大津市行政改革プランの推進について( H19. 12)
質 問 |
大津市は、市民本位の行政スタイルをどのように位置づけられ、放牧場と競輪場の行政改革に取り組んでおられるのか。大津市営放牧場が昭和23年に開設されてから約60年が経過したが、昭和58年からは、敷地内にふれあいのもりが併設され、現在は牛のほかに、ポニー、羊、ウサギなどの動物が飼育されている。本施設は行政改革プランにおいて、設置目的と利用実態とが不適合な公の施設に挙げられ、平成21年をめどに段階的な見直しを進めるとしている。方向性として掲げている、「ふれあいの森と放牧場との機能整理」を実施していく上で、必要だと思われる事項について質問。
1点目、環境省告示第33号「展示動物の飼養及び保管に関する基準」は、放牧場において飼養されているすべての動物に適用されるのか。大津市放牧場管理規則を踏まえ、見解を問う。
2点目、本市のホームページによると、「放牧場は経済性の高い優良雌牛の育成と増殖を推進し、市内の酪農振興の支えとなっています」と紹介されているが、酪農農家が減少傾向にある中、現状をどのように評価し、放牧場における繁殖をどのような計画のもとで実施しようとしているのか。
3点目、集中改革プランの中で、同様に見直し対象施設として挙げられている、社会教育会館、おもちゃの館は、市街地活性化に寄与する施設として生まれ変わる予定であり、やまゆり荘に関しても、報告書の中で、「利用実態から老人憩いの家の用途を廃止し、指定管理者を導入」と、その方向性がしっかりと記されている。そもそも大津市は、ふれあいの森をどのような場所にされようとしているのか。現在の設置目的とあわせ、見解を問う。
次に競輪場について、本市独自の取り組みとして掲げている経費削減という観点から質問。
1点目、現在、大津市は、北側駐車場を民間から借用しているが、満車となっている日は年に限られており、年間経費として必要な金額は借地料として妥当なものなのか。市が所有するその他駐車場の利用状況等を踏まえ、見解を問う。
2点目、黒字化に向けた経営努力は継続して行ないながらも、国が集中改革プランの中で定めている期間を目処に、事業継続の妥当性を検討すべきだと考えるが、見解を問う。
答弁:総務部長 |
放牧場の中にある「ふれあいの森」については、社会教育会館などの3施設とともに、行政改革プランの取り組み項目の一つである、公の施設の見直し対象として、放牧場全体の機能整理を視野に入れながら、市民に分かりやすく、親しみの持てる施設として見直そうとするものである。施設の効率的な運営と市民サービスの向上を図るため、所管部局でそのあり方の検討を行い、全体としての行政改革プランの進捗管理を行っていく。
次に、競輪場については、地方公営企業等の見直し及び経営健全化の対象としての位置づけ、その課題解消等の取り組みを行っているところである。競輪事業会計においては、平成16年度から赤字決算が続いており、来年度から地方公共団体の財政の健全化に関する法律で、その公表の義務づけが予定されている連結実質赤字比率にも影響を及ぼすことから、引き続き、早期の経営健全化に向けまして、所管部局で車券売上の増収と、あらゆる経費の削減など、市独自の取り組みと交納付金の見直しなど、全国規模の取り組みをあわせて推進し、同じく行政改革プランの進行管理を行う。
答弁:産業観光部長 |
放牧場は、自然を生かして、経済性の高い優良雌牛の育成と、増殖を推進し、市内の畜産振興に寄与するという目的で、昭和23年に設置されたものである。場内では和牛、乳牛の放牧をはじめ、飼畜業務を実施し、その後、ポニー、羊、ウサギをはじめとする小動物を飼育するようになり、広く市民に親しんでいただける場として公開をしている。これら小動物を展示するに当たっては、動物愛護法に基づき届け出をし、環境省告示第33号「展示動物の飼養及び保管に関する基準」を遵守しながら、適正な管理に努めている。また、ニホンザルの飼養については、動物愛護法に基づく特定動物として許可を得ており、その目的は有害鳥獣の飼養管理としている。いずれにしても、動物を飼養するものであり、動物愛護法の精神に基づき、適切な飼育管理に努めている。
2点目、放牧場の現状をどのように評価し、繁殖をどのような計画で実施していくのかについては、現在、畜産農家が減少する中ではあるが、市内に7軒の畜産農家、これへの支援並びに経済性の高い優良雌牛の育成と増殖を推進するため、畜産振興の場として活用を図るものである。
