登壇
6月18日、下記の4項目について質疑・一般質問を行いました。質問内容及び答弁内容を要約して掲載いたします。正式な議事録ではございませんのであらかじめご承知おきを願います。
〇市内保育園・こども園における保育体制のさらなる充実を図るための取り組みについて
大津市長は令和6年5月15日に開催された令和6年市議会定例会招集会議において、本年4月1日時点における待機児童数が184人であったことを公表されました。就学前の児童数は減少する一方で、入所申込者数は昨年度から285人増加したことのことであり、新型コロナウイルス感染症による利用控えが収まったことや女性の就業率が上昇傾向にあることなどを増加の要因とされています。現在、大津市内においては、ターミナル駅周辺に位置する商業系用途地域おいて大型マンションのさらなる建設が見込まれており、こうしたエリアにおいては、保育需要の一層の高まりが想定されます。市内保育園・こども園における保育体制のさらなる充実は大津市における喫緊の課題と考え、以下、3点質問を行います。
1点目、公立園における保育士正規職員数の増員に向けた取り組みについて。この項の質疑・一般質問を行うにあたり、令和2年度から令和6年度までの5年間を対象として、4月1日時点における大津市公立園の入所園児数と保育士数の割合について調査を行いました。令和2年度においては、定員1,570人に対して、入所園児数は1,285人、保育士数は255人、入所率は81.8%でした。入所率については、令和3年度78.4%、令和4年度は70.8%、令和5年度は67.4%であり、令和6年度においては、定員1,530人に対して、入所園児数は959人、保育士数は225人、入所率は62.7%でした。実数だけで評価すると、保育士数は30人減少し、入所率は19%低下しています。
これまでの間、限られた人員体制のなか、発達や年齢の特性を踏まえた保育の充実に取り組まれてきたことを高く評価するものですが、令和6年3月に策定された「おおつ障害者プラン」において、子どもの育ちに応じた支援の充実を図るための基本施策として掲げられている障害等の早期発見・早期対応、療育・発達支援体制の充実、乳幼児期における保育の充実を図るためにも、公立園に勤務される保育士正規職員の更なる増員は喫緊の課題と考えます。大津市における募集・採用の推移を振り返ると、平成30年(令和元年度採用)は募集人数8人程度で採用人数は8人、令和元年(令和2年度採用)は募集人数「若干名」で採用人数は1人、令和2年(令和3年度採用)は募集人数17人程度で採用人数は14人、令和3年(令和4年度採用)は募集人数19人程度で採用人数は19人、令和4年(令和5年度採用)は募集人数13人程度で採用人数は13人、令和5年(令和6年度採用)は募集人数16人程度で採用人数は11人でした。
大津市は今年度の保育士正規職員採用試験においては、基礎能力検査(SPI)を除外し、面接回数を削減したうえ、最終合格発表時期についてもこれまでの10月下旬から8月下旬に前倒しされることになりました。そのうえで、令和7年度に採用を予定する保育士正規職員の募集人数を29人程度とされています。急激に増加した待機児童の解消はもとより、子どもの育ちに応じた支援の充実を図るためにも、公立園に勤務される保育士正規職員のさらなる増員が望まれます。採用試験制度の見直しが功を奏し、募集人数に見合った採用が実現することに期待するものですが、次年度以降においても、中長期的な視点で増員に向けた取り組みを継続していく必要があると考えます。大津市は次年度以降の採用計画をどの様な方針のもとで策定していくつもりなのか、見解を求めます。
2点目、保育の魅力発信に向けた今後の取り組みについて。大津市は中高生向け、大学生向けに作成された「大津市 保育士のお仕事 魅力発信BOOK」をホームページに掲載しています。市内の保育施設に勤務されている職員へのインタビュー記事や思い出のエピソード等が写真やイラストと共に掲載されており、大変親しみやすい紙面となっています。しかしながら、保育士を目指せるとして紹介されている大学、短期大学、専門学校の一覧には、学生の募集停止を決定されている学校が含まれており、大津市所管課の名称も更新されていません。また、大津市YouTubeチャンネルにおいて、『「保育士ってヒーローだ」大津市保育士インタビュー動画』が配信されています。保育の仕事に関心を持たれている、多くの皆様にご視聴いただきたいと願うものですが、大津市ホームページのうち、保育の魅力を紹介するページからは、これらの動画を視聴することができず、新たな配信も5年以上に渡って行われていないのが現状です。
