【何となくのイメージ】

3月12日、予算常任委員会施設分科会に出席。新年度予算のうち、未来まちづくり部が所管する部分について審査を行いました。大津市が掲げる「ジュネーブ構想」に関係して、アートデザインアドバイザリーなる業務に必要とされる予算が計上されています。説明を受けた時点から、「アートデザイン」の意味が理解できず、あらためて、確認を行いました。

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JR大津駅前の公園や中央大通り、なぎさ公園に整備を目指すカフェや飲食店の誘致に関係して、イメージパースを作成するための予算と説明を受けましたが、「アートデザイン」という言葉については、奈良県某市の取り組みを参考にこのような言葉を使用されたとのことでした。

違和感を覚えましたことから、休憩中に某市へ電話をし、「アートデザイン」の意味について問い合わせをさせていただいたところ、アートとは文字通り、芸術を意味する言葉であり、大津市の取り組みとは全く関係のない理由でした。
未来まちづくり部においても、事前の調査が不十分であったとの主旨であらためて答弁され、予算執行の段階においては、事業名を見直すこともあると見解を示されました。

この他にも、空き町屋等を対象とした「リノベーションスクール」に関して、リノベーションの意味を確認しました。
新たな付加価値を用途変更によって生じさせる場合には、コンバージョンという言葉が用いられますが、事業目的を踏まえ、なぜ、リノベーションなのか!?
北部リノベーション構想においても用いられていますが、言葉の精査が不十分なまま、予算に計上されていると評価するに至りました。

委員会でも申し上げましたが、いわゆる、「カタカナ英語」を用いる場合はその意味が市民に伝わるものなのか、慎重に判断されなければなりません。
事業内容や目的と照らせあわせて、市民や事業者の認識が正しく共有されない、「何となくのイメージ」だけが先行するような事業名はよくないと考えます。

ちなみに、今や執行部内においては定着しつつある「ジュネーブ構想」という言葉。
今年度はじめの施設常任委員会における事業説明資料において、構想名が表記されていなかったことから、未来まちづくり部に真意を確認いたしました。
以下は、未来まちづくり部の答弁内容です。

ジュネーブ構想という名前にこだわってしまいますと、一点大津をジュネーブにするのかという、そういう誤解が生じるんです。
そこを実は市長に確認をいたしました。
決して市長は大津をジュネーブにしたいとは思っていません。
ジュネーブのようなまちづくりを大津のまちづくりの中の手法に取り入れていくという意図で、この構想名を上げられました。
ところが、構想になりますと、大津をジュネーブにするというような誤解が生じますので、一旦この表現については、きちっとその内容が浸透するまでは用いずに、きちっと御理解をいただいた上で使うべきという判断が実はうちの部内でございまして、一旦この表現は取り下げております。
ですから、そういう意図を持っております。

中心市街地活性化に向け、精一杯努めていただいていることには敬意を表するものですが、事業名については、その内容と目的にそくした名称にされるべきです。
ましてや、構想名について、広く公表された後であるにも関わらず、所管部がこのような発言をせざるをえないことに危機感を覚えます。
だったら、はじめから、構想などという表現をされなければよかったのです。

山田豊三郎市長が「広報おおつ」において、市政運営に関して思われていたことをコラムで紹介されるコーナーがありました。
議員とならせていただき、市民に馴染みのない言葉を使うときには、十分に気をつけなければならないと書かれた記事を読む機会があったのですが、そのとおりだと感じました。

あらためて、新年度予算における予算の主な取り組みを精読しました。
果たして、注釈なく、意味が伝わるだろうか!?と思われる表現が多く含まれています。

私自身もあらためて、胆に銘じてまいります。

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