登壇

3月4日、下記5項目について、質疑・一般質問を行いました。答弁内容については後日、あらためて公開させていただきます。
 

 
〇誰もが見やすく分かりやすい公共サインの整備と適切な維持管理に向けた取り組みについて
 
大津市は様々な目的で公共空間に地図・案内板・標識などを設置しており、以下、これらを「公共サイン」と総称します。これまでから質疑・一般質問の機会などを通じて指摘を繰り返してきましたが、大津市内には施設や通りの名称が現状に即していない、また、経年劣化により機能を損ねている公共サインが各地に存在します。
 
公共サインはバリアフリー、ユニバーサルデザインの理念に基づき、誰にとっても見やすく、分かりやすくなくてはなりません。また、周囲の街並みとの調和を図ることで、良好な都市景観の創造に資する要素となり、自然・歴史・文化など、色彩やデザインに地域の魅力を取り入れることで、個性豊かな都市空間の創出につながります。
 
令和46月通常会議、私は共生社会の実現推進を図るため、新たに大津市版・公共サインガイドラインを策定されることを提言しました。その際、大津市からは、地図や案内板等のデザインや維持管理の指針について、他都市の事例を参考に調査・研究するとともに、現在、策定作業を進めている第2次景観計画へ位置付けていく方針を明らかにされました。
 
大津市は令和7年に改定予定の第2次大津市景観計画原案において、公共サインについては、設置ルールやデザインの方針に関する詳細を定めた公共サインガイドラインを定め、それに基づき整備・更新・維持・管理に取り組むことを掲げました。公共サイン整備事業に係る景観形成の方針を明らかにされたこととあわせて評価するものですが、まちの美観を損ねている、また、誤った情報を発信している公共サインが存在している現状は一日も早く改善されなければなりません。大津市版・公共サインガイドラインの策定に向けた今後のスケジュールと現状の改善に向けた当面の対応方針について見解を求めます。
 
また、当該ガイドラインについては、大津市景観審議会への意見照会だけでなく、誰もが見やすく分かりやすい公共サインとなるよう、大津市障害者自立支援協議会・差別解消部会や大津市障害者差別解消支援地域協議会とも連携を図りながら策定されるべきと提言するものです。加えて、国や滋賀県、公共的団体等が地図・案内板・標識などを整備される際には、当該ガイドラインを参考にしていただけるよう取り組みを進めることも重要と考えますが、大津市はどの様な連携体制のもとで大津市版・公共サインガイドラインを策定していくつもりなのか。あわせて見解を求めます。
 

〇児童虐待の防止とDV防止に向けた啓発活動のさらなる充実に向けた取り組みについて
 
配偶者やパートナーなど親密な関係にある人からの暴力を意味するドメスティック・バイオレンス(以下、DV)は児童虐待と深い関係があり、DVを子どもが目撃することは、心理的虐待に該当します。現在、大津市は令和6年度から10年度までを計画期間とする次期「大津市配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画」の策定に取り組んでおり、DVの防止に向けた啓発の充実を基本目標に掲げています。
 
内閣府は毎年1112日から25日までの間を「女性に対する暴力をなくす運動」期間と定めており、大津市は今後も女性に対する暴力根絶のシンボルである「パープルリボン」にちなんだ活動を展開される方針と認識していますが、同じく11月、児童虐待防止推進月間を中心に実施されている「児童虐待防止・オレンジリボンキャンペーン」と相乗効果を発揮されながら啓発活動に取り組まれることが望ましいと考えます。
 
令和5年度、神戸市においては、製パン事業者の協力を得て、オレンジ・パープルリボンを模したパンを製造・販売されました。また、両色をあわせたオレンジ・パープルリボンの製作者を広報誌で募り、郵便局員や市内ホテルの従業員に着用いただき、民生委員を通じて地域のイベントで配布されるなど、市民や事業者と協働体制を構築されながら啓発活動に取り組まれています。この他にも同市においては、これまでから11月になると花時計のモチーフをダブルリボンとされ、紫色や橙色のビオラを植栽されています。
 
また、滋賀県においては、市町、関係機関、および企業などと協働し、オレンジリボンを活用した啓発活動に取り組むことを児童虐待防止計画に位置付けられ、キャンペーンに協力いただける企業名と取り組み事例をホームページで紹介されています。
 
