【登壇】
12月9日、5項目について質疑・一般質問を行いました。最後の質問項目、「大津市長の政治判断が教育委員会の組織運営に与えた重大な影響について」の市長からの答弁は、地方自治法が定める「組織等に関する長の総合調整権」を踏まえた内容とは思えませんでした。規則・規程上、問題のある組織構成となったのは、教育部長と教育部次長(教育長職務代理規則における第1順位及び第2順位にあった事務局職員)が不在になったことがきっかけであり、大津市長の意向(教育部長⇒市民部国体・スポーツ推進監/井上教育部次長⇒教育委員(現教育長))が招いた結果であると考えます。教育部長の配置については、人事権が教育委員会にあることを強調されていましたが、相互理解・相互協力が図られてこその機関連携であり、自らの政治責任が果たされればそれでよいという事ではないと考えます。
びわこ大津草津景観推進協議会の今後のあり方については、協議会の法定化に向けて草津市と協議を行っていく方針が示されました。
連携による施策を充実いただくためにも、今後の取り組みに期待をするものです。
自治集会場である「ふれいあいの家」の整備については、児童遊園地内を建築敷地とする場合における基準の明確化に前向きに取り組んでいただけるものと理解をいたしました。
建ぺい率の設定が大きな課題と考えますが、街区における児童遊園地の整備状況等も踏まえながら、要綱等を整備いただきたいと考えます。
大規模盛土造成地の変動予測調査については、大規模盛土造成地マップの公表に向け、取り組みを加速いただきたいと考えます。
大津市からは、大規模盛土調査検討委員会の意見や他都市の状況などを踏まえたうえで、出来る限り、早期公表に向けて検討しているとの答弁がありましたが、どういった方針で2次スクリーニングに向けたモデル地区を選定していくかについては、議論を深めることは出来ませんでした。
防災上、大変重要な課題であり、今後も継続して質問を行ってまいります。
家具等転倒防止対策の向上に向けた取り組みについては、効果的な器具の選定や支援の対象とする世帯のあり方等について、関係部局間で具体的な調整を進め、事業実施に向けて検討していく方針があらためて示されました。
早期の支援実現に向け、検討を加速・充実させていただきたいと考えます。
平成26年11月通常会議 谷祐治 質疑・一般質問(要約)
◎びわこ大津草津景観推進協議会の今後のあり方について
〇法定化に向けた取り組みについて
本年11月29日、両市の市民が誇りと愛着を持てるまちを目指し、草津市にて「東海道サミット」が開催されました。この事業は、東海道の歴史や趣などを再認識し、両市の景観をより一層魅力あるものとして、次世代に引き継いでいくことを目的に開催されたものであり、市長以下、大津市からも多くの職員が参加をされました。私自身も建築士会の一員として、子どもや保護者を対象とした事業の企画運営に携わりましたが、両市によって昨年11月に設立された「びわこ大津草津景観推進協議会」をより効果的かつ効率的に機能させなければ、連携による成果を市民や事業者に実感してもらうことは出来ないと考えるに至りました。
次世代を見据えて調印された「びわこ大津草津景観宣言」を実現するためには、同協議会を景観法に基づく景観協議会へと移行させ、両市の景観計画に反映される共通のルールを策定する必要がありますが、現在は地方自治法の規定により、連絡調整を図る組織と位置付けられています。
過日、東海道サミットの実施に伴って開催された協議会においては、景観計画の相違点などについて報告がなされ、両市から対岸を見た視点場について検証を進めていく方針を決定されたようですが、法定化に向けて必要となる取り組みについても、平行して進められるべきと提言するものです。びわこ大津草津景観推進協議会の設立にあたり、琵琶湖を挟んだ対岸の景観、旧東海道でつながる歴史的景観、屋外広告物行政について連携を図ることが両市によって確認されていますが、その機能が連絡調整に限定されたままでは、市民や事業者の意見を施策に反映することは困難であると考えます。議会での議決が必要となることを踏まえ、大津市はどういった方針のもとで法定化に向けた取り組みを進めていくつもりなのか。推進協議会が主体となって啓発事業などを実施する必要性にも鑑み、本市の見解を伺います。
〇連携強化に向けた取り組みについて
両市の連携に伴う協議を規約に基づき重ねていくためには、担当部課同士における事前協議で概ねの方針を決定するのではなく、推進協議会内に専門部会を立ち上げるなど、両市が一体となって事業内容等を検討し、また、その成果を検証できる仕組みが必要であると考えます。連携の基盤となる両市職員の信頼関係を醸成するためにも、意思決定過程をあらためて見直されてはいかがでしょうか。あわせて本市の見解を伺います。
◎「ふれあいの家」の整備促進に向けた取り組みについて
〇建築敷地としての児童遊園地の利用について
大津市においては、明るく住みよい地域づくりを目指し、身近な問題や地域の課題などについて話し合う場として、また、教養を高めるための研修の場として、世代を問わず、誰もが利用できるコミュニティ活動の拠点となる「ふれあいの家」を新築、購入または改造する経費の一部を補助する事業が実施されています。自治会加入率の維持向上を図る上においても、有効な施策と評価するものですが、いわゆるミニ開発や集会所用地の寄付が伴わない規模で開発が繰り返された地域においては、コミュニティ活動の範囲内で用地を確保することが大きな課題となっています。用地の取得費用も補助対象とはなるものの、建築費用と合わせて資金を確保することは自治会にとってさらなる負担となり、「ふれあいの家」を整備するにあたって大きな課題となっています。
