【登壇】
12月7日、以下4項目について質疑一般質問を行う。質問内容については、登壇直前まで推こうを重ね、市長をはじめとする執行部に答弁を求めました。
〇大津市と草津市が共有する景観基本計画の策定に向けた取り組みについて(要約)
平成28年10月29日、草津市に所在する滋賀県立琵琶湖博物館にて、大津市長、草津市長出席のもと、「びわこ大津草津景観推進協議会」が開催されました。第4回目となる今回の会議においては、今年度において行われた、対岸景観保全のための施策検討、旧東海道沿道の連続性ある景観形成、屋外広告物の統一した規制誘導について報告がなされた後、両市が共有する景観基本計画の策定に向けた今後のスケジュールについて説明がなされました。次年度から調査研究を開始し、平成30・31年度においては、両市民や民間団体等からの意見聴取、骨子作成、そして、平成32・33年度には同景観基本計画を策定し、両市の景観計画へ反映させ、景観法に基づく景観協議会の検討もあわせて行う方針を示されましたが、市民、事業者、そして、良好な景観の保全と創造に取り組む団体等とのさらなる協働なくして、広域景観連携の発展は期待できないことを両市は再認識すべきと考えます。
公益社団法人滋賀県建築士会の一員として、びわこ大津草津景観推進協議会と同日に開催された「景観づくりチャレンジ隊」の企画運営に参画しましたが、景観基本計画の策定に向けた気運の高まりを実感するまでには至っておらず、「びわこ大津草津景観宣言」に記された理念のさらなる実践に向け、自らも決意を新たにしたところです。
平成28年8月、国土交通省都市局公園緑地・景観課を訪問し、複数の景観行政団体が市域を超え、景観協議会を設置する上での課題などについて聞き取り調査を行い、広域的景観資源を活かした取り組みとして、静岡県及び富士宮市他8市町から構成される富士山地域景観協議会、また、景観法に基づく景観協議会として設置されている木曽川景観協議会の取り組みについて理解を深めてまいりました。
現行の景観法は、複数の景観行政団体が連携して景観協議会を構成することを想定しておらず、平成28年3月に改訂された景観法運用指針においても、互いの景観協議会に関係行政機関として参加し、共同で一つの景観協議会として運用すること等が考えられると記されています。
びわこ大津草津景観推進協議会については、両市長による「びわこ大津草津景観宣言」への調印にあわせ、平成25年11月に連絡調整会議として設置され、平成28年度からは、両市議会の議決を経たうえで、地方自治法 252 条 2 の 2 の規定に基づく法定協議会へと移行し、両市が共有する景観基本計画の策定が目的に加えられました。現在は、両市の市長及び景観行政を所管する都市計画部の職員のみで構成されていますが、協働によるまちづくりを推進する観点からも、産学官関係団体の参画による組織運営が可能となるよう、景観法の改正を国に働きかけ、両市が一体となった景観協議会への移行を目指すべきと考えます。
大津市は今後、草津市と共有する景観基本計画を策定するにあたり、びわこ大津草津景観推進協議会をどのような形で発展させるべきと考えているのか。次年度は大津市長が同協議会の会長となり、大津市内において連携事業に取り組まれることになることから、企画運営を行うにあたっての方針とあわせて、見解を求めます。
2点目、両市が共有する景観基本計画への市民意見の反映について。景観行政団体は、景観法第9条の規定により、景観計画を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催など、住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければなりません。木曽川景観協議会においては、景観基本計画の策定にあたり、両市の住民が一堂に会して木曽川景観について話し合い、景観づくりの方向性について検討する木曽川景観意見交換会を開催されていますが、びわこ大津草津景観推進協議会においても、こうした機会を持つことは大変重要です。大津市は草津市と共有する景観基本計画を策定するにあたり、どういった取り組みのもとで市民から意見を求める考えなのか。
