防災上の課題となっている本庁舎、中消防署の整備に向けた取り組みについて( H30. 2)

質問

 はじめに、本館棟のレトロフィット免震について。本館棟においては、防災拠点である庁舎に必要とされる構造耐震判定指標0.6に用途指標1.5を乗じたIs0.9の耐震改修を行った場合、数多くの構面に補強部材が設置されることになり、庁舎動線の利便性や近代建築物として学術的評価の高い外観に与える影響などから、その実現は困難と判断され、免震化に向けた検討が進められています。平成29年9月通常会議において、レトロフィット免震を採用するのであれば耐震性能が著しく低いことを踏まえ、免震層上部構造体において、どの程度の補強工事が必要となるのか、また、動線や機能に及ぼす影響について、あらかじめ確認をしておく必要があると指摘をいたしました。大津市は、現時点において概算工事費を47億1,000万円と算出していますが、免震効果を高める検討を行っていく中で、見込まれる工事費に相当な乖離が生じる可能性があること、また、その上で、中期財政フレームなどを踏まえ、防災拠点と位置づけられる庁舎という用途での免震改修が実現困難と判断される場合においては、新棟の規模にも影響を及ぼすことになると懸念をするものです。

 大津市からは、本年度に取りまとめられた基本方針の策定結果を踏まえ、レトロフィット免震に対する検討を深めていく考えが示されましたが、平成30年度予算案に計上された予算の内容は、免震改修後の大規模改修費用、維持管理費用や耐用年数について検証を行うとともに、老朽化対策やバリアフリー対応などについて検討を行う費用、またこれまで想定されてこなかった、免震改修に伴い必要となる仮設庁舎整備についての検討費用が含まれています。これら予算の必要性を否定するものではありませんが、免震装置を設置することで、地震力を軽減させるレトロフィット免震の採用に当たっては、長周期地震動を想定した対応や共振現象を避ける工夫とともに、その効果を高めるため、建物そのものの過重をできるだけ軽減させ、なおかつ剛性を高めるための検討が必要になります。

 現在、国においては、これまで発生した大地震による被害状況などを踏まえ、防災拠点などとなる建築物に係る機能継続ガイドラインの策定作業が進められていますが、大津市においては、これらも参考にしながら、庁舎整備に向けた基本設計及び実施設計の着手を見据え、基本計画の実現性を高めていく必要があります。大津市は、レトロフィット免震の採用を決定するに当たって必要となる構造検討をどういった方針のもとで行っていく考えなのか。基本計画の策定に向けたスケジュールとあわせて見解を求めます。

 

 次は、中消防署の候補地選定に当たっての留意事項についてです。平成29年12月、中消防署の更新整備に係る候補地として、別所合同宿舎、皇子山総合運動公園国体記念広場及び同多目的広場(通称、4面グラウンド)、大津伝統芸能会館駐車場、大津市役所別館敷地業務用駐車場が選定されました。いずれの敷地も選択の対象となり得ると判断され、公表されるに至ったと認識するものですが、そもそも大津市長にとって現時点における候補地とは何を意味する言葉なのでしょうか。防災拠点となる施設であることを踏まえ、選定に当たって留意された事項とあわせて見解を求めます。

 

 次は、別所合同宿舎用地における災害リスクについてです。消防庁告示第1号、消防力の整備指針において、消防本部及び署所の庁舎は、地震災害及び風水害などにおいて災害応急対策の拠点としての機能を適切に発揮するため、十分な耐震性を有し、かつ震災による被害に耐え得るよう整備するものと定められていますが、別所合同宿舎の敷地を対象として琵琶湖ハザードマップを確認したところ、中消防署の移転を想定される敷地の範囲については、道路面に面してその過半が浸水想定区域に指定されています。

 写真は、別所合同宿舎の外観を写したものです。そもそも大津市が中消防署用地の選定作業に取り組んでいるのは、移転用地であった市役所隣接旧国有地が土砂災害警戒区域に指定され、解除実現を目指すもかなわなかったからであり、大津市消防局は消防力の整備方針を引用され、あらかじめ土砂災害のおそれがある区域として指定されている場所に防災関連施設を建設することは緊急時の対応に不安を残すことになり、一般論として中消防署の設置場所として最適と言えず、また市民の理解を得ることは難しいとの見解を示されています。

