新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接する市有地の活用策について( R3. 2)
質問
県民への意見募集にあたり、滋賀県文化スポーツ部文化財保護課が作成した「(仮称)新・琵琶湖文化館基本計画(原案)」(以下、原案と申しあげます)によると、現在休館中の琵琶湖文化館の後継施設を整備するにあたり、滋賀県は大津市浜大津に位置する大津港港湾業務用地約8,000㎡のうち県有地部分約3,000㎡を建築敷地としています。
大津市長は令和3年2月市議会通常会議提案説明において、市内の寺社仏閣や隣接する大津湖岸なぎさ公園への周遊など、陸上、湖上の交通結節点である浜大津の立地特性が最大限に生かせるよう、今後も県との連携やなぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトの取組を進めていく方針を示されましたが、滋賀県道に面して立地予定地に接しているのは、大津市が土地開発公社の解散に伴って代物弁済を受けた土地となっています。
大津市が平成25年5月に作成した「大津市土地開発公社解散プラン」によると、当該用地を浜大津駅前A地区市街地整備関連用地取得事業として土地開発公社が取得したのは平成15年度のことでした。平成24年度末時点における簿価は2億1,805万7,779円であり、簡易評価により試算された時価評価額との差額による損失額は8,511万1,179円と算定されています。私は平成21年9月及び同年11月定例会において、当該用地が塩漬けされるに至った不適切な経過について指摘を行い、大津市は謝罪されるに至りましたが、行政目的が存在しない塩漬け土地を発生させたことにより、多額の損失を被る結果となりました。
現在、当該用地は都市計画部市街地整備課が管理をしていますが、現時点においても行政目的を有しておらず、暫定的な土地利用が長らく続いています。857.72㎡と滋賀県が有する敷地面積に比べると少ない面積ですが、この度、新・琵琶湖文化館の建築敷地として活用を想定される範囲を除いた過半の残地部分は大津市が所有する土地を介してしか滋賀県道に接道しないことになります。
ちなみに、車両が出入りする大津港ロータリーは建築基準法上の道路ではなく、計画されている敷地形状で新・琵琶湖文化館が整備された場合、県有地の残地は隣接する民間駐車場の琵琶湖側に位置する大津市道の行き止まり部分において、わずかに接道するのみとなります。
新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接して大津市が所有する土地については、ガソリンスタンド用地であったこともあり、滋賀県道に面して横長の形状をしています。大津市が単独で土地利用を図りにくい敷地形状をしており、長年に渡って塩漬けされ、この間、税収も得られず、機会損失の状態が続いてきたことを踏まえるのであれば、県有地と一体的に活用されることが望ましいと考えます。
滋賀県から示されている原案には、立地のポイントとして、「滋賀県を代表する風景である琵琶湖や比叡山を望むロケーション」「社寺等との高い回遊性など、文化財観光の拠点性」「京阪神等、大都市圏からの好アクセス」「県内各地への好アクセス」「大津港を活かした、県内観光の拠点性」があげられており、これらに加え「官民合わせた浜大津エリア全体の活性化」が付記されています。今後、詳細については、港湾計画との整合や大津市のまちづくり計画と調整するとの方針を滋賀県は示していますが、大津市は今後、新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接し、長年にわたって暫定利用が続く市有地をどの様な方針のもと、浜大津エリア全体、ひいては大津市の活性化に資する形で活用していくつもりなのか。今期通常会議における提案説明において、大津市長は大津市歴史博物館との相乗効果なども検討したいとの考えを示されましたが、どの様な課題認識と将来展望のもとでこれら検討に取り組んでいかれるつもりなのか、あわせて見解を求めます。
答弁:副市長
(仮称)新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接する市有地をどのような方針のもとで活用していくのか、またどのような課題認識と将来展望のもとで検討に取り組んでいくかについてでありますが、(仮称)新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接する市有地は、平成16年当時、浜大津駅前A地区土地区画整理事業と国道161号交差点改良事業をあわせて進める中で、交換用地として大津市土地開発公社が取得したものであり、同公社の解散に伴い、本市が代物弁済を受けたものです。同土地は、大津市中心市街地活性化基本計画において定められていたエリア内にあり、この地にふさわしい新たな価値の創造を図るため、これまで行政財産として保持してきたものであります。
さて、今般、県が示された(仮称)新・琵琶湖文化館基本計画(原案)において、県有地である大津港港湾業務用地一帯の約8,000㎡のうち約3,000㎡を利用して(仮称)新・琵琶湖文化館を整備されるものと示されていますが、議員お述べのとおり、敷地利用の方針の詳細について、港湾計画との整合や大津市のまちづくり計画との調整が必要であるとされているだけであり、現時点で県からの具体的な相談はありません。今後、県の意向を確認しながら、必要な協議を進めてまいります。
