隣接国有地を活用した庁舎整備のあり方について( H28. 2)
質 問 |
大津市においては、平成26年度から今年度にかけて、隣接国有地を活用した具体的な庁舎整備の方向性を見出すため検討が行われてきました。平成27年12月17日、大津市は公共施設対策特別委員会で行った所管事務調査において、本館については構造耐震判定指標0.6に用途指標1.5を乗じたIs値0.9の耐震改修、免震改修、取り壊した上で隣接国有地に新棟を建築する3パターンを候補とされ、また別館については、Is値0.9の補強を行った場合には消防自動車の出入り口に制限が生じること、また、本来は2階建てであることから、免震改修については不採算であるとして、取り壊した上で隣接国有地に新棟を建築する1パターンに絞り込みを行った案を示されました。
本館及び別館棟については、日本建築学会から保存活用に関する要望書が提出されるなど、建築史学上の価値を有する建物であることが改めて明らかとなり、本館棟において用途指標に応じた耐震補強、Is値0.9を行った場合においては、機能と動線に課題が生じることが確認されたところですが、大津市は最終的にどの案をもって新棟の整備を行っていかれる考えなのか、見解を伺います。
2点目、隣接国有地を取得する方針について。
平成28年2月16日付をもって大津土木事務所長から大津市長に対して、隣接国有地を土砂災害警戒区域に指定する旨の通知がなされましたが、購入の方針に影響を及ぼすものなのでしょうか。
3点目、新棟の整備スケジュールについて。
平成28年度新年度予算においては、庁舎整備推進事業費として、本庁舎に隣接する国有地の鑑定評価に要する経費が計上されましたが、基本計画に要する予算の計上は市長の査定によって見送られました。一般財源からの支出を抑制するためにも、事業費の95%に充当でき、将来的には元利償還金の70%が普通交付税で措置される合併特例債の活用を視野に入れるべきと考えますが、過日公共施設対策特別委員会で報告がなされたように、現時点においても、発行期限である平成32年度中の完成を目指す方針に変わりはないのでしょうか。変更が生じるのであれば、その理由と本市の行財政に与える影響について伺います。
答弁:市長 |
隣接国有地を活用した庁舎整備のあり方についての1点目、整備方針については、隣接国有地を活用した庁舎整備検討業務の中でお示しをした12ケースのうち、ケース2-C案をベースに検討をしています。このケース2-C案といいますのは、本館は免震工法で整備を進める、別館は中消防署を新庁舎として整備し、防災機能の強化を図ることも重視して、取り壊して新棟を整備する案であります。
一方、去る2月16日付で土砂災害防止法に基づく滋賀県の基礎調査の結果が公表され、当該国有地の大部分が熊野川の土砂流を要因とする土砂災害警戒区域に指定される方向で手続が進められることが記されており、今後の庁舎整備に及ぼす影響について検討する必要があります。このことから、整備方針ケース2-C案を基本としながらも、土砂災害警戒区域の指定に向けた動向を重要な課題として捉え、今後指定された後の警戒区域の危険性や解除手法について滋賀県と協議を進めてまいります。
2点目の隣接国有地を取得する方針については、ただいま申し上げた土砂災害警戒区域の指定の動きへの対応や国有地内の汚染土壌処理のあり方なども検討する中で、平成28年10月をめどとした隣接国有地の取得手続を進めていくこととし、新年度の関係予算に計上しております。
3点目の新棟の整備スケジュールについては、土砂災害警戒区域に指定されますと、このことへの対応が不可欠な状況となってきます。そして、安全な庁舎を整備することが最も重要であり、土砂災害警戒区域の指定に対する対応や国有地内の土壌汚染処理のあり方なども検討する必要があり、現在整備スケジュールについて明確に示せる状況にございません。
いずれにしても、行財政に与える影響を勘案しながら、合併特例債の活用以外にも財政負担を軽減できる交付金や起債等の有効な財源や手法の調査検討を今後とも深め、安全な庁舎整備を目指してまいります。
再 問 |
2点目について、もう少しお聞かせいただきたいと思います。先ほどの答弁によると、不動産鑑定に要する費用は計上された。しかしながら、汚染土壌の問題や土砂災害警戒区域に指定されたことも踏まえて不確定要素も多いので、現時点で一旦ここに留めているということでした。改めて伺いますが、仮に土砂災害警戒区域の解除に至らなかった場合、取得されないという可能性もあるのでしょうか。
答弁:市長 |
隣接国有地について、解除がされなかった場合に土地を購入しないのかという御質問であります。こちらにつきましては、まずは解除される方法があるのかということをしっかり滋賀県と協議をしてまいりたいと思っております。そして、解除されなかった場合については、例えば解除されなかった場合に仮庁舎を建てるとか、そういったことも考えられますので、そういったことも含めてこれは検討が必要であると考えております。