 大津市は、洪水時における浸水のリスクをどのように評価した上で、別所合同宿舎用地を候補地として選定したのか。

 

 次は、別所合同宿舎の敷地を分割して中消防署用地とすることの課題についてです。用途上不可分な関係にない場合においては、一敷地、一建物が原則となっているものの、財務省近畿財務局が管理する別所合同宿舎については、複数棟の建物が建築基準法に定められた一団地認定制度によって建築されています。このことから、大津市が希望する形状で敷地を分割し、中消防署用地とするためには、この認定を取り消す手続が必要となり、存置される別所合同宿舎においては、違法建築物になるおそれがあります。現時点において使用されている棟もあることから、国においては大津市と協議の上、改めての認定を申請するなど、適法とするための対応を図ることになりますが、経済合理性に反する敷地の分割は国有地の資産活用を低下させることになり、減価が生じた場合には大津市が補償することも視野に入れておかなければなりません。

 現在投映しております写真は、大津市が望む形で分割が仮に行われた場合に、財務省近畿財務局の残置分となる敷地及び建物の外観です。

 大津市長は、一団地認定や敷地分割に伴う諸課題をどのように評価した上、別所合同宿舎用地を中消防署の移転候補地として選定したのか。財務省近畿財務局側の課題認識及び大津市が希望する敷地形状での売却意向を確認するための協議結果とあわせて答弁を求めます。

 

 次は、皇子山総合運動公園を中消防署移転用地とすることで生じる都市公園法上の課題についてです。大津市は、皇子山総合運動公園国体記念広場及び多目的広場を移転候補地としていますが、都市公園法第16条は、公園管理者はみだりに都市公園の区域の全部または一部について都市公園を廃止してはならないと定めています。都市公園の区域内において都市計画法の規定により公園及び緑地以外の施設に係る都市計画事業が施行される場合、その他公益上特別の必要がある場合、廃止される都市公園にかわる都市公園が設置される場合などにおいて、同条の定めは適用除外となりますが、国土交通省都市局公園緑地景観課が監修する都市公園法解説によれば、適用除外となる公益上特別の必要がある場合とは、土地収用法第4条に規定される程度の特別な必要がなければならないとされています。公園管理者がこの規定に反して都市公園の全部または一部を廃止したときは、同法第31条の規定により、国土交通大臣または都道府県知事の勧告が行われることになりますが、大津市は皇子山総合運動公園国体記念広場及び4面グラウンドを移転候補地として選定するにあたり、どういった理由を持って都市公園の一部を廃止する考えなのか。次期緑の基本計画の推進に与える影響とあわせて見解を求めます。

 

 次は、国体広場を中消防署の移転用地とする場合における建築基準法上の課題についてです。

現時点において皇子山総合運動公園国体記念広場は、建築基準法上の道路に面していません。京阪電車の踏切を横断して市役所へ向かう道は、あくまで皇子山総合運動公園内の園路であり、中消防署を建築することはできません。仮に市道と位置づけようとした場合においても、皇子山総合運動公園の土地は国が所有していることから、財務省に同意を得る必要がありますが、国有財産法第22条第1項第1号の規定に基づき貸与中の財産であることを踏まえると、都市公園法第2条第2項の公園施設として認められない施設に供することはできないと判断するものです。

 スライドに投映をしております写真は、国体記念広場の外観です。この写真は、園路側から国体広場を臨んだ写真です。前にあります一見すると道路に見えるのですが、これはあくまでも公園の敷地、園路となっておりますので、建築基準法上の道ではございません。

 民間事業者によって皇子が丘公園の園路に面する形でマンションや資材置き場が整備された際には、財務省近畿財務局から目的外で使用されることに対する懸念が示されたと認識をしています。大津市はどういった考えのもと、皇子山総合運動公園の園路を中消防署の接道要件を満たすための道路と位置づけるつもりなのか、見解を求めます。

 

 次は、多目的広場への中消防署移転が大津市スポーツ推進計画の推進に与える影響についてです。大津市は、皇子山総合運動公園多目的広場を中消防署の移転候補地に含めていますが、不成形な敷地となることで、4面を有するグラウンドとしての機能は大きく損なわれることになります。そもそも子どもから高齢者まで多くの市民が利用している多目的広場を候補地に含められたこと自体に強い違和感を覚えるものです。

