防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて( R5. 9)
質問
大津市役所本館・別館については、各階で構造耐震指標が目標値であるIs値0.9を大幅に下回っています。平成16年度に実施された耐震診断によってこの事実が判明してから既に18年以上が経過しました。令和4年12月に大津市庁舎整備基本構想が策定されたものの、候補地の絞り込みは行われておらず、基本計画の策定に向けて、不確定要素が数多く存在しています。大地震発生時に災害対応拠点となる庁舎の耐震性を確保することは、本市にとって喫緊の課題であるとあらためて申し上げ、3点、質問を行います。なお、この項の質問における公共施設対策特別委員会とは、令和5年6月30日に開催された大津市議会公共施設対策特別委員会であることをあらかじめ申し上げます。
1点目、公園利用者や利用団体からの意見聴取のあり方について。大津市は庁舎整備基本構想を策定するにあたり、皇子山総合運動公園を優先して検討を行う候補地と位置付けており、国体記念広場、多目的グラウンド、テニスコートが位置するエリアを建設敷地として想定しています。令和5年6月通常会議における質疑・一般質問においても申し述べましたが、庁舎整備に係る市民アンケートが実施されて以降、スポーツを愛好される市民の皆様から、公園の機能に及ぼす影響などについて、ご質問やご意見を数多くいただいてきました。大津市が代替地として想定する、庁舎北側臨時駐車場(隣接旧国有地)等でどの程度の公園面積を確保することができるのか。また、皇子山総合運動公園との一体性を考慮した上で、損なわれる機能を担保することができるのか。このことは、庁舎整備用地として活用できる公園の面積や建物規模にも大きな影響を及ぼす要因であり、市民にとっての大きな関心事でもあります。
当該敷地が最終的な候補地となった場合を想定し、大津市は市民ワークショップに向けてテーマの検討を行っています。公共施設対策特別委員会における配布資料には、「公園と一体となった庁舎整備によるまちづくりについて詳細な調査を行う中で、現在の利用状況を踏まえつつ、市民ワークショップで意見やアイデアを求める項目の整理を行う」と明記されていますが、公園利用者や利用団体の意見を伺う機会は別途設けるとの方針が示されています。庁舎の配置などが決まらないと実現は困難との見解が示されましたが、大津市スポーツ推進計画においては、スポーツを楽しむ環境の充実が基本方針に掲げられ、スポーツ関連施設の充実が施策に位置付けられていることからも、できるだけ早い段階で公園利用者や利用団体の意見を伺うべきと考えます。そのためには、庁舎整備によって損なわれる公園機能をどの様な方針のもとで確保し、魅力ある運動公園として再整備していくのか、明確に示す必要があります。大津市は今後、どの様な方針のもとで皇子山総合運動公園を利用される市民や利用団体から意見聴取する機会を設けられるつもりなのか。代替機能の検討スケジュールとあわせて見解を求めます。
2点目、大津駅・県庁周辺における立体道路制度や立体都市公園制度に基づく庁舎整備の実現性について。大津市は庁舎整備基本構想を策定するにあたり、大津駅・県庁周辺を新しい視点で検討を行う候補地と位置付けています。公共施設対策特別委員会において、「庁舎整備に必要な一団の土地の確保が困難でありますが、土地の確保に向けた調査を行うとともに、他の施設との複合化や官民連携など新しい視点からも調査を行う」と説明を受けています。そのうえで、道路法、都市計画法、建築基準法の3つの法律を一体的に運用する立体道路制度や都市公園法に基づく立体都市公園制度といった手法についても考えながら検討を進めておられるとの見解を示されましたが、現時点で両制度に基づく庁舎整備の実現性をどの様に評価されているのでしょうか。庁内ワーキングチームでの検討や庁舎整備検討における詳細調査等支援業務の委託を通じて明らかになった可能性や諸課題に対する評価とあわせて見解を求めます。
3点目、候補地の絞り込みに向けたスケジュールと検討状況について。公共施設対策特別委員会において、候補地の絞り込みについては、今年度上半期を目途に素案を作成し、専門家への意見聴取を経てとりまとめを行うとのスケジュールが示されています。そのうえで、下半期においても候補地絞り込みに対する意見を専門家から聴取され、最終的な絞り込みに向けた検証を継続される方針を示されていますが、そもそも「素案」とは何を意味するものなのか。関係法令や条例の規定を満たすものとして提案されるものと理解してよいのでしょうか。また、下半期、さらなる検証を経て最終的な絞り込みを行うとのことですが、令和6年度からの基本計画の策定に向け、どの様な課題を想定されているのでしょうか。令和5年8月29日、庁内ワーキングチームにおける検討を経て、杉江副市長を本部長とする庁舎整備推進本部会議が開催されたと認識しています。候補地の絞り込みに向けた検討状況とあわせて答弁を求めます。
答弁:総務部長
1点目の市民や利用団体からの意見聴取及び代替機能の検討スケジュールについてでありますが、現在、皇子山総合運動公園での詳細な調査において、公園の代替機能を確保するための方策について検討を行っているところであります。その後、代替機能のあり方などを検討していく予定をしており、適宜、利用者のご意見を聴く機会を設ける予定をしています。
次に、2点目の立体道路制度や立体都市公園制度に基づく庁舎整備の可能性や諸課題に対する評価についてでありますが、現在、大津駅・県庁周辺での詳細な調査において、立体道路制度や立体都市公園制度を活用することで、庁舎整備の可能性がある一団の土地について素案として整理を行った段階であり、今後、課題を整理した上で、実現可能性について検証を行う予定をしています。
