【納得いきません!!】

 11月16日、11月通常会議に提出が予定される議案等について、執行部より説明を受けました。理解に苦しむというか、憤りすら覚える説明もあり、様々な思いが胸に去来しました。特に、大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業の実施に伴って設置される付属機関(審査委員会)の委員構成案については、到底納得のいくものではありませんでした。

大津市は平成24年度に「大津市付属機関等の設置及び運営に関する指針」を策定しています。
下記質問は、上記指針の施行に先立ち、平成24年12月定例会に行った質疑・一般質問です。

〇大津市附属機関設置条例の一部を改正する条例の制定について(要約)

大津市の審議会等の委員選任基準第6条によると、市職員は審議会等の委員に選任してはならないと定められていますが、附属機関として設置しようとするいくつかの機関においては委員の構成に市職員が含まれており、所管部局として担うべき役割等の精査が十分なされないまま議案として提出されるに至っています。
担任する事項や議論の継続性を踏まえての措置と理解するものですが、当該基準は市政への市民参加を促進することを目的として策定されたものであり、何らかの対応が必要になってくると考えます。
大津市は今後どういった方針を持ってこれに取り組んでいく考えなのか、見解を伺います。

答弁(総務部長)  
現在の大津市の審議会等の委員選任基準におきましては、市職員は審議会等の委員に選任してはならないと規定をしておりますが、その適用除外である法令の規定に基づき、特定の者を充てることとされているもの、そしてその他市長が特別の理由があると認めるものについては、市職員も選任が可能であるとしております。
現在、この基準につきましては、大津市審議会等の設置及び統廃合基準、審議会等の委員公募要領及び審議会等の会議の公開に関する指針等と統合して、大津市附属機関等の設置及び運営に関する指針として見直しを行っております。この見直しに当たりまして、附属機関につきましては執行機関から独立して審議等をするため、執行機関の補助職員である市職員を委員に選任しないことを基本とする考えに変わりはございません。
しかし、市職員がその専門知識、資格、経験等から必要とされる場合等で委員として参画することで当該附属機関の活動がより有効なものになると期待される場合は、市職員が委員として選任することもあり得ると考えられます。
ただし、適用除外規定であるその他市長が特別の理由があると認めたものの解釈については、庁内での統一化が必要ですので、具体的な事例を示して周知を図り、指針に則して適切な取り扱いがされるよう努めてまいりたい考えております。

・・・転載終わり・・・

「大津市付属機関等の設置及び運営に関する指針」
 
第1 趣旨
この指針は、市の意思形成過程の透明性の向上と公正の確保を図るとともに、市民の市政への参画を一層促進することを目的として、附属機関等の設置及び運営に関し基本的な事項を定めるものとする。

第4 委員の選任

1 委員の選任基準  
附属機関等の委員は、附属機関等ごとに定める目的・趣旨にふさわしい人材を幅広く選任するものとし、その基準は、次のとおりとする。
 (1) ~(3)転載省略 

(4) 市職員は、次のいずれかに該当する場合を除き、委員に選任しないこと。  

ア 附属機関

(ア) 法令等の規定に基づき特定の者を充てることとされている場合

(イ) 専門的知識、資格、経験等を有し、又は本市の状況を詳細に把握する職員を 充てる必要があると認められる場合

(ウ) 方針又は審査の決定に関し、本市の考え方、意見等を反映する必要があると 認められる場合

イ 附属機関以外の組織    

 職員を充てることにより、自由闊達な意見交換が期待できる場合

・・・転載終わり・・・

参考:大津市ホームページ 附属機関等(委員会など)

大津市は、公募提案型貸付事業者の選定については、事業の法的及び財政的な検討を行うため、また公平性を担保する意味から、外部委員の参画を求める必要があり、大津市付属機関条例に規定する附属機関として、審査委員会を設置する方針を明らかにしました。
審査委員会では、大津びわこ競輪場の跡地の公募提案型の貸付けの相手方となる民間事業者の選定のために必要な事項を審査するとともに、その選定手続に関し必要な事項(事業者募集要項や選定基準)を調査審議することになります。