3点目、大津市草津市共同デザインによる、東海道案内看板の設置に向けた取り組みについて。平成28年5月から8月にかけて、大津市歴史博物館及び草津宿街道交流館等の協力のもと、成安造形大学によって「旧東海道案内看板デザイン作成プロジェクト」が実施されました。東海道沿いにおける既存看板の現状調査及び改善案の検討が行われ、新規デザイン案の提案がなされたところですが、11月に開催されたびわこ大津草津景観推進協議会において、この案が公表されることはありませんでした。維持管理や制作予算の観点から、看板の素材や設置主体についてさらなる検討が必要と考えますが、両市の広域景観連携による成果を市民や事業者に実感していただくためにも、目標とするスケジュールを明らかにしたうえ、計画的に取り組みを進めるべきと考えます。
今後、大津市はどういった方針のもとで、大津市草津市共同デザインによる、東海道案内看板の設置に取り組んでいく考えなのか。「旧東海道案内看板デザイン作成プロジェクト」に対する評価とあわせて見解を求めます。
・・・質問を終えて・・・
現行の地方自治法に基づく「びわこ大津草津景観推進協議会」の体制の中で協働の仕組みづくりを行い、基本計画の策定を進めていきたいとの方針が示されました。
大津市もこの11月に国土交通省を訪問されており、景観法改正の必要性についても、今後の検討課題として認識を共有することが出来ました。
江戸時代、近江八景は日本三景と比べても、別格に扱われるほど美しい風景として広く人々に知られていました。
大津市と草津市の取り組みが先進事例となって、景観法が見直される日が来るよう、引き続き最善を尽くしてまいります。
また、大津市草津市共同デザインによる東海道案内看板の設置については、デザインの活用方法、財源確保や事業手法等の検討を行う組織づくりについて、草津市と協議を進めていくとの事でした。
質問でも申し上げましたが、両市の広域景観連携による成果を市民や事業者に実感していただくためにも、計画的に取り組みを進めていただきたいと期待するものです。
〇将来都市像の実現に向けた庁内組織のあり方について(要約)
1点目、大津市都市計画マスタープランの進行管理体制について。大津市においては平成29年度より、大津市都市計画マスタープランに係る業務を都市計画部から政策調整部に移管させる方針を明らかにしました。政策調整部内での一貫した指示系統の下で計画行政を推進することで、大津市総合計画、大津市国土利用計画と連動させ、効果的な進行管理を図ると説明を受けています。
過日開催された大津市都市計画審議会において、立地適正化計画、歴史的風致維持向上計画、地域公共交通網形成計画、地域公共交通再編実施計画の策定に向けた方針をあらためて確認しましたが、都市計画法に基づく大津市都市計画マスタープランは、これら計画の背骨になるものです。
都市計画及び交通政策に関する事務、すなわち、都市再生特別措置法や地域公共交通活性化再生法、歴史まちづくり法に基づくこれら個別の計画を所管するのは、建設部との統合によって新たに設置される未来まちづくり部となりますが、都市計画行政の円滑な運営を図るために設置されている、都市計画審議会の庶務だけを同部において処理することに違和感を覚えます。
そもそも、個別の計画による成果が相乗効果を生み出してこそ、次期大津市総合計画基本構想で掲げられる将来都市像「ひと、自然、歴史の縁で織りなす 住み続けたいまち大津再生」の実現は可能となります。大津市都市計画マスタープランの進行管理を大津市総合計画、同国土利用計画と一体的に行ったとしても、これが実現しなければ意味がありません。多極ネットワーク型コンパクトシティの実現を目指すのであれば、大津市庁議規程に基づく庁議をより効果的に機能させることが求められますが、政策調整会議においては、設置目的に見合った役割が果たされていないと評価をするものです。
大津市長は政策調整部における現状の総合調整機能をどのように評価され、この度の組織改編に臨まれたのか。市長の見解を求めます。