大津市は保育の魅力発信に係る現状と課題を踏まえ、今後、どの様な方針のもとで取り組みを進めていくつもりなのか。学生以外の幅広い年齢層にも保育の魅力を効果的に発信し、保育の仕事から離れておられる、いわゆる「潜在保育士」と呼ばれる方々にも関心を持っていたくことも重要と考え、見解を求めます。
3点目、民間園と連携して取り組む保育体制の充実に向けた取り組みについて。令和6年5月11日から6月1日にかけて計4回、大津市、草津市、近江八幡市、彦根市の会場にて、「2024年 滋賀の公立・私立 保育のしごと 就職フェア」が開催されました。滋賀県保育士・支援センター、一般社団法人 滋賀県保育協議会、滋賀県、大津市の主催による事業であり、大津市内の会場には高島市と本市に所在する29の民間保育園・こども園がブースを出展されました。当日の来場者は90人程度であったと承知しています。
隣接する草津市においては同市の主催にて、「保育士トライアル研修」を実施されています。本年6月29日に開催される研修会場においては、各園の特色紹介や保育の魅力発信の他、先輩保育士と一緒に取り組むワークショップの開催が予定されており、YouTubeくさつ チャンネルでは、保育施設を紹介する動画が配信されています。奨学金返済支援、定着応援支援金など、草津市で働く保育士を応援する支援制度を活用するための相談コーナーも設けられるとのことであり、こうした取り組みは大津市においても参考にされるべきと考えます。
大津市はこれまで取り組んできた民間園を対象とした保育職員採用支援の成果をどの様に評価され、さらなる支援の充実に取り組んでいかれるつもりなのか、見解を求めます。
答弁:総務部長
1点目の公立園における保育士正規職員数の増員に向けた取り組みについてでありますが、令和7年度採用から新たに採用試験の手法や採用スケジュールを見直すなど、受験しやすい環境を整え、受験者数が増えるよう努めており、採用予定者数も、昨年度より13名多い29名としているところです。採用計画につきましては、年度当初において、各部局からのヒアリング等に基づき、作成しており、次年度以降の保育士の採用計画についても、福祉部から、ヒアリングを行うとともに、当該年度末の退職見込者数等を踏まえて検討してまいります。
答弁:福祉部長
2点目の保育の魅力発信の現状と今後の取り組みについてでありますが、コロナ禍にて現場へのインタビューなどが困難な状態で情報更新ができておりませんでしたが、今後、情報の更新をしてまいりたいと考えております。
また、議員お述べのとおり、潜在保育士への働きかけについては重要だと認識しており、引き続き滋賀県や滋賀県保育士・保育所支援センターと連携し取り組んでまいります。
次に、3点目の民間園と連携して取り組む保育体制の充実に向けた取り組みについてでありますが、平成30年度に作成した「保育士のお仕事魅力発信ブック」は、民間園と連携しながら作成したもので、大津市での保育の魅力の発信に一定の効果があったと考えております。また、例年、春と秋の年2回実施している就職フェアに、公立園と民間園がともに出展しており、保育士確保につながっているものと考えております。一方で、保育士の確保は、全国的な課題であり、保育士確保策について様々な観点から検討を進めてまいります。
再質問
保育の魅力発信に向けた今後の取り組みについてです。潜在保育士と呼ばれる方々に対しても関係団体と連携を図っていただきながら魅力の発信に取り組んでいかれるという趣旨で答弁をいただきました。現時点でお考えがあれば、もう少し詳しく方向性などについてお聞かせいただけないでしょうか。
答弁:福祉部長
先ほど初問で答弁いたしました通り、情報の更新がちょっとできていなかったという課題がございますので、やはり情報はアクセスのしやすさや興味を持っていただく内容とか、また、正確さ、新鮮などが重要と考えております。従いまして、まずは市のホームページの方ですね、例えば介護人材確保対策室が昨年度、作成いたしましたような総合的なサイトですね、そういった形でリニューアルできるような形で検討していきたいと思っております。また、これまで作成した資料等も新たな情報にて、更新を民間園とも連携しながら進めていきたいなと考えております。
〇リスクマネジメントによる業務改善と内部統制の強化に向けた取り組みについて
1点目、予算議案の修正を受けての再発防止策について。令和6年度大津市一般会計予算については、債務負担行為における期間及び限度額並びに地方債における起債の目的及び利率に関する記載に誤りがあったため、令和6年3月18日、大津市長から大津市議会議長に対して事件訂正請求書が提出されました。当該予算案の修正に係る議会の審議に先立ち、大津市長は「今後、再発防止に向けまして、担当部署におけるチェック体制を強化するとともに、責任の所在の明確化、マニュアルの適切な更新などに取り組んでまいりたいと考えております。」と決意を述べておられます。
