【通告】
11月29日、下記、質疑・一般質問について、議長宛に通告を行いました。市民センター機能のあり方について、多くの皆様からお問い合わせをいただいておりますことから、事前に掲載をさせていただきます。
1.公的オンブズマン制度の導入に向けた取り組みについて
2.横断歩道橋の適切な維持管理について
3.大津市スポーツ推進計画の実現に向けた取り組みについて
4.公営ガス事業のあり方について
5.市民センター機能のあり方について
〇市民センター機能のあり方について
大津市は持続可能なまちづくに向けて、市民センター機能の在り方を見直すとしていますが、11月20日に示された素案については、誰にとって持続可能なまちづくりなのかと疑念を抱くものでした。
「エリアマネージャー」については、複数学区に1名の配置となるため、自主自立のまちづくりに向けた地域支援を行うことが難しいことを課題とされ、代替案として、地域において業務が担える体制が整うまで間、各学区に「コミュニティセンター長」なる職を配置する方針を示されました。
大津市都市計画マスタープランにおいて地域別構想を掲げながら、エリアに基づくまちづくりについて何ら展望を示せないまま、市長は自ら示された案を課題があるとして撤回されました。市長は就任当初、「地域経営会議」の設置を掲げ、わずかな期間でその構想を否定されましたが、キャッチフレーズを先行させるかのような市政運営のあり方に強い違和感を覚えるものであり、多くの市民を困惑させ、不安にさせている自覚を市長は持たれるべきと考えます。
議会や地域団体の意見を踏まえ、見直しを行われたとも評価できますが、執行部内におけるそもそもの検討が不十分であったことは否めません。市政運営に対する不信と不安をこれ以上、増幅させることがあってはならないと考え、以下、2点質問を行います。
1点目、公民館自主運営モデル事業について。大津市は平成29年度一般会計当初予算において、モデル学区において臨時職員を雇用する経費を措置しました。平成30年度以降に予定されていた自治連合会に対する業務委託を見据えた予算であり、議会に対しては、個人情報保護の徹底を図りながら、公民館業務の習得を目指すものであるとの説明がなされました。大津市教育委員会は10月から年度末までの半年間、6学区を対象に事業を実施する予定でしたが、委託後における労務管理に対する説明不足などもあって、現時点において予算の執行には至っていません。
大津市はこの度の素案において、平成29年度から31年度までの間、臨時職員の雇用に代わる方法として、自治連合会や各種団体等を構成員とする(仮称)公民館運営委員会へ公民館の管理運営補助業務を試行的に委託する方針を示しました。しかしながら、今年度当初予算に措置されたのは、あくまでモデル地区において臨時職員を雇用するための賃金であり、実施形態を見直すのであれば、これに伴う予算を補正した後、あらためて議会の承認を得るべきと考えます。平成29年11月補正予算の編成にあたり、市民部は当初予算に計上されていた500万4千円を委託費として192万5千に減額することを要求しましたが、財政課の査定によって補正は見送られました。
私は、当初予算において議会が承認した予算執行の前提を無視したスケジュール案が示されたことを大変重く受け止めています。そもそも、個人情報の保護を徹底するためには、職員としての身分を有したうえで研修する必要があるとされたのは教育委員会です。地域団体の推薦する人物を選考によって任用することの問題点を予算常任委員会教育厚生分科会において指摘され、教育長は教育委員会内における精査が不十分であったと反省の弁を述べられました。教育行政のなかで、市民を支え、支援をしていくと教育長は公言されましたが、予算を執行するに至っていないことは、市民との相互理解が十分に図られないまま、拙速に予算計上されたことの表れであると評価するものです。本年10月1日以降、市民センター機能等の在り方検討に関する事務及び公民館自主運営モデル事業に関する事務については、市民部によって補助執行されていますが、教育委員会はこのような事態となったことに対して、執行機関としてあらためて説明責任を果たすべきと考えます。
11月28日に開催された大津市自治連合会定例会において、市民部市民センター改革推進室から委託業務に対する意向調査用紙が配付されました。地域団体が職員を確保するにしても、締め切りまでひと月もない中での案内であり、支所機能のあり方について市民理解が十分に得られておらず、また、予算の補正も行われていないなか、なぜ、今年度中のモデル事業着手にこだわるのか、私にはまったく理解が出来ません。教育長は公民館自主運営モデル事業の進め方について、どの様に評価しているのか。当初予算において措置された公民館自主運営モデル事業費が未執行となっていることの経緯と経過を踏まえて答弁を求めます。
また、11月24日に開催された公共施設対策特別委員会において、公民館自主運営モデル事業の実施形態見直しにあっては、補正した予算を議会に提出し、承認を受けた後に委託を行うとの見解が総務部から示されました。同モデル事業に対して参加もしくは検討することの意向を示された学区を対象とした説明会を12月26日に予定されているようですが、どの時点において、議会に予算審査を求める考えなのか。試行とはいえ、限られた日数しかないなか、今年度中の予算執行に固執する理由はないものと考え、大津市長に見解を求めます。
2点目、支所機能の集約化について。大津市は市民センター機能のあり方に関する素案において、近隣に本庁又は広域支所がなく、交通アクセスが乏しい地域には、広域支所と同等の機能を有する地域支所を設置する必要があるとしています。車でのアクセスを想定し、本庁または広域支所までの距離が8㎞以上であること、または、最寄り駅からの距離が1㎞を超え、所要時間が徒歩で15分を超えることを選定基準としていますが、路線バスの便数や道路事情などは選定に反映されていません。特に山中比叡平市民センターが設置されている山中比叡平学区から大津市役所へ移動しようとした場合、京都府道・滋賀県道30号下鴨大津線(通称:山中越え)を経由することになりますが、近隣に住まいする者の実感として、交通アクセスに乏しいことは明らかであり、大津市の縁辺部に位置する支所として、引き続き存続させるべきと考えます。このことは、単に便益の確保という観点だけでなく、交通弱者といわれる高齢者や障害者の暮らしを守るためにも、必要不可欠な対応であると提言するものです。
金融機関やコンビニエンスストアにおけるさらなる公金納付や証明書の発行を前提とした検討であるならば、支所窓口における現金収納の実績はもとより、店舗の立地状況や多機能端末の利用に必要となる住民基本台帳カードや個人番号カードの発行件数の推移、また、口座振替制度の利用促進を図る上での課題についても精査する必要があると考えます。
大津市立小中学校規模等適正化ビジョンなどを踏まえ、それぞれの地域において、住民主体によるまちづくりの推進に向けた検討が進められていますが、この度の素案については、公共施設マネジメントという名のもと、まちづくりの萌芽を育むものになっていないと評価するものです。大津市長は素案において示した支所候補地を見直すにあたり、あらためてどういった点に留意すべきと考えているのか。