大津市庁舎整備推進本部会議において皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定されるまでの経過と庁舎移転整備に対する大津市長の課題認識について( R4. 6)

質問

令和4年6月6日に開催された公共施設対策特別委員会において、庁舎整備用地基本構想の策定にあたり、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定されたと報告を受けました。「おおよその候補地」は皇子が丘総合運動公園のほか、皇子が丘公園、大津駅・県庁周辺、JR唐崎駅前を含めた4カ所であり、本館の耐震化、免震化は行わず、移転建替えを基本とすること、また、新館について耐震性に問題がないことから、企業局を中心に活用する方針があわせて示されました。
 

 

 

 

 
リンク:大津市議会HP 公共施設対策特別委員会(6月6日)資料 「庁舎整備基本構想の策定について」PDF  

 

大津市庁舎整備基本構想策定懇話会(以下、基本構想策定懇話会)で示された活断層の近くでの庁舎整備は原則さけるべきとの意見等を踏まえ、取得した隣接旧国有地を活用して庁舎を建てる場合には、別館、北駐車場の解体、それに伴う仮庁舎の整備、駐車場の確保が必要となること、また、土砂災害の対策工事も必要となるなど課題も多いことから、現地以外への移転建替えを基本とすると説明を受けました。市民1万人を対象としたアンケートの実施を目前に控えています。おおよそであれ、市民にとってみれば、「候補地」であることに変わりはありません。以下、大津市庁舎整備推進本部において皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定されるまでの経過と移転整備に対する大津市長の課題認識に関連して、以下3点、質問を行います。

 

1点目、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定するまでの経過について。令和4年6月1日に開催された大津市庁舎整備推進本部会議(以下、推進本部会議)において、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」として決定をされました。大津市庁舎整備推進本部の本部長は、所掌事務を円滑に処理するため必要があるときには、本部にワーキングチームを置くことができると要綱で定められており、ワーキングメンバーは、職員のうちから市長が任命し、又は委嘱すると規定されています。関係法令を踏まえた整備の可能性や留意事項の確認については、ワーキングメンバーが所属する部局内においても綿密に情報を共有し、組織としての意思疎通を十分に図りながらワーキングチームを機能させる必要があります。かつて、中消防署の更新整備に係る候補地選定にあたり、執行部内における検証が不十分であったことを指摘しましたが、現時点において、ワーキングチームそのものが推進本部に設置されていません。
 
令和4年2月通常会議で答弁された「管財課が中心となった関係課との連携」は具体的にどの様な形で図られてきたのでしょうか。私は、これまでから、庁舎整備に向けた庁内組織体制の強化を求めてきましたが、関係課が一丸となって庁舎整備に取り組めるよう、推進本部内にワーキングチームを早急に設置されることを提言するものです。令和4年6月1日に開催された推進本部会議において、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」と決定されるまでの検討経過とワーキングチーム設置に向けた方針について答弁を求めます。

 

2点目、都市公園内に庁舎を整備することの大津市長の課題認識について。大津市は推進本部会議での議論を踏まえ、皇子が丘総合運動公園のほか、皇子が丘公園、大津駅・県庁周辺、JR唐崎駅前を「おおよその候補地」として選定しました。このうち、「大津駅・県庁周辺」以外の候補地については具体的な敷地を示しているものの、JR唐崎駅以外は、都市公園であることを踏まえ、現法規制等での必要規模の建設可否をそれぞれ「不可」と評価されています。であるにも関わらず、おおよそであれ「候補地」にあげられているということは、「何某らの前提」を解決すれば現在、都市公園である敷地に庁舎を整備できると大津市は判断されたわけです。大津市は先の公共施設対策特別委員会において、都市公園の面積を減じて庁舎整備用地として転用を図ろうとした場合、都市公園法の規定に基づき、代替機能として同規模の一団の土地を確保する必要があるとの見解を示しています。旧隣接国有地の他、現庁舎建物を解体した後の敷地を想定されているようですが、滋賀県都市計画審議会からの答申を受け、滋賀県が計画決定するまでの時点において、都市公園として供用開始できる目途が立っていなければならないと認識しています。
 
