市有建築物の耐震化に向けた取り組みについて( H26. 2)

質 問

 大津市は地震災害の被害を軽減させるため、平成19年度に大津市既存建築物耐震改修促進計画を策定している。市有建築物については、防災上特に重要な施設から耐震化を進め、このうち特定建築物については平成27年度末までに耐震化率100%に達することを目標にしているが、平成26年度一般会計予算においては、これに該当する中老人福祉センター及び和邇体育館の耐震補強に係る予算措置が市長・副市長査定によって見送られている。避難所に指定されている公民館や体育施設においても同様に先送りされているが、大津市は今後どういった方針で大津市既存建築物耐震改修促進計画に掲げた目標を達成する考えなのか、予算措置を見送った理由とあわせて伺う。
 また、唐崎保育園耐力度調査についても予算措置が見送られている。市が管理する施設の耐震化を強化することは、大津市防災対策推進条例を定めた本市の責務であり、早急に耐震化を図るべきと考えるが、将来の施設整備を見越しての判断なのか、それとも単なる先送りなのか、その理由を伺う。 

答弁:市長

 平成26年度の予算において、中老人福祉センター及び和邇体育館の耐震補強に係る予算措置を見送った理由であるが、平成26年度は小学校の空調設備設置工事や大田廃棄物最終処分場の整備等大規模工事が重なり、投資的経費が約19%と高い伸びを示し、当該事業の財源の確保が困難となったことから、各事業の優先順位を慎重に見極め、予算査定を行った結果である。また、大津市既存建築物耐震改修促進計画に掲げた目標の達成については、これまでから毎年その進捗を図るなど、この重要性を十分認識しており、今後の財政状況を見極めながら推進していく。
 次に、唐崎保育園の耐力度調査を見送った理由については、現施設の老朽化や狭隘化については認識しているが、先に述べたとおり、財源確保の理由からその実施を見送ったものである。 

再 問

 そもそも予算を査定される時点において、どういった用途がどういった階数で、どういった規模であれば特定施設に該当して、平成27年度中に100%耐震化を図らなければならない施設であるということを正しく理解し優先順位を決定されたのか。また、唐崎保育園耐力度調査について、財源の確保がしがたいという理由で見送ったということだが、私立の保育所の新設に多額の補助を出されている。耐力度調査とは、建て替えも念頭に置きながら、一定の点数を下回れば国庫補助が得られる、そういった調査だが、今の答弁では理由になってないと考える。 

答弁:市長

 予算査定の時点でどういった認識を持っていたかということだが、大津市既存建築物耐震改修促進計画は、非常に重要な計画である。そういった中で、平成27年度に100%達成するという目標を掲げたが、90%以上、97%程度のかなりの目標を達成できていると思っているが、そういった中でもまだいくつか耐震化ができていないものがある。そういったことも踏まえて、財政状況との勘案の上、決定をしたものである。
 唐崎保育園についてであるが、まず私立の保育園との均衡ということでは、待機児童の解消という観点も踏まえて、私立の保育園についての予算は配分している。そして、唐崎保育園の整備に関しては、仮に耐力度調査の結果、全面建て替えをするとなった場合には、おおよそ3億円から4億円の整備費が必要になる。この場合、現在公立保育園の整備に関しては国の財源の措置がなく、資金の調達が起債の発行による。当該起債のうち半分は、三位一体の改革に伴って廃止された財源を補完する形での起債であるものの、残りの半分については、償還に対する交付税措置が全くない通常の起債となる。仮に来年度耐力度調査を行ったとしても、平成27年度は、小学校の空調の設備設置工事の2カ年計画の最終年度等で、事業計画が増大する見込みであった。こういったことを踏まえて、今後の財政状況を見極めた上で、今後の事業の実施とした。 

再々問

 いま一度確認させていただく。市民スポーツ課が所管する体育館のうち、特定施設は和邇体育館だけである。平成27年度中に大津市が耐震化率100%を目指すというのであれば、特定施設に指定をされているこの体育館だけでも優先的にやっていかなければいけない。耐震化というのは市民の生命にも直結する最優先課題だというふうに認識している。どういった施設がどういった階数で、どういった規模で特定施設に該当するかを踏まえた上で査定したのかを訊いている。 

答弁:市長

 先ほど、現在耐震化率100%を目指すという中で、平成26年2月時点の耐震化率は96.5%というふうにしている。そして、特に和邇の体育館についてであるが、耐震化を進めるということは非常に重要なことであると思っている。一方で、来年度の事業としては、例えば今年度の繰越事業となる皇子が丘保育園の耐震の改修工事、また晴嵐や富士見の幼稚園の耐震改修工事についても予定をしている。こういった子どもの施設については、優先をして改修をしていくという判断を一定している。

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