 写真は、皆さんもよく御存じの市役所前に設置されています皇子山総合運動公園多目的広場(通称、4面グラウンド)の外観の写真となっています。大津市は、スポーツを通じての地域活性化や健康寿命の延伸に取り組んでいますが、大津市スポーツ推進計画に与える影響をどのように評価し、皇子山総合運動公園多目的広場を中消防署用地の候補地として選定するに至ったのか、伺います。

 

 次は、大津市伝統芸能会館駐車場への中消防署移転が災害対応力に及ぼす影響についてです。大津市伝統芸能会館駐車場のうち、市役所から続く県道仰木・浜大津線に面する駐車場については、集中豪雨などの局地的な取水を想定し、雨水の河川への流出量を一時的に貯留して調整する調整池の役割を果たしています。

 スライドに投映をしております写真は、大津市伝統芸能会館駐車場の様子です。駐車場は、上段と下段に分かれておりまして、今投映をさせていただいております駐車場部分については、調整池の役割を示すことになりますので、水がたまることが想定をされる場所となっています。

 消防署については、都市計画法第29条第1項第3号の規定が適用される建築物であり、開発許可は不要となりますが、当該エリアは宅地造成規制区域に指定されていることから、宅地造成規制法に基づき宅地造成の許可が必要となります。いずれかの敷地において、調整池としての機能を回復する必要がありますが、大津市が実現可能と判断した根拠について説明を求めます。

 

 次は、伝統芸能会館駐車場への消防署移転が文化振興ビジョンの推進や施設運営に及ぼす影響についてです。そもそも伝統芸能会館の駐車場は、施設利用者のために整備されたものであり、座席数から考えても他の用途に転用すべきではないと考えます。大津市は、文化振興ビジョンの推進や施設運営に当たる影響をどのように評価し、伝統芸能会館の駐車場を中消防署移転候補地としたのか、伺います。

 

 次に、現在地において中消防署を改築する場合の災害リスクについて。別所合同宿舎用地における災害リスクについての質問でも述べさせていただきましたが、大津市が中消防署用地の選定作業に取り組んでいるのは、移転用地であった市役所隣接旧国有地が土砂災害警戒区域に指定され、解除の実現を目指すも、これがかなわなかったためです。熊野川における土砂災害警戒区域等設定図を改めて確認をいたしましたが、別館等の底地についても、その一部が土砂災害警戒区域に指定されています。緊急時の対応に不安を残すことに変わりはないと考えますが、大津市はどういった判断基準をもって防災拠点施設である中消防署の災害リスクを評価されているのか、伺います。

 

 次に、大津市役所業務用駐車場における敷地面積と道路幅員の妥当性についてです。中消防署の移転候補地に大津市役所業務用駐車場用地が含まれていますが、敷地面積が狭隘であり、接道する道路幅員についても、はしご車など大型消防車両の円滑な出入りに支障を来すことになるのではないかと危惧を抱くものです。

投映をしております写真は、業務用駐車場の外観です。大型車両が出入りするにあたって、狭隘な道路幅員となっています。

 大津市消防局は、どのような検討をされて、業務用駐車場用地が候補地となり得ると判断されたのか、伺います。

 

 次は、消防庁が求める平成32年度までの耐震化計画を提出できなかったことについてです。緊急防災・減災事業債及び市町村役場機能緊急保全事業債の事業年度は、東日本大震災に係る復興・創生期間に合わせて、平成32年度までとなっています。平成29年11月、防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況の調査結果を踏まえ、総務省消防庁においては、各都道府県消防防災主管部局長に対して、都道府県及び管内市町村における庁舎及び消防本部署所について、平成32年度までの耐震化計画を策定し、1月末日までに取りまとめて報告することを求めました。

 消防組織法第37条の規定に基づく助言、すなわち消防庁長官は、必要に応じ、消防に関する事項について都道府県または市町村に対して助言を与え、勧告し、また指導を行うことができることが申し添えられての通知でありましたが、大津市は求められた耐震化計画を対応未定とすることでしか提出することができませんでした。この事実を大津市長はどのように受け止めておられるのか、見解を求めます。

 