また、浜大津は、陸上、湖上交通の結節点であり、立地特性を最大限に生かし、市内の寺社仏閣や隣接する大津湖岸なぎさ公園への周遊など、本市の新たなゲートウェイとなるよう取組を進めるとともに、近接して県立と市立の博物館が立地することによって、それぞれの特徴を生かした企画展の共同開催や、琵琶湖文化館の収蔵品を本市の歴史博物館で展示するなど、相乗効果を上げるような取組を県に提案してまいりたいと考えております。
再質問
2点伺います。まず1点目、新・琵琶湖文化館の立地予定地に隣接する市有地の活用策について。この土地を活用して新たな価値の創造を図るため、一緒に活用していきませんかと滋賀県に対して積極的に提案いただきたいと期待するものです。このことについて、改めてお考え等あれば答弁を求めます。
2点目です。大津市歴史博物館との相乗効果についてです。私は大津市歴史博物館と一体的に整備する可能性を模索されてはどうかと考えます。まだまだ使える建物、使わなければならない市民の財産ですので、しっかりと後の利活用については検討いただく必要もございますし、効果的に活用いただく必要もあるのですが、先ほど来申し上げている新たな価値の創造にもつながると考えます。改めて答弁いただけるようであれば、見解を求めたいと思います。
答弁:副市長
1点目の市有地の活用策について、県と協議していく姿勢について御指摘をいただいたと思っております。この場所については、まさしく大津港に隣接する非常にゲートウェイとなる重要な場所でございます。そういった中で、このエリアをどうしていくかということは非常に重要なことと認識しておりますけれども、一方でこの市有地については市有地だけでの面積は限られておりますし、県の意向を十分に確認しながらでないと有効活用というものは図っていけないとの認識でございます。そういった中で、県の意向をしっかり確認しながら我々としての意見もしっかり述べながら必要な協議を今後進めたいというふうに感じております。
それから、2点目でございますけれども、大津市歴史博物館との一体的な整備ということについての御指摘でございます。こちらにつきましては、先ほど初問の答弁でも申しましたけれども、(仮称)新・琵琶湖文化館と、それから大津市の歴史博物館、近接するということで連携した相乗効果を上げるような取組、こういったことは非常に重要だというふうに認識しております。一方で、一体的な整備というような部分の御質問ですけれども、現時点において市としてそのような考えはございません。
再々質問
市有地についてです。改めての答弁において、県の意向を確認しながらということで、当然県の事業ですので、そのとおりなんですけれども、先ほど来申し上げている原案、(仮称)新・琵琶湖文化館基本計画において、県民に対して開示されている資料を拝見させていただきますと、来年度には詳細な検討、上半期をめどに終わられるような、下半期に若干矢印延ばしておられますけれども、そういったスケジュール感で取り組まれようとされていて、現時点での案なんでしょうけれども、PFI事業者の選定、契約についても令和3年度中に実施されようとしています。
申し上げたいのは、時間がないと思うのですよ。そもそも敷地がはっきり確定をしない中で検討を進められていかれるということについて、県の事業ではあるのですが、どういった実効性を持って進めていかれるのか、心配すらしています。
繰り返しになりますが、もっと積極的に提言をされていかれたほうがいいと思います。意向を確認いただくことは当然のことなんですが、何かそのような姿勢が感じられないんですよ、御答弁から。もう少し意気込みといいますか、危機感を持って臨んでいただく必要があると思うのですが、重ねて答弁いただけないでしょうか。
答弁:副市長
大津市有地の活用ということについて、非常に時間が限られてる中で市として積極的に取り組むべきというような、そういった御指摘であったと思います。この琵琶湖文化館の後継施設については昨年の11月にも大津市長から大津港港湾業務用地での整備ということで要望をさせていただいて、この周辺で県で今基本構想の中で入れていただいてるものでございますけれども、スケジュールを見ましてもこれからその整備についてまさしく来年度県で具体的に検討される時期ではないかというふうに思ってもおります。そういったところで、この土地の活用についても議員御指摘の乗り遅れないような形で県とは協議を進めていきたいと考えております。
再々々質問
現時点で大津市は、この市有地がどのような形で利活用されることが望ましいと考えておられるのでしょうか。
答弁:副市長
大津市有地の活用についてでございますが、こちらについては県とも考えをしっかりすり合わせないといけませんので、現時点で明確に市としてこうだということは申し上げられませんけれども、いずれにしてもこの場所が非常に大津のゲートウェイとして重要ですし、琵琶湖文化館の後継施設が立地されるというような、そういった状況も踏まえて、有効活用できないかということの認識を持って県とは協議をしてまいりたいと考えております。