【登壇】

9月13日、事前の通告に基づき、質疑一般質問を行いました。庁舎整備については、防災・減災力の向上を目指し、これまで幾度にもわたって指摘・提言を行ってまいりましたが、今議会においては、自らの力不足を実感する結果となりました。中消防署についても、移転候補地の選定に目途すら立っていない現状を踏まえ、管内における公有地の現状と関係法令を精査し、市長と危機感を共有したいと考えておりましたが、議論を深めることが出来ませんでした。負託を受けたものとして、大変申し訳なく思っております。

議員にならせていただく以前より、庁舎のあり方検討委員会の一員として、この問題に取り組んでまいりました。
既に、10年以上の月日が経過をしています。

本館棟については、1期目において、生存空間の確保を目的とした耐震補強工事の実施を提言し、柱には高延性材が被覆されています。
耐力と靱性の向上が図られたところですが、本来、庁舎においては、大地震発生後においても、機能空間が確保されていなければならず、応急的な暫定補強が施されたまま、時間だけが過ぎようとしています。

「指摘することも大事なことやで!!」他の議員から声をかけていただきましたが、私は、大切なものを守りたい!!と決意し、大津市議会議員を志しました。
技術者としての視点を踏まえ、使命感をもって登壇を重ねてまいりましたが、市長の心に響く提言が出来なければ、自らの使命を果たし得たことにはなりません。

私にとっては、まぎれもない、客観的な事実であったとしても、市長がそう評価されないのであれば、いかにその事実に基づき分析を行ったとしても、論拠足りえないことになります。
私の主張が不十分なのは、そのせいだと分析するも、何をどこまで掘り下げなければならないのか!?
議員として、自らの資質が問われていると自覚したうえ、あらためて、考えてみるつもりです。

災害対応力の向上に資する機会となりえなかったのは、他の誰でもない、私自身の責任です。
自らに課せられた使命を果たせるよう、気持ちを新たに努めてまいります。

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庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる取り組みについて

現在、大津市においては、庁舎整備基本方針の策定に向けた検討が進められていますが、平成298月の定例記者会見において、市長から土砂災害警戒区域に指定されている隣接旧国有地に新棟そのものを整備しない可能性が示されました。平成27年度に実施された隣接旧国有地を活用した庁舎整備検討業務で示された2C案、すなわち、本館は免震工法、別館は取り壊して新棟を整備することを基本とする方針に変わりはないとされていますが、次年度以降に策定が予定される基本計画の実現性に与える影響を懸念し、以下、3点質問を行います。

1点目、中消防署用地の選定状況について。
平成
292月通常会議において、大津市消防局が適地と考える候補地は、大津びわこ競輪場跡地以外に存在するのかしないのか、また、現時点で適地が存在しないのであれば、大津市としてどのような対応を図っていく考えなのか、これまでの検討経過を踏まえて答弁を求めました。これに対して大津市消防局は、複数の市有地を対象に調査を行ってきたが、整備に適した候補地の絞り込みには至っておらず、庁舎整備基本方針の検討を注視し、敷地面積、迅速に出動するための接道、市内4消防署体制の位置的なバランスなどを考慮しながら、引き続き調査検討していくとの見解を示されました。隣接旧国有地が土砂災害警戒区域に指定されたことを受けての対応であり、琵琶湖の浸水想定区域をはじめとする敷地災害環境や用途地域に係る制限事項なども踏まえ、調査検討を行っておられると認識していますが、平成29年度春季主要事業ヒアリング調書によると、大津市消防局は、平成29年度上半期に候補地の選定を行うことを方針として示されています。下半期を目前に控えた現時点における取り組み状況をあらためて伺うとともに、選定に至っていないのであれば、その具体的な理由と必要と考える今後の取り組み、また、庁舎整備方針の策定に与える影響について、見解を求めます。

2点目、本館棟のレトロフィット免震について。
庁舎整備基本方針の策定に向けた検討は、本館棟をレトロフィット免震によって改修することを前提に進められています。免震装置を設置することで、地震力を軽減することが可能となりますが、長周期地震動を想定した対応や共振現象を避けるための工夫とともに、建物そのものの荷重を出来るだけ軽減させ、なおかつ、水平剛性を上げることで、その効果を高めることができます。レトロフィット免震を採用するのであれば、耐震性能が著しく低いことを踏まえ、免震層上部構造体において、どの程度の補強工事が必要となるのか、動線や機能に及ぼす影響について、あらかじめ確認をしておく必要があると考えます。日本建築学会が発行する免震構造設計指針によれば、設計、施工実績はまだ決して多くなく、建物ごとに対応方法を構築している段階であり、設計を進めるにあたっては、周到な準備と計画が必要であることが記されています。現時点において、概算工事費は
471千万円と算出されていますが、本館棟の文化的、歴知的価値を踏まえ、意匠形態に与える影響を最小限に留めながらも、免震効果を高める検討を行っていくなかで、見込まれる工事費に相当なかい離が生じる可能性があります。

