山中比叡平地域を運行するバス路線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについて( R5. 3)
質問
令和4年12月17日、同地域を運行する京阪バス大津比叡平線、京都比叡平線において、路線の再編成、ダイヤの改正が行われました。京阪バス株式会社(以下、京阪バス)からは、このまま収支状況が改善されなければ、当該地域の輸送を廃止せざるを得ないとの見解が示されていることもあり、同年12月13日に市民センターで開催された説明会には多くの地域住民が参加をされました。通学にバスを利用されている学生の皆さん、通勤や通院にバスを利用されている皆さんの切実なご意見を聞かせていただき、私自身も危機感を共有させていただきました。
バス路線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正は、大津市都市計画マスタープランにおいて、将来都市構造の基本的な考え方として掲げる「コンパクト+ネットワークによるまちづくり」にも大きな影響を及ぼすことを踏まえ、以下、2点質問を行います。
1点目、大津比叡平線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについて。国土交通省は国庫補助金計画認定申請に係る地域キロ当たりの標準経常費用を毎年公表しています。この標準経常費用は補助金算定などの際の基準となるもので、経済圏や地理的条件をもとに分けた全国 21 のブロック(標準原価ブロック)毎に決定されています。当該費用は一定の要件を満たすバス事業者の原価を平均したものであり、大津市は北近畿ブロックに位置付けられています。令和4年度予算においては、同ブロックの標準単価である402.65円と京阪バスが示す輸送単価556.56円の平均をとった479.61円を折半単価として採用されてきましたが、令和5年度においては、京都市に近い地理的要因と同社における当該路線の管轄が山科営業所であることに鑑み、京阪神ブロックの標準単価である548.36円を採用されました。
ちなみに、大津市が支出する補助金は当該補助対象系統の実車走行キロに同額を乗じた額から経常収益と国庫補助金等を減じた額となることから、当初予算で措置されている979万6千円はあくまで上限額となります。補助金額を算定されるにあたり、標準単価の地域区分を見直されたことについては評価をするものですが、算定要素となる経常収益のうち、運賃収入の見込みが達成困難なものとなっていないか、危惧の念を抱くものです。
国土交通省が公表している乗合バス事業の収支状況によると、輸送単価に占める人件費の割合は最も高くなっています。輸送人員数の減少が全国的な課題となるなか、乗合バス事業者の経営環境が厳しいことは理解するものの、多くの地域住民の皆さんから、生活実態に見合ったダイヤでないと利用しようにもし難いとのご意見が寄せられています。
大津市は補助金額の算定を行うにあたり、運賃収入をどの様な見込のもとで算出されたのでしょうか。地域住民の皆様とも見込み額の共有を図る必要があると考えますが、バス路線の存続、市民ニーズに見合ったダイヤの改正を実現するにあたり、この度の標準単価の見直しは京阪バスからどの様に評価をされているでしょうか。
また、先の通常会議において、教育長からは、令和5年度以降の対応について、児童生徒の学校生活に影響が出ないよう、児童生徒や保護者の声を聞き、下校時間帯に路線バスを運行していただけるよう、京阪バスにダイヤ改正を要望していく方針が示されました。現時点における取り組み状況と今後の対応について見解を求めます。
2点目、京都比叡平線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについて。大津市は先の通常会議において、国の地域幹線系統補助及び関係自治体の協調補助を新たに確保するため、現在、国、滋賀県、京都市及び京都府との調整を進めていること、また、京都比叡平線の利用者の大半が大津市民であることを考慮すると運行支援における各自治体の負担割合の調整が課題であるとの見解を示されました。
同地域においては京都市に隣接していることから、多数の児童生徒が同市内の学校に通学されています。令和5年度当初予算におけるバス路線運行等対策費補助金に同路線は含まれていませんが、現時点における国、滋賀県、京都市、京都府との協議経過と今後の取り組み方針について見解を求めます。
答弁:建設部長
大津比叡平線の存続と住民ニーズに見合ったダイヤ改正の実現に向けた取り組みについてのうち、一つ目の運賃収入をどのような見込みのもと算出されたのか、また、標準単価の見直しは、京阪バス株式会社からどのように評価されているのかについてでありますが、地域バス路線運行等対策費補助金の算定に用いる運賃収入の見込み額については、過年度の実績額に減便等の影響を反映して算出しております。
また、新年度当初予算における大津比叡平線の標準単価の見直しの評価につきましては、京阪バス株式会社は、比叡平地域の運行を引き続き行うための必須条件であるとされております。
次に、2点目の京都比叡平線に関する現時点での国及び関係自治体との協議経過と今後の取り組み方針についてでありますが、昨年の11月から滋賀運輸支局、滋賀県及び京都市とは継続的に協議を重ね、各機関を通じて京都運輸支局や京都府とも調整を行っているところです。今後も国及び関係自治体との協調による運行支援の実現に向け、協議調整を重ねてまいります。
答弁:教育長
大津比叡平線のダイヤ改正の実現に向けた取り組みについてのうち、2点目の京阪バス株式会社への要望の取り組み状況と今後の対応についてでありますが、要望につきましては、まずは児童生徒の学校生活や地域住民に寄り添った運行計画とするための協議の場を設定いただくよう、大津市と教育委員会が連名で要望書を提出いたしました。今後も関係部局と連携しながら、京阪バス株式会社への働きかけを続けてまいります。
再質問
1点目、教育長からご答弁いただいた内容についてです。要望書を提出をなされた時期と京阪バスとの協議状況などについてもう少し詳しくお聞かせをください。
2点目、建設部長から協調支援をいただくにあたり、令和5年度、どういったスケジュール、目標を持って実現を目指していただけるのか。もう少し詳しくお聞かせをいただけないでしょうか。
答弁:教育長
連名で要望書を提出しましたのは2月28日に提出しております。担当課からは、その後、協議の場の設定について、了承していただいてるというふうに聞いております。まずは、今の学校の状況をつかみながら、その協議の場、これはまだいつかは決まっておりませんが、その中で詳細を協議して参りたいと考えております。
答弁:建設部長
京都比叡平線の協調支援の目標を持ってということでございます。先ほど申しましたが、現在、京都市、滋賀県、また京都運輸局、関係機関と協議を重ねております。内容につきましては、減便いわゆる廃止の報告をするとともに、新たな補助制度の検討依頼をしております。またその中では、負担割合のこととかを協議させていただいており、目標でございますが、京阪バスからは令和6年度の補助を要望をされておりますことから、令和6年度の予算要求の時期までには間に合うように対応してまいりたいと考えております。
再々質問
教育長にお伺いをいたします。新学期に向けて、スピード感を持って取り組んでいただきたいと期待するものですが、改めて見解を求めます。
答弁:教育長
現在、利用している学校からは、特に下校の時間帯に本数が少ない。水曜日は増発をしていると聞いておりますので、その辺り含めまして、協議の場で要望してまいりたいと考えております。