ちなみに、現在、近江神宮外苑公園に位置する「ブランチ大津京」はあくまで暫定利用という条件のもとで整備されたものであり、立地する範囲は戦前に都市計画決定されたままの状態となっています。供用を開始された都市公園の敷地に建築されたものでなく、この度、大津市が皇子山総合運動公園ならびに皇子が丘公園で庁舎を整備しようとする前提とは大きく異なります。大津市はワーキングチームを設置することなく、何をどこまで想定されたうえで、皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」を決定されたのか。現法規制等での必要規模の建設可否を「不可」とされながら、優先して検討を行うとされた法令上の根拠と可能となる上での前提条件ついて答弁を求めます。また、そもそも多目的広場(通称、四面グラウンド)をはじめとする公園機能に及ぼす影響をどの様に評価され、庁舎整備に必要となる敷地の範囲を決定されようとしているのか。あわせて見解を求めます。

 

次に、皇子が丘公園についても「おおよその候補地」に含められた理由について。建築基準法施行令の規定に基づき、一敷地一建物の原則が存在します。原則、一つの敷地には一つの建築物しか建築できないという決まりであり、用途上不可分の関係にある場合に限って、二以上の建築物を建築することが認められています。庁舎にとって皇子が丘公園体育館とプールは用途上不可分でなく「可分」の関係であり、同一敷地に建築することは出来ないと判断するものです。現法規制等での必要規模の建設可否を「不可」とされながら、当該敷地を「おおよその候補地」とされた法令上の根拠と可能となる上での前提条件ついて答弁を求めます。
 

答弁:総務部長 

1点目の皇子山総合運動公園を「優先して検討を行うおおよその候補地」と決定されるまでの検討経過とワーキングチームの設置についてでありますが、「優先して検討を行うおおよその候補地」としたことについては、令和3年度から取り組んでいます「庁舎整備基本構想」の策定検討において整理しています立地条件や「庁舎整備基本構想策定懇話会」からのご意見を参考に、選定したものです。庁舎整備推進本部のワーキングチームについては、今後、検討の段階に応じて設置してまいります。
 
2点目の都市公園内に庁舎を整備することの課題認識についてのうち、1つ目の皇子山総合運動公園、2つ目の皇子が丘公園の前提条件等についてでありますが、おおよその候補地については、立地条件、庁舎整備に必要な敷地面積の規模、庁舎整備に向けて将来的に取得の可能性のある公有地を条件として選定しました。現段階では、公園機能も含め、それぞれのおおよその候補地の課題について整理を行ったところでございます。
 

再質問

まず1点目、皇子山総合運動公園を優先して検討を行うおおよその候補地として決定されるまでの経過について。今後の検討の段階に応じてワーキングチームの設置を検討するとの答弁でした。私、初問で管財課が中心となった関係課との連携は具体的にどのように図られてきたのでしょうかということを問うています。ワーキングチームを設置されない中で関係課、いわゆる組織としての連携、現時点でどの様に図られているんでしょうか。図られた上で、公共施設対策特別委員会に対して説明をなされているのでしょうか。
 
私、質疑・一般質問の通告を行うに当たり、自分なりに関係課の皆さんにお時間をいただいて、調査をさせていただきました。私の実感です。連携が図られていたとは思えません。繰り返すようですけれども、都市計画部であれば、都市計画課、公園緑地課、建築指導課など、関係する課がおありですよね。本来ならば、先ほど来申し上げている推進本部で部長さん方々が杉江副市長のもとで検討される前に、それぞれの課の中で十分に様々な可能性を検討いただいた上で、市議会に対して説明をいただくべきではなかったんでしょうか。改めて伺います。現時点において、ワーキングチームの設置は必要とないと判断されている理由をお聞かせいただけないでしょうか。繰り返すようですけれども、私は、今このタイミングでもワーキングチームの設置を宣言いただきたいと考えておりますので、今、私が先ほど申し上げたことを踏まえて改めて答弁を求めます。
 

2点目、都市公園内に庁舎を整備することの大津市長の課題認識についてです。敷地の規模や取得の可能性、現在、公園として使用されている皇子山総合運動公園についても、皇子が丘公園についても底地は国有地あるというふうに認識をしています。そういった点も踏まえて、唐崎の土地についても国有地であることから、取得の可能性は高いと判断されたと理解をさせていただきました。
 
