津は、大津市の中心市街地活性化基本計画の実現を目指し、新たな公の担い手として活動されることになるが、今後、行政が果たしていくべき役割は何であると考えているのか、大津市に見解を求めました。

当時、目片市長は、「今後の中心市街地活性化事業では、まちづくり会社がその中心的な役割を果たすことになりますが、大津市は中心市街地活性化基本計画が実現できるよう、さまざまな施策を総合的に講じるとともに、まちづくり会社や企業、商店街、大学、住民などが活性化事業に積極的に取り組めるように支援してまいりたいと考えております。」と答弁されました。

あれから十年以上が経過をいたしましたが、市長は変われども、大津市が目指すべきまちづくりの本質に変わりはないものと考えます。
来る通常会議においても、大津市中心部の活性化をテーマに質疑・一般質問を行いたいと考えています。

◯市有施設における擁壁の適切な維持管理について

盛土、切土などの人工斜面や自然斜面において、用地の確保や斜面の安定を目的に設ける土留め構造物を擁壁といいます。大阪府北部を震源とする地震の発生を受け、大津市においても市有施設に設置されたブロック塀については撤去する方針が示されましたが、擁壁についても安全性を確認し、必要に応じて対策を講じなければなりません。一定規模以上の擁壁については、雨水や地下水等によって背面の含水量が増加すると、土圧及び水圧が増大することから、規格に則して水抜き穴を設置しなければなりません。しかしながら、土砂等によってこれが詰まってしまうと、排水機能が著しく低下し、過大な水平力によって、安定性と防災性が損なわれることになります。擁壁のひび割れやずれ、ふくらみ、傾きなどの変状についても、排水機能とあわせて平時から確認が重要であり、現時点では認められていない工法や当初設置した擁壁の上に別の擁壁が増し積みされている場合においても、危険性を事前に認識したうえで対策を講じなければなりません。

過日、被災宅地の危険度判定を行うための研修を受講してまいりましたが、人的被害の軽減を図るためにも、擁壁の安全性を継続的に確認し、必要な対策を事前に講じることは重要であるとの認識を新たなものとしてまいりました。特定建築物に該当する用途及び規模の市有施設については、定期的に点検を実施され、擁壁については外周部を含めて調査されていると認識していますが、災害による被害の軽減を図るためにも、大津市が設置する擁壁については、これに限ることなく、健全度を調査すべきと提言するものです。大津市は今後、市有施設における擁壁をどういった方針のもとで適正に維持管理していく考えなのか、見解を求めます。

◯横断歩道橋の適切な維持管理について


平成29年11月通常会議において、腐食による高欄の欠損や柱脚の発錆が著しい横木一丁目、国道1号歩道橋の健全性を国が定める点検要領に基づき、早期に確認することを求めました。この横断歩道橋は昭和38年、名神高速道路京都東インターチェンジの開設に合わせて京都国道事務所が整備したものであり、昭和39年には大津市との間で仮引き継ぎ書が取り交わされています。この時点において、管理主体は国から大津市に移行しているのですが、相互認識が長年に渡って不十分であった結果、滋賀国道事務所は平成20年度に階段部の一部補修工事を行い、占用許可を得ることなく、電光案内板の設置に伴う付帯構造物や案内標識板を添架して今日に至っています。

大津市からはこれらの経過を踏まえ、構造上の安全確認を滋賀国道事務所に求めたうえ、平成30年度のできるだけ早い時期に点検を実施する方針が示されましたが、9月補正予算においても必要となる予算は措置されていません。国が定める点検要領に基づき、当該横断歩道橋の健全性を早期に確認するうえにおいて、滋賀国道事務所との協議経過はどのような影響を及ぼしているのか。

国道1号は災害時における緊急輸送道路であることはもとより、大津市には市民が安心して安全に通行できる歩道橋として維持管理する責任があります。そもそも、滋賀国道事務所の方針がどうであろうと、効果的に補修を行う観点からも、点検を先送りする理由はないものと考えます。今後の対応についてあらためて見解を求めると共に、市内15橋ある横断歩道橋の健全性をどういった方針のもとで確保していくつもりなのか、あわせて答弁を求めます。

◯地震発生に伴う避難所の開設を円滑かつ安全に行うための取り組みについて


平成30年5月23日、大津市と公益社団法人滋賀県建築士会との連携のもと、地震発生時において、避難所を円滑に開設するための研修会が開催されました。大津市と建築士会は「災害時における応急危険度判定の協力に関する協定書」を締結しており、私自身も避難所のセーフティチェックを担う被災建築物応急危険度判定士として参加をしてまいりました。地震発生に伴って避難所が開設される場合、大津市から避難所担当職員が派遣され、被害状況の確認が行われます。チェックリストに基づき安全と判定されなかった場合には、直ちにセーフティチェックを実施する応急危険度判定士の派遣が要請されることになるのですが、これまで、互いの役割と使命について理解を深め合う機会がなかったことから、この度の研修は意義深いものであったと考えます。

