庁舎整備基本構想の策定にあたって市民意見を聴取しない理由と同基本計画の策定着手までに行うべき取り組みについて( R3. 6)

質問

1点目、基本計画策定に向けた市民意見聴取のあり方について。大津市庁舎整備基本構想策定支援業務の仕様書には、事業の推進にあたっては、非常に膨大な事業費を要するため、市民の意見をしっかり聞いて整備方針等に反映していき、市民に理解をいただける庁舎整備事業となることが不可欠であると記されています。また、従前の市役所という単なるオフィス機能に止まらず、申請や手続きなど市民にとって必要な行政サービスをデジタルツールの活用によって、市役所に来なくてもサービスが受けられる「持ち運べる市役所」の機能拠点という新たな側面を見出しながら、地域のまちづくりに資する情報発信や市民交流など新たな庁舎施設としてのあり方などを検討し、県都大津に相応しく、市民が親しみを持てるシンボリックな庁舎施設となるようにしていくことも記されていますが、基本構想の策定期間である今年度中に市民を対象としたアンケートの実施、パブリックコメントの実施等は予定されていません。加えて、建設候補地の立地条件の検討にあったては、「利用者である市民目線での利便性」が項目にあげられています。庁舎整備基本構想策定中に市民説明会を開催され、中間案に対して意見聴取されている自治体もあるなか、大津市が基本構想の策定に取り組む姿勢は市民の意見をしっかり聞いて整備方針等に反映していくとの方針に反するものと考えます。
 
平成16年度に庁舎の耐震診断が実施され、その結果、本館及び別館において耐震性能が不足することが判明してから17年余りの歳月が経過しました。これまでの検討経過を踏まえ、基本構想は次年度以降に策定される基本計画において具体化されることになります。大津市はなぜ、庁舎整備基本構想の策定にあたって市民意見を聴取されないのか。また、基本計画策定に向けて建設候補地を確定させる必要がありますが、大津市はどの様な機会をもって、市民の意見を反映させる方針なのか、あわせて見解を求めます。

 

2点目、本館棟を免震レトロフィット工法により改修するか否かの意思決定について。大津市より本館棟を免震レトロフィット工法により改修する案が示されていたことから、これまでの間、検討のあり方などについて指摘、提言を行ってきました。令和2年11月通常会議においては、一般社団法人日本建築学会より本館棟及び別館棟の建物の保存活用に関する要望書が提出をされ、歴史的文化的価値について、国際学術組織から高い評価を受けているものの、実現には多額の予算が必要となることから、方向性を定めて情報を発信するのではなく、また、市民からの意見聴取についてもアンケートは実施せず、ホームページを活用することを方法の一つとして示されました。

本館棟においては、建築基準法違反の状態を解消するため、年次的に多額の予算が措置をされ、必要な工事は今もって終わっていません。申し上げるまでもなく、庁舎は市民の財産です。免震レトロフィット工法により改修する、もしくは、解体するとの意思決定を基本構想の策定にあたって行うのであれば、市民に対して本館棟における現状と課題を分かりやすい資料と共に情報発進し、意見聴取を行うべきと考えます。


大津市は令和2年11月通常会議における質疑一般質問の答弁において、免震レトロフィット工法による改修については、「基本構想において、早い段階で、もちろん、議会の意見も踏まえながら、しっかりと判断をしていきたい」との見解を示されていますが、今もその方針に変わりはないのでしょうか。また、変わったのであれば、なせ、変えられたのでしょうか。市民意見を聴取することの必要性への認識とあわせて見解を求めます。


3点目、外部検討委員会の設置について。大津市は庁舎整備基本構想の策定にあたり、学識経験者等で構成する外部検討委員会の設置を予定しています。10人以内での設置を予定され、3回程度の会議を想定されていますが、委員に支払わられる報酬、旅費は現時点において一般会計予算において措置されていません。基本構想策定支援業務に外部検討委員会の運営支援を含めながら、大津市はなぜ、必要な予算を今もって措置していないのか。設置を見込む時期と外部検討委員会に期待する役割について答弁を求めます。

