【登壇】

 質疑・一般質問の初日。事前の通告にもとづき、6項目の質疑・一般質問を行いましたが、前回に引き続いて行った競輪場用地の利活用については、市長から明快な答弁をえる事が出来ませんでした。議論が平行線をたどりましたので、次回は違う切り口で質問を行います。

子どもを対象にした化学物質対策については、「タニフェスト」に基づき質問を行いました。
健康保険部長からの答弁は大変前向きなものであり、視察の成果を実感することができました。
子どもたちが健やかに育ち、学べる環境の創出にこれからも努めてまいります。

歴史的風致の維持向上に向けた取り組みについては、関係部の連携を強化する必要があります。
豊かな自然・歴史・文化を守り育てることをマニフェストに掲げた大津市長のリーダーシップに期待をするものです。

コンプライアンスの強化に向けた取り組みについては、大津市政に関わる全ての機関が一丸となって取り組む必要があります。
大津市議会議員から不当要求があった場合の対応については、再発防止の観点から質問を行いました。

土地開発基金の健全化に向けた取り組みについては、土地開発公社の解散が決定したことを踏まえて質問を行いました。
用途が不明確な事業用地については、基金財産として漫然と保有し続けるのではなく、行政財産としてどういった価値があるのか、あらためて検証を行っていただく必要があります。
今後も土地開発基金管理審査会の動向を注視してまいります。

JR大津駅舎の整備については、駅利用者等に対するニーズ調査経費を補正予算に計上されるまでの検討が不十分であったと評価しています。
駅舎の耐震診断は現時点において実施されていないことを確認していますが、450万もの税金を投入するには不確定要素が多すぎると考えます。

9月通常会議 谷祐治 質疑・一般質問 概要(通告原稿からの転載)

〇競輪場用地の利活用について(分割質問方式)

平成23年5月に大津びわこ競輪場跡地利活用検討プロジェクトが庁内組織として設置されて以降、大津市においては競輪場用地における利活用の方針について継続的に検討がなされてきました。競輪場用地が位置する近江神宮外苑公園は、都市計画公園であることから公園以外の利活用については法律上の制約があり、都市計画の変更には都市計画審議会の決定が必要となりますが、先の6月通常会議においてはその可能性について否定をされず、現在も研究を続けておられます。

大津市国土利用計画や大津市緑の基本計画等の推進にも影響を及ぼすことになりますが、大津市は大津市有地との等価交換によって滋賀県より取得した用地であることをどの様に評価して利活用に向けた検討を進めておられるのか。また、市長が特定の事業者からの訪問を受けるにあたり、企画調整課が事前に競輪場に係る法規制について説明をする機会があったことを市長のスケジュール表等によって確認をしていますが、財源の確保を目的とした民間への賃借等も視野に入れて検討されているのであれば、ここで明らかにしてください。

都市基幹公園として整備する上での事業手法について検討することは、都市計画行政の推進にとって必要なことであり、整備後の効果的な運営方法についても調査研究を深めていただきたいと期待するものですが、暫定的な土地利用が常態化することは、公共施設の適切な維持管理の観点からも望ましい事ではありません。大津市は今後、どういったスケジュールをもって検討を重ね、市民の意見を公園整備に反映していく考えなのか、見解を伺います。

〇子どもを対象にした化学物質対策の充実について(分割質問方式)

平成25年4月26日付において、農林水産省・安全局長ならびに環境省 水・大気環境局長は各都道府県知事宛に「住宅地等における農薬使用について」の通知を発出しました。平成19年にも同じ通知が発出されましたが、依然として、児童・生徒が在学中の学校や開園時間中の公園、園庭等で農薬が散布された事例や周辺住民に事前の通知がないままに散布された事例等が報告されていることを受けてのものであり、住宅地等における病害虫防除等に当たって遵守すべき事項が新たに定められています。

本市においては平成23年度以降、「大津市施設等における農薬・殺虫剤等薬剤適正使用ガイドライン」や「市有施設の室内等における化学物質使用に関するガイドライン」を策定されるなど、市民の健康や生活環境を守るため、関係部局が一丸となって取り組んでこられましたが、今後は化学物質による健康被害への影響が大人より大きいといわれる子どもを対象にした対策を充実させ、保育所や学校、児童クラブや児童遊園地などの空気環境をより良好なものにしていただきたいと考えます。

視察に伺った東京都においては、「化学物質の子どもガイドライン」を策定され、次代を担う子どもたちが安心して生活できる社会の実現を目指しておられます。室内空気編においては、薬剤散布や床掃除など化学物質を使用する業務の適切な管理はもとより、使用する教材や用品、おもちゃの選択などにも配慮することを求め、リスクコミュニケーションを図ることの重要性を明記されています。また、殺虫剤樹木散布編においては、殺虫剤を使わない害虫防除を取り入れることを推奨され、樹種別に発生しやすい害虫と発生時期、防除法が具体的に記されています。やむをえず使用する場合においても、散布によらない方法が可能かどうかを検討することを定め、子どもへの影響や残留性について、情報を収集しておくことを求めています。