今年度実施される大津市総合防災訓練においては、主会場周辺の避難所開設を担当される職員も参集されると認識していますが、より円滑かつ安全に避難所を開設するため、各学区における避難所開設訓練においても、避難所担当員及び応急危険度判定士参加のもとで実施いただくことが望ましいと考えます。初動期における避難所の開設・運営の責任者は、原則として大津市から派遣される避難所担当員であり、避難所担当員が不在で、かつ緊急の場合は施設管理者がその役割を補完することになります。地震発生直後の混乱状態を想定し、大津市避難所運営マニュアルの実効性を高めるためにも、大津市は各学区における避難所開設訓練の充実支援に取り組むべきと提言するものです。地区防災計画や学区避難所運営マニュアルの策定状況を踏まえ、応急危険度判定士を派遣することになる滋賀県建築士会とも連携を図りながら、計画的に実現を目指すべきと考え、本市の見解を求めます。

次に、避難所担当員の体制充実に向けた取り組みについて質問します。避難所担当員は指定避難所のうち、小中学校など特定の避難所を対象に選任されていますが、学区によっては、あらかじめ地震発生の際に避難する避難所を町内単位で決定されています。

大津市においては、これまでの間、業務継続計画や災害時受援計画を策定し、避難所担当員についても、地震発生時において、本来業務に及ぼす影響が少ない職員を選任されていると認識していますが、職員自身が被災者となる可能性もあります。限られた人員数のなかで、別の避難所担当員に開設を依頼するにしても、対応に限界があることから、体制の充実を図るべきと考えます。施設管理者がその役割を補完することにもなっていますが、そもそも、大津市避難所運営マニュアルは避難所担当員が選任されていない避難所があることを想定していません。いずれの避難所においても、円滑かつ安全に開設する必要がありますが、大津市は避難所開設に伴う人員体制をどのように評価しているのか。

これ以上の人員確保が災害時における優先業務に影響を及ぼすのであれば、退職された職員の皆さんに協力を求め、登録制度を設けるなどして、支援いただくことも検討されてはと考えますが、本市の見解を求めます。

◯通学路の安全対策について

志賀小学校児童等の通学路となっている、市道中1503号線は道路幅員が大変狭く、並行して流れる水路についても、転落防止策がとられていません。この水路は天ノ川と呼ばれているのですが、降雨量が多い時には流速が大変早くなり、水位も相当高くなることから、教職員や保護者らによる見守りが欠かせない状態となっています。

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また、水路自体が老朽化に伴って劣化しており、過去には急激な水流によって、市道側の地盤が削られ、通学路が陥没したこともありました。この路線は拡幅整備が予定されており、抜本的な安全対策が講じられることを待ち望むものですが、児童が安心して通える通学路として整備される目途は今もって立っていません。私自身も急激な流れを何度も確認していますが、児童が転落し、暗渠区間に流されてしまったら、取り返しがつきません。

本年6月には、志賀小学校PTAから水路の安全確保を求める要望書が市長及び教育長宛で提出されたところですが、児童が危険にさらされぬよう、あらためて早急な対応を求めるものです。大津市は今後、どういった方針のもとで市道中1503号線における通学路の安全対策に取り組んでいく考えなのか、見解を求めます。

◯中消防署用地の選定に向けた取り組みについて

平成2912月、大津市は中消防署の更新整備に係る候補地として、別所合同宿舎、皇子山総合運動公園国体記念広場及び同多目的広場(通称、4面グラウンド)、大津市伝統芸能会館駐車場、大津市役所別館敷地業務用駐車場を選定されました。平成30年2月通常会議において、それぞれの候補地の実現性について検証すべく、関係法令や防災上の観点を踏まえ、大津市に見解を求めましたが、いずれも候補地も実現性に乏しいと評価せざるをえない答弁内容でした。

ちなみに、現時点においても、議会に対して、候補地の選定に進展があったとの報告はありません。私は、大津びわこ競輪場跡地の利活用方針を議論するにあたり、中消防署の用地が選定できていないなかで、そのすべてを民間事業者に対して長期に貸し付けるべきでないと考え、他に用地は確保できるのかと確認を行いましたが、大津市消防局は絞り込みに至っていないといった趣旨の答弁に終始され、今日に至っています。

施設の解体を民間事業者に委ね、敷地の賃料が大津市の収入になったとしても、市有地以外において土地を確保するためには、相当な費用を要することになります。しかしながら、それでも、中消防署の整備にふさわしい用地が早期に確保できれば良いのですが、その目途すら立たないのであれば、大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業土地使用貸借契約書第9条が定める、市において貸付土地を公用に供する必要が生じた時には契約を解除できることをもって、市長は政治判断をなされ、方針を転換されるべきと考えます。

事業者に対する補償等の問題が生じることは認識をしておりますが、市民の安全は何ものにも代え難く、災害対応拠点の整備は最優先で取り組むべき喫緊の課題です。都市計画法における手続きも本申請に至っていないことから、決断されるのであれば、早いにこしたことはないと判断するものです。

私は、平成29年9月通常会議において、中消防署の用地選定については、市長が率先して、国や県にも働きかけるべきと考え、その決意を問いました。市長からは、庁内連携のもとでしっかりと検討を進めていきたいとの考えが示されましたが、今もって、実現性に乏しい、平成29年12月に示された候補地しか存在していないのでしょうか。大津びわこ競輪場跡地を中消防署用地に供する必要はないと判断され、契約を解除される考えがないのであれば、市民から負託を受けられた市長として、中消防署用地の選定に向けた検討経過を説明いただきますよう求めます。

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