市民センター機能等のあり方検討事業について( H27. 2)

質 問 

 市民センターに求められている役割や機能を改めて考察し、今後あるべき姿を検討するために必要となる経費が措置されている。業務量や取り扱っている行政サービスの内容及びその有効性を調査し、将来の市民センター機能のあり方を検討する庁内委員会の作業支援と意見集約などの業務が委託される予定となっているが、公民館機能のあり方については地域コミュニティに関わる問題であり、支所機能とは異なる視点での検討が必要となる。新大津市行政改革プランによれば、適正な職員定員の管理や経費縮減が期待できる効果としてあげられているが、市民センターに勤務する職員については、その大半が支所業務と公民館業務を兼務している。大津市は公民館機能がまちづくりにもたらしている影響をどの様に評価し、市民センター機能のあり方を検討しようとしているのか。平成25年11月に社会教育委員会議からの答申書に基づき、大津市教育委員会がまとめた報告書「大津市の公民館のあり方について」の内容を踏まえての見解を問う。
 2点目、防災拠点としての位置づけについて。市民センターは地域防災の拠点でもあり、災害時においては初動支所班の活動拠点として機能することになる。検討にあたっては地域防災計画や初動支所班を構成する職員が担う任務との整合を図る必要があるが、大津市は何を優先して検討を行う考えなのか。
 3点目、住民自治の拠点としての取り組みについて。社会教育施設である公民館をコミュニティ施設と位置づけ、地域で活動される各種団体とのより主体的な連携・協力のもとで管理運営がなされることを期待するのであれば、新たに設立が想定されるまちづくり協議会が住民自治において担う役割などについて検討を重ね、これに伴い必要となる条例を制定しなければならないと考える。大津市は公共施設適正化計画案において、単独で設置されている公民館や地域内の他施設が有する貸室機能も含め、需要や利用者の利便性、コミュニティの醸成等を鑑み、最適な規模や配置を検討すると定めているが、どういう方針のもとで公民館を住民自治の活動拠点として発展させていくつもりなのか。
 行政改革の名のもと、面積の削減ありきで検討されることを懸念し、本市の見解を問う。


答弁:市民部長

 市民センター機能等のあり方検討事業についてであるが、これまでも必要に応じて市民センターが提供する行政サービスのあり方やその内容について見直しをしてきた。しかし、人口減少、少子・高齢化や高度情報化の進展、防災意識の高まり、さらには地域課題の解決に向けた各自治組織としての取り組みの重要性なども目まぐるしく変化してきており、市民センターを取り巻く環境も大きく様変わりしてきている。そうした中で、本市の将来を見据えたとき、これからの時代の要請に応じた行政サービスの提供と地域特性を生かした住民自治のあり方を考える時期に来ていると考えているところであり、本市としては、これからの市民センターに求められる役割や機能、今後の市民センターのあるべき姿を検討していくものである。今年度は、これまで4回の庁内会議を開催し、市民センターの現状把握や課題抽出を行ってきたが、来年度は庁内関係部署による検討委員会を設置し、コンサルタントの支援を受けて市民センターの業務量調査を行い、他都市の状況も調査しながら、支所機能だけでなく公民館機能や地域防災機能も含めた総合的な見地からの市民センター機能のあり方の検討に取り組んでいく。
 次に、住民自治の拠点としての取り組みについてであるが、先ほど述べた様々な環境の変化や個人の価値観の多様化に起因する住民同士のつながりの希薄化、コミュニティ意識の変化、さらには地域福祉の担い手不足なども深刻な課題となっている。こうしたことから、それぞれの地域特性を生かしたまちづくりやコミュニティ活動の基盤及びその拠点機能の検討に当たっては今後の住民自治のあり方を考えるという視点に立ち、地域住民の方々や各種関係団体と意見交換を行い、十分に理解を得た上で一定の方向性を見出していきたいと考えている。先にも申し上げたとおり、平成27年度においては、庁内関係部署と十分に連携を図りながら市民センター機能のあるべき姿を検討していきたいと考えている。


