市民生活に深刻な影響を及ぼす豪雨災害への対応力強化について( R4. 9)
質問
1点目、京阪電車石山坂本線軌道内への土砂流入を防ぐための取り組みについて。
令和4年7月19日、大雨に伴う河川や道路側溝からの溢水により、軌道内へ土砂が大量に流入する事態が発生しました。過日、京阪電気鉄道株式会社を訪問し、南滋賀三丁目に位置する大川踏切、穴太二丁目に位置する滋賀里12号踏切における被害状況について認識を深めてまいりました。写真は同社から提供を受けた大川踏切、滋賀里12号踏切付近の様子です。
【大川踏切/軌道を横断する大川】
【大川踏切/軌道内への土砂流入】
【滋賀里12号踏切/道路側溝・菊の尾川から流入する土砂】
【滋賀里12号踏切/県道伊香立浜大津線の様子】
全線での運休が上下線あわせて17本、部分運休が同じく20本発生するなど、市民生活に多大な影響を及ぼす事態となりました。昨年にも大雨による被害が発生しており、公共交通機関として、大変強い危機感を抱いておられました。
また、大津市役所側から皇子山総合運動公園・テニスコートに向かって軌道を横断する山上開渠と呼ばれる熊野川水路についても、土砂の流入によって河川断面が損なわれやすいことを危惧されていました。今年の5月に浚渫されたばかりでしたが、7月19日に降った大雨の影響により、線路下端付近まで土砂が堆積し、降雨が長引けばより甚大な被害につながる恐れがあったと知りました。
【山上開渠/5月23日 浚渫後】
【山上開渠/7月19日 大雨により線路下端付近まで堆積】
大津市においてはこれまでの間、京阪電車石山坂本線と近接する伊香立浜大津線ならびに砂防堰堤を管理し、治山事業を実施する滋賀県と課題認識の共有を図りながら軌道内への土砂流入対策を検討されてきたと認識しています。公共交通機関である同線の運休は世代を問わず、市民生活に多大な影響を及ぼすことになります。相次ぐ災害の発生を受け、大津市は今後、どの様な方針のもとでリスクの軽減に取り組んでいくつもりなのか。滋賀県との協議経過とあわせて答弁を求めます。
2点目、山中比叡平学区における大雨災害対策について。
令和4年8月8日、比叡平市民センターで開催された山中比叡平学区大雨災害対策会議に出席してまいりました。まちづくり協議会関係者、自治会関係者、自主防災会関係者が参加をされ、同学区内で課題となっている調整池の維持管理などをテーマに課題認識の共有と意見交換がなされました。
今年度、大津市においては調整池の機能に関する調査結果を踏まえ、適宜、必要となる対策を講じていくとの方針を示されていますが、山中町では昨年に引き続き水害が発生しており、早急な対応が求められます。現時点における進捗と今後の具体的な取り組みについて答弁を求めます。
また、山中町を流れる鼠谷川には複数の流域から水が流れ込んでおり、砂防堰堤を管理し、治山事業に取り組む滋賀県とも連携を図りながら対策を講じていく必要があると認識しています。今後、大津市はどの様な方針のもとで水害対策に取り組まれていくつもりなのか。対策の実施に向けた課題認識とあわせて見解を求めます。
答弁:建設部長
1点目の京阪電車石山坂本線軌道内への土砂流入を防ぐための取り組みについてでありますが、本市といたしましては、これまでも、日常のパトロールに加え、今年度も5月には、京阪電車の施設を管理する担当者と協議、調整を行い、京阪電車の軌道と交差する熊野川の浚渫を実施しております。加えて、滋賀県に対しては、機会を捉えて、山間部からの土砂流出防止対策の促進、並びに、既存施設の適正な管理を要望してきたところです。
一方、7月19日の豪雨においては、主要地方道伊香立浜大津線ならびに、京阪電車軌道敷との交差部においても、大量の土砂が流出したことから、去る7月28日には市、県、京阪電車の3者による情報共有会議、8月31日には現場立会を実施し、現状の課題や今後の対策について協議を行ったところです。今後も、施設の適正な維持管理を図るとともに、関係機関と連携してまいります。
次に、2点目の山中比叡平学区における大雨災害対策についてのうち、1つ目の現時点における進捗と今後の具体的な取り組みについてでありますが、昨年8月の豪雨においては、山中町内を流れる鼠谷川が氾濫(はんらん)し、家屋への浸水をはじめ、河川の護岸の損傷など、被害をもたらしました。このことから、国の災害復旧費を活用しながら、順次、復旧を進めてきたところであり、本年7月19日の豪雨の際には、河川の溢水(いっすい)による冠水被害はありましたが、大きな護岸の損傷等は確認されませんでした。
今年度は、鼠谷川の支流の河川の補修と併せ、上流部に設置されている、3箇所の洪水調整池について、堆積物の状況等を順次調査しており、今後の治水対策について検討してまいります。また、洪水調整池に堆積した土砂につきましては、来年度から国の制度を活用した浚渫事業を予定しておりますが、今後の国の補正予算の動向にも注視しながら、出来るだけ早期の実施に努めてまいります。
2つ目のどのような方針のもとで水害対策に取り組むのか、また、対策の実施に向けた課題認識についてでありますが、これまでも、滋賀県をはじめ、関係機関と連携を図りながら、防災・減災対策に取り組んでまいりました。滋賀県に対しましては、機会ある毎に、鼠谷川流域における砂防事業の促進を要望するとともに、当該、鼠谷川の持つ流域が広範囲となるため、県が管理する河川への移管を要望してきたところであります。
今後も、地域の皆様と適時、情報共有を図るとともにともに、引き続き、関係機関との連携を図りながら被害の軽減に努めてまいります。