 

答弁:総務部長

庁舎整備基本構想の策定にあたって市民意見を聴取されないのかについてでありますが、庁舎整備にあたっては市民の理解が必要不可欠であり、そのためには市民への丁寧な説明が必要であることは十分認識しているところです。このため、今回策定する庁舎整備基本構想において、庁舎整備の必要性や新庁舎のあり方などに対する理解が深まるよう、分かりやすく丁寧な情報発信をした上で、より具体的な市民の皆様のご意見をお伺いすることとしております。

 

大津市はどの様な機会をもって、市民の意見を反映させる方針なのかについてでありますが、市民の皆様のご意見をお伺いする手法として、ホームページの活用や市民の代表者も構成員とする外部委員会の設置など様々な手法がありますが、それぞれの特性を踏まえながら(仮称)大津市庁舎整備推進本部等において検討するとともに、他都市の事例を研究してまいりたいと考えております。

 

本館棟を免震レトロフィット工法により改修するか否かの意思決定についてでありますが、基本構想の策定において、庁舎に求める機能の検討や庁舎に求める視点の整理、庁舎規模の検討を行う中で、本館棟の活用がこれらの検討内容を満たすものか、また整理してきた課題の解消に繋がるか、などを総合的に評価して判断する必要があると考えております。

 

外部検討委員会の設置についてでありますが、基本構想策定支援業務の業務内容を検討する際、課題や方針などを整理するにあたって、機能面や立地面、技術面などそれぞれの分野において実効性のあるものにするため、専門的な見地からご意見をお伺いする委員会設置の必要性を判断したものです。現時点においては、基本構想策定支援業務の事業者も決定しておらず、どのような分野か、人数、回数など不確定な部分もあり、今後さらに精査する中で、9月補正予算で措置することといたしました。

 

再質問

今から申し上げる再質問、令和2年11月通常会議においても同趣旨の質疑と答弁、やり取りをさせていただいたということを申し上げた上で再質問を行います。
私が危惧をいたしますのが、これまでの大津市、執行部からの答弁を伺っていて理解し切れないのが、基本計画を策定されるまでにどういった前提が整っているのか、整っていなければならないのかということが議会、市民との間で共有されていないのではないかと危惧をするものです。

免震レトロフィット工法による改修の是非についてもそうです。候補地をどういった理由で、どういった優先順位でどこに見いだしていただくかということもそうです。今、私が申し上げたことが基本計画の策定までに意思決定されていなければ進まないと考えますし、危惧をいたします。ですので、繰り返しになりますが、市民意見をどういった段階でお聞きになられるつもりなのかということを問うております。この点を踏まえて改めて答弁求めます。

 

答弁:総務部長

まず、市役所の内部では推進本部の設置を検討しております。その上で、やはり市民の皆様の御意見を伺うには、先ほども申しましたとおり、専門家の意見を先に伺う中で、その意見を集約した中で一定の方向性として、あるいは方針として基本構想として整理するまでに市民の意見を、これは、市民アンケートかどうかはまだ確定しておりませんけれども、基本構想として整理するまでに市民の御意見をお伺いする、そういう中で市民の意見を集約する中で基本構想の素案として取りまとめていきたいと考えております。

 

再々質問

今年度は基本構想の素案としてまとめられ、あらためて市民意見を踏まえられた上、それを構想とされるのですか。それとも、基本構想としてまとめられたものを市民意見を踏まえられ、一定期間、しっかりと持たれた上で基本計画の着手に臨まれようとされてるのか、この点、改めて見解を求めます。

 

答弁:総務部長

基本構想を固めてしまうというか、素案として策定するまでに一定の市民の御意見をお伺いするように考えております。その上で、基本構想を固めていく。さらに、その基本構想に対して、例えばパブリックコメントなどをすることとして市民の意見をそこでもう一度反映するなりして案を絞っていく、そういう形で考えております。

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