大津市避難所施設応急危険度判定士の制度構築に向けた取り組みについて( R4. 3)

質問

令和3年6月通常会議、私は、大規模地震発生時に指定避難所を速やかに開設できるよう、事前割当方式により、被災建築物応急危険度判定士(以下、応急危険度判定士)を学区単位で配備されることを提言しました。事前に定められた各支所において、支所長(初動支所班長)から応急危険度判定の依頼を受けていただければ、より迅速な避難所開設が可能となります。大津市と避難所施設を対象とした応急危険度判定業務に関して協定書を締結する公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会・同湖西滋賀地区委員会の会員のみならず、応急危険度判定士の資格を有する市民を対象に広く支援を求める必要がありますが、事前の配備によって、避難所担当員との連携が強化されることになり、地域における防災対策を高める効果も期待できます。
 
大地震発生時、小中学校体育館を避難所として開設するにあたり、まずもって、施設管理者または避難所担当員を務められる市職員が安全確認を行い、判断がつかなかった場合においては、災害対策本部の意思決定のもと、建設部建築課からの依頼に基づき、応急危険度判定士が派遣されることになります。しかしながら、滋賀県建築士会同地区委員会に所属する応急危険度判定士の登録者数は指定避難所の数に見合っておらず、避難所担当員研修や総合防災訓練への参加者数についても、ごく限られた人数となっています。大規模地震発生時においては、電話回線の混雑が想定され、また、建築課が執務をされる本館棟は庁舎として必要な耐震性能を有しておらず、機能空間が確保されない恐れもあります。応急危険度判定士の派遣依頼が訓練のとおり円滑に行えるものなのか、また、建築士会の側においても、混乱する状況の中、要請のあった避難所に人員を速やかに派遣することができるのか、危惧するものです。
 
令和3年6月通常会議において、大津市からは、避難所施設に応急危険度判定士を事前に割り当てておくことは、人数の確保などの課題はあるものの、早期の避難所開設及び迅速な市民の皆様の避難に有効であると考えられることから、建築士会と相談していくとの方針が示されました。令和4年1月、大津市危機・防災対策課と同会との意見交換に公益社団法人滋賀県建築士会大津地区委員会所属の応急危険度判定士として参加をしました。現状における課題認識を共有できたものと評価するものです。そのうえで、今期通常会議においては、指定避難所施設を対象とした応急危険度判定に協力いただける同判定士の登録制度を大津市として独自に創設されることを提言いたします。
 
応急危険度判定士については、滋賀県知事が認定書を発行されており、大津市は応急危険度判定士の名簿を保有していません。まずは、市内に在住または在勤されている一級建築士・二級建築士・木造建築士に対して、滋賀県が主催される研修への受講を働きかけ、応急危険度判定士の増員を図るところから開始する必要があります。(仮称)大津市避難所施設応急危険度判定士の制度を創設した後、指定避難所施設に見合うだけの同判定士に登録いただくには相当の年数を要すると見込まれます。しかしながら、応急危険度判定士の認定を更新いただく上での動機づけとなるよう、滋賀県とも連携を図りながら、大津市が避難所開設にあたって抱える課題を情報発信していくことで、地域の防災対応力の強化に寄与する制度になるものと考えます。
 
また、(仮称)大津市避難所施設応急危険度判定士に登録いただくにあたっては、地域自主防災会をはじめとする各学区地域団体との連携も必要不可欠となります。大津市は今後、大規模地震発生時に指定避難所を速やかに開設できるよう、被災建築物応急危険度判定士の配備をどの様な方針のもとで進めていくつもりなのか、見解を求めます。

 

答弁:危機管理監

被災建築物応急危険度判定士の学区単位での事前配備についてでありますが、同判定士の人数の確保が課題である中で、まずは広報紙で一級建築士、二級建築士、木造建築士の皆様に県による同判定士の認定を受けていただくよう呼びかけてまいります。また、当該認定を受ける方を増やすためどのような方策がとれるか、認定制度を運用する滋賀県とも協議したいと考えております。 

市内在住、在勤の同判定士を本市が把握する方策については、議員お述べの市独自の登録制度の創設を含め、今後検討いたしますが、まずは県による同判定士の認定を受ける市内在住、在勤の方を増やすよう努力したいと考えております。

 

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