 最後に、必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、中消防署用地の早期選定を求めることについて。公表された移転候補地については、課題整理や実現性に対する精査が不十分であったと評価をするものです。平成29年9月通常会議において、全議員の賛成をもって可決された必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、中消防署用地の早期選定を求める決議に応えるため候補地を選定されたものと理解するものですが、決議においては、必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、大津市長に対し、早期に中消防署用地を選定することを求めるとともに、その選定に当たって適地と判断された理由について、大津市議会及び市民に対し、明らかにすることを求めています。

 候補地という名のもと、中消防署用地となり得る用地を選定するのであれば、適地であると判断した理由が実現性とともに説明できなければならないと考えます。大津市は、今後どういった方針のもとで中消防署の移転用地の選定に取り組んでいくつもりなのか。あくまでも現時点における候補地から選択する考えなのか、それとも改めて別の敷地も含めて検討していく考えなのか。緊急防災・減災事業債及び市町村役場機能緊急保全事業債の事業年度が平成32年度までとなっていることを踏まえ、答弁を求めます。

 

 

答弁:総務部長

 防災上の課題となっている本庁舎、中消防署の整備に向けた取り組みについてのうち、1点目の、本館棟のレトロフィット免震についてでありますが、現在庁舎整備の基本計画策定に向け、必要となる前提条件の整理を行うことを目的として、中消防署整備との整合を図りながら、別館の改築、隣接旧国有地の利用パターンなどについて検討する庁舎整備基本方針を取りまとめているところであります。構造検討の方針については、平成30年度は、今年度策定する基本方針を受けて、本館免震レトロフィット改修の有効性やライフサイクルコストの案の検証を行うため、本館整備検討業務を予定していることから、この検討業務の中で行う基本計画に向けた課題の検討を踏まえた上で進めてまいりたいと考えております。

 次に、12点目の、消防庁が求める平成32年度までの耐震化計画を提出できなかったことについてでありますが、平成29年11月、総務省消防庁から各都道府県消防防災主管部局長に対し、都道府県及び管内市町村における庁舎及び消防本部署所について、平成32年度までの耐震計画を策定し、1月末日までに取りまとめて報告するよう通知があり、本市としては、中消防署を含め、本庁舎として耐震化計画を報告したものであります。

 また、中消防署におきましては、平成29年9月通常会議において必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、中消防署用地の早期選定を求める決議をいただき、中消防署用地の選定を進めているとともに、現在庁舎整備基本方針の策定を行っていることから、平成32年度まで記載期間内の耐震化計画については、中消防署が入る別館を未定として報告したものであります。

 

答弁:消防局長

 はじめに、2点目の、中消防署の候補地選定に当たっての留意事項についてでありますが、まずは、北、中、南、東の4消防署と志賀、西の2分署による本市消防行政の管轄バランスと出動経路の状況等を考慮して、現在の中消防署周辺における公有地を基本に、昨年11月通常会議における総務常任委員会で4カ所6候補地をお示しさせていただきました。各候補地は、現時点においてその用地に係る法律的な課題や個別の課題が内在していることは承知しておりますが、今後整理していく中で、庁内や関係する機関と協議を重ね、課題の解決の進捗状況を踏まえて絞り込みを行っていくための候補となる場所であると考えております。

 

 3点目の、別所合同宿舎用地における災害リスクについてでありますが、浸水想定区域における浸水被害は、被害発生まで時間がかかるものと考えられ、降雨の状況により起こり得る被害の進展を踏まえて、消防車両を浸水しない場所に移動する等の事後的な対応で回避することが可能なリスクと捉え、候補地として選定しております。

 

 4点目の、別所合同宿舎の敷地を分割して中消防署用地とすることの課題についてでありますが、一団地認定の廃止と申請の必要性、さらには認定に必要な課題についても認識をしております。消防署機能を損なうことのない用地取得の可否や建築基準法との適合、また取得に伴います敷地価値の変動、さらには居住者や近隣住民への説明責任を踏まえ、関係機関と課題の共通認識を持ちながら協議を進めてまいります。

 

 5点目の、皇子山総合運動公園を中消防署移転用地とすることで生じる都市公園法上の課題についてでありますが、皇子山総合運動公園国体記念広場及び4面グラウンドは、消防庁舎立地には条件がよい候補地として上げさせていただきましたが、みだりに廃止してはならないという都市公園法の規定がある中、例外として示されている公益上やむを得ないものとして扱えるかが、今後必要でありますとともに、公園利用団体等への理解を得ることも課題であると認識しております。次期緑の基本計画との整合について、一部公園面積が減少することから、今後の課題と認識し、関係部局と検討してまいります。

