防災力の強化につながる取り組みについて( H28. 2)
質 問 |
1点目、市民センターにおける災害対応力の強化について。平成27年6月通常会議において私は地域における自主防災組織は小学校区を活動範囲としていることから、全ての支所に地域防災センターを併設し、災害発生時における職員体制を協働によって補完する観点から、知識と経験をお持ちの自治体OB職員などから同センターの運営支援が受けられるよう、災害時支援協力員制度を創設されることを提言いたしました。
これを受けて大津市は、地域防災センターについては組織的な位置づけと職員の配置計画等についての課題整理を行った上、機能の位置づけについて調査検討を行い、パイプ役となる職員OBの協力についてはどういった形で他の自治体が協力関係を結んでおられるのか、今後検討を進めていきたいと答弁をなされました。
大津市は、地域防災センターとしての役割と災害時における対応人員の充足を目的とした災害時支援協力員制度の創設についてどのように検討を進めてこられたのか、市民センター機能のあり方に関する検討経過を踏まえ、改めて答弁を求めます。
2点目、家具転倒防止対策について。平成28年度当初予算案において、家具転倒防止器具取りつけ業務委託費が計上されました。災害時において支援を必要とされる高齢者や障害者を対象とした家具転倒防止器具の設置について支援を継続拡充すべきと求めてきたことから、このたびの予算計上を高く評価するものです。
設置率の向上を図るためにも対象となる世帯へ情報を発信することが重要となりますが、大津市はどういった方針のもとで広報活動を行っていかれる考えなのか、見解を伺います。
答弁:総務部長 |
まずはじめに、防災力の強化につながる取り組みについてのうち、市民センターにおける災害対応力の強化についての地域防災センターとしての役割についてでありますが、市民センターは防災拠点として地域防災センターの役割を一定担っているものと考えており、現在の36市民センターを地域の防災拠点として引き続き活用していく必要があり、市民センター機能のあり方を見直す中においても市民センターの避難所のとしての役割や地域の情報通信拠点としての位置づけが重要課題であると認識しております。
次に、災害時支援協力員制度の創設についてでありますが、本市におけるOB職員の活用については、まず再任用制度や嘱託職員雇用制度により知識と経験豊富なOB職員の活用を図っているところでございます。
災害対応におけるOB職員の活用の他都市の状況でありますが、本市の調査では、多くの自治体が災害時のOB職員の活用が必要としているものの、制度化している自治体は神戸市、大阪市、横浜市などの自治体に限られております。神戸市では阪神・淡路大震災を経験したOB職員の知識と経験を生かす職員震災バンク、大阪市の退職者災害時ボランティア制度、横浜市の地域防災協力員制度などがあります。
支援制度の内容については、制度のある自治体全てがOB職員の雇用ではなく登録制による災害時にその業務を支援する任意のボランティアという方式でございました。議員お述べの災害時での協力員制度につきましては、本市としては他都市同様ボランティアとして有事における地域の体制強化のため、地域住民による自主防災活動団体等の役割の中で活用を検討していきたいと考えております。いずれにいたしましても、議員お述べのとおり、OB職員の知識と経験は災害時に大きな力となると考えておりますので、現在各学区で行っております避難所運営協議や今後策定を進める地区防災計画においても地域の一員として活躍できるよう、OB職員の活用を図っていきたいと考えております。
また、本市では、既に地域の防災力向上のための人材育成として、防災士養成講座を市自ら主催して行っており、これは各自治体の中でも数少ない先進的な取り組みであると考えております。本市OB職員の中にも防災士の資格を取得いただき、地域で活躍いただいている方がおられます。地域での防災体制強化のため防災士の要請に加え、OB職員が地域の防災組織で活躍いただく仕組みについて、今後継続して検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、家具転倒防止対策についてでございますが、家具転倒防止器具取りつけ事業は、地震災害時の安全確保、災害拡大防止を目的に危機・防災対策課、障害福祉課、長寿政策課が連携し、家具転倒防止器具の取りつけを行うものでございます。
広報活動については「広報おおつ」、ホームページによる情報提供をはじめ、実際の事務担当となる長寿政策課及び障害福祉課からも関係機関を通じて事業の周知を行います。その他、出前講座、学区自主防災会長会議、地域での会合等、あらゆる機会を捉えて周知を図ってまいります。また、新館ロビーに家具転倒防止器具の実物の大型展示パネルを設置し、来庁者に対しても家具転倒防止対策の重要性を啓発していく計画としております。
このようにさまざまな方法を実施し、一つでも多くの世帯に家具転倒防止器具の取りつけがされるよう、防災対策の強化を図ってまいります。