この度の事案を受けて、総務部財政課が管理する「職場でのリスク点検シート」に予算議案に関する業務が追記されました。誤った予算が議会で可決されそうになったことについてもリスクとして明記され、予算書作成チェックマニュアルを当初予算編、補正予算編に区分して新たに策定をされましたが、今後、重要となってくるのは、市長も述べられたように、責任の所在の明確化を図ること、そして、当事者意識を持ち続けていただくことだと考えます。
他の業務に対しても言えることですが、精査を重ねられて作成されたチェックマニュアルやチェックシートであっても、形骸化することなく、事務処理ミスや不適切な予算執行を防ぐための防止策として、効果的に活用されなければ意味がありません。大津市は今後どの様な取り組みを通じて、持続可能な再発防止策とされていかれるつもりなのか。見解を求めます。
2点目、職場でのリスク点検シートのあり方について。公文書の公開手続きを行い、各部局の所属で活用されている同シートの開示を受けました。内容を精査したところ、リスクを避けるための対応策の整備状況については、「未整備または一部未整備」と評価をされながら、起きないようにするために考えられる予防、抑制策について、完成時期(目標)を「整備済」と評価されている業務が相当数存在します。また、リスクの影響度を「甚大(人命、市民の財産)」とされながら、起きないようにするために考えられる予防、抑制策の完成時期(目標)を「将来課題」と評価されている業務も確認されました。当該業務については、発生時の対処及び拡大防止策について、発生判明時、人命救助を消防・警察に通報、被害者への対応、原因究明、施設修繕をあげておられますが、想定されるリスクが発生した際の影響を甚大と想定されるのであれば、考えられる予防、抑制策を早急に講じられるべきです。リスク事態発生時に被害を最小化するのであれば、「将来課題」として先送りされるべきでないと考えます。
同シートの管理と見直しは所属長の裁量で行われ、各部局の部次長は内部統制の構築に関する指針に基づき実施される内部モニタリング、準公金事務処理要領に基づき実施される検査の結果報告を各所属から受ける際にその内容を把握されることになると承知しています。所属による見直しの都度、総務部行政管理室に報告が行われていますが、評価対象業務に係るリスク管理の妥当性と実効性の検証については、課題認識を部局全体で共有されるべきと考えます。職場でのリスク管理シートの書式そのものについても、それぞれの所属の業務実態や実状に見合った評価をより分かりやすく行えるよう、今後のあり方について検証されることを提言するものです。職場でのリスク点検シートに対する現状における課題認識と今後の見直しに向けた取り組み方針について見解を求めます。
またこの度、市長部局、教育委員会、企業局、消防局それぞれの所属で活用されている業務チェックマニュアルやチェックシートについてもあわせて精査を行いました。その内容は様々であり、各所属における業務実態や課題認識を自分なりに把握することができました。そのうえで、全庁的に共有されることが望ましいと思われる書式がある一方、活用実態を確認いただく必要があると感じたものもありました。不適切な業務執行や事務処理が相次いでいることを踏まえ、形骸化している取り組みがないかを改めて精査され、大津市役所全体の内部統制をより一層、強化いただきたいと考えます。このことについて、見解を求めます。
3点目、大津市企業局で相次いだ不適切な業務執行と実効性のある再発防止策の推進に向けた取り組みについて。令和6年6月3日、外部の弁護士で構成される大津市職員分限懲戒審査委員会の答申を受け、職員の懲戒処分が行われたと大津市企業局長より報告を受けました。配信された書面に記載のあった事案の概要を下記に引用します。「職員Aは、企業局の保有する1台の設備が故障したため、業者に調査を依頼した。その結果、交換部品の特定と合わせて、類似する他の3台の設備の部品交換についても推奨するという調査報告書と見積書の提出を受けた。本市で緊急施工の対象となるのは故障している1台であるが、交換を推奨されてはいるが現に故障していない他の3台の部品交換も緊急施工としたいがために、業者に対して、見積書の数量の記載は1台の部品交換としながらも、単価は4台分の額で算定させ、実際は4台分の部品交換をするよう指示して、見積書の内容と実態とが異なる不正な見積書を業者に作成させた。」引用は以上です。