 

 6点目の、国体記念広場を中消防署の移転用地とする場合における建築基準法上の課題についてでありますが、出動経路の状況がよいことから、移転候補地として選定いたしましたが、今後庁内の公園、道路を所管する部局との調整、検討を進めてまいります。

 

 7点目の、多目的広場への中消防署移転が大津市スポーツ推進計画の推進に与える影響についてでありますが、災害出動時に係る接道等の条件がよいことから、現段階で候補地の一つとしており、スポーツ推進計画に与える影響を含め、課題については今後関係部局と調整してまいります。

 8点目の、大津市伝統芸能会館駐車場への中消防署移転が災害対応力に及ぼす影響についてでありますが、消防署移転に伴い、造成工事等による調整池機能の維持についての検討が必要であるとともに、宅地造成工事規制区域に係る許可申請につきましても、適切に行われるべきであり、現段階では、これらの課題を認識した中で、消防署機能の立地条件を考慮し、候補地としております。

 

 9点目の、伝統芸能会館駐車場への中消防署移転が文化振興ビジョンの推進や施設運営に及ぼす影響についてでありますが、当該施設における駐車場の利用実態を把握するとともに、文化振興ビジョンに掲げる優れた文化芸術作品を鑑賞する場と機会の充実、施設利用促進という課題を認識した中で、消防署機能の立地条件を考慮し、候補地としております。

 10点目の、現在地において中消防署を改築する場合の災害リスクについてでありますが、現在の別館棟につきましては、その一部が土砂災害警戒区域に接しておりますが、扇状に示された区域の角の一部がかかっているものであり、そのリスクの評価について引き続き検討してまいります。

 

 11点目の、大津市役所業務用駐車場における敷地面積と道路幅員の妥当性についてでありますが、当該用地につきましては、4署2分署の管轄バランスや現中消防署周辺における公有地であることから候補地としたものであります。今後も、大型消防車両の転回軌跡等を考慮した中で、引き続き検討してまいります。

 

 最後に、13点目の、必要な耐震化が図られていない庁舎の整備を実現するため、中消防署用地の早期選定を求めることについてでありますが、現時点では、まず6候補地の消防署としての優位性と課題を詳細に調査し、検討し、検証するとともに、関係機関や近隣住民と十分に調整することが重要であります。なお、その過程において新たな候補地を上げることができれば、改めて検討に加えてまいりたいと考えております。

 

再質問

 まず、レトロフィット免震についてです。次年度の検討を踏まえて改めて詳細に検討されるという答弁であったと理解してよろしいでしょうか。危惧しますのが、レトロフィット免震がされた後の検討をいくらしていただいても、さまざまな要因で免震がかなわなければ意味がないと考えます。ですので、しかるべき時期までにしっかりと指摘申し上げた検討していただく必要がありますが、次年度に予定をしている業務を踏まえてしっかりと検討いただけるのかということについて、改めて確認をさせていただきます。

 

 2点目、候補地選定に当たって留意された点についてです。実現性については考慮されていないのですか。関係法令を踏まえて検討いたしましたが実現性が感じられません。何のために総合計画策定しているのかということにもなりかねない。そんな危惧すら抱くぐらい実現性が感じられません。改めて実現性は留意されなかったのか、いくら候補地とはいえ、留意されなかったのか、改めて見解を求めます。

 

 次に、別所合同宿舎の敷地を分割して中消防署用地の候補地とすることの課題についてです。初問で私こう申し上げました。大津市長は、一団地認定や敷地分割に伴う諸課題をどのように評価した上、別所合同宿舎用地を中消防署の移転候補地として選定されたのか。財務省近畿財務局側の課題認識及び大津市が希望する敷地形状での売却意向を確認するための協議結果とあわせて答弁を求めましたが、この点について答弁がございませんでした。

 スライドを御覧いただきたいのですが、大津市が望む形で仮に分割がかなった場合においても、財務省の残地分の前は、長等市民センターの駐車場となっています。しかも水路ですよ。そういった点を踏まえて、改めて見解を求めます。

 

 

