【登壇】

 9月10日、3項目について質疑・一般質問を行いました。琵琶湖疏水を活かした周辺地域の活性化については、古都(湖都)としてまちづくりの方向性をより明確にすべきと考え、歴史的風致維持向上計画の策定を提言しました。都市計画マスタープランの策定を視野に再問を繰り返しましたが、期待する答弁をえることは出来ませんでした。

私は、土を耕し、種を植え、情熱を持って育み続けてこそ、実る果実(成果)があると考えます。
4年という市長の任期中に成果や変化を実感できない事業であっても、次代を見据えて積極的に取り組んでいただきたいと期待するものです。
市長マニフェストにおいては、豊かな自然・歴史・文化を守り育てると明記されていますが、庁内において機運が高まっているようには感じられません。
12月通常会議においては、各施策・事業における取り組みを踏まえながら、引き続き提言を行ってまいります。

参与の選任とカイゼン・プロジェクトの設置については、政策形成過程に与える懸念を念頭に質問を行いました。
茂呂前副市長が在任中に取りまとめられた、春季主要事業ヒアリングの実施等にかかる部局長意見を補足資料として議場内に配布させていただきましたが、執行機関(市長)と補助機関(副市長をはじめとする職員の皆さん)が一丸となっていただかないと、より良い大津市政は望めないと考えます。

谷祐治 9月通常会議 質疑・一般質問(答弁については、後日あらためて掲載させていただきます。)

視点:「湖都に相応しいまちなみ」「まちの賑わい・市民交流の創造」
〇琵琶湖疏水を活かした周辺地域の活性化について

平成26年1月15日、(仮称)琵琶湖疏水クルーズを実現させることを目的として、京都市上下水道局総務部経営企画課長をリーダーとする検討プロジェクトチームが設置されました。大津市からは観光振興課長がサブリーダーに就任され、平成26年度中に一定の方向性を示すことを目標に、これまで計3回にわたって事業化に向けた検討が行われてきました。
隣接する京都市との連携を強化し、観光施策の推進に取り組まれることについては大いに賛同するものですが、大津市としては、浜大津や三井寺周辺地域を中心とした観光交流の促進に、持続可能な形で資する事業になることを目指すべきと考えます。
琵琶湖疏水が観光資源として有する潜在的価値はもとより、近代化の歩みを物語る歴史的資産でありながら、現在もライフラインとして大切に維持管理されていることの意義を踏まえ、以下、検討プロジェクトチームで議論されてきた内容を含めて5点の質問を行います。

1点目、観光船の運航コースについて。大津市は往復の運航でないと観光上のメリットがないと主張されてきましたが、京都市側は安全面の観点などから、非常に難しいとの見解を示されています。往復運航が現実的でないと判断するに至った場合、大津市はこのプロジェクトにどういった姿勢で臨むことになるのか。また、昨年の12月、大津市長は疏水事務所大津分所から蹴上船溜まりまでの間で実施された船下りで試乗された後、「京都へ沢山来られている観光客に大津にも来ていただきたいというのは、私の市長就任当初からの思いである。琵琶湖の水を使って大津から京都を観光する、是非とも実現させたい。」と琵琶湖疏水の特性を踏まえた発言をされていますが、発言の意図はどこにあるのか、合わせて見解を伺います。

2点目、事業化に伴う経費の負担について。京都市は大津市に対して、観光船運航に伴う経費負担の可能性について言及されています。プロジェクト会議においては、首長の判断事項であることを理由に明確な方針は示されていませんが、事業者に求める負担額について協議を整え、その上で公費負担となるべき内容と額を見て判断することになるとの主旨で回答がなされています。現在、琵琶湖疏水については、京都市水道事業特別会計において維持管理がなされており、観光目的で大津市から予算を拠出するにしても、会計規則上の課題などについて研究を行う必要があると考えます。今後、大津市は負担すべき費用の妥当性をどの様に判断し、どういった手段であるならば予算を措置することが可能と考えているのか。

3点目、健全度調査の結果に対する認識について。京都市上下水道局が平成26年2月から6月にかけて行った第一疏水トンネルの健全度調査の結果が明らかとなりました。調査結果の報告書によると、第一トンネルについては、『ひび割れ、「うき」、漏水等の変状を確認したが、直ちに補修が必要な箇所はない。ただし、将来的にコンクリートのはく落に結びつく「うき」、トンネル構造の安定に関わるひび割れ及び断面変形箇所を確認した。このことから、トンネル構造の安定確保を目的とした補修・補強の必要性を検討するため、詳細調査の実施が必要である。』との考察が示され、平成26年8月に開催された京都市議会交通水道消防委員会において、次の停水期間である平成27年1月から3月にかけて、さらに詳細な調査を実施される方針が示されました。
必要に応じて、補修や補強を計画的に実施されていくことになりますが、大津市はこの結果が疏水クルーズを実現する上において、どういった影響を与える評価であったと認識しているのか。京都市側から受けた報告内容を踏まえて答弁を求めます。

4点目、琵琶湖を管理する滋賀県との連携について。観光船の運航を実現させるためには、一級河川琵琶湖の管理者である滋賀県の理解と協力が欠かせないと考えます。プロジェクト会議の設置に先立ち、当時の滋賀県知事から参加に向けた働きかけがあったと認識しているが、今後、どういった方針のもとで滋賀県と情報の共有化を図り、課題の解決に向けて連携を強化していく考えなのか。