緊急施工に係る交換部品の納品時に、他の職員が気付き発覚したとのことですが、一体、何が優先されて不適切な業務執行が行われたのかを的確に把握し、再発防止策については、当該所属における管理体制を予断なく検証されたうえで講じられるべきと考えます。持続可能で実効性ある再発防止策をいかにして推進していくつもりなのか、見解を求めます。
加えて、令和6年5月22日には、同年3月5日に大津市企業局が開札した水道工事に伴う舗装復旧工事において、設計違算により適正な入札が実施できなかったことが判明したため、工事請負契約を解除し、改めて入札を行うことになったとの報告を受けました。再発防止策として、設計違算は、損害賠償のリスクが発生するという重大な事態につながることを局内に改めて周知徹底すること、また、発生しやすいミスに対する更なるセルフチェックやダブルチェックにより効果的なミス防止の取り組みを行うことに加え、設計積算の適正な技能習得を目的とした技術研修会を実施することなどをあげておられます。
関係所属における職場でのリスク点検シートによると、過去の事務処理ミスを受けて、設計積算業務において、精査チェックが不十分であると違算により入札中止や受注者とトラブルになることを大津市企業局はリスクとして把握されていたはずです。またリスクを避けるための対応策の整備状況については「整備済」と評価され、起きないようにするために考えられる予防、抑制策として、設計書改算チェックリストにより精査を行うとされていますが、当該チェックリストに基づく設計書の精査は適切に実施されていたのでしょうか。実施されていたとするならば、なぜ、設計違算が発生してしまったのでしょうか。設計書改算チェックリストを見直すことの必要性について見解を求めます。
私は、この度の不適切な業務執行が原因となって、損害金が発生したことを大変重く受け止めています。設計積算の適正な技能習得を目的とした技術研修会を実施される方針を示されていますが、このことは大津市企業局だけでなく、市長部局においても必要となる取り組みと考えます。この度の事案に係る再発防止策については、大津市が発注する工事・委託業務の適正な執行にも影響を与えるものと認識しています。持続可能で実効性ある再発防止策をいかにして推進していくつもりなのか、見解を求めます。
答弁:総務部長
1点目の予算議案の修正を受けての再発防止策についてでありますが、今般の予算議案の誤りを受け、財政課においては当該事案をリスク点検シートに追記するとともに、確認項目を整理したマニュアルを作成して再発防止に努めているところです。
今後も各所属において審査基準やマニュアルの点検整備を行い、職員一人ひとりが業務内容を理解した上で仕事を行うよう周知徹底を図ってまいります。
2点目のリスク点検シートのあり方についてでありますが、リスク点検シートは過去に発生した、もしくは発生のおそれがある業務リスクを共有し、対応策を講じることでリスクの未然防止や被害の最小化につなげるもので、市の内部統制の構築においても重要なツールの一つと考えており、記載方法に分かりやすい注釈を加えることや内部モニタリングにおけるリスク点検項目の見直しを図ることにより、より効果の高いものになるよう検討してまいります。加えて、大津市内部統制の構築に関する指針についても現在見直しを図っているところであります。
答弁:公営企業管理者
3点目の大津市企業局で相次いだ不適切な業務執行と実効性のある再発防止策の推進に向けた取り組みについてのうち、1つ目の持続可能で実効性ある再発防止策の推進についてでありますが、今回の事案は、担当者が緊急施工の対象でない3台についても、設備の予防保全の観点からこの際に取り換えることを発案し、不正な見積書の作成を業者に指示するといった不適切な判断をしたこと、また、このことに対して所属としてチェック機能が果たせていなかったものであります。
原因につきましては、担当者のコンプライアンス意識の欠如と、所属において適切なマネジメントが行えていなかったことにあると考えております。今後、今回の事案を教訓とした職場内研修を通じて、コンプライアンス意識及び組織マネジメントの徹底を図るとともに、担当者が一人で行っていた材料検収を、緊急施工のような例外的な工事の場合、所属長または他の係の係長とともに行う体制に改めてまいります。
次に、2つ目の設計書改算チェックリストを見直すことの必要性についてでありますが、設計積算業務につきましては、業務の効率性を考慮して過去に作成した設計書を複写する場合があります。また、通常はシステム上、最新の設計単価に置き換わるという仕様でありますが、一部の単価においては自動的に更新されない仕組みとなっております。そのような中、今回の設計違算につきましては、確認が必要となる自動的に更新されない単価を担当者がシステム上で抽出する操作を誤ったことや、所属内でチェックリストに基づく点検が十分にできなかったことが原因であります。
