小学校における英語教育のあり方について( H28. 2)
質 問 |
平成28年度当初予算において計上されているICTを活用したティーチングメソッド研究開発実践事業については、市立小学校全37校においてICTを活用したティーチングメソッドの研究開発を行い、1年生から6年生までの全ての学年において外国語活動の充実を図ることを目的としています。平成32年度に予定されている次期学習指導要領全面実施によって、3、4年生については外国語活動の実施、5、6年生においては外国語活動の教科化が図られることなどが背景になっていると理解しますが、10分程度の短い時間を活用して行う学習活動、いわゆるモジュール学習については、平成25年度から全小中学校で実施されている朝読書の時間を削らなければその時間を確保できない学校があると認識をしています。特に小学校1、2年生については、本市独自の取り組みとして行うものであり、モジュール授業の回数についても、週3回から5回といった制約を設けるのではなく、学校長の裁量に委ねられるべきです。
大津市においては、今後コミュニティ・スクールの増設に取り組んでいくことになりますが、保護者や地域住民と連携によって言語活動の充実を図るためにも、教育課程の編成については、学校の主体性が発揮できるようさらなる配慮が必要と考え、教育委員会の見解を伺います。
答弁:教育長 |
小学校における英語教育のあり方についての学校長の裁量についてでありますが、教育課程の編成に当たっては、学校が主体性を発揮し、地域や児童・生徒の実情に応じて創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開することが大切であると考えております。
本市で進める外国語教育につきましては、社会のグローバル化に対応し、国際社会の中で能力を発揮できる子どもを育成するためであり、第2期大津市教育振興基本計画の重点戦略として掲げているところであります。平成28年度から大津市立小学校37校全てで実施する外国語教育におきましては、1年生から6年生まで全学年の45分間の通常授業と10分間の短時間学習、つまりモジュール授業を実施してまいりますが、教育委員会といたしましては、各校における教育課程の編成に当たり、モジュール授業の実施については週3回以上の実施を求めるものの、実施時間帯につきましては各校で設定できるように、校長の裁量に委ねているところでございます。
再 問 |
モジュール学習の時間帯については、学校長の裁量に委ねられていると答弁されましたが、委ねていただいても朝読書の時間を削らなければその時間を確保されない学校があるんですよ。これまでずっと積み重ねてこられて、子どもたちが様々な可能性を持つきっかけとなる朝読書を削らなければ英語のモジュール授業をできないところが、事実あるんですよ。
改めてお伺いいたしますが、学校教育法施行規則の中に小学校の教育課程については文部科学大臣が公示する小学校学習指導要領によるものとするとあります。その指導要領によると、「地域や学校の実態及び児童の心身の発達の段階や特性を十分に考慮して適切な教育課程を編成する」、また、「学校の教育活動を進めるにあたっては各学校において児童に生きる力を育むことを目指し、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する」ということが前提となっています。大津市立学校の管理運営に関する規則も当然、これに準じて策定されていますので、改めて見解を伺います。
答弁:教育長 |
議員お述べのとおり、各学校における教育課程の編成というのは校長の裁量によって編成されるものだと認識しております。今回、私ども大津市のほうで実施をいたします小学校の英語教育につきましては、通常の授業時間だけではなく、モジュールを使った授業、少しの短い時間であってもできるだけ毎日英語に親しむということが大変重要であるというふうに考えております。
今年度5校のモデル校で実施した中で、モジュールについては、例えば朝の時間、それから昼休みの後の時間、また帰りの会の前の時間、この3つの時間帯でそれぞれ各校において工夫をして実施をしてきたところです。その中で、他の学校もそれぞれのモジュールの時間帯を見た上で、各学校で取り入れるとするならばどこの時間帯がいいのか、そういったことも踏まえて今年度、来年度に向けての研究をしてきたところでございます。
各学校においてはそれぞれのモジュールの時間帯のことも十分考えた上で週3回以上という中の制約ではございますけれども、それぞれの必要な、適切な時間帯のモジュールを選んでくれていると思っておりますので、そこは全て学校が各学校の実情に合わせてモジュール時間帯を選んでいるところでございます。
再再問 |
私、何校かまわらせていただきました。皆さん、よりよい教育を地域とともになされていこうと意気込みをすごくお持ちです。改めてモデル校で取り組んでいただいた先生方、また学校長会等あると思いますので、皆さん方に実感をぜひとも聞いていただきたいんですよ。この点を踏まえて、是非とも委員長からお答えをいただきたいと思います。
答弁:教育委員会委員長 |
モジュール時間について答弁させていただこうと思います。学校現場が負担感を感じていることは私たちも認識しております。ただ、私が信じておりますのは、きっと5年後、10年後にはこれを導入したことが、現場の先生、ひいては子どもたち自身、保護者の方に喜んでいただけるというふうに自信を持っております。
と言いますのは、闇雲にこれを導入したらいいということではなくて、学校がやらなければならない正規の学習指導要領に基づいた教育課程というのがございます。それに基づいて各学校の実態に応じた、子どもの状況に応じた基礎学力の向上、体力の向上、そして今言われている朝読書というふうなことで、いわゆる帯時間帯で導入しようというものが3つも4つも重なっています。そこは、各学校の実態、子どもの状況、保護者の要望というものをしっかり受け止めながら、最低3回は外国語のモジュールをやっていただきたい。その中で、先ほど教育長が申し上げたように、朝、昼、帰りというふうなそういったものを有効利用しながら、ある時には季節で逆転したりもしながらその辺をやっていただくことが子どもたちの、いわゆるこれからのグローバルな社会に生きていく学力向上につながると、私は確信しております。
ただ、議員がおっしゃたようにしっかりと現場の声に耳を傾けるということはものすごく大事ですので現場の校長先生方としっかりと私どもが話をしたいと考えております。