次に、3点目の候補地の絞り込みに向けた検討状況についてでありますが、現在、皇子山総合運動公園、大津駅・県庁周辺、それぞれの候補地における詳細な調査を行っているところであり、皇子山総合運動公園では庁舎を整備するエリアや代替公園を整備するエリアのゾーニングについて、大津駅・県庁周辺では庁舎整備の可能性がある一団の土地について、それぞれ素案をとりまとめている段階であります。この素案に対して専門家への意見聴取を行い、今後、課題を整理した上で、詳細な調査結果としてとりまとめを行います。
その後、それぞれの候補地における調査結果をもとに庁舎整備推進本部やワーキングチームで議論を深めるとともに、専門家への意見聴取などを経て、候補地の絞り込みを行ってまいりたいと考えております。
再質問
まず1点目、公園利用者や利用団体からの意見聴取のあり方についてです。ただいま、適宜行っていくという答弁ををいただきました。適宜といいますのは、何をもって適宜と表現されたのでしょうか。ワークショップ等の開催を予定されておられますし、これから素案取りまとめられ、また改めて検証され、候補地を絞り込まれるとのことですが、ここでおっしゃる適宜、何を意図されてのことなのか、もう少し詳しくお聞かせください。
2点目の再質問に移ります。候補地の絞り込みに向けたスケジュールと検討状況についてです。初問でお伺いしてますが、素案が取りまとめられる段階において、両案とも関係法令や条例の規定を満たすものとして提案をいただけるものと理解してよいのでしょうか。その確認をもう一度させてください。
答弁:総務部長
まず1点目、公園利用者や利用団体からの意見聴取、適宜というのは具体的にということであったかと思います。現在、庁舎を整備する、いわゆるエリアのゾーニングというのを素案としてまとめた段階であります。庁舎整備によります公園機能への影響について、範囲でありますとか課題を整理した上で、先ほど適宜意見を聞く機会を設ける予定をしているというところでお答えをしたところでございます。今、ゾーニングという段階でございますが、ゾーニングの後、庁舎の配置が決まってくれば、そこはまた意見を伺う必要があるというふうに考えてます。今後、検討の段階に応じて、それこそ適宜、お聞きをしていきたいというふうに考えております。
それと2つ目、関係法令の規定。これは条例を満たしたものとして、素案として上がっているのかというようなご質問であったかと思います。まず繰り返しになりますけれども、皇子山総合運動公園につきましては、現在、庁舎を整備するエリア、そして代替公園を整備するエリアのゾーニングについて、また大津駅・県庁周辺におきましては、庁舎整備の可能性がある一団の土地について、それぞれ先ほどの答弁で申しますと、素案を取りまとめている段階でございます。今後この取りまとめ、また検証等を行う中で課題を整理していきたいというふうに考えておりまして、その課題を整理する中で関係法令や条例の条件整理も行ってまいりまして、具体的な庁舎整備を計画していく段階、基本計画ということになりますが、それにおいて関係法令や条例を満たす計画を策定する予定をしております。
再質問
もう一度再質問させていただきます。3点目の候補地の絞り込みに向けたスケジュールと検討状況についてです。もう一度、確認をさせてください。初問を繰り返して申し訳ないのですが、素案を取りまとめられる段階で、関係法令や関係条例の規定はまだ満たされるかどうかが確定していない案が示されるという認識になるのでしょうか。私、法令上の課題が解決できない中で、基本計画、策定されることがあってはならないと危惧をするものです。例えばですけれども、公園にしても国有地ですし、大津駅前の一団の土地についても、大津市が所有する土地だけで計画が完結できない場合については示される素案等で相手方に対して大津市の意思なり考えをお伝えするためには両案、作っていただくことの意義は否定するものでありませんが、この取りまとめの段階において、そういった精査は進んでいない段階でお示しになるんでしょうか。絞り込みの過程において、法令や条例を満たすことが出来なかったので無理でしたというような可能性を残したまま、年度末に向かわれ、ワークショップを行っていかれるんでしょうか。そのことについてもう一度お考えをお聞かせください。
答弁:総務部長
先ほどご投影いただきました、公共施設対策特別委員会の資料ですね。そこの候補地の絞り込みにかかりますスケジュールの中に「素案」と記載をしているところでございます。時間軸の流れということで申し上げますと、繰り返しになりますけれど、現在二つの候補地について、詳細な調査を行っているというところ、皇子山総合運動公園については、庁舎を整備するエリア、それと、代替公園を整備するエリアのゾーニングについて取りまとめをしている、大津駅・県庁周辺については、庁舎整備の可能性がある一団の土地について取りまとめているというところでございます。これら現在取りまとめているものが素案であり、素案として整理を行ったというところでございます。これら素案に対して専門家への意見聴取を行い、今後の課題を整理した上で詳細な結果として取りまとめを行うものでございまして、スケジュールの中の素案の吹き出しのところには専門家への意見聴取、また、素案の次には取りまとめということで記載をさせていただいております。
そしてその後、それぞれの候補地におけます調査結果をもとにですね、庁舎整備推進本部等で議論を深め、専門家への意見聴取などを経て、候補地の絞り込みを行っていくというスケジュールを記載をしているところでございます。繰り返しになりますけれども、今後、取りまとめや検証を行う中で、そういった課題を整理、また、関係法令や条例の条件の整理を行って、具体的な庁舎整備を計画していく段階、基本計画におきまして、関係法令あるいは条例を満たす計画を策定する予定をしております。