将来の財政運営に多大な影響を及ぼす決断となりますが、今後、大津市はどういった方針のもとで、レトロフィット免震に対する検討を深めていくつもりなのか。基本計画の策定と並行して、その実現性を高める必要があると考え、見解を求めます。

3点目、庁舎整備に向けた庁内組織体制の構築について。
平成
292月通常会議においても提言いたしましたが、執行部の英知を結集し、効果的に取り組みを進めるためにも、また、次年度に策定が予定される基本計画の実現性を高めるためにも、庁舎整備に特化した組織、すなわち、庁舎整備準備室を早期に立ち上げるべきと考えます。災害対応力の確保ならびに来庁者及び市職員の安全確保に向けた市長の決意とあわせ、あらためて見解を求めます。

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大津びわこ競輪場跡地の利活用のあり方について

1点目、大津びわこ競輪場跡地公募型提案貸付事業者選定委員会からの要望事項について。
弁護士、公認会計士、大津市職員
4名からなる同事業者選定委員会は、平成297月にまとめられた審査講評において、「提供ゾーンの形状については、地域住民をはじめとして、いつでも誰でも利用できる環境が求められている。また、本市の財政状況を踏まえると、効率的な提供ゾーンの維持管理が求められているところである。このことから、今後の整備や運用において、このことを十分に確保する必要がある。今後、提供ゾーンのあり方について、市と協議を十分に行うとともに、地域住民との協議を十分に実施することを事業者に要望する」との見解を示されています。

しかしながら、同年8月に大津市長との間で調印された基本協定書においては、同事業者選定委員会の要望事項のうち、事業者が了承したものに基づいて本件業務を実施することが遵守事項として定められています。事業者本位ともとれる条文であり、協議もなされていないうちから、聞き入れられる範囲でよいとされていることに違和感を覚えます。

提供ゾーンとは、すなわち多目的広場であり、工事完了の後、大津市が公園開設者として維持管理を行うことになります。優先交渉事業者の提案によると、公園の中の商業施設をコンセプトとされ、公園と一体利用が可能な形で建築物の配置を計画されていますが、その形状については、地域住民をはじめとする公園利用者にとって、どういった使用の方法、管理のあり方が望まれるのか、協議結果を踏まえたうえで決定されるべきものと考えます。また、先の市長選挙における越市長のマニフェストにおいては、国体を見据えたスポーツの普及、振興、大津らしいスポーツイベントの開催、これを具現化する事業として、競輪場の民間活用によるスポーツ施設の整備を掲げられており、大津市としても、整備される多目的広場の形状について、あらためて責任を自覚すべきと考えます。

11月には関係法令に定められた手続きを開始される予定と認識していますが、事業者の立場になってみれば、まずもって、多目的広場を含めた土地利用計画図を早期に確定させたいと推察いたします。事業スケジュールが優先されるあまり、協議が不十分なまま終わることがあってはならないと考えますが、大津市は今後どういった方針のもと、地域住民をはじめとする公園利用者のニーズを把握し、多目的広場の整備に向けた協議を優先交渉事業者と進めていくつもりなのか。

2点目、残存施設の解体撤去に向けたスケジュールについて。
同事業土地使用貸借仮契約書において、大津市は優先交渉事業者からの提案に基づき、解体事業開始期限を平成
291130日と定めています。大津市内においては、近年まれにみる大規模施設の解体工事であり、事業者には、通学路の安全確保はもとより、発生する粉塵対策のほか、振動や騒音などについても、十分な対応が求められます。残存施設の贈与及び使用貸借に係る本契約については、平成2910月を予定されていますが、解体事業開始期限が優先されることによって、地域住民への周知説明、また、家屋調査等への対応が不十分なものになってはならないと考えます。大津市においても留意すべき事項と考えますが、周辺住民の安全安心に資する対応は解体事業開始期限に優先するものと理解してよいのか、見解を求めます。