2点目、全庁をあげて取り組む公共施設マネジメントシステムの構築について。平成28年8月31日、大津市主催にて、公共施設等官民連携「地域プラットフォーム」設立に向けたシンポジウムが開催されました。「大津市版地域プラットフォームの意義と公共施設マネジメントの取り組みを踏まえた官民連携の可能性」をテーマとした対談においては、民間の参画意欲を高めることの重要性などについて意見が交わされ、近江商人の経営哲学ともいうべき三方よしにちなんだインフラ三方よし「官よし・民よし・市民よし」という考え方は、三者協働によるまちづくりを推進するうえにおいても、重要であると感じました。
持続可能な都市経営を実現するうえにおいても、「地域プラットフォーム」が効果的に機能することに期待をするものですが、全庁あげて公共施設マネジメントに取り組むのであれば、庁内組織についても、これに見合う形で抜本的に見直す必要があると考えます。現在、公共施設の整備及び維持管理については、所管するそれぞれの課や室において行われていますが、施設の複合化を積極的に図るのであれば、執行部内における責任と権限をより明確にすべきです。建築課や施設整備課についても、従来の枠組みを超え、将来的には組織そのものを再編すべきと考えますが、まずは過去の施設整備において、複合化が図れなかった要因を分析され、効率的かつ効果的な情報の活かし方について検証されてはと提言するものです。市民参加のもとで開催された公共施設の地域別あり方検討会による議論を具現化することにもつながると考え、本市の見解を伺います。
・・・質問を終えて・・・
政策調整部において、総合計画や国土利用計画に加え、都市計画マスタープランの進行管理を行い、部局間の連携と調整を進め、個別計画の成果が相乗効果を生み出していけるように取り組んでいきたいとの方針があらためて示されました。
また、全庁をあげて取り組む公共施設マネジメントシステムの構築については、平成30年度に向けて、組織体制を検討していく方針を明らかにされました。
蛇足になるかもしれませんが、これまで以上に「部局間の連携と調整」をしっかりと図っていただきたいと考えます。
〇土砂災害警戒区域の指定が庁舎整備計画に与える影響について(要約)
1点目、土砂災害警戒区域の指定が庁舎整備計画にあたえる影響について。平成28年11月14日、大津市は庁舎整備を目的として、隣接国有地7464.37㎡を取得しました。汚染土壌対策が必要な土地であることから、平成30年度内に埋設物除去工事と汚染土壌撤去工事を完了させる方針が示されたところであり、平成28年11月補正予算においては、対策工事に向けて調査設計費が計上されたところです。
隣接地を活用して庁舎整備を行うにあたっては、当該土地が熊野川土砂災害警戒区域に指定されていることも、計画に大きな影響を及ぼします。大津市においては、指定解除の可能性について検討を重ねられ、平成28年8月には大津市長から滋賀県知事に対して、隣接地を対象とした個別解除の可能性や対策工事の内容などについて照会がなされましたが、敷地の盛土工事や掘削工事については、周辺地域へのリスク増大やその効果について指摘がなされるなど、期待する回答を得ることは出来ませんでした。
建築行為そのものを制限する規制はないものと認識していますが、建築敷地が土砂災害警戒区域に含まれることを前提として、庁舎整備を進めていかなければなりません。大津市は指定による影響をどの様に評価しているのか。
2点目、土砂災害警戒区域に中消防署を設置することの妥当性について。大津市地域防災計画には、災害時における消防活動を迅速に遂行し、人命の安全を確保するには、消防力の向上に加え、まちづくりそのものを消防活動に留意したものにしていく必要があること、また、地域の防災性を向上させる見地から、建築物の防災機能の向上策として、建物の耐震化、土砂災害対策を推進し、建物の倒壊等に対する予防を図るとともに、消防活動の安全性を高めることが記されています。