答弁:教育長

 公民館機能に対する評価についてのうち、公民館のあり方については、平成25年1月に社会教育委員会議に諮問を行い、同年10月に答申を得ている。教育委員会では、この答申をもとに大津市の公民館のあり方を取りまとめており、その中で、公民館は人づくりの場、人と人をつなぐ場、地域づくりの拠点であると位置づけている。
 公民館機能がまちづくりにもたらしている影響についてであるが、例えば公民館講座をきっかけに生まれた自主学習サークルが中心となり、地域ボランティアとして公民館講座の企画運営を行い、そこから地域の担い手が育つなど、市民活動を活性化し住民自治や市民協働に貢献しているものと認識している。そのため、市民センターの機能のあり方検討においては、このような機能を勘案する必要があると考えている。


答弁:総務部長

 防災拠点としての位置づけについてであるが、本市では災害に強いまちづくりを地域において推進するため、大津市地域防災計画において市民センターを各地域の防災対策の拠点と位置づけており、各施設には防災行政無線等を配備するとともに、発災時においては本市災害対策本部直轄で被害情報や応急対策活動の集約、防災関係機関との連絡調整など初動支所班の活動拠点としての役割を担うこととなっている。また、避難所としての防災機能や地域によっては消防分団詰所を併設するほか、地域の災害連絡拠点として初動支所班、消防団、自治連合会、自主防災会などが相互連携する場でもあり、市民センターは地域の防災拠点としての重要な施設であると考えている。何を優先して検討を行う考えなのかについては、このような防災機能も含めて庁内検討会で検討しているところである。 

再 問 

 それぞれの立場から答弁をいただいたが、包括して再問する。今も紹介させていただいたが、平成25年11月に大津市教育委員会がまとめた大津市の公民館のあり方についての報告書の結びにというところがある。そこでこのように述べられている。「地域づくりの単位を変えるということは、各部局の業務においても影響が及び、行政にとってもまちづくり、地域にとっても大転換になることは必至である。しかし、それは大津市としてまちづくりのグランドビジョンを市民に示すことで理解をいただき、地域への十分な説明を行う中で行政が単独で進めるのではなく、市民との協働の中で進めていくものである。それこそが協働のまちづくり大津の姿であろう。」ということでまとめている。私もこの結びの文章に共鳴をする。まさしくそのとおりであり、改めて伺う。グランドビジョンというと、大津市の場合、総合計画が策定されている。申し上げるまでもなく、大津市は将来都市像として「人を結び、時を結び、自然と結ばれる 結の湖都」、これが今私たちが掲げている将来都市像であり、庁内検討会議の構成のメンバーの中に政策調整部も入っている。先ほど3名の方から答弁いただいたが、政策をある意味で言うなれば融合して相乗効果も発揮する上において、私はもっと市長に前面に出ていただいて、場合によっては、こういう庁内会議の場においても自身が責任者となっていただき、リーダーシップを発揮していただかなければ、次の大津市総合計画を展望していくことは難しいのではないかと思うが、改めて見解を伺う。 

答弁:市民部長

 今、議員が引用した昨年の11月に策定された大津市の公民館のあり方についての報告である。ここには、本市のグランドビジョンを市民に示し、理解いただいた上で、地域への十分な説明を行う中で市民との協働の中で進めていくものである、こういう結びがされている。この報告書では、自治連合会をはじめ各種地域活動団体の活動拠点となる公民館は、1学区1公民館の体制を維持すべきであるという考え方が示されている。教育委員会が決議されたということで、この報告書を尊重しながら、これからの市民センター機能のあり方について検討していかなければならないと考えている。一方で、将来の地域環境が変化する中で、やっぱり持続可能な地域経営というものを確立していこうとする中にあっては、限られた行財政資源、特に市民センターの今まで担ってきた機能のあり方、これから地域に求められる機能は何なのかということを検討していかなければならないというように思っている。そうした中で、市民センター機能のあり方を検討する中で一定の方向性を見出し、行政単独で進めるのではなく、各自治連合会、福祉団体、地域の方々との意見交換を踏まえて丁寧にかつ十分な説明を行いながら検討していきたいと思う。そして、総合計画の基本構想においては、これまでまちづくりの基本理念として市民自治の確立ということがうたわれている。これは現在、基本構想だけではなく連綿と受け継ぎ培われてきた理念である。こうした市民自治の確立という理念を念頭に置きながら、大切にしながら、この市民センターの将来あるべき姿、いま一度庁内並びに地域の皆様と検討していきたいと思う。

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