【極めて不透明です!!】
質疑・一般質問二日目。あらかじめ議長に通告した内容に基づき、5項目の質問をおこないました。なお、市民スポーツのさらなる活性化に向けた取り組みについては、代表質問及びこれまでの一般質問と答弁が重複をすることから、議場の許可を得て取り下げを行いました。
〇市有建築物の耐震化に向けた取り組みについて
(大津市既存建築物耐震改修促進計画の実現に向けた取り組みについて)
大津市は地震災害の被害を軽減させるため、平成19年度に「大津市既存建築物耐震改修促進計画」を策定している。市有建築物については、防災上特に重要な施設から耐震化を進め、このうち特定建築物については、平成27年度末までに耐震化率100%に達することを目標にしているが、平成26年度一般会計予算においては、これに該当する中老人福祉センター及び和邇体育館の耐震補強に係る予算措置が市長・副市長査定によって見送られた。避難所に指定されている公民館や体育施設においても同様に先送りされているが、大津市は今後、どういった方針で大津市既存建築物耐震改修促進計画に掲げた目標を達成する考えなのか。予算措置を見送った理由と合わせて答弁を求める。
(唐崎保育園耐力度調査が見送られた理由について)
また、唐崎保育園耐力度調査についても予算措置が見送られている。市が管理する施設の耐震性を強化することは、大津市防災対策推進条例において定められた本市の責務であり、早急に耐震化を図るべきと考えるが、将来の施設整備を見越しての判断なのか、それとも単なる先送りなのか。その理由を問う。
〇国際理解教育推進充実事業について
(教育委員会から予算要求が行われていない事業の実施について)
大津市教育委員会は国際理解教育推進充実事業費として1億271万4千円を要求したが、このうち、5万円であったその他事業経費は市長・副市長による二役査定を経て約950倍の4756万6千円となり、事業費全体で1億5375万8千円が計上されることになった。復活予算要求が行われた12月27日の時点で予定されていなかった取り組みに多額の予算が計上されているが、予算編成権を有する市長と教育行政の担い手である教育委員会との間でどの様な協議が行われたのか。
(ICTを活用したティーチングメソッドの研究開発について)
国際理解教育推進充実事業費のうち、「ICTを活用したティーチングメソッドの研究開発」については、ICTを活用し、小学校での外国語活動の効果的な指導方法について研究をするという前提で2343万6千円が予算計上されている。しかしながら、積算根拠を事前に確認したところ、大手総合商社から提案のあった金額はコンテンツ数に応じたオンラインレッスン料を示したものであり、金額も措置された予算額と異なるものであった。枠外事業の予算要求にあたっては、適正な積算根拠に基づいて行うことが予算編成要綱において定められているが、なぜこの様な形で予算措置されるに至ったのか。復活予算要求以降の編成過程に問題があったと考え、大津市の見解を問う。
(予算の最終調整が可能となった理由について)
現在、ホームページ上で公開されている「平成26年度予算編成過程における事業費の変遷」によると、二役査定後の1月12日には予算の最終調整が終了しているにも関わらず、大手総合商社からコンテンツ数に応じたオンラインレッスン料の提案が最後になされたのは1月30日であった。大津市教育委員会からは、ICTを活用したティーチングメソッドの研究開発費の積算根拠であると説明を受けたが、金額についても措置された予算額と異なるものとなっており、到底納得がいかない。大津市はなぜ1月12日の段階で必要となる研究開発費を2343万6千円と確定し、予算の最終調整を行うことができたのか。
(ICTを活用したティーチングメソッドの研究開発に取り組む理由について)
現在、国においてはグローバル化に対応した英語教育改革に取り組む姿勢を明確にし、大津市においても文部科学省の指定を受けて、英語教育強化地域拠点事業の実施を予定している。国際理解教育については、国の動向を見極めながら効果的に進めていく必要があると考えるが、大津市がこの時期にICTを活用したティーチングメソッドの研究開発に取り組む理由は何であるのか。
(大津市長の関わりについて)
市長はマニフェストにおいて、インターネットを活用した外国語教育の充実を掲げておられるが、大手総合商社が展開しているオンラインレッスンについて、市長が大津市教育委員会に対して何らかの紹介や働きかけを行った事実はあるのか。あるのであれば、その詳細を。ないのであれば、ICTを活用したティーチングメソッドの研究開発を行うとしながら、なぜ、大津市教育委員会は自ら予算要求を行っていない、コンテンツ数に応じたオンラインレッスン料を把握する必要があったのか。
(地方財政法第3条に対する認識について)
地方公共団体は、法令の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない。国際理解教育推進充実事業費のうち、ICTを活用したティーチングメソッドの研究開発費については、地方財政法第3条に抵触すると考えるが、大津市はどういった認識のもとで予算編成を行ったのか。合理的な基準によりその経費を算定したというのであれば、その根拠を具体的に示されたい。
(外国語教育アドバイザーについて)
大津市教育委員会は国際理解教育推進充実事業を統括し、専門的な観点から、外国語教育についてアドバイスできる人材を起用すると方針を明らかにしている。多岐の事業からなる国際理解教育推進充実事業を統括するには、相当な知識と経験が必要になってくると考えるが、どういった選考基準をもって採用にあたる考えなのか。
〇職員の不祥事防止に向けた取り組みについて
(さらなる不祥事が大津市職員不祥事防止対策検討委員会の議論に与える影響について)
環境部に所属する職員が積算システムに不正アクセスを行い、入手した入札情報を業者に漏洩したとして、不正アクセス行為の禁止に関する法律違反及び公契約関係競売等妨害の容疑で逮捕された。現在、本市においては、大津市職員不祥事防止対策検討委員会において職員による不祥事の原因や背景についての検証がなされ、再発防止に必要となる取り組みについて議論がなされているが、この度の事件は個別事案としてどのように扱われ、職員の不祥事防止対策に反映されることになるのか。