子どもたちが健やかに育ち、そして学べる環境をつくることは私たち大人の責務であり、市有施設におけるさらなる取り組みに期待をするものです。まずは大津市化学物質対策庁内連絡会議において他都市の事例や参考となる取り組みについて調査研究を行い、今後の方針について検討を開始されてはと考えますが、本市の見解を伺います。

〇歴史的風致の維持向上に向けた取り組みについて(分割質問方式)

平成25年2月定例会において、私は、今年の10月で大津市が古都として政令指定を受けてから10年目を迎えることを契機とし、市街地の活性化、そして観光の活性化の観点からも、中長期的な視野で歴史的風致維持向上計画の策定に向けた検討を開始されてはと提言しました。

これに対して大津市は、歴史的風致維持向上計画及びその策定が古都大津の風格ある景観をつくる基本理念の実現にどのようにつながるかもあわせ、制度の有効性などについて研究してまいりたいとの考えを明らかにされましたが、その後、今日に至るまでどういった研究を行ってこられたのでしょうか。

視察に訪れた金沢市においては、平成21年1月に歴史的風致維持向上計画の認定を受けられ、歴史的文化基本構想に位置づけられている歴史的遺産保存活用マスタープラン、都市景観形成基本計画及び都市計画マスタープランとの整合を図りながら、歴史文化遺産を活かしたまちづくりに取り組んでおられます。文化財保護行政とまちづくり行政との連携を持続可能なものとするため、市長部局である都市政策局内に文化財の保護、活用を担当する歴史文化部を設置され、本来は教育委員会の職務権限とされる事務についても中立性を担保しながら補助執行されています。また、文化財保護とまちづくりの整合を図るために必要となる組織は全て「まちづくりフロア」に一体的に集中配置がなされており、金沢市をあげて部局横断的な連携の強化を図っておられます。

大津市においても歴史的風致維持向上計画の策定を目指すのであれば、関係課の連携を強化するためにも庁内連携会議を立ち上げ、計画を策定する意義やその基本方針について検討を重ねるべきと考えます。市長マニフェストに掲げられた、豊かな自然、歴史、文化を育て、観光客が集まる大津の実現に寄与するものと確信をするものですが、本市の見解を伺います。

また、5年後の大津市政120周年における発刊を目指し、新たな大津市史の編纂に取り組まれることを提言します。事前に教育委員会に確認を行ったところ、古代については発掘調査によって新たな史実が明らかになっているとのことであり、成果を広く市民に還元するためも取り組みが期待されます。歴史的文化基本構想の策定に向けた機運も高まると考えますが、本市の見解を伺います。

〇コンプライアンスの強化に向けた取り組みについて(一問一答方式)

・要望等記録報告書の活用について

大津市職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例第9条において、執行機関等の地位にある者及び職員は、要望等を書面以外の方法により受けた時はその内容を要望等記録兼報告書に記録しなければならないと定められています。平成24年度においては、部長以上に提出された26件の要望等記録兼報告書の写しがコンプライアンス推進室長に提出され、滋賀県議会議員や大津市議会議員が要望者となったものも含まれていましたが、要望等のうち公職者のものについては、全て部長まで報告しなければならない事が施行規則に定められておらず、職員への周知は不十分であったと考えます。
また、不当要求があった場合においても、課内で軽易なものと判断されれば要望等記録兼報告書の写しはコンプライアンス推進室長に提出される事はなく、情報の共有化が図られる事はありません。大津市においては事なかれ主義からの脱却が課題になっていますが、要望等記録兼報告書がより効果的に活用されるため、今後どういった取り組みが必要になると考えているのか。

・大津市議会への通知について

政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれた大津市議会議員は、自ら真摯かつ誠実に、率先して事実を明らかにし、その責任を明確にする責務を負うことになります。本年6月20日には、大津市議会政治倫理審査会によって政治倫理基準に違反すると認定された前議長の行為を記した要望等記録兼報告書が提出されていますが、大津市議会議員が職員等の公正な職務の執行を妨げる行為を行ったとコンプライアンス推進員が判断する場合においては、議会事務局長をつうじて議長、議長が当事者である時には副議長に対して通知することを規則において定めてはと考えます。
大津市職員等の公正な職務の執行の確保に関する条例が制定の目的とする、市民全体の公益を保護し、市民の市政に対する信頼を確保することに繋がる措置と考えますが、本市の見解を伺います。