庁舎機能のうち、大津市消防局中消防署については、消防車や救急車といった緊急自動車が配備されていること、また、大津市災害等対策基本条例において、市民の生命、身体及び財産を災害及び危機から守る公助の担い手として、災害及び危機に備え迅速かつ組織的に対応することができるよう基本となる計画を策定するとともに、その対応を行うために必要な体制を整えることが市の責務として定められていることからも、土砂災害警戒区域に指定された隣接地に設置することは、相応しくないと考えます。大津市消防局は、防災活動及び災害応急対策の拠点としての機能を適切に発揮させるという観点から、国から取得した隣接地に消防署を整備する可能性について、どのように評価しているのか。
3点目、合併特例債を活用した庁舎整備について。平成27年12月に公表された新棟整備スケジュール案は、合併特例債の発行期限である平成32年度を視野に入れて作成されており、今年度においては、基本計画と基本設計が予定されていました。事業費の95%に充当でき、将来的には元利償還金の70%が普通交付税で措置されることから、一般財源ベースで考えた場合、市の財政負担額は、活用しない場合と比較するとおよそ事業費の三分の一で整備が可能となります。財政負担に与える影響を軽減させるためにも、耐震性能を有する庁舎整備に向け、取り組みを加速させる必要がありますが、今年度においては、基本計画に必要となる予算の計上が市長の査定により見送られています。
市長は平成28年2月通常会議の時点において、土砂災害警戒区域の指定に対する対応や国有地内の土壌汚染処理のあり方なども検討する必要があり、現在整備スケジュールについて明確に示せる状況にないと答弁されています。そのうえで、行財政に与える影響を勘案しながら、合併特例債の活用以外にも財政負担を軽減できる交付金や起債等の有効な財源や手法の調査検討を今後とも深め、安全な庁舎整備を目指していく見解を示されましたが、これら調査検討による結果は、合併特例債の活用による財政的効果と比較してどのようなものであったのか。
土砂災害警戒区域については解除に至らず、また、土壌汚染についても対応方針を明らかにされたことから、今後の整備スケジュールとあわせ、あらためて答弁を求めます。
4点目、大津びわこ競輪場跡地への中消防署の移転について。大津市役所本館棟及び別館棟においては、市役所庁舎として必要とする耐震性能を有しないまま、すなわち、機能空間の確保が図られないまま、今日を迎えています。
本館棟は免震工法、別館棟は取り壊して新棟を整備するという方針が示されたものの、技術的な検討は遅々として進んでおらず、基本計画の目途すら立っていないのが現状です。加えて、大津市は国から取得した隣接国有地に指定された土砂災害警戒区域の指定解除を目指し、滋賀県と協議を重ねてきましたが、平成28年8月31日付で発出された、滋賀県知事から大津市長への回答によって、敷地内における対策工事では解除に至らないことがあらためて確認をされました。
庁舎全体の整備計画を進めるうえにおいて、最優先に取り組むべきは、中消防署移転用地の確保であると考えます。先の質問でも申し上げましたが、土砂災害警戒区域に指定された敷地に消防署を整備することは、消防庁告示「消防力の整備指針」を踏まえても、適切でありません。
隣接地に新たな庁舎棟を整備する計画に変わりがないのであれば、合併特例債の活用によって、将来に渡る財政的負担の軽減を図るべきであり、そのためには、早期に移転方針を決定しなければなりません。これまで進められてきた政策の転換が必要となりますが、30年先、50年先の安全・安心まちづくりを見据え、以下の理由をもって、大津びわこ競輪場跡地の一部を中消防署の移転用地とすることを提言いたします。
1つ目の理由は、敷地条件の優位性です。現在、大津市消防局は、各種災害発生時の相互協力体制の強化を目的とする、陸上自衛隊との「消防活動相互支援協定」の締結に向け、大津駐屯地と調整を進められています。中消防署の敷地が近接することにより、より緊密な協力体制の構築が期待できるとともに、柳ヶ崎湖畔公園に設置された桟橋を活用することによる消防艇のより効果的かつ効率的な運用、また、地震防災対策特別措置法に基づく、第1次緊急輸送道路に面していることから、災害直後から発生する緊急輸送をより円滑に行うことが可能となります。