このことを受けて、より確実に点検できるよう、設計改算チェックリストの必要な見直しを行ったところであります。今後、更に実効性の高いチェックのあり方を検討してまいります。また、損害金が発生したことを重く受け止め、更なる取り組みとして、入札執行前に、工事担当課が設計書を再点検する期間を設けるとともに、入札後落札者が決定し契約締結前においても、必要に応じて契約担当課と工事担当課で再点検を行うなど、チェック体制の強化を図ってまいります。
次に、3つめの、大津市企業局だけでなく、市長部局においても必要となる取り組みについてのうち、企業局の技術研修会につきましては、経費計算の考え方や現場に則した部材の選び方等の基礎的な研修を通じて、設計積算の知識やスキルを養うとともに、経験を積んだ職員による、効果的なOJT等による技術の継承に努めてまいります。
答弁:建設部長
3つ目のうち、市長部局における持続可能で実効性ある再発防止策の推進についてでありますが、建設部が所管している、公共工事に係る技術全般に関する課題の対応策を審議する「大津市技術管理委員会」での原因と再発防止策の共有や、技術相談窓口の活用など職員への設計・積算に係る技術支援を強化するとともに、滋賀県建設技術センターなどでの研修に参加することで、職員の技術力向上を図り、設計違算の防止に取り組んでまいります。
再質問
まず初めに細目2の①についてです。初問において、課題認識を部局全体で共有されるべきとの考えを申し述べました。現状における課題認識についてもおたずねしているのですが、職場でのリスク点検シートを見直されるにあたり、私は部長並びに次長の皆さん方におかれましても、その内容について適宜把握された上で、部局全体で共有されるべきと考えるのですが、このことについて、お考えあれば改めてお聞かせください。
続いて細目、3の③についてです。経験を積まれた職員さんによる、効果的なOJTに取り組んでいかれるとの方針を示されました。現時点でお考えがあれば、もう少し具体的な内容についてお聞かせをいただけないでしょうか。
答弁:総務部長
リスク点検シートの課題認識、そして、部局での共有というご質問であったかと思います。まずリスク管理を行っていく上で大事な視点というのがいくつかあるというふうに思っております。まず1つは気づきということでございます。所属におけるリスクとはどのようなものがあるか、そして、過去の事例でありますとか、日常の業務を通じてまず気づくことが大事であるというふうに考えております。
そして、議論をするということが大事であるというふうに考えております。所属、そして、今ありました部局などで議論して、様々な視点から物事を見るということは大切であるというふうに考えております。そこでですね、上司のリスク評価、それと担当者のリスク評価の差ということを知ることが大事であるというふうに考えております。そして活字にするということでございます。洗い出したリスクを文書化するということでございます。
まさに、リスク点検シート、マニュアル、そういったものであるというふうに思います。そして共有化することでございます。リスクを共有化して、その対応や評価についても共通認識することが必要であるというふうに思っております。そして最後に、常に見直すということでございます。完璧なリスクの対応はないということを常に自覚して作成したものが、活用できているのか。また、形骸化していないのか、そういった、常に見直すという視点でもって、見直すということが大事であるというふうに考えております。そういった視点に基づいてリスク管理をしていきたいというふうに考えております。
答弁:公営企業管理者
効果的なOJT、現時点での考え方についてでございますが、設計積算業務につきましては、システム化が進んでベテラン職員の退職、或いは転職で本来、保有されているべき知識が失われつつあるというのが実情でございます。そこで、現在行われているOJTといいますのは、どうしてもその新人職員と先輩職員間一対一の関係で、いろいろ物を物事を教えていくということが多いのですけれども、十分な知識、技術の伝承を図るために、ここでより技術レベルの高いグループリーダーであるとか所属長から適宜、その新人職員等に技術が伝承していけるように若手の育成について意識して担当者へのフォロー、適宜行っていくように、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
〇心のバリアフリーを推進するための取り組みについて
