横領事件を二度と発生させないために必要となる取り組みについて( R3. 6)

質問

令和3年4月27日、大津市立小学校において、保護者から徴収する学年費及び積立金ならびに教職員から徴取する同僚会費、合計約135万円が事務職員によって着服されていたと大津市教育委員会より報告を受けました。当該学校は、保護者、地域関係者らに対して順次説明と謝罪の場を持たれたそうですが、小学校で準公金の横領事件が発生したという事実は学校への信頼、ひいては教育行政への信頼を大きく損なう事態を招きました。なお、質疑一般質問通告後において、追加調査の結果、被害金額は学年費、積立金、PTA会費等で103万7,013円、同僚会費で68万円、あわせて総額約171万7,013円となることが追加で報告されました。着服による影響は平成30年度から令和2年度までの3年間に及ぶとのことであり、学校徴収金等の事務において、不適切な事務処理があったことが判明しています。

 

大津市においては、過去にも平成23年11月から平成25年4月にかけて、職員が公金外現金(準公金)を横領するという事件が発生しました。総務部長が委員長と務める「公金外現金横領事件再発防止検討委員会」が庁内に設置され、顧問弁護士にも意見を聴きながら調査と再発防止策の策定に取り組まれました。大津市教育委員会においては、これらの経過も踏まえ、各小中学校において準公金の取り扱いが適正に行われているのか、「学校徴収金の取扱いに関する要項」に照らし合わせ、あらためて確認されるべきと考えます。

 

大津市教育委員会はこの度の横領事件を受け、臨時の校長会を開催し、不祥事再発防止に向けた今後の対策について指示をされたと報告を受けていますが、教育長は横領事件を二度と発生させないため、どの様な指示を各小中学校の校長に出されたのか。当該事務職員及び管理職等からの聞き取り調査結果とあわせて答弁を求めます。また、市長部局においても、この度の事案を全庁的な課題と捉え、あらためて再発防止を徹底されるべきと考えます。再発防止に向けた今後の取り組みと令和3年5月度部長会議において、大津市長が「学校徴収金等に係る案件からは、事態を速やかに明らかにしていくことを学んでほしい」と発言された真意をお聞かせ願います。

 

答弁:教育長

再発防止に向けた取り組みについてのうち、1点目の、校長への指示及び調査結果についてでありますが、まずはじめに、先日発覚いたしました市立学校事務職員による学校徴収金等着服事案につきまして、児童生徒およびその保護者様をはじめ、市民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。事案発覚後、教育委員会による調査の結果、当該事務職員は平成31年4月から約171万円を着服していたことが判明しており、当該校においては速やかに返金手続きを進めているところです。

事案発覚後すぐに開催した緊急校長会においては、過去の教訓が生かされていないことを厳しく指摘し、管理職の職責について改めて訓示するとともに、学校徴収金の取扱に関する要項の遵守と関係職員への指導ならびに、校長自らが現在の執行状況を確認するよう指示したところです。くわえて、教職員の服務規律についての指導を徹底すると共に、教職員が相互に指摘し合える学校体制を構築するよう指導したところです。
今後、定期的に実施している教育委員会による会計処理の確認に加え、管理職をはじめとする関係職員が、一人ひとりの問題としてその職責を強く認識できるよう研修体制の強化に努めてまいります。あわせて、保護者様からお預かりしている学校徴収金について、公金に準ずる厳正な会計処理を行うことをあらためて徹底し、再発防止に取り組んでまいります。
 

答弁:総務部長  

市長部局における再発防止に向けた今後の取組についてでありますが、この度の横領事件を全庁的な課題として捉え再発防止を徹底するため、コンプライアンス推進本部会議の開催を予定しており、今回の事案も含め不祥事の調査結果と再発防止策について情報共有を行う予定であります。また、コンプライアンス推進月間である7月には所属長面談や事務処理におけるリスク点検シートの見直し等を実施する予定であり、全職員に対するコンプライアンス研修等についても継続して行ってまいります。

 

次に、令和3年5月度部長会議における市長の発言についてでありますが、今回の事案において会計処理が特定の担当者に任せきりになっている状態で、組織的な日常のチェック体制が機能せず、人事異動の際にようやく発覚するに至ったことを問題視するとともに、事案が発覚した段階で早期に公表を行うことの重要性を述べられたものであります。いずれにいたしましても、今回の事案を職員一人ひとりが自分事として受け止め、全庁あげてコンプライアンスの意識の浸透に努めてまいります。

 

再質問

教育長に伺います。学校徴収金の取扱いに関する要綱、この質問の実施に当たり、私自身も読ませていただきました。この要綱に基づく対応がなされていなかった、十分にこの要綱が策定されてる効果が発揮されなかったというような印象で答弁を拝聴しましたが、具体的にこの要綱と照らし合わせてどういった問題が管理体制の中であったのでしょうか。
また、返金に基づく手続を進めているということでありますけれども、具体的に今後どういった手続の下で着服されたお金は返ってくるのでしょうか。

 

答弁:教育長

1点目は、学校徴収金の取扱いに関する要綱の中のどのあたりにできてなかったところがあるかという点でございますが、この学校徴収金の取扱いに関する要綱は、平成24年からスタートし、平成26年並びに平成31年に一部付け足し等改正を行っております。その中で、適正な会計諸帳簿、いわゆる出納簿等がきちっとまず作成できてあること、そしてそれについて管理職が定期的に押印をし、そして決裁をしていくこと、このあたりがうたわれております。それに基づいて執行しておれば、今回の着服は早い時点で発見することができたというふうに捉えております。さらに、学校のいわゆる通帳名義は校長の名義としております。したがいまして、校長の私印は校長が管理し、必要に応じて押印をする。したがいまして、それを事務職員や、あるいはその他の職員が私印を持っていること、これが許されないわけでありますけれども、このあたりの徹底ができていなかったということでございます。
 
それから2点目は、返金手続ということであったかと思いますが、当該学校におきましては、先日行いました2回目の保護者会におきまして、まず6月30日までに返金をさせていただくというふうに校長が保護者の皆様に説明をしております。その中で、現在小学校に在籍している児童の保護者様に対しては、現在の小学校の各個人さんの口座に該当する額を返金させていただきますし、中には卒業されてる児童がおられます。その方につきましては、今進学をされている中学校にお願いをいたしまして、その中学校で使用されてる口座に原則として中学校から所定の額を返金するという形で今進めております。それ以外に、違う校区へ進学されたような方もいらっしゃいますので、そのあたりについては、家庭訪問またはレターパック等を活用し、振り込む口座を把握した上で返金をさせていただきます。

再々質問

返金のいわゆる原資は着服した本人からの返還金をもって実施なされるのでしょうか。それともそうではないのでしょうか。改めて確認させてください。
 

答弁:教育長

着服した本人が返金の意思を示しております。最初にお知らせした約135万円については、既に返金をしておりました。そして、後からの調査で追加に分かってきた合計約171万円についても返金の意思を示しておりますので、それを原資といたします。

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