歴史文化資源を生かしたまちづくりについて( H27. 6)
質 問 |
1点目、歴史的風致維持向上計画の策定に向けた取り組みについて。
歴史文化資源は、まちづくりの核となるものであり、地域の活性化を図るためには周辺の自然環境や景観などを含めた総合的な保存活用策が必要となります。大津市においては、そのもととなる歴史文化基本構想の策定に向けて調査が進められているところであり、歴史まちづくり法の趣旨に見合った今後の取り組みに期待をするものです。
歴史文化資源の保存活用によって地域振興が図られるよう、これまで幾度にもわたって歴史的風致維持向上計画の策定を提言してまいりましたが、大津市からは明確な方針が示されないまま今日に至っています。現在、次期大津市都市計画マスタープランの策定に向けて検討が進められていますが、コンパクトシティの実現に向けて必要となる地域アイデンティティーの醸成を図るためにも歴史的風致維持向上計画の策定に向けた方針を明らかにすべきと考え、本市の見解を改めて伺います。
2点目、大津草津景観推進協議会の法定化に向けた取り組みについて。 近江八景と旧東海道でつながる草津市とは、平成25年11月にびわこ大津草津景観推進協議会を設立し、両市長によってびわこ大津草津景観宣言に調印されるなど、景観施策において連携の強化が図られてきました。今後両市の市民が連携による成果を実感できるようにするためには、大津草津景観推進協議会が主体となって琵琶湖を挟んだ対岸の景観、旧東海道でつながる歴史的景観、屋外広告物行政について連携を図る必要がありますが、そのためには地方自治法の定めに基づき両市議会の議決を経る必要があります。
大津市は、平成26年11月通常会議において両市の共通ルールの策定、また連携事業のさらなる充実を推進するためには法定化に向けて取り組むことが望ましいことから、このことについて草津市と協議を行っていく旨の答弁をされていますが、今後どういった方針のもとで大津草津景観推進協議会が担う役割を発展させていかれる考えなのか、草津市とこれまで行ってこられました協議結果を踏まえて見解を伺います。
3点目、大津市、草津市共同デザインによる旧東海道案内看板の設置について。旧東海道及びその周辺には、多くの歴史文化資源が存在しますが、大津宿本陣跡から草津宿本陣までを散策しますと、来訪者にその魅力や所在を伝える案内看板が不足していることに気づかされます。両市がこれまで建物や町並みに調和した広告物を検証し良好な広告物による良好な景観づくりに取り組んでこられたことは、大変意義深いことであり、今後は旧東海道のまちづくりに取り組む団体や大学とも連携を図りながら大津草津景観推進協議会が主体となって案内看板を設置することを提言するものです。
設置すべき案内看板の数が多いことから、民間から資金を募ることを視野に入れての取り組みとなりますが、どういった情報をどういった形態で発信すべきなのか、まずは検討を開始されたと考え本市の見解を伺います。
答弁:都市計画部長 |
歴史文化資源を生かしたまちづくりについてのうち、1点目の歴史的風致維持向上計画の策定に向けた取り組みについてでありますが、本市は数多くの歴史的資源を有し、現在までこれらをまちづくりの拠点として活用してきたことから、歴史まちづくり法は本市のまちづくりに見合った制度であると認識しております。
これまでも御答弁申し上げましたとおり、歴史的風致維持向上計画の策定に当たっては、歴史文化基本構想の策定が必要となります。このことから、現在まで教育委員会との連携のもと、本市の文化財についての把握を進めてきましたが、非常に多くの文化財について周辺環境も含めて幅広く捉える必要があることから、教育委員会がより総合的な調査に取りかかる予定です。加えて、今後は本市が歴史文化資源を生かしたまちづくりを推進する上で、教育委員会とともに国土交通省や文化庁へ直接出向き助言を得ることにより、その手法や具体的な有効性についてさらなる検討を行ってまいります。
2点目の大津草津景観推進協議会の法定化に向けた取り組みについてでありますが、現在の協議会の事務は連絡調整に限られたものであり、議員お述べのとおり、両市の共通ルールの策定など、連携した施策を推進するためには協議会の法定化が望ましいと考えております。これまでの両市関係部局による協議の結果、今年度に地方自治法の規定に基づく法定協議会設置に向けて進めていくと共通認識に至りました。
今後、スケジュール調整や協議会規約の改正などの必要な事項を整理した上で、10月に開催予定の第3回びわこ大津草津景観推進協議会において両市長が合意した後に速やかに議案を提出できるよう進めてまいります。
3点目の大津市、草津市共同デザインによる旧東海道案内看板の設置についてでありますが、大津草津景観推進協議会におきましては旧東海道沿道の連続性のある景観形成について重点的に取り組む事項の一つとして掲げております。このことから、議員お述べの共同デザインによる旧東海道案内看板の設置につきましては、今後協議会における検討課題の一つとして取り上げてまいりたいと考えております。
再 問 |
歴史的風致維持向上計画に関係して、教育委員会と国土交通省並びに文化庁に訪問いただいて、認識、理解を深められるという答弁でしたが、具体的に行かれるめど等はついておられるのでしょうか。
答弁:都市計画部長 |
国土交通省及び文化庁へ行くスケジュールについてですが、今現在のところ、本省及び部課長のほうとは具体的なスケジュール調整はこれからということになっています。今年度、議員も御存じのとおり、都市計画マスタープランの地域別構想案の策定に向けてのまちづくり会議を秋から開催する予定ですので、それまでに教育委員会とも日程も調整の上、職員自ら国土交通省及び文化庁のほうへ出向き、本市の歴史と文化を生かしたまちづくりについての助言をいただき、そしてそのまちづくり会議の中で市民との意見に反映できるようにしていきたいと。その結果をもとに、議員お述べの都市計画マスタープランの中で、例えば全体構想や地域別構想の中により役立つように取り組んでいきたいと、そのように考えております。