2つ目の理由は、都市公園法に基づく供用が開始されていないからです。当該敷地は昭和18年に近江神宮外苑公園として計画決定されて以降、これまでに計画決定の変更を重ね、現在は15haを有する都市基幹公園に位置付けられています。このうち、都市公園法に基づき、柳ヶ崎湖畔公園として開設されている面積は約4.5haであり、大津びわこ競輪場跡地についてはこの範囲外となっています。すなわち、都市計画法の適用しか受けないことから、中消防署として確保する敷地については、必ずしも代替地を確保する必要はありません。また、現状においては、都市計画法53条の規定に基づき、建物の階数や構造に関して建築制限がかかりますが、国土交通省が策定する都市計画運用指針が示すように、将来の都市像を踏まえ、都市全体あるいは影響する地域全体としての施設の配置や規模等の検討を行い、その必要性の変更理由を明らかにすることで、当該都市計画の見直しは可能と判断するものです。現在、次期大津市緑の基本計画策定に向けた検討が進められていますが、大津びわこ競輪場跡地については、防災機能の充実を目指した防災公園と位置付けることも視野に入れるべきと提言するものです。
3点目の理由は、大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業の進め方に問題があると考えるからです。現在、大津びわこ競輪場跡地については、民間事業者のノウハウと資金による利活用を実現するという方針のもと、審査委員会を市長の附属機関として設置するための議案が11月通常会議に提出をされましたが、学識経験者2名(弁護士・公認会計士)及び行政職員3名(大津市職員)で構成する案を示され、私は愕然としました。
大津市附属機関等の設置及び運営に関する指針は、市の意思形成過程の透明性の向上と公正の確保を図るとともに、市民の市政への参画を一層促進することを目的として、附属機関等の設置及び運営に関し基本的な事項を定めています。9月23日に行われた生活産業常任委員会での説明においては、市民代表の委員も選出する予定が示されていたにも関わらず、提出された議案においては、委員の過半数を執行機関の補助職員である大津市の職員が占める組織となっています。なお、平成28年11月1日時点において、大津市が設置する附属機関は109存在しましたが、市の職員が過半数を占め、なおかつ、関係団体からも委員が選出されていない附属機関は、大津市公務災害補償等認定委員会のみでした。
ちなみに、平成28年10月28日開催の第3回競輪場跡地利活用あり方庁内検討会の時点においては、市職員の委員数は1名と予定されていましたが、同年11月17日に開催された第4回目の検討会においては、当該事業については、PFIの要素が強いものの、新たに設置する施設については、どのような施設が整備されるか提案次第であり、かつその提案を選ぶことについては、政策的判断をする余地が多いことなどから、3名にすると説明がなされています。
あらかじめ定められた評価のポイントである、一定規模以上の多目的広場(公園)の整備、地域貢献、周辺地域への一体性の配慮、防災機能の確保は、いずれも地域のまちづくりに多大な影響を及ぼす項目であるにも関わらず、このような人選では、地域住民やまちづくりに取り組む各種団体の意見は審査に直接反映されません。
市長の補助機関である市職員が地域住民の意向を踏まえることを前提とするならば、そもそも、執行機関から独立して附属機関を設置することの意義が問われることになります。9月通常会議において、防災機能の確保に関する情報が公文書公開請求によっても開示されなかったことを問題視しましたが、一体、この組織のどこが、市の意思形成過程の透明性の向上と公正の確保を図るとともに、市民の市政への参画を一層促進することを目的として設置される付属機関なのか。到底納得のいくものではありません。
平成28年2月通常会議において、既存建物の解体撤去が民間事業者の負担で実施可能であったとしても、当該事業者によって行われる中長期的な土地利用が周辺地域と一体となったまちづくりに良好な影響を与えるものとならないのであれば、競輪場跡地の利活用に対する方針を見直すべきと提言しました。遅々として進まない庁舎整備計画の現状と合併特例債が活用できなかった場合における財政負担を鑑み、中消防署の移転候補地として、あらためて提言するものです。それぞれの理由に対する評価とあわせ、大津市の見解を求めます。