大津市においても児童虐待の防止やDVの防止に向けて積極的に取り組んでいただける企業等を認定する制度を新たに設けられ、市民生活や企業活動に根差した活動をさらなる協働により、一層展開いただきたいと願うものです。次年度以降、大津市は児童虐待の防止とDV防止に向けた啓発活動のさらなる充実にどの様な方針のもとで取り組まれるつもりなのか。見解を求めます。
 

 

〇多額の予算を措置されながらも事業者の認定に至らなかった本社機能移転促進助成金交付事業のあり方について
 
大津市は今年度に引き続き、新年度当初予算案に本社機能移転促進助成金として五千五百万円を計上しました。当該助成金交付要綱において、建設型は五千万円、賃貸型は五百万円を上限額と設定され、地域経済の活性化を図るとともに、市民生活の向上に資することを助成金の交付目的と定めておられますが、今もって事業者の認定には至っていません。多額の予算を措置されながら、なぜ、未執行となってしまったのか。要因分析と効果検証を予断なく行い、その結果を令和6年度の取り組みに活かしていく必要があります。
 
ちなみに、令和52月通常会議における議会答弁において、事業者向け支援制度を網羅したパンフレット等を活用しながら、直接企業に本市の立地優位性を伝えるなど、積極的にPRを行っていく方針を示されましたが、大津市のホームページ上でこれらの情報を確認できません。今後は従業員の暮らしに深く関わる、教育や子育て支援などに係る情報や自然豊かな大津市での暮らしを想起いただける情報についても効果的に発信いただき、雇用の維持・拡充に向けた事業者の期待と意欲をあわせて高めていただきたいと考えます。
 
地方拠点強化税制等の関連施策を踏まえ、他都市においても同様の企業誘致施策が展開されるなか、大津市に本社機能施設を移転する優位性をどの様に評価されたうえで、さらなる情報の発信、関心企業の発掘に取り組んでいかれるつもりなのか。地域再生法に基づく地域再生計画として「滋賀県本社機能移転促進プロジェクト」を策定する滋賀県とのさらなる連携に向けた今後の展望と新たに予算計上された本社機能誘致関係広告費の活用方法とあわせて答弁を求めます。
 
また、大津市は大津市本社機能移転促進助成金交付要綱において、「当該本社機能の移転が市の経済活性化及び地域振興に資することが期待できるものとして市長が認めるものであること」を認定の要件として定めています。助成金の交付目的に即した内容と認識するものですが、大津市は具体的にどの様な判断基準をもって、当該認定要件の適否を判断されるのでしょうか。見解を求めます。
 
リンク:大津市ホームページ 大津市本社機能移転促進助成制度  
 
リンク:谷ゆうじホームページ 指摘・提言の実績 本社機能の移転促進による地域経済の回復と活力ある地域づくりに向けた取り組みについて

 
 
〇大地震・巨大地震発生時における災害対応力の強化に向けた取り組みについて

 
令和611日、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の大地震が発生しました。被害を受けられた皆さまに対しまして、心よりお見舞い申し上げますと共に被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
 
大地震はいつ、どこで発生するか分かりません。大津市においては南海トラフ巨大地震が発生した際の最大震度は6強と予測されており、いくつもの断層がつらなる琵琶湖西岸断層帯は市街地と近接しています。甚大な建物被害や人的被害が想定されるなか、災害対応力の強化は本市にとって喫緊の課題であることから、以下、3点、指摘・提言を踏まえて質問を行います。
 
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点目、受援力向上に向けた取り組みについて。平成303月、大津市は平成28年度に策定された大津市業務継続計画を補完する計画として、大津市災害時受援計画を策定しました。大地震・巨大地震が発生した際、大津市だけでは対応できない事態に備えるための計画であり、他の自治体や機関など多方面からの支援を最大限活かすため、地域防災計画と整合を図りながら、人的、物的支援の受け入れ手順やその役割など、受援に必要な体制を整備することを目的としています。
 
大津市は受援力の向上を図るため、災害時受援計画の見直しにあたっては、国・県・他都市の動向や知見等を取り入れ、さらには、訓練等を通じて関係機関等への周知と理解醸成を図ることを当該計画に定めています。しかしながら、策定から6年が経過しようとしているものの、これまでの間、災害時受援計画の見直しが行われたのは、指定避難所及び災害時応援協定の追加ならびに市役所組織の改編に伴う変更のみと認識しています。長期に渡るコロナ禍の影響により、計画的な取り組みが困難であったことは承知をしていますが、大地震・巨大地震はいつ発生するか分かりません。
 