 次、皇子山総合運動公園を中消防署移転用地とすることで生じる都市公園法上の課題について。

今答弁いただきました、公益上特別な必要がある場合、これに当たらなければ緑地の面積は減らせないという見解を示されました。面積が減るので緑の基本計画に影響を及ぼすと。ですので、関係部局と検討していくということでした。そもそもなんですけれども、再三申し上げますが、建築基準法上、道ではありません。園路です。園路を市道にして公園の面積を減らして消防署を整備することが、公益上特別な必要がある場合との可能性をなぜ持たれたのでしょうか。先ほど実現性と申し上げましたが、このことについてどういった議論を全庁的になされましたか。市長、この点について改めて見解を求めます。

 

 次に、国体記念広場を中消防署の移転用地とする場合における建築基準法上の課題についてです。これも、先ほど指摘をさせていただいたことと関連しますが、道路を所管される部と調整されていくということですが、初問でも指摘をさせていただきましたが、国有財産法の規定を適用していただいて、無償で貸与していただいています。目的外使用になって、国が変わらぬ条件で引き続き貸与してくれるとは僕には考えられないし、そもそもこういう行為を大津市自らが認めるのであれば、都市計画なんて、未来まちづくり部なんて存在意義が問われると思います。改めてこの点について、国とどういう方針で、どういった姿勢で協議されようとしているのか、見解を求めます。

 

 次に、スポーツ推進計画の推進に与える影響について。先日もびわ湖毎日マラソン大会が開催されました。この多目的広場の機能が損なわれたら、今、2種の陸上競技場は3種になると思います。そうなった場合に、競技場の機能として当然影響が出てくるわけですから、これまで開催されてきた大会やまた競技スポーツを行う上でさまざまな影響が出てくると思います。そういったことを踏まえながら、関係する部と調整していくといったような答弁でしたが、そもそもそのことについてどのように評価されているのでしょうか。

 

 次は、伝統芸能会館の駐車場についてです。候補地を公表された時点において、調整池であることを認識されていなかったのではないですか。事前に公文書公開請求でどういった検討をされたかの比較資料等を入手し、精査させていただきました。防火水槽が設置をされていることについては記述が確認されましたが、比較検討表にそういった表記がありませんでした。宅地造成規制法に基づき許可が必要となることについては答弁でもいただきましたが、現時点において調整池貯水機能を回復できる余地があると考えておられるのであれば、そう見込まれた考えについてもう少し詳しく聞かせてください。

 

 次に、現地において中消防署を改築する場合の災害リスクについて。引き続き検討していくということでした。どういった進め方で検討されていくのでしょうか。必ずしもその範囲に土砂が来るとも限らないですよ。あくまでも想定ですよ。そういったことを踏まえて見解を求めます。

 

 次に、業務用駐車場についてです。敷地内において大型車両を転回しなければならないので、その軌跡等を考慮していくとの答弁でした。事前に資料で確認をいたしましたが、もう既に検討されているじゃないですか。点検スペースも要るので、検討においては3階建てで想定されていますが、相当セットバックされています。それでも軌跡図を描いたら入らなかったわけですよね。で、あるにも関わらず、なぜ候補地に含められているのですか。1,000㎡と少ししか面積ないじゃないですか。その点を踏まえて見解を求めます。

 

 次、消防庁が求める平成32年度までの耐震化計画を提出できなかったことについて。私、質問で、求められた耐震化計画は対応未定としてしか中消防署について提出することができなかったということを指摘申し上げました。他都市の事例も確認させていただきましたが、この時点において対応未定でしか計画を出せなかったことについて、相当重く受け止めていただかなければならないと思います。ですので、このような質問をさせていただいています。まず、そのことを市長としてどのように受け止められているのかお聞かせください。

 

 最後、早期選定を求めることについて。改めて候補地を見つけられるのであれば、どういった体制のもとで見つけられるのか、改めて見解を求めます。

 

答弁:総務部長

 1点目のレトロフィットの検証についてですが、現在、来年度の予算でもお願いしております本館整備検討業務を想定しております。この中では、先ほど御答弁させていただいたとおり、ライフサイクルコストをもちろん入れまして、本館免震レトロフィット改修の有効性について検証してまいりたいと考えております。現在のベースとなっております2-C案を方針として決めた段階から、土砂災害警戒区域が新たに指定されるなど、当時と状況が変わっていることから、仮設庁舎も含めて今回検討していこうと思っております。予算につきましては約1,000万円お願いしているところでありますが、ただし構造計算につきましては、かなり金額が必要と認識しております。ですから、本来これ同時に検証できたらいいのですが、やはり出戻りのないように確実に予算を執行させていただきたいという観点から、来年度の検討業務の中には構造計算は入れずに、先ほど申し上げた、それを除くレトロフィット改修の有効性についてできる限りの検証をさせていただきたいと思っております。

