災害時要援護者支援について( H20. 6)

質 問

 大津市内の耐震改修の促進に関する総合的な計画として、大津市既存建築物耐震改修計画の策定作業が進められている。耐震改修促進法第5条及び国土交通大臣が定めた基本方針に基づくもので、地震発生時における建築物の倒壊等の被害から市民の生命、身体及び財産を保護するため、大津市と滋賀県が連携し、市内の耐震診断及び耐震改修を計画的に促進するための方法及び基本的な枠組みを定めようとするもので、この計画には福祉と防災の連携に関係する内容も含まれており、その中でも喫緊の課題であると考える2点について質問。

 1点目は、災害時要援護者を対象とした家具転倒防止に関する支援策について。地域の自主的、組織的な災害時助け合いネットワークの構築が図られる中、ネットワーク台帳の再整備に向けた取り組みが始まった。改定の大きなポイントの一つに、支援協力者の選定、登録が挙げられ、役割は災害時における要援護者の安否確認、避難経路の誘導であり、旧ネットワーク台帳では対象となっていなかった満65歳以上の御夫婦のみの世帯、昼間独居で満75歳以上の方、災害時における安否確認、避難支援を必要とする方も対象となっている。

 地域防災力の強化に当たっては、要援護者の日頃の備えについても強化する必要があり、家具の転倒予防に対する取り組みはその最たるものであると考える。

 

 災害リスクの軽減のため実施が期待されるが、円背や握力の弱った高齢者の方などにとって、高所作業や力作業が必要となる転倒防止器具の設置は困難を極める。全国的には家具転倒防止に関するさまざまな助成制度が設けられ、要援護者の避難経路の確保に寄与しているが、本市はどのような策を持ってこの課題に取り組んでいくのか、見解を問う。

 2点目は、庁舎本館棟の人命の安全確保を目的とした耐震補強の実施について。地震発生の際、庁舎本館棟において人命の安全確保が図られていない状態は、災害時要援護者の支援を円滑に行う上でも、一日も早く改善されるべきだと考える。本来はこれに加え十分な庁舎機能の確保が図られるべきであるが、現時点においては技術的にも費用的にも困難である。

 2月議会において、その費用対効果や耐震技術の進歩を含め、さらに調査検討を行うとの趣旨の答弁があったが、その後の進捗状況を問う。

答弁:健康保険部長

 災害時助け合いネットワークは、現在、大津市自治連合会、社会福祉協議会並びに民生委員児童委員協議会連合会、それぞれの団体が中心となり、災害発生時に備えての近隣住民による要援護者の安否確認や避難支援を行うための組織づくりについて取り組みをいただいており、このことは地域の防災力の向上に大いに資するものと考えている。

 また、それぞれの御家庭において、平時の備えとして家具類の転倒防止に取り組まれることは、万が一の際、いざというときの生存空間の確保にもつながることから、本市地域防災計画においても、このような市民が自ら行う防災対策の重要性について指摘をしており、まず、日頃から各御家庭において防災意識を高めていただくとともに、できるところから対策を講じていただく、このことが基本であると考えている。

 高齢者世帯等における家具転倒防止対策への支援については、その重要性は十分認識をしているものの、対象とする世帯の範囲の問題、また係る財源の問題など多くの課題もあることから、早速に制度化とはいかないが、今後身体的な事情により器具の取りつけ作業などにも困難性を感じておられる、こういった高齢者世帯への支援策などもあわせ、総合的に検討していく必要があると考えている。

答弁:総務部長

 現庁舎は災害対策の中枢的な役割を担う施設であり、大規模災害の当面の対策として、これまで現庁舎の中でも耐震性の高い新館に通信指令システムや災害対策本部、消防局機能を移転し、また今年度には電話交換機を本館から移設する予定であり、さらなる防災拠点としての機能強化に努めているところである。しかしながら、庁舎本館棟における耐震性能の不足については十分に認識していることから、2月市議会で答弁申し上げた、人命の安全確保を目的とした暫定的な耐震補強につきまして、現在関係部局と連携を図りながら、技術革新が著しい最新の耐震補強技術に関する情報収集など調査を始めており、今後、補強工事実施建物の調査なども含め、さらに検討を進めていく。

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