3点目、中消防署移転の有力な移転候補地がなくなることについて。
隣接旧隣接国有地における土砂災害警戒区域の解除が見込めなくなったことを受け、私は、平成
2811月通常会議において、競輪場跡地の一部を防災公園に位置付けたうえ、中消防署を移転することを提言いたしました。敷地条件の優位性として、災害環境に問題は認められず、消防活動相互支援協定の締結に向けて調整を進められている陸上自衛隊大津駐屯地と近接し、第1次緊急輸送道路に面していること、また、都市公園法に基づく供用は開始されていないことがあげられます。このことから、都市計画の見直しは可能と判断し、政策の転換を求めましたが、大津市からは、既に方針を決定しており、当該跡地へ移転する考えはないとの見解が示されました。あわせて、消防署移転の方向性については、大津市消防局の意見を十分に考慮しながら、庁舎整備基本方針や庁舎整備基本計画の中で検討を加えていきたいとの考えも示されましたが、現時点で移転用地確保に向けた目途はついていないと認識しています。これまでの間、競輪事業跡地の活性化に向けて取り組まれてきたことには敬意を表するものですが、その手法に前例があろうとなかろうと、中消防署の移転用地の確保は、市民の安全を確保するうえにおいて、大津市が最優先で取り組まなければならない課題です。

今議会において、大津びわこ競輪場跡地の利活用に関し、残存する建物等を民間事業者の負担により解体撤去するため、当該建物等を事業者に無償譲渡するとともに、解体撤去に要する期間、当該土地を事業者に無償で貸し付ける議案が提出されました。

あらためて質問します。中消防署の移転用地は、競輪場跡地以外に存在するのか、しないのか。市民、職員の命に係わる庁舎整備にも影響を及ぼす課題であることを踏まえ、答弁を求めます。

皇子が丘公園内プールの再整備に向けた取り組みについて

平成29831日、大津市は滋賀県に対して、国体プールの整備にかかる意向調査の回答を行いました。50m、25mプールともに整備の意向有り、飛込プールの整備については意向なしとされましたが、誘致の実現を目指すのであれば、より踏み込んで整備に向けた方針を示されるべきと考え、以下、2点の質問を行います。

1点目、用地地域の変更に向けた取り組みについて。
大津市が国体プールを整備しようとする皇子が丘公園については、第
1種住居地域に指定されており、建築敷地あたり、3,000㎡を超える水泳場は整備できません。この質問に先立ち、あらためて調査を行ったところ、プールと体育館は別敷地の扱いで建築されており、体育館については、この面積を超えていることから、既存不適格建築物とみなされています。プール及び管理棟などの付属建築物の面積を対象に総延べ床面積を算出したところ、面積要件に問題はありませんでしたが、50mプールを屋内で新たに整備するのであれば、この面積を超えることが想定され、観覧席を整備する、しないに関わらず、商業系の用途地域に変更する必要があります。

平成289月通常会議において、同様に都市計画上の課題を指摘した際、大津市は、関係所管課が連携しながら、用途地域の見直し以外の関係法令等に係る課題の洗い出しも含め、これら課題の解決に向けて、検討協議を進めていると答弁されました。あれから1年が経過しましたが、具体的な方針やスケジュールは今もって明らかにされておらず、執行部内における検討は今もって不十分であると考えます。今後、大津市は国体プールの整備に向けて必要となる用地地域の変更をどういった方針のもとで実現させる考えなのか。

2点目、基本設計・PFI手法導入可能性調査経費について。
市民部市民スポーツ・国体推進課においては、
9月補正予算の編成にあたって、滋賀県国体会場としての活用に向けた皇子が丘公園プール整備に係る推進経費として、基本設計・PFI手法導入可能性調査経費1,404万円を要求しましたが、市長、副市長による査定を経て、予算計上されるには至りませんでした。導入可能性調査については、PFI手法を導入するにあたって必要不可欠な取り組みとなりますが、大津市長は滋賀県に国体プールの整備をPFI手法の導入をもって要望しながら、所管課から要求のあった必要予算をなぜ計上しなかったのか。

滋賀県は施設整備および運営に要する経費について、国庫補助金、その他収入を除いた額を対象として、三分の二を上限とした補助を行う方針を示しています。財政負担の軽減を図り、老朽化が進むプールの整備更新を効果的に実現することは、総合計画基本構想に掲げる基本政策、心豊かに暮らせる、福祉が充実したまち、また、スポーツと文化で、いきいきと楽しむまちの実現に寄与するものと考えますが、市長に見解を求めます。

大津市図書館の基本的運営方針の策定に向けた取り組みについて

1点目、理念のあり方について。
基本的運営方針の骨子案で掲げられた
5つの方針、市民の学びに応える図書館、次代を担う子どもたちを育む図書館、暮らしの課題解決に役立つ図書館、郷土を愛し、魅力あふれるまちづくりを支える図書館、市民とともにあゆむ図書館については、いずれも重要な視点であると評価するものの、それぞれにつらなる重点施策を具現化するためには、必要となる人員と予算の確保に取り組んでいかなければなりません。市民に共感、支持されてこその運営方針であり、そうでなければ、職員からも意識されないまま、大津市立図書館の発展にも資するものにならないと考えます。