平成28年3月には、大津びわこ競輪場跡地利活用における民間活力導入の基本的な方針がまとめられ、民間活力導入による評価のポイントが定められました。

(1)一定規模以上の多目的広場(公園)の整備
将来的には、敷地全体を「都市公園施設」として整備する必要があるが、競輪場跡地の暫定的な利活用時点から、市民が憩える、自然豊かな公園の提供が期待されている。また、現在の競輪場跡地は、グラウンドゴルフや自治会等の運動会として活用されるなど、地域住民の貴重な憩いの場としての役割を果している。
これらの実情を踏まえ、整備される多目的広場の規模感は、概ね、15,000㎡の確保が望まれているが、最低でも、現状と同等程度以上であり、グラウンドゴルフや自治会の運動会などの開催が可能である広場として、8,000㎡以上の規模を基本とするもの。また、多目的広場内における天然芝の整備、その他、公園専用駐車場や付帯施設等の設置が望まれる。
 
(2)地域貢献
競輪事業実施時において、大津びわこ競輪場は、その収益金が本市の教育や福祉、都市基盤の整備等のまちづくりに大きく貢献してきた。 この事実を踏まえ、利活用後においても、地域経済の活性化や雇用の創出に寄与するとともに、地域住民の交流が図られ、また、地産地消の推進ができる施設やスペースの配置など、地域に貢献することが望まれる。
 
(3)周辺地域への一体性の配慮
競輪場跡地の西には近江神宮が存し、東側には柳が崎湖畔公園が近接している。 また、南西には、皇子山総合運動公園や皇子が丘公園があり、まちのシンボルである施設が複数存在する地域である。 よって、これらまちのシンボルである施設を踏まえた、面的な一体性(デザイン性
や施設の配置計画等)を持った利活用が期待される。 また、これらハード的な一体性のみならず、地域と一体となったイベントの開催など、ソフト的な連携が行われ、地域の一体性に寄与することが望まれる。 

 (4)防災機能の確保
競輪場跡地は、現状、指定緊急避難場所、指定避難所に指定されており、また、災害時における物資の集積場所として、周辺住民にとって貴重な防災機能を備えている。このことを踏まえ、防災機能を備えることを基本とし、同機能が継続的に確保されることが望まれる。 さらには、災害時における帰宅困難者支援やこれを含めた防災協定の締結や、避難場所、避難所としての提供などの積極的な提案も期待される。

評価のポイントには、「地域」という言葉が何度も使用されています。
審査委員会を学識経験者2名(弁護士・公認会計士)及び行政職員3名(大津市職員)で構成する案を示されたことから、地域防災をはじめ、まちづくりに与える影響を誰がどのように判断するのか!?確認したところ、「大津市職員で判断する」と回答がありました。

9月通常会議において、防災機能の確保に関する情報が公文書公開請求によっても開示されなかったことを問題視しましたが、一体、この組織案のどこが、市の意思形成過程の透明性の向上と公正の確保を図るとともに、市民の市政への参画を一層促進することを目的として設置される付属機関なのか!?
平成28年9月23日に開催された生活産業常任委員会において、産業観光部は「利活用事業者を選定する審査委員会は、学識経験者と行政委員、市民代表から選出する予定」と説明しています。

 

参考:大津びわこ競輪場跡地利活用事業 進捗状況について(報告)平成28年9月23日 9月通常会議生活産業常任委員会 産業観光部 商工労働政策課資料


そもそも、議会に示された方針がなぜ、
2ヶ月も経たないうちに覆るのか!?
附属機関については、執行機関(市長)から独立して審議等をするため、執行機関の補助職員である市職員を委員に選任しないことを基本とするとしながら、過半数の委員を市職員が占めることなど、あってはならないことだと考えます。

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地元説明については、昨年度、滋賀学区自治連合会、二本松自治会、同学区体育協会、同学区自主防災会、滋賀観光協会、志賀小学校PTAを対象としたグループミーティングを実施されて以降、今年度においては、自治連合会役員に対して進捗の説明がなされたのみと認識しています。
11月16日においても、各会派に午後から説明することを踏まえ、午前中に検討スケジュール、今後の施設利用・管理、多目的広場の整備、現施設の防災機能について、A4紙一枚に4行、これら事項のみが書かれた資料をもって、現状報告がなされています。