繰り返すようですが、皇子山総合運動公園、皇子が丘公園、現法規制等での必要規模の建設可否は「不可」とされています。唐崎は「可」です。私、初問で申し上げさせていただきましたが、大津市は法令上の根拠、どのように精査された上で「おおよその候補地」を公表されるに至っているのでしょうか。前提条件がおありだと思うのですよ。その前提条件についての議論を執行部内において十分にしていただき、有識者による懇話会や特別委員会での議論に臨んでいただければと期待するものです。
 
もう一度伺います。皇子山総合運動公園ならびに皇子が丘公園に関して、建設の可否、共に「不可」とされながら候補地とされているのであれば、どういった前提がクリアされれば、建設可能になると判断されてるのか。もう少し詳細にどの様に検討されてきたのかお答えいただけないでしょうか。

 

答弁:総務部長

まず1点目、現時点で関係課との連携は働いているのか。それと、ワーキングチームの今すぐの設置を、それと3点目、法令上の根拠を精査したのか、おおよその候補地の検討について、前提条件はどうであったのかという3つのご質問であったかと思います。まずこの3つのお答えをさしていくいただく前に大前提の条件があるというふうに考えています。まず今回、それぞれのおおよその候補地におけます課題の整理をまず行ったというところでございます。そして、今後、段階を踏んで課題を整理していくということで、まずは入口に立ったということでご理解をいただきたいというふうに思っております。
 
その中で、まず、現時点での関係課との連携ということでございます。都市計画部などの関係課との課題・情報については、まず共有をしているという段階でございます。そしてワーキングチームの今すぐの設置ということでございます。私、初問で答弁をさせていただきました。検討の段階に応じてということで答弁をさせていただきました。様々な場面でご意見を頂戴し、検討していく場合がございます。また、検討する内容も大きいもの、小さいもの、熟度のあるもの、図っていくものということがあるなかで、現段階でスタートラインに立った中で、今後、段階に応じて設置してまいりたいというふうに考えております。
 
そして最後、法令上の根拠、精査について、法令上の根拠、精査にかかって、おおよその候補地の前提条件をどう、どうやって出したかということでございます。これにつきましては、先般、公共施設特別委員会での資料でも今日の投映資料にはありませんでしたけれども、説明させていただきました。まずは、庁舎整備用地としての担保性、利用計画の有無、二つ目、行政機能の集約を意識した距離感、そして三つ目、ネットワークの拠点としての中心性、そして公共公共交通機関や幹線道路によるアクセス、そして最後、ハザードの状況であります。
 

答弁:市長

私からも改めて、谷議員の再質問にお答えをしたいと思います。まず今、総務部長が申し上げた通り、入口に立ったという認識でおります。そういった中にあって、やはり懇話会の中でも、まず、本館の耐震性能の不備について、市民への周知がまだ不足していると。そしてまずこの予定しております市民1万人を対象とするアンケートの中で、やはりまず現庁舎の課題について、しっかりと理解をしていただきたいと。そのためには、やはりこれからの整備の概ねの方向性、そしてまた、どういった場所を企図しているんだということを一定お示しせねばならぬという中で、今回、およその候補地というものが導き出されたと理解をしてます。例えば議員お述べの通り、法令上の根拠を示せということでありますけれども、やはりこの間の議論も大切にしたいと考えております。
 
例えば皇子が丘公園につきましては、平成17年度に、当時、市庁舎の移転先を考える市民の会という皆さんが、皇子が丘公園でこの歴史豊かな土地でそして環境の整ったところで、分散型の庁舎で整備をせよと市に要望されました。こういったこれまでの経緯から、しっかりと、今の現状に合わせた形での、おおよその候補地ということでありますので、この中で、市民の皆さんの合意形成が図れれば、そこに対してしっかりと、法令上の根拠というのを導き出す工夫というのを、これは議員お述べの通り、ワーキングチームを設置して、していかなければいけないと。まずは我々、この、庁舎整備に向けて、市民の皆さんと合意形成を図る第一歩としての今があると理解をしておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

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