・・・質問を終えて・・・
土砂災害警戒区域に消防庁舎を建築することについては、平成12年消防庁告示第1号、「消防力の整備指針」第23条第1項(*)を踏まえ、あらかじめ土砂災害の恐れがある区域として指定されている場所に、消防庁舎をはじめとする防災関連施設を建設することは、緊急時の対応に不安を残すこととなり、一般論として、中消防署の設置場所として最適地とは言えず、また、市民の方々の理解を得ることは難しいものと考えるとの見解が消防局長より示されました。
(*)「消防力の整備指針」第23条第1項:消防本部及び署所の庁舎は、地震災害及び風水害時等において災害応急対策の拠点としての機能を適切に発揮するため、十分な耐震性を有し、かつ、浸水による被害に耐え得るよう整備するものとする。
再問において市長からは、消防局の意見を尊重するとの趣旨で答弁がなされました。
質問でも申し上げましたが、候補地の選定にあたっては、30年・50年先の安全・安心なまちづくりを見据えて決定いただきたいと考えます。
なお、庁舎整備のスケジュールにつきましては、来年度に実施を予定している「庁舎整備基本方針」や、その後に策定する「庁舎整備基本計画」の中で、検討していく方針が示されました。
まだまだ先が見えないというのが実感であることから、今後も議会において提言を重ねてまいります。
〇ガスの小売り全面自由化に伴う官民連携出資会社の設立に向けた取り組みについて(要約)
平成29年度から開始されるガスの小売り全面自由化を目前に控え、大津市企業局とパートナー事業者が共同出資する「官民連携出資会社」を設立する方針であると説明を受けました。経営環境の変化を見据え、意欲的に検討を進められる姿勢については評価するものですが、民間事業者に委ねる業務範囲については、リスク分担と責任分担を適切に行うことはもとより、災害時における対応などについて、十分検討を行ったうえで決定する必要があります。
大津市企業局が作成した事業スキーム案においては、PFI法に定められる公共施設等運営権制度の活用が明記されていますが、コンセッション方式ありきで官民連携出資会社を設立する考えなのか。また、公募によるパートナー事業者の選定を平成30年4月以降と見込まれながら、事業開始時期を平成31年4月と予定されていますが、職員の出向や採用に伴う手続きや業務管理体制の構築などに要する期間を踏まえると、新たな事業運営形態への移行期間に不足が生じると懸念をするものです。何を優先してこのようなスケジュール案を作成されたのか。
2点目、大津市が出資する法人の経営に与える影響について。地元から雇用を行うことで、地元経済の活性化に貢献するとされていますが、大津市企業局が出資する株式会社大津ガスサービスセンターや株式会社パイプラインサービスおおつにおいては、これまでから地域に密着したサービスを展開されており、新会社との競合によって、経営状況が悪化するおそれがあります。今後、大津市企業局はどういった方針のもとで、両法人と情報の共有を図っていく考えなのか。
・・・質問を終えて・・・
事業開始時期についても、大阪市及び奈良市におけるコンセッション方式導入に向けた事例(水道・上下水道)を参考にしたと答弁されながら、再問においては、両市とも当初の予定どおり上手くいっていないと答弁されるなど、検討が不十分であることがよくわかりました。
また、大津市が出資する法人の経営に与える影響についても、それぞれの経営にとって「相乗効果」が生まれるよう協議していくとの方針が示されましたが、顧客獲得という観点において、本当にそんなことが可能なのか!?
これもまた、検討にすら至っていないとの印象を受けました。
官民連携出資会社が担う業務範囲については、マーケットサウンディングの結果を踏まえて、あらためて検討されることになります。
中期経営計画の策定状況とあわせ、引き続き注視してまいります。