大津市バリアフリー基本構想のさらなる推進に向けた取り組みについて( R2. 9)

質問

1点目、未完了となっている特定事業の早期実施に向けた取り組みについて。「誰もが安全・安心に手をとりあって暮らせるまち 大津」を基本理念とする大津市バリアフリー基本構想は、今年度を事業の目標年次に定めています。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づき設置されている大津市バリアフリー推進協議会の進捗管理のもと、10年間にわたって、重点地区に定めるJR大津駅・京阪浜大津駅周辺地区及びJR膳所駅・京阪膳所駅周辺地区においてバリアフリー化に向けて取り組まれてきましたが、特定事業として掲げる事業のうち、未完了となっている事業も数多く存在しています。
 
これら事業の中には、大津市が設置・管理する生活関連施設も含まれており、令和元年度末に開催された大津市バリアフリー推進協議会における資料によると、大津市市民会館においては、視覚障害者誘導用ブロックと触知図案内板の設置、中老人福祉センターにおいては、オストメイトへの対応が未完了となっています。進捗状況の集計からもわかるように、この他にも、都市公園特定事業や道路特定事業などにおいて未完了事業が存在しています。大津市が設置・管理する生活関連施設を対象とした特定事業において、未完了が数多くあるなか、今年度、事業の目標年次を迎えますが、本市は大津市バリアフリー基本構想のさらなる推進にどういった方針のもとで取り組んでいくつもりなのか、見解を求めます。

 

2点目、次期大津市バリアフリー基本構想の策定に向けた取り組みについて。大津市においては、公共施設のバリアフリーチェックに取り組むことで、施設ごとの改良点や課題を抽出し、ソフト面での配慮、すなわち、合理的な配慮のあり方についてあわせて検討を行い、その結果を関係課で情報共有し、さらなるバリアフリーの推進につなげる取り組みを進めています。福祉子ども部障害福祉課所管のもと、平成30年度においては、生涯学習センター・北部地域文化センター・和邇文化センターにおいて、令和元年度においては、大津市立図書館(本館)ならびに大津市歴史博物館・市民文化会館を対象にバリアフリーチェックが実施をされました。この取り組みは、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づき設置されている大津市障害者差別解消支援地域協議会の構成団体参加のもとで実施されており、参加者から様々な指摘や合理的配慮に向けた提言がなされるなど、私自身も滋賀県建築士会所属の一級建築士として参加するなかで、バリアフリーの推進に大きな役割を果たしていると実感しています。
 
次期大津市バリアフリー基本構想の策定にあたっては、ユニバーサルデザインを基本としたまちづくりをあらためて基本方針に定めるとともに、重点地区のさらなる拡充のもと、公共施設のバリアフリーチェックに取り組む大津市障害者差別解消支援地域協議会とも連携を図りながら取り組まれるべきと考えます。大津市は今後、どういった方針のもとで改定に取り組まれていくつもりなのか、見解を求めます。

 

答弁:建設部長

1点目の大津市バリアフリー基本構想のさらなる推進にどういった方針のもとで取り組んでいくのかについてでありますが、議員お述べのとおり、この基本構想に掲げた特定事業については、今年度末をもって、目標年次を迎えますが、未完了事業があります。このことから、現基本構想を総括できる状況にはないと考えており、本市としては、当面、現基本構想の延長を行い、引き続き、残された特定事業の推進を図ってまいりたいと考えております。つきましては、今年度開催するバリアフリー推進協議会において、