(大津市民病院における契約事務の適正化に向けた取り組みについて)
大津市民病院は放射線治療施設の増築工事設計業務委託の指名競争入札をめぐり、当時の担当者が公契約関係入札妨害の容疑で逮捕される事態となったことを受け、大津市民病院契約事務調査委員会を設置された。不祥事の全容解明とあわせて当該職員が担当した少額工事等に関する調査報告書が取りまとめられたが、契約事務調査委員会における調査結果はどういったものであったのか。現在、大津市入札事務適正化検討委員会において再検証がなされているところであるが、再発防止に向けた現時点における取り組みと合わせて答弁を。
(庁舎セキュリティ計画作成について)
職員の不祥事防止対策に係る取り組みとして、庁舎セキュリティ計画作成に要する経費が措置されている。本庁舎のセキュリティを更に向上させる手法について、調査検討して計画を作成するとの事であるが、事前協議や前提条件の整理などは職員が主体となっておこなうべきであり、業務の大半は設計事務所に委託しなくとも実施は可能と考える。そもそも、職務スペースにシャッター等を設置し、閉庁時間において通路部分と区域を分けるとのことであるが、職員の不祥事防止対策として効果的なものとなりえるのか。
〇大津市土砂等による土地の埋め立て等の規制に関する条例の改正について
(協定書の締結について)
事業者は事業区域周辺地域の良好な自然環境及び生活環境の保全に係る事項等について、地域住民で構成される地縁団体の長その他規則で定める者と協定を締結するよう努めなければならないと定められているが、大津市はどういった手段をもって協定の締結を促していく考えなのか。
(事業区域の確認について)
許可をするにあたっては、事業区域を含む土地と隣接する土地との境界が確定していることが条件となるが、境界の表示が行われる前後において、大津市はどういった内容の確認を行い、その境界に間違いがないかを判断するつもりなのか。
(申請時における許可基準の確認手法について)
事業区域の表土が土壌安全基準に適合するものであることや特定事業に使用される土砂等の採取場所が特定されていることを、申請のあった時点においてどの様にして確認するつもりなのか。
(土地所有者等の同意について)
事業者は埋立てを行う場合、事業区域内の土地所有者等に同意を得る必要があるが、事業認可後、何らかの理由で土地所有者等に変更が生じた場合、あらためての同意はどういった形で確認されることになるのか。
(保証金の妥当性について)
土砂等の埋立て等の適正な施行を保証し、事業区域及びその周辺の地域における災害の発生防止並びに自然環境及び生活環境の保全等を保証するため、保証金を預託する制度を設けられたが、保証金の額を特定事業に使用する土砂等1立方メートルにつき、400円と算定した理由は何であるのか。
(和邇学区自治連合会からの陳情書に対する大津市の考えについて)
パブリックコメントの期間内である平成26年1月15日付にて、和邇学区自治連合会から大津市長あてに大津市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例及び同施行規則の改正に関する陳情書が提出されている。大津市は要請のあった項目についてどの様な考えを持ち、条例案を策定するに至ったのか。
〇大津市教育振興基本計画の策定に向けた取り組みについて
(市長部局が主体となって策定することになった経緯について)
大津市教育振興基本計画は、教育基本法第17条第2項の規定に基づき、本市の教育の振興のための施策に関する基本的な計画として策定するものであるが、市長部局である政策調整部企画調整課が主体となって取り組む方針が示された。なぜ、予算要求のあった教育委員会ではなく、市長部局が主体となって取り組むことになったのか。
*大津市教育振興基本計画の策定に向けた取り組みにのうち、通告していた計画の進捗管理及び教育委員会と市長部局との連携については、持ち時間をオーバーしたために質問することができませんでした。
上記質問のうち、国際理解教育推進充実事業については、市長が知人に紹介してもらった事業者からの提案がICTを活用したティーチングメソッドの研究開発費の積算根拠になっていることが明らかとなりました。
ちなみに、「研究開発費」という名称になったのは、予算最終調整が終了した後の1月30日時点でのことであり、インターネット活用モデル事業を実施する前提で提案のあった金額がその積算根拠となっています。
市長はマニフェストにおいて、「弁護士として培った法令順守の精神で、しがらみのないクリーンな政治を貫きます」と宣言されていますが、ICTを活用したティーチングメソッドの研究開発については、予算措置に至った経過が極めて不透明であり、研究開発すべき内容についても不明瞭です。
代表質問における教育長の答弁を踏まえ、予算決算常任委員会に臨みます。
参考資料(1):ICTを活用したティーチングメソッド研究開発事業費の変遷
参考資料(2): 国際理解教育推進充実事業の変遷
参考資料(3):①OESP 12月26日の二役協議に臨んだ資料 12月25日現在案
参考資料(4):②OESP 01月07日の二役査定に臨んだ資料 01月06日現在案
参考資料(5):③OESP 01月09日の二役協議に臨んだ資料 01月08日現在案
参考資料(6):④OESP 01月10日の二役査定に臨んだ資料 01月09日現在案
参考資料(7):⑤OESP 01月30日の二役協議に臨んだ資料 01月29日現在案
参考資料(8):⑥OESP 01月30日の二役協議を踏まえての資料 01月30日現在案
*参考資料(3)~(8)における①~⑥については、同資料(2)における上段番号を表しています。
*参考資料(1)(2)については財政課作成、(3)~(8)については教育委員会作成。
*参考資料(1)~(8)については、議場配布資料の一部となっています。