現在、大津市においては、令和7年3月に大津市移動等円滑化促進方針(マスタープラン)を新たに策定するとともに、次期大津市バリアフリー基本構想(実行計画)の改定に向けて取り組みが進められています。移動等円滑化促進地区に選定されたのは、駅の乗降客数が多く、施設が集積している大津市中心部エリア、石山エリア、瀬田エリア、そして、上下移動のバリアフリー化が必要な地域として同地区に選定されたJR湖西線北小松エリア、近江舞子エリア、志賀エリア、蓬莱エリアの7地区です。なお、大津市中心部エリアについては、現行の基本構想で重点整備地区に設定されているJR大津駅・京阪びわ湖浜大津駅、JR膳所駅・京阪膳所駅の二つのエリアにJR大津京駅・京阪大津京駅周辺エリアを加えた区域であり、今後、これら7地区から重点整備地区があらためて選定される際には、生活関連施設と生活関連経路のバリアフリーチェックを実施するとされています。
大津市はバリアフリーに関する理解の増進と定着を図る取り組みとして、「心のバリアフリー」について調査・整理し、移動等円滑化促進方針ならびに次期バリアフリー基本構想に反映する方針を示されていることを踏まえ、以下3点、質問を行います。
1点目、だれもが安心して利用することのできるベンチの増設に向けた取り組みについて。現行のバリアフリー基本構想においては、寄付によるベンチの設置が推進事例として紹介されており、平成22年度、大津市が設けた制度に基づき第1号となるベンチが仰木西公園前バス停に設置されて以降、平成30年度までの間に企業や団体、個人から16基のベンチが寄付されています。私は平成20年度から21年度にかけて、危険な状態のまま、誰からも管理されることなく、無許可で放置されてきた広告付きバス停ベンチの撤去と寄付によるベンチを大津市が設置管理する制度の創設を提言しました。この際、大津市は市内バス停の現状について調査を実施されており、ベンチの設置状況や必要とされる歩道の幅員等について調査されたと認識しています。
大津市は令和6年5月29日に開催された令和6年度第1回大津市バリアフリー推進協議会にて、移動等円滑化促進地区において選定された生活関連経路については、実際に現地を歩いてバリアフリーチェックを実施し、現状の課題を抽出すること、また、大津市中心部エリアからバリアフリーチェックを順次進めていることを報告されました。生活関連経路とは、日常的に利用が多い経路や各生活関連施設を結ぶ経路であり、重点整備地区に設定されると特定道路として指定がなされることになります。この際、調査にあたって作成されたチェックシートには、バス停施設の有無を含められていますが、大津市内のバス停には管理主体が不明確なベンチが今も存在していると認識しており、寄付によるバス停ベンチの設置についても、5年間以上に渡って増設が実現していません。
「心のバリアフリー」を推進する観点からも、さらなる広報が必要ではないでしょうか。寄付の申し出があった際、設置場所を検討されるにあたっては、市内バス停の現状を適切に把握しておく必要があります。当該設置制度を構築される際に調査された結果をあらためて精査され、誰もが安心して利用することのできる、バス停ベンチのさらなる増設を目指していくことについて、見解を求めます。
また、バス停はもとより、生活関連経路沿いに位置する公共空間においても、誰もが安心して利用することのできるベンチの増設を実現することができれば、「心のバリアフリー」はより一層推進されるものと考えます。設置場所を拡充することについて、あわせて見解を求めます。
2点目、生活関連施設を対象としたバリアフリーチェックと合理的配慮のあり方について。生活関連施設とは、高齢者、障害者等が日常生活または社会生活において利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設などの施設であり、交通拠点、建築物、都市公園、路外駐車場に分類されます。大津市においては、これまでの間、大津市障害者差別解消支援地域協議会構成団体のうち、障害者差別のないおおつをめざす会、大津市障害児者と支える人の会、大津市身体障害者更生会、大津視覚障害者協会、大津市ろうあ福祉協会、滋賀県建築士会大津地区委員会等の団体が参加をされ、公共施設バリアフリーチェックに取り組まれてきました。その成果は本市独自の「障害者に対しての合理的配慮の提供事例集」で紹介されており、大津市が設置する公共施設のバリアフリー推進に寄与するものであったと評価しています。