そこで、開発事業者から本市に帰属された児童遊園地のうち、「ふれあいの家」を建築した後も公園としての利用が可能となる施設については、申請のあった自治会に建築敷地として使用を認める制度の創設を提言いたします。これまでは、個別の事情に応じて対応されてきたと認識していますが、自治会が目標をもって積立が行えるよう、基準の明確化を図るべきと考え、本市の見解を伺います。
◎大規模盛土造成地の変動予測調査について
〇大規模盛土造成地マップについて
平成22年度以降、本市においては大規模盛土造成地の変動予測調査を実施されており、大規模盛土造成地を抽出する第一次スクリーニングについては、既に完了しています。これまでの間、当該調査の実施にあたっては多くの委託費が執行されていることからも、その成果は市民に還元されるべきであり、作成された大規模盛土造成地マップについては、安全、安心なまちづくりに資する資料として、広く公表されるべきと考えます。国土交通省が作成した「大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドライン」においても必要な手順として定められていますが、大津市は今後、どういった方針のもとで大規模盛土造成地マップの周知、普及を図っていく考えなのか。公表に向けスケジュールと合わせて見解を伺います。
〇第二次スクリーニングについて
第二次スクリーニングについては、現地調査及び安定計算により滑動崩落のおそれが大きい大規模盛土造成地を抽出する事を目的に実施をされることになりますが、実施箇所の優先順位をどの様にして決定し、滑動崩落防止対策の必要性を確認していく考えなのか。現在、第二次スクリーニングに向けて実施されている予備調査の進捗状況を踏まえて答弁を求めます。
◎家具等転倒防止対策の向上に向けた取り組みについて
〇次年度以降における取り組みについて
平成26年6月通常会議において、私は、転倒による負傷や火災からの逃げ遅れを防ぐためにも、災害時において支援が必要となる高齢者や障害者で構成される世帯に対しては、一定額の設置費を助成する制度を改めて創設されることを提言いたしました。総務部長からは、福祉部局や消防局とも連携しながら、家具等転倒防止の対策率を向上させるためには、どのような施策がより有効であるかを協議し、その実践に努めてまいりたいとの答弁がなされ、健康保険部長からは、助成制度も含め、災害時に支援が必要な世帯に対し、家具等転倒防止器具の取りつけに取り組んでいただけるよう、本市の取り組み実績や他都市の状況も踏まえ、有効な施策について検討していくとの答弁がなされました。総務部、健康保険部、福祉子ども部が連携して検討すべき課題と認識していますが、大津市はこれまで検討された結果を、次年度以降における家具等転倒防止対策にどの様な形で活かしていく考えなのか。見解を伺います。
◎大津市長の政治判断が教育委員会の組織運営に与えた重大な影響について
〇教育部長を新たに配置しないとした意思決定について
現在、大津市教育委員会事務局においては、教育部長の職が空席となっています。大津市教育委員会事務局及び教育機関の職員の設置に関する規則において、教育部長の職務は、教育長を補佐し、事務事業の調整を図り、所属職員を指揮監督することと定められ、また、教育部次長の職務については、教育部長を補佐することと定められていることから、規則上は教育長と教育委員会事務局との連携は図られていないことになります。市民部に国体・スポーツ推進監という新たな職が創設され、前教育部長がその職に就かれたこと、また、教育委員会事務局教育部次長の職にあった井上佳子氏が教育委員に任命されたことが直接の原因と理解していますが、市長は教育部長を新たに配置しないとした、教育委員会の意思決定にどの様な形で関与されたのか。
〇コンプライアンス違反に対する市長の考えについて
井上教育長の就任に伴い、教育部次長が3名に増員されましたが、大津市教育委員会事務決裁規程において、次長は、部長の命を受け、課長その他の職位を指揮監督し、部長が決定した所管事務の方針及び計画に基づき、所管事務の方針及び計画を立案し、部長の承認を得て、これを所属職員に周知徹底させ、事務の遂行に当たるとともに、所管事務の方針及び計画の立案について部長を補佐すると定められています。また、所管事務を遂行する場合においても、方針及び計画の変更を要するもの又は異例に属するものが生じたときは、その都度、部長に報告し、その指示を受けなければならないと定められおり、大津市教育委員会事務局の現状については、規程上、問題があることは明らかです。
大津市教育委員会事務局に「教育部」という組織上の部は存在しないものの、機構や職務内容を見直すこともなく、また、関連する規則や規程を改正しないまま、後任の教育部長を意図的に配置しないことは、重大なコンプライアンス違反にあたります。市長は井上氏が教育長に就任されることを前提とし、行政手腕が卓越していると評価され、教育委員に任命をされましたが、この様な状態で適正な事務執行が可能と判断されているのか。議会への同意を求めた任命権者として、説明責任を果たされるべきと考え、見解を伺います。