3点目、中長期的な視点に立って、ふれあいのもりを今後、どのような施設にしていくのかについては、市民が森林とふれあうことにより、その豊かな自然と親しむとともに、保健休養の場として、昨年も1万2,000人余りの市民の方々に御利用いただいた。今後は、ふれあいの森については、隣接する放牧場施設とあわせて、市民にわかりやすく親しみの持てる施設として、一体的な活用のあり方について検討してまいりたいと考えている。
競輪場、北側駐車場の借地に関しては、大津びわこ競輪場へお越しになるお客様のために、競輪場北側などに駐車場を整備しており、その利用状況は、高松宮記念杯競輪開催時以外は、議員お述べのとおり、満車になっていない状況にある。今後は経費削減の一環から、借地している駐車場全体の整理も含めて検討してまいりたいと考えている。
次に、事業継続の妥当性の検討は、本年度に日本自転車振興会交付金の還付制度が創設されたことや、開催すれば赤字となることが多い普通競輪の開催日数の削減が実現されるなど、これまでの取り組みがようやく具現化してきたところである。
競輪場の土地使用料の見直しについても、引き続き、滋賀県に対して要望を行っており、選手賞金の見直しなど、残る課題についても全国的に取り組んでいるところである。競輪場を取り巻く環境、大変厳しい状況にあるが、今後ともさまざまな取り組みを進め、事業の健全経営に向けて努力していく。
再問 |
1点目、大津市放牧場管理規則によると、放牧することができる家畜は牛に限られているようだが、その他小動物も飼育している現状を鑑みると、改正の必要があるのではないか。また、ふれあいの森に関する条例はあるが、放牧場に関する条例はない。私の認識では、放牧場というところがあり、その中に放牧しているスペースとふれあいの森というスペースがあると認識しているが、その点に関して、見解を問う。
2点目、特定動物という形で既に許可を受けているのであれば、新たな捕獲に関しても、関係省法令等に抵触することはないのか。
3点目、被害を受けておられる方の安心と安全を早急に確保することは公の責務であると考えるが、どういった検証をなされ、今回の全頭捕獲に至ったのか、見解を問う。
答弁:産業観光部長 |
1点目、指摘のとおり、約25haを超える面積については、当初はすべて放牧場ということで、畜産振興農家の方々の組合から大津市に寄附をいただいた用地であり、基本的には畜産振興に資するということで、今日までその大きな主たる目的で進めてきた。その中で、昭和55年以降に生活観光保全林として、保健休養の場として、林業振興の事業をそこに付随し、事業をその一部について行ったという経過がある。それとあわせ、放牧業務が一義であるが、付随的に小動物を飼ってきて、せっかく飼っている小動物を、市民の方々にも開放したらどうかという視点から展示を進めてきた。行政改革では、ふれあいの森、展示、放牧、これらをもう少し休養であるとか、あるいは市民がふれあう場として総合的に考えてはどうかということでプランに載っており、これらも含めて考えていきたい。
2点目、その他の小動物につきましては、動物業としての展示をするという形で滋賀県に届け出をしている。ただしニホンザルについては、特定動物として飼養、それから保管というための許可を滋賀県の方からいただいており、引き続いてするニホンザルの捕獲については、同様に飼養、あるいは保管の許可をいただいて、私どもが飼養することになる。
3点目、もともと30%を捕獲、12頭を放牧場で飼養してきた。そのときの条件として、里の方に出てくるのは半減、住居の侵入はゼロにするという数値目標を滋賀県から指示をされたが、モニタリングの結果、その数値目標を達成しないということと、住民の方々から猿の被害に大きな声がおこっていることから、滋賀県とも協議し、最終的には全頭捕獲という判断をした。
再々質問 |
行革プランに「市民とともに市民本位の行政スタイルを目指して」と書かれているが、今後どういった対策がどういった観点で必要になってくると考えているのか。
答弁:産業観光部長 |
非常に複合的な機能を持っており、将来的には保健休養の場とセットする中で、一体的な施設として考えていきたい。