平成284月の熊本地震発生後、大津市は熊本県大津町に多くの職員を派遣されました。大津市災害時受援計画の策定にあたっては、災害対応業務に従事くださった際の教訓が随所に反映されており、計画の実効性を高めることにつながったものと高く評価するものです。令和611日以降、大津市は能登半島地震で被害にあわれた被災地に職員を継続して派遣されています。大津市災害時受援計画及び大津市企業局災害時等受援計画の推進と見直しを図る際には、能登半島地震における被災地支援の経験をぜひとも活かしていただきたいと願うものです。
 
大津市はPLANDOCHECKACTIONからなるPDCAサイクルを活用し、災害時受援計画の推進と見直しを図るとされていますが、今後どの様な方針のもとで受援力向上に資する取り組みを進め、大津市災害時受援計画の実効性を高めていくつもりなのか。当該計画に定められた受援対象業務シートの管理状況と災害時応援協定の実効性強化に向けた取り組み、受け入れ体制の充実に向けた人的支援、物的支援の準備状況とあわせて答弁を求めます。
 

 

2点目、避難所施設の安全確認について。大津市においては、小中学校体育館を避難所として開設するにあたり、まずもって、施設管理者または避難所担当員を務められる市職員が安全確認を行い、判断がつかなかった場合においては、災害対策本部の意思決定のもと、建設部建築課からの依頼に基づき、大津市が応急危険度判定業務(セーフティチェック)に関して協定書を締結する公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会ならびに同湖西滋賀地区委員会に所属する被災建築物応急危険度判定士が派遣されることになります。しかしながら、大津市が作成支援に取り組まれている学区避難所運営マニュアルのひな形においては、施設の安全確認を行う主体が不明確な記述となっています。大地震・巨大地震発生時に混乱が生じないよう、大津市避難所運営マニュアルと整合性を図られるべきと考え、今後の対応方針について見解を求めます。
 
また、私は令和36月ならびに令和42月通常会議において、静岡県静岡市や浜松市の取り組み事例を参考とし、学区単位で被災建築物応急危険度判定士を事前に配備する制度の創設を提言しました。震度6弱以上の地震が発生した際には、事前に割り当てられた各支所に速やかに参集いただき、支所長(初動支所班長)から応急危険度判定の依頼を受けていただくことで、避難所開設に伴う安全確認を円滑に行っていただくことが可能になると考えます。被災建築物応急危険度判定の認定に係る研修を主催される滋賀県と連携を図りながら、学区単位で同判定士を事前に配備する制度を創設することについて、見解を求めます。
 
3点目、防災井戸の整備に向けた取り組みについて。水は人が生きていくうえにおいて必要不可欠なものであり、トイレ、お風呂、洗濯など、避難生活を送るうえにおいて、なくてはならないものです。地震の影響によって、地中に埋設されている水道管が破裂をした場合、復旧に相当な時間を要する恐れがあることから、大津市においても、避難所となる小中学校や都市公園等に防災井戸を整備されることを提言します。停電によって、水をくみ上げる電動ポンプが作動しないことを想定し、手押しポンプを併設する必要がありますが、災害対応力の強化に資すると考えます。計画的に整備基数の拡充を図ることについて、本市に見解を求めます。
 

 

〇中学校体育館を対象とした空調設備設置事業の実施方針について
 
大津市は新年度予算案に中学校の体育館14校に空調設備を設置するための事業費を計上されました。令和6年度から令和7年度の2カ年に渡っての事業であり、債務負担額とあわせて総事業費は104,1348千円になると説明を受けています。文部科学省においては、体育館の断熱性を確保することで、空調設備の定格冷房能力を抑えることが可能となり、中長期的な視点に立てば、断熱化改修工事費の増額分を電気代の削減分で回収できると試算されています。そのうえで、学校施設環境改善交付金については、体育館本体の建替えや全面的な改修工事に併せ、断熱性能を確保した上で冷暖房設備を設置することを補助要件とされています。
 
この度の事業では、緊急防災・減災事業債を活用されるとのことであり、断熱性の向上は図られないと認識していますが、維持管理費の縮減を図ることは、将来に渡る財政負担の軽減を図るためにも重要な取り組みとなります。学校体育館空調設備設置事業の実施にあたり、断熱性能の向上は図られないとされた理由と維持管理費の縮減に向けた取り組み方針について見解を求めます。

また、この度の事業については、設計・施工一括発注方式を意味するデザインビルド方式によって実施されると説明を受けています。発注方式として、同方式を採用された理由と当初予算案で計上されている予算額の積算根拠と算出過程について、答弁を求めます。

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