歴史文化を生かしたまちづくりについて( H26. 6)

質 問

 大津市においては、都市計画審議会に専門部会を設置することが決定するなど、平成29年度から10年間を計画期間とする次期大津市都市計画マスタープランの策定に向けた取り組みが開始された。平成26年3月、国土交通省は歴史まちづくり法に基づく5年間の取り組み成果を発表したが、大津市内においても地域固有の歴史や文化を生かしたまちづくりを推進させるため、さまざまな団体が主体的に活動を展開されており、同法における制度を有効に活用するための環境整備を待ち望む声は日増しに高まっていると感じる。歴史的風致維持向上計画の策定は都市計画の総合的な指針に大きな影響を与えるものであり、また歴史的文化資源を活用したまちづくりを展望するのであれば、歴史文化基本構想の策定も視野に入れながら検討を進める必要があると考える。これまで教育委員会と勉強会を重ねてこられたと認識しているが、今後大津市はどういった方針のもとで大津市都市計画マスタープランの策定に取り組んでいかれるつもりなのか、歴史的風致維持向上計画及び歴史文化基本構想の策定に向けた決意とあわせて伺う。 

答弁:都市計画部長

 歴史と文化を生かしたまちづくりについてのうち、1点目の大津市都市計画マスタープランを策定するに当たっての方針についてであるが、本市は数多くの歴史的資源を有し、従来からまちづくりの象徴として活用してきたところである。次期マスタープランの策定に当たっては、地域のワークショップでの御意見も十分踏まえ、必要となれば地域別構想への反映について検討してまいりたい。
 次に、歴史的風致維持向上計画及び歴史文化基本構想の策定についてであるが、歴史的風致維持向上計画を策定するに当たっては、歴史文化基本構想の策定が必要であると考えており、文化庁では、歴史文化基本構想には文化財の把握やその保存及び活用の基本的方針などを定めることとしている。現在、教育委員会と勉強を重ねているが、今のところ文化財の把握が十分ではないという状況であるため、まずはその把握が必要であると考えている。このことから、基本構想の策定については今後も教育委員会と連携を深めていくことが重要であるというふうに考えている。 

 

再 問

 まず1点目、都市計画マスタープランは、どういった考えのもとで策定されていかれるのか。地域別構想については、地域別計画をしっかりと検討していただくことについては期待をするが、大津市としての意思を市民の皆さんにお示しをした上で理解を求めることも重要でないか、と考えている。大津市は南北に細長く、地域それぞれの固有の歴史や文化がある。地域別に計画を具体化いただく作業は大変時間もかかるし、また都市計画部内におけるその取りまとめも相当な人員が必要となると理解している。
 その上で、あえて伺うが、市長マニフェストにおいても、豊かな自然、歴史文化を守り育て、観光客が集まる大津へということで、琵琶湖をはじめとした自然環境、歴史文化を次世代へ受け継いでいくということは課題として設定されているし、大津を取り巻く豊かな自然環境の保全、歴史風土の保全ということもしっかりとうたわれている。もう少し前向きに答弁あるべき、と考え、改めて見解を伺う。

 2点目、歴史的風致維持向上計画及び歴史文化基本構想の策定に向けた決意を伺う。文化財に対しての把握が十分でないということを理由として上げられた。今は連携を深めていく時期だとおっしゃられたが、質問でも申し上げたが、次期都市計画マスタープランは平成29年度から10年計画として策定をされるものである。今、平成26年度、平成27年度、平成28年度、実質3年度の中で次の10年間を見据えて、大津市としてその都市計画のあり方を市民、事業者の皆さんにお示しをする必要がある。歴史的風致維持向上計画の策定をする意思があるのかと再三にわたって質問を繰り返してきたが、しっかりとした答弁をしかるべき時期にいただかないと予算も措置されないし、市民の皆さんの期待に応えることができないのではないかと懸念をするが、改めて本市の見解を伺う。 

答弁:都市計画部長

 まず1点目、都市計画マスタープランの策定について、歴史的資源をどのように意識してということだが、大津市の総合計画の基本構想においても、歴史資源を生かした地域の個性化というのを基本方向で定めている。今まででも都市づくりに当たってはそのような方向で、歴史的資源を象徴として、また生かしてきた。都市計画マスタープランの次期マスタープランにおいては、今年度から3年かけて進めていくわけであるが、地域別構想の中の地域とのいろんな意見を伺う中で、そういう方向性を我々が示すこともあるだろうし、あるいは活動中の方々の意見を伺う機会もあろうかと思う。そのことが地域別構想に反映されるとも思うし、ひいては平成28年度の全体構想の中にも何らかの記述が予想されると考える。いずれにしても、そういう大津市に歴まち法は合っているという認識は昨年の答弁でもしており、そういうことを十分認識しながら策定をしていきたい。

 2点目の進捗についての心配ということであるが、文化財の把握、整理、それにつながる歴史文化基本構想の策定がまず必要であるし、その文化財の把握のスピードをできるだけ上げていただき、それによって構想を視野に片や教育委員会と進める。さらには、都市計画マスタープランも、先ほどの地域別構想にうまく合えば当然反映され、それがいざ実施、ということになれば整合性は図れるというふうに考えており、今の進め方というのは、まずは、文化財の把握に努めるということである。 

 

再々問

 今、答弁の中で、歴史的風致維持向上計画及び歴史文化基本構想の策定が都市計画マスタープランにうまく合えばといったような趣旨で答弁をいただいた。うまく合えば、結果的にそうなればということの期待ではなくて、そうしていただかなければならないのが古都大津としての使命であり、市民に対して歴史と文化を生かしたまちづくりを標榜されている大津市としての責務でないのかと考える。私は何も今この現時点においてどういった範囲を、どういった内容の歴史的風致維持向上計画を策定される考えなのかと問うているわけではない。市民のさまざまな取り組み、そして各種団体の取り組みの中で、歴史まちづくり法のさまざまなスキームを活用したような取り組みが求められている、またそうした制度設計上の環境整備が十分に整えば、さらに三者協働も私は期待できるのかと考え質問をさせていただいている。
 改めて現時点においてどういった方針で大津市がこの歴史まちづくり法というものの有効性に対して認識をして取り組むお考えなのか、改めていま私が述べた内容を踏まえて答弁願う。 

答弁:都市計画部長

 昨年の12月議会でも、先ほども申し上げたように、この制度は本市に合っている、ふさわしいというふうに認識している。そのための今回の歴史まちづくり法というのは一定の制度、システムを乗っけるか乗っけないかということだと思うが、まちづくりの方向性というのは変わらないと思うが、その制度に乗っけるための手続を教育委員会とともにスピードを速めて進め、結果的には、都市マスタープランの構想にうまく反映できるようにスピードを速めていきたい。 

 

再々再問

 今の答弁の中で、制度に乗せるための手続、教育委員会としっかりと連携図って取り組んでいくということだが、策定される意思があるということで認識させていただいてよろしいか。 

答弁:都市計画部長

 今の時点ではっきり言えるのは、文化財の把握を早くして、一定の文化財というものをしっかり認識していくということであり、それが次の歴史文化基本構想に向けての準備はしているが、つくるということには現在至っていないということである。 

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