 2点目の消防庁の照会について、現時点において計画が盛り込めなかったことについては、これは先の議会の御議決も含めまして、決して安易に考えているところではございません。将来の財源につきましても、各議員から御指摘もいただいておりますので、財源につきましても、そこは危機感を持って今後検討してまいりたいと考えております。

 あと、最後の新たな土地につきましては、これは現在消防局で中消防署の検証については、これまで議会に御説明させていただいたところで検討を進めているところでございますが、中消防署に限らず、例えばほかの福祉の関係の用途も含めて、まだ用地が要るということを大津市としては課題と認識しております。そういったことから、まず新たな用地については、消防局とも連携をとりまして、総務部で現在検討を始めているところでございます。

 

答弁:消防局長

 まず1点目、実現性についてでありますが、消防局といたしまして、消防署機能の立地条件を考慮し、4消防署2分署の管轄バランス、中消防署周辺におきます公有地であることから、候補地としたものでございます。今後さらに検討を加えた中で絞り込みを行っていきたいと思っております。

 

 2点目の財務省の一団地認定についてでございますが、一団地認定の廃止と申請の必要性、さらには認定に必要な課題、用地取得の面積や分筆等についても、今後関係部局と検討を重ねた中で調整を図っていきたいと思っております。

 

3点目の公益上やむを得ないもの、園路についての公益性についてでございますが、これにつきましても、消防局並びに関係部局と調整を図った中で、今後検討を進めていきたいと思っております。

 

 4点目の国体記念広場に伴います建築基準法上の課題についてでございますが、出動経路の状況がよいことから候補地として選定をさせていただきました。今後庁内の園路、道路を所管する部局とさらに調整、検討を進めていきたいと思っております。

 

 5点目の多目的広場の競技場の影響についてでございますが、これにつきましても、大津市スポーツ推進計画に与える影響につきまして、今後関係部局と調整を図ってまいりたいと思っております。

 

 6点目の大津市伝統芸能会館におきます調整池につきまして認識はしていなかったのではないかということにつきましては、防火水槽の設置のときに調整池として活用されているということを認識しております。今後これらにつきましても、関係部局と調整を図ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 7点目の中消防署を改築する場合の災害リスク、今後の検討方針についてでございますが、これにつきましても、現在の別館棟につきましては、その一部が土砂災害警戒区域に接していることは認識をしております。扇状に示されました区域の角の一部がかかっているものであり、そのリスク評価につきまして、今後建物構造並びに建物の廃止等につきまして、関係部局と調整をしていきたいと思っております。

 

 8点目の大津市役所の業務用駐車場におきます検討についてでございますが、これらにつきましても、4署、5署、2分署の立地条件、管轄バランスを考えた中で上げさせてもらったところでございます。今後も引き続きまして、大型消防車両の転回軌跡等を考慮しながら、引き続き関係部局と調整してまいりたいと思っております。

 

 最後に、9点目の必要な耐震が図られていない庁舎の整備を実現するための中消防署用地の早期選定を求めることについての改めての候補地の選定でございますが、これにつきましては、まずは6候補地の消防署としての優位性と課題を詳細に調査、検討し、検証するとともに、関係機関や近隣住民と十分調整することが重要であると思っております。その過程におきまして、新たな候補地を上げることができれば、改めて検討に加えて候補地として検討していきたいと思っております。