5点目、歴史的資産を活かしたまちづくりについて。古都大津として風格ある景観づくりに取り組み、住民や来訪者にとって魅力あるまちづくりを目指すのであれば、歴史まちづくり法に基づく歴史的風致維持向上計画を策定し、当該地域を重点区域に位置づけることが効果的であると考えます。本市はこれまで様々な角度から研究と検討を重ねてこられたと理解しているが、今後、どういった方針のもとで計画の策定に取り組んでいくつもりなのか。
また、財務省は大津市三井寺町にある大津長等合同宿舎用地を売却予定財産と位置づけており、公的要望がない場合については、一般競争入札に付される予定となっています。琵琶湖疏水を活かして周辺地域のさらなる活性化を目指すのであれば、第一トンネル東口に隣接する跡地利用のあり方について、全庁的に検討すべきでないでしょうか。引受予定年度は平成27年度とされており、湖都に相応しいまちなみを保全する上においても喫緊の課題であると考えますが、重ねて本市の見解を伺います。

視点:「市政運営の透明性向上」 
〇参与の選任とカイゼン・プロジェクトの設置について

大津市においては、特別職である参与に就任された山本公営企業管理者をリーダーとする(仮称)カイゼン・プロジェクトの設置が予定されています。なお、平成26年8月20日、山本公営企業管理者は大津市長から、「大津市の特定の経営上の課題に対する助言・指導に関する参与の業務を嘱託する ただし非常勤とし 平成27年3月31日までとする 無給とする」という辞令を交付されていますが、特別職としての位置づけは地方公務員法第3条第3項第3号における「嘱託員」としてのものであり、「参与」としてのものではありません。このプロジェクト会議が所掌することになる定型的・専門的業務の民間委託の推進及び新たな人事制度の導入と総人件費改革の推進については、これまで2名の大学教授を行政改革アドバイザーとして招聘し、計4回に渡って協議が行われてきましたが、なぜ、「カイゼン・プロジェクト」なる組織を立ち上げることが取り組みを強化することにつながるのか。これまで行政改革アドバイザーが果たされてきた役割と助言に対する評価を踏まえて答弁を求めます。

2点目、カイゼン・プロジェクトを構成する委員及び事務局員の人選について質問します。本年8月26日に行政改革アドバイザー会議が開催された時点においては、自らが選任された参与をリーダーとする会議であるにも関わらず、市長は委員としてプロジェクトに参加する意向を示されていました。そうであるならば、執行機関である市長自らがリーダーに就任されるべきでないかと違和感を覚えていたところ、質問通告日の前日になって、市長は委員から外れられるとの報告を行政改革推進課から受けました。市政運営の推進に大きな影響を与えるプロジェクトであると認識していますが、委員及び事務局員の人選はどういった過程を踏まえて行われたのか。この度の委員変更を契機として、執行部内における意思決定のあり方をあらためて見直されてはと考えるが、本市の見解を伺います。

3点目、部局長から寄せられた意見の反映について。ケアセンターおおつ及び大津市公設地方卸売市場のあり方検討、大津市営住宅石山団地再生事業や東部学校給食共同調理場移転新築事業については、山本参与の関係事業と位置づけられています。今後、市長との協議を踏まえながら様々な立場で指導・助言を行っていかれることになると理解していますが、さる4月10日に当時の茂呂副市長名で行われた、春季主要事業ヒアリングの実施等にかかる部局長意見においては、組織の意思決定や指示・伝達の方法、行政改革の推進、トップの姿勢等について多くの懸念が寄せられており、庁内において合意形成を図るためには、これらの意見を踏まえて取り組みを進めるべきと考えます。大津市長は各部局長から寄せられた意見をどの様に受け止め、市政運営に反映されようとしているのか、見解を伺います。

4点目、規程等の整備について。大津市においては、特別職である嘱託職員の参与を選任する場合の規程等は整備されておらず、最高経営責任者補佐官を意味する「CEO補佐官」という通称についても、世間一般的に通用している名前とは思えません。一体、どの様な効果を期待されてこの様な通称とされたのか、私には理解が出来ません。この度、大津市長から嘱託された参与の業務は、本市の政策形成に大きな影響を与えるものであり、その役割や参加すべき庁議についても、あらためて明確にすべきと考えますが、本市の見解を伺います。

〇平成26年度大津市一般会計補正予算(第3号)について
持ち時間を超過したため、通告したすべての質問を行うことが出来ませんでした。後日、所属する生活産業常任委員会が所管する事項については、委員会審査において質疑を行いました。

(平野市民センター改築事業費について)

〇計画の見直しを踏まえた道路等の新設に係る測量調査費が追加で予算措置されています。大会議室の面積が200㎡以上となったことにより、大津市建築基準条例が適用され、建築敷地はその境界線の全長6分の1以上が幅員5m以上の道路に接しなければならなくなったためであり、今後、建築基準法上の道路として指定を受けるための手続きが進められると理解しています。測量調査については、市道認定を受ける範囲に限らず、工事用車両の進入路についてもその対象となっていますが、残地の利活用についても視野に入れながら計画を進めるべきと考え、本市の見解を伺います。

〇現在、地元協議用図面作成費として50万円が措置されていますが、「平野市民センター移転改築計画策定基本計画書資料作成業務委託」の委託料は32万4千円と確認しています。委託業務は既に完了し、以後の業務については実施設計で対応されることになると理解していますが、差額の17万6千円は未執行のまま、減額の対象として取り扱われることになるのか。

(クラウドファンディングによる調達資金を活用したおおつ光ルくん制作経費について)

〇どういった事業であれば、クラウドファンディングによる資金の調達を認めるかについて、全庁的な理解が図られていないと、予算要求の過程において混乱を期すことになると考えます。今後、補助金が削減されていることもあり、三者協働によって実施されている事業などにおいて実施を望む声は個別に高まると考えるが、大津市はどういった方針のもとで資金調達の手段として位置づけていくのか。

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