大津市は先のバリアフリー推進協議会において、現行の基本構想の課題を踏まえ、次期バリアフリー基本構想では、特定事業の計画段階において、施設設置管理者と整備内容や整備期間等を十分に精査し、事業の見直しや改善を図る方針を示されています。実現可能性を見極めることは大変重要と認識するものですが、令和6年4月1日から障害者差別解消法に基づき、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されていることを踏まえた対応が必要になると考えます。大津市は移動等円滑化促進方針ならびに次期バリアフリー基本構想に反映されようとしている「心のバリアフリー」の推進を図るため、どの様な方針のもとで生活関連施設のバリアフリーチェックを行い、施設毎にカルテを作成していくつもりなのでしょうか。合理的配慮のあり方に対する認識とあわせて見解を求めます。
3点目、移動等円滑化促進地区の設定に伴い、生活関連施設として想定される都市公園のバリアフリー推進に向けた取り組みについて。第4次大津市緑の基本計画においては、世代に応じたニーズへの対応が必要であり、市民アンケート結果を踏まえ、多様な利活用を図るうえにおいて、バリアフリーについても必要と評価されています。私はこれまでの間、質疑・一般質問の機会を通じて、共生社会の実現推進を図る視点から、多くの市民が利用される皇子が丘公園にだれもが安心して利用することのできるユニバーサルデザインに配慮された遊具の設置を提言してきましたが、実現されることなく今日に至っています。大津市は当該計画を策定されるにあたり、障害のある方や障害のある子どもたちの保護者、支援者の皆さまに、公園で遊ぶときに困っていることや希望などを伺われ、貴重なご意見をたくさんいただかれています。令和3年11月通常会議における質疑・一般質問において、このご意見、大津市としてしっかり反映していく意思がおありと受けとめてよいのかと確認した際には、私の述べたとおりであるとの見解が示されています。
JR大津京駅、京阪大津京駅については、移動等円滑化促進地区(案)に含まれており、皇子が丘公園については、大津市が生活関連施設の設定にあたって想定された拠点駅から800m圏内の施設に該当します。今期通常会議には、第4次大津市緑の基本計画の中間見直しを行うため、付属機関を設置するための議案が提出されていますが、大津市は今後どの様な方針のもとで生活関連施設として想定される都市公園のバリアフリー推進に取り組んでいかれるつもりなのか。誰もが安心して利用できる、ユニバーサルデザインに配慮された遊具の設置に向けた今後の方針とあわせて見解を求めます。
答弁:建設部長
1つ目のバス停ベンチの増設に向けた見解についてでありますが、本市では、平成22年度から、市民等が利用しやすい路線バスの待合環境を整備するため、寄附を募り、これまで16か所のバス停ベンチを設置しましたが、近年は、寄附がなく、設置は進んでおりません。今後、これまでの市ホームページに加え、路線バス事業者や滋賀県バス協会とも協議し、周知方法を工夫してまいります。
2つ目の、生活関連経路等の公共空間におけるベンチ設置の拡充についてでありますが、大津市バリアフリー推進協議会において、移動時の休憩場所の確保は重要であるとのご意見をいただいている一方で、維持管理面での課題もあることから、まずは、現在改定を進めている次期バリアフリー基本構想の策定の中で、各施設設置管理者と協議してまいります。
2点目の、次期バリアフリー基本構想における生活関連施設のバリアフリーチェックとカルテの作成方針についてでありますが、障害福祉課作成の「障害者に対しての合理的配慮の提供事例集」における公共施設バリアフリーチェックでの気づきを活用し、各施設設置管理者が統一感をもってバリアフリーチェックやカルテの作成、特定事業の検討をしていただけるよう、取り組んでまいります。
答弁:都市計画部長
3点目の都市公園のバリアフリー推進に向けた取り組みについてでありますが、本市では誰もが園内を自由に移動し、施設を利用できるなど、バリアフリーに配慮した公園づくりのため、これまでから、トイレや園路など公園施設の改修時には、バリアフリーの視点を踏まえた整備に努めているところであります。また、来年度に策定を予定している第4次大津市緑の基本計画の中間見直しにおいては、これまでの取り組みとともに、バリアフリー基本構想など関連計画の状況も考慮し、公園のバリアフリー化やユニバーサルデザインに配慮した遊具の考え方についても検討してまいります。
〇路上喫煙等禁止区域における効果的な啓発標示とJR大津京駅前において同区域を拡充することについて
私はJR大津京駅をよく利用するのですが、ロータリーが整備されている東側のエリアで路上喫煙している人を頻繁に見かけます。
投影している写真は、大津市路上喫煙等の防止に関する条例に基づき、路上喫煙等禁止区域に指定されているJR大津京駅及び京阪大津京駅周辺区域図です。日頃から吸い殻の不法投棄が数多くみられます。これまでの間、喫煙者に声をかけるべきか否か困惑することが度々ありました。その際、いつも思うのは、そもそも、路上喫煙等禁止エリアであることを認識されているのかということです。大津市は路面シートで啓発に取り組まれていますが、区域の範囲に比べて数が少なく、路上喫煙が多くみられる地点からは、視認性が低いと評価するものです。