関連する 議会活動の
指摘・提言
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R5.9)
  • スポーツ施設が集積する皇子が丘公園・皇子山総合運動公園の魅力向上に向けた取り組みについて(R5.6)
  • 大津市庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる今後の取り組みについて(R5.3)
  • 大津港周辺のにぎわい創出に向けた取り組みについて(R5.3)
  • 市有地の適切な維持管理とその価値に見合った利活用のあり方について(R4.12)
  • 大津市庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる今後の取り組みについて(R4.12)
  • 大津市庁舎整備推進本部会議において皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定されるまでの経過と庁舎移転整備に対する大津市長の課題認識について(R4.6)
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R4.3)
  • 駅前広場として都市計画決定されてから半世紀が経過したJR大津京駅西側の再整備と路上喫煙防止対策について (R3.12)
  • 庁舎整備基本構想策定に向けた取り組みについて(R3.9)
  • 庁舎整備基本構想の策定にあたって市民意見を聴取しない理由と同基本計画の策定着手までに行うべき取り組みについて(R3.6)
  • 事業方針の再検討・早期の明確化が求められるふれあいセンターの今後のあり方について(R3.2)
  • 新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接する市有地の活用策について(R3.2)
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R2.11)
  • 大津市バリアフリー基本構想のさらなる推進に向けた取り組みについて(R2.9)
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R2.9)
  • 火災予防対策に資する飛沫防止用シートの適切な設置について(R2.6)
  • 防災拠点施設でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎ならびに中消防署の整備に向けた取り組みについて(R2.2)
  • 大津びわこ競輪場跡地に整備された商業施設の開業に伴う交通安全対策について(R1.11)
  • 公共施設のバリアフリー推進に向けた取り組みについて(R1.11)
  • 災害対応力の強化に向けた取り組みについて(R1.11)
  • 市政運営におけるチェック機能の強化と透明性を高めるための取り組みについて(R1.6)
  • 災害対応拠点でありながら必要な耐震化が今もって図られていない本庁舎の整備に向けた取り組みについて(R1.6)
  • 大津びわこ競輪場跡地に都市公園を開設するうえでの課題について(H31.2)
  • 中消防署の移転整備に向けた取り組みについて(H30.11)
  • バリアフリー、ユニバーサルデザインの推進に向けた取り組みについて(H30.11)
  • 横断歩道橋の適切な維持管理について(H30.9)
  • 通学路の安全対策について(H30.9)
  • 中消防署用地の選定に向けた取り組みについて(H30.9)
  • 大津びわこ競輪場跡地の利活用に伴う周辺道路の整備について(H30.6)
  • 公立保育園の民営化に向けた検討のあり方について(H30.6)
  • 防災上の課題となっている本庁舎、中消防署の整備に向けた取り組みについて(H30.2)
  • 大津市スポーツ推進計画の実現に向けた取り組みについて(H29.11)
  • 横断歩道橋の適切な維持管理について(H29.11)
  • 庁舎整備基本計画の策定に向けて必要となる取り組みについて(H29.9)
  • JR大津京駅西口活性化に向けた取り組みについて(H29.9)
  • 皇子が丘公園内プールの再整備に向けた取り組みについて(H29.9)
  • 大津びわこ競輪場跡地の利活用のあり方について(H29.9)
  • 都市公園における遊具の適切な維持管理について(H29.6)
  • 庁舎整備の推進に向けた取り組みについて(H29.2)
  • 土砂災害計画区域の指定が庁舎整備計画に与える影響について(H28.11)
  • 大津びわこ湖競輪場跡地の利活用に向けた取り組みについて(H28.9)
  • 皇子が丘公園における施設整備のあり方について(H28.9)
  • コンパクトシティ実現に向けたJR大津京駅前市有地の利活用について(H28.9)
  • 古都大津に相応しいJR大津京駅前広場の実現に向けた取り組みについて(H28.6)
  • 都市公園の適切な維持管理について(H28.6)
  • 隣接国有地を活用した庁舎整備のあり方について(H28.2)
  • 大津びわこ競輪場跡地の利活用について(H28.2)
  • 隣接国有地を活用した庁舎整備のあり方について(H27.11)
  • 市街灯及び防犯灯のLED化促進による財政上の効果について(H27.11)
  • 大津市民病院の敷地に設置された建築物が抱える課題について(H27.8)
  • 大津びわこ競輪場跡地活用事業について(H27.2)
  • 市有建築物の耐震化に向けた取り組みについて(H26.2)
  • 競輪場用地の利活用について(H25.9)
  • 建築基準法に違反する庁舎執務室の実態について(H25.6)
  • びわ湖大津館の今後のあり方について(H25.6)
  • ごみ処理施設のあり方について(H24.12)
  • 介護老人保健施設ケアセンターおおつのあり方について(H24.12)
  • 庁舎本館棟の耐震化について(H20.12)
  • 庁舎のあり方について(H20.2)