スケジュールについても、当初、説明を受けた時点から大幅に遅れています。
遅れを取り戻そうとして、急げば急ぐほど、市政運営が不透明なものとなり、市民への説明や対話が不十分なものとなっていることに、危惧の念を抱いております。

以下、その他項目について、私の感想を記します。

〇中学校給食実施方針(案)について

運営開始時期(予定)を平成32年1月(3学期)からとする方針を明らかにされました。
開始時期については、平成30年度中から平成31年度のできるだけ早い時期と方針を変更されたところですが、実施方針(案)に記されたスケジュールは大変タイトなものとなっています。
建設コストや民間事業者の参画意欲に与える影響について懸念をするものです。

〇地方独立行政法人市立大津市民病院の設立に伴う関係条例等の制定について

介護老人保健施設ケアセンターおおつのあり方については、これまで通りの説明に終止されました。
現施設に民間事業者を誘致しようとしたのは他ならぬ大津市(建築基準法違反となることから断念)であり、次期ゴールドプランの策定状況を見極める必要があるのであれば、もともとの方針は何であったのかと、今更ながらに思いました。
また、耐震化が図られていない看護師寄宿舎(むつみ寮)に開設されている、院内保育所の整備方針についても具体的な進捗は確認できませんでした。
大津市長は開設者として、その責任を早期に果たしていただきたいと考えます。

〇第5次大津市国土利用計画(素案)について

歴史的地域については、歴史文化基本構想及び歴史的風致維持向上計画の作成を視野に入れて設定すべきです。
大津市は中心市街地のエリアを対象として調査を進めていますが、将来的には、重点区域を拡充する必要があります。
現大津市国土利用計画を踏襲しているとのことでしたが、あらためて検討されるべきと申し上げました。

〇大津市公営インフラ事業のあり方検討について

平成29年度からの、ガスの小売り全面自由化を目前に控え、大津市企業局とパートナー事業者が共同出資する「官民連携出資会社」を設立する方針であると説明を受けました。
経営環境の変化を見据え、意欲的に検討を進められる姿勢については評価するものですが、パートナーも決まってないうちから、仮称とはいえ、会社名だけが独り歩きしないかと懸念をするものです。
次期経営計画にどういった形で位置付けられることになるのか、注視してまいります。

〇平成29年度機構改革について

平成29年度より、大津市総合計画及び大津市国土利用計画、大津市都市計画マスタープランの実効性ある推進を図るため、これら計画に係る業務すべてを政策調整部で推進することになると説明を受けました。
なお、都市計画部と建設部については、「未来まちづくり部」として統合されることになります。
過日開催された大津市都市計画審議会において、立地適正化計画、歴史的風致維持向上計画、地域公共交通網形成計画、地域公共交通再編実施計画の策定に向けた方針を再確認いたしましたが、都市計画マスタープランはこれら計画の背骨になるものと理解しています。
都市計画課は「都市整備課」になるそうですが、私はむしろ、同課において、国土利用計画と都市マスの進捗管理をあわせて行うべきと考えます。

あと、これは感想ですが、「まちづくり」とは、人づくり、また、暮らしそのものの創造とも言えることから、政策調整部を「未来まちづくり部(まちづくり部)」、建設部と都市計画部をあわせて「都市整備部」にされるほうが、私の中ではしっくりきます。(そもそも、予算と人事に関しては総務部が所管しており、政策調整部の「政策調整」機能には限界があります・・・。)

つい先日、大津市主催で「大津市総合計画・大津市都市計画マスタープランまちづくりフォーラム」が開催されました。
市長も出席されていましたが、組織改編に向けたメッセージを市民に発信されるべきであったと考えます。
議会への説明が後になると言われるのであれば、フォーラムに先立って説明されておけば良かっただけの話です。
「未来」という言葉に市長はどのような思いを込められたのか!?
せっかくの機会であったのに、残念に思いました。

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