〇大津市土地開発基金の健全化に向けた取り組みについて(一問一答方式)

・土地開発基金管理審査会の運営について

大津市土地開発基金については、平成25年3月に管理規則の見直しが行われ、先行取得された事業用地は原則として取得日から3年以内に買い戻すことが定められました。基金財産として塩漬けされることを未然に防ぐための措置であると理解しており、議会に対しても今年度から買い戻しに関する調書が提出され、買戻し年度と取得の翌年度以降における支出予定額が明らかにされるようになりました。

現在、土地の先行取得または売却の適否については、副市長を会長とする土地開発基金管理審査会が審査を行っておりますが、基金の適正な運用を図るための努力は今後も継続して行っていく必要があります。大津市は土地開発公社においては用途不明確な塩漬け土地を解散という形でしか解消できなかった反省を踏まえ、どういった方針で審査会の運営を行っていく考えなのか。

・大津市土地開発基金の健全化に向けた取り組みについて

平成25年8月末時点における土地開発基金の資産状況は、現金での保有が5億4707万5088円、土地での保有が7億5772万8306円となっていますが、昭和52年11月に取得された和邇高城のじんあい処理場用地約7,800㎡と平成12年10月に取得された和邇北浜の一般廃棄物最終処分場用地約101,400㎡については、取得金額が3531万4716円ならびに3億421万5000円と高額であり、長期間に渡って塩漬けされていることから、流動性を妨げている大きな要因となっています。接道や土地の一体利用について課題があり、また、現状においては事業化の目途が立っていないことからも、引き取り時期は中期財政計画の計画期間外である平成29年度以降に設定されており、基金の健全化に向けた抜本的な対策が求められます。

大津市は用途不明確となった事業用地を保有し続けることは、同基金の適正かつ効率的な運用面から見ても、将来的な基金運用に支障を来すことから、第4次大津市国土利用計画の基本理念の趣旨を踏まえながら、大津市土地利用問題協議会への付議など、今後、問題解決に向けた取り組みを探っていくとの考えを平成24年9月定例会において示しています。前回の質問から1年が経過しようとしていますが、大津市は土地開発公社の解散が決定した事を踏まえ、大津市土地開発基金の健全化をいかにして図っていく考えなのか、見解を伺います。

〇JR大津駅舎の整備について(一問一問方式)

・報告書が活用されることによって得られる成果について

平成25年9月補正予算においては、JR大津駅利用者等に対するニーズ調査経費等として、大津駅・県庁周辺活性化事業費450万円が計上されています。JR西日本がコンサルタント会社に委託して行った調査結果が大津市の期待に見合うものでなかったとのことですが、作成される報告書が活用されることによって得られる成果とは何であるのか。

・委託期間の妥当性について

アンケート調査は便益施設の整備に対する希望や期待だけでなく、第2期大津市中心市街地活性化基本計画の推進や大津駅周辺地域に及ぼす影響を踏まえて行われなくてはなりません。また、大津市が期待する回答への誘導質問になってはならないこともあり、アンケート内容の検討や結果の分析には相当な時間を要するものと考えます。整備の方向性を含めた検討を予定されていますが、委託期間はアンケートへの回答期間と合わせて十分なものなのか。

・行政改革に伴う取り組みとの整合性について

この度のJR大津駅舎の整備は主に内外装のリニューアルであり、行政の関わりで規模や構造が変わる可能性があるのは西側の平屋部分であると理解しています。観光振興課が所管する大津駅舎整備管理事業については、駅ビルを行政が管理する必要が薄いことを理由に廃止を決定され、現在はテナントの退去に向けた手続きが進められていますが、大津市が整備や管理に関わる可能性のある施設は公益性や公共性があるものに限定されると理解してよいのか。

・耐震補強が整備方針の決定に与える影響について

現在のJR大津駅舎については昭和50年の開業であることから、耐震診断を行う必要があります。補強が必要であると判断された場合には、新たに耐力壁やブレース等が設置されることになり、開口部や間取りに変更が生じる可能性がありますが、平屋部分の整備方針が決定しないことには一体の構造物として耐震診断の実施には至らないと考えます。国土交通省は期日を設けた上で鉄道事業者に早期の耐震補強を求めていますが、大津市は駅舎整備方針の決定に与える影響をどの様に評価しているのか。 

・大津市中心市街地活性化協議会の位置づけについて

第2期大津市中心市街地活性化基本計画においては、JR大津駅にかかる具体的な事業は位置づけられておらず、追加するには変更申請が必要となりますが、大津駅・県庁周辺活性化事業費における成果は大津市中心市街地活性化協議会における議論にどういった形で反映されることになるのか。

 

 

 

 

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