一昨年度、視察で訪れた伊万里市民図書館においては、市民団体との協働が図書館運営の基盤となっており、開設時に目標として掲げられた「伊万里をつくり 市民とともにそだつ 市民の図書館」の理念のもと、幼い子らには命を育む絵本を、成長期の子どもには心の糧となる本を、学ぶ若者には知識欲を満足させる本を、社会人には生活や仕事に役立つ本を、高齢者には豊かな人生を振り返る本をと、ライフステージごとのサービス目標を明確にされており、これらが企画展示やレファレンス機能の充実に色濃く反映されていました。あらためて申し上げたいのは、初めて訪れた私であっても、理念が館全体に浸透していると感じられたことです。
きっと、伊万里市民の皆様も、市立図書館ではなく、市民図書館と名付けられた意義を実感されているのではないでしょうか。

骨子案において、目指す姿を『「ひと・まち・地域がつながる知の拠点」~市民とともに創る図書館を目指して~』とされていますが、この理念には、どのような決意と覚悟が込められているのか。生涯学習の重要性に対する教育長の考えとあわせて、見解を求めます。

2点目、中央図書館が抱える施設面での課題について。
中央図書館には図書館専用の駐車場がなく、車いす使用者が駐車される区画についても、正面玄関に面して確保されていません。誰もが利用しやすい図書館とは言い難い状態にあり、建物そのものについても、老朽化と書庫の狭隘化が著しく、中長期的な視野に立って、対応方針を検討する必要があると考えます。将来的には移転も視野にいれるべきと考えますが、大津市はこれらの課題が常態化している現状をどのように評価し、その改善に向け、対応されようとしているのか。基本的運営方針案における目指す姿がより良い形で実現することを願い、答弁を求めます。

JR大津京駅西口活性化に向けた取り組みについて

大津市は、平成183月に西大津駅前広場整備計画検討書をとりまとめ、既に供用が開始されている東口と大津京駅前公共駐車場が位置する西口、それぞれについて個別の整備方針を決定しましたが、基本理念の具現化には至っていません。西口交通広場については、平成2110月に付帯街路である3.4.3 皇子が丘穴太線、現皇子が丘線の延長見直しが行われたことを受け、整備計画そのものを見直す必要があるとの見解は示されたものの、方針の決定は先送りされてきました。都市計画決定がなされたのは、昭和463月のことであり、46年の月日が経過いたしました。

平成286月通常会議において、私は、3.4.3号皇子が丘線整備用地についても、暫定的な活用策である公共駐車場としての利用が常態化していることから、民間活力の導入も視野に入れ、新たな計画のもとで、まちの活性化に資する事業に取り組むべきと提言いたしました。これを受け、大津市からは、少子高齢化及び今後想定される人口減少などの社会情勢の変化により、計画時点における東西の駅前広場計画は見直す必要があり、JR大津京駅の両広場については、都市計画マスタープランなどの上位計画に基づき、古都大津にふさわしい駅前広場の実現に向けて、民間活力の導入も視野に入れながら検討していく方針が示されました。JR大津京駅は、湖西の玄関口ともいえるターミナル駅であり、皇子山駅については、今年度末に京阪大津京駅へと駅名が変更される予定となっています。今年になって、高架下に複数の飲食店が開業しましたが、計画の見直しによって、さらなる活性化が図られるものと期待をするものです。

これまでの間、西口駅前広場の必要性等について、精査を重ねてこられたと認識していますが、どの様な結論に至ったのか。また、その結果を踏まえ、今後、大津市はどの様な方針のもとで、民間活力の導入を図っていく考えなのか。

療育のさらなる充実に向けた取り組みについて

1点目、公立幼稚園の3年保育の実施に伴う影響について。
平成
29年度からの4年間で、全市立幼稚園における3年保育の実施が予定されています。大津市においては、2歳児と3歳児を対象として、発達支援療育事業を実施されていますが、療育の機会を経られないまま、公立幼稚園に入園される子どもが増えることを想定した対応が必要になってくると考えます。福祉子ども部と健康保険部の緊密な連携のもと、発達支援療育事業と児童発達支援事業の充実に取り組まれてきたことに敬意を表するものですが、公立幼稚園における3年保の実施が療育に与える影響をどのように評価し、充実を図られようとしているのか。

2点目、大津市東部子ども療育センターの今後について。
同療育センターにおいては、新瀬田浄水場用地内に整備されており、賃借期間は
10年となっています。平成219月定例会において質疑を行った際には、浄水場建て替え計画に合わせて、借用期間延長の可能性もあると答弁されましたが、あらためての施設整備が必要となるのであれば、事業用地の確保に向け、早い段階から取り組みを進めていかなければなりません。新瀬田浄水場については、広域化の検討を進めるなかで拡張の可能性があり、同センターの事業用地として使用がかなわなくなる恐れがあります。大津市はこの課題にどのような方針で臨む考えなのか。見解を伺います。

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