投影している写真は、大津市が設置するマナースポットに標示されている、路上喫煙等禁止区域を示した啓発看板です。当該区域指定の目的からすれば、JR大津京駅を利用される市民等が確認しやすい場所への表示が望ましいと考えます。
投影している写真は、兵庫県宝塚市に設置されている路上喫煙禁止区域であることを示した啓発標示です。コーンの端部には設置者である同市所管課の名称と連絡先、二次元コードが表記されていました。デザインについても、周囲の景観との調和に配慮されていると感じました。
JR大津京駅の改札口に向かう階段前の高架下のエリアについては、路上喫煙等禁止区域に指定されていません。当該敷地は西日本旅客鉄道株式会社が管理・保有される土地であると認識していますが、市民の望まない受動喫煙を防止するためにも、路上喫煙等禁止区域のエリアとして拡充することはできないものなのか、マナースポットが大津市有地に設置されたことを契機として、同社と協議いただくことはできないでしょうか。見解を求めます。
また、大津市が指定する全ての路上喫煙等禁止区域を対象として、他都市の取り組みも参考にされながら、効果的な啓発標示のあり方について検討いただき、現状を改善いただきたいと考えます。今後の取り組み方針について見解を求めます。
答弁:環境部長
1点目のJR大津京駅前における喫煙禁止区域の拡充についてでありますが、現在の路上喫煙等禁止区域は、大津市路上喫煙等の防止に関する条例の施行以来、地域の関係者の理解を得ながら設定し、既に定着してきた区域であり、区域の見直しについては慎重に検討する必要があると考えています。現在は路上喫煙等禁止区域周辺での喫煙等をめぐる課題を踏まえて、マナースポットの設置を通じた実証実験を続けているところであり、この期間中に喫煙者のマナースポットへの誘導と路上喫煙等禁止区域の明確化のために新たな掲出物の設置を試行することで、現在の禁止区域における喫煙行為の防止効果についても見極めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の路上喫煙等禁止区域における効果的な啓発標示のあり方についてでありますが、先にご答弁いたしました通り、実証実験中の取り組みの一環として、マナースポットへの誘導や路上喫煙等禁止区域における喫煙行為の防止効果を見据えて視認性の高い掲出物などの設置を検討しているところであります。
再質問
細目1についてです。路上喫煙等禁止区域の拡充に向けて、西日本旅客鉄道株式会社とは協議等をしていただくお考えはないとの答弁だったと認識をさせていただきました。
私、初問で市民の望まない受動喫煙を防止するためにも、とおうかがいさせていただきました。大津市が条例に基づき路上喫煙等禁止区域を指定されて以降、改正健康増進法が施行され、異なる法令・規定で喫煙の対策がとられている区域もあると承知をしています。
先程、答弁で指定された当時、地域の関係者の理解を得ながら取り組んでこられたという経緯、経過をお聞かせいただきました。もう指定されてから随分と年月も経っていますし、今申し上げましたように、市民が望まない受動喫煙を防止するための法令等の前提もこの間変わってきております。大津京の駅構内におきましても、駅の敷地内においては、禁煙ですとはっきりとお示しをされておられます。今申し上げた点なども踏まえていただき、改めて西日本旅客鉄道株式会社と区域の拡充に向けて協議いただくことはかなわないのか。もう一度お考えをお聞かせいただけないでしょうか。
答弁:環境部長
議員お述べの駅舎の階段下のエリアにつきましては、路上喫煙等禁止区域、駅広側とその反対側の私どもがマナースポットをつけた設置エリアと、ちょうど二分する形のいわゆるそのそれぞれの取り組みの起点に当たると考えております。このことを踏まえるとともに、一方JR西日本におかれましては、受動喫煙防止の取り組みとして、駅構内の全面禁止実施されておりまして、この大津京駅の階段下の掲出物がございますが、これについては、経過こそ、貼りだされた経過につきましては明確されておりませんけれども、引き続き、掲示を続けていることによって、駅利用者の方への啓発効果が高まっているというふうにも認識をされているところでございます。この点を私どもも確認した上で、このエリアに関しましては、引き続き、改めて私どもが考えている新たな掲出物の設置にあたって、JR西日本による駅構内での取り組みとの調和を十分留意いたしまして、効果的な取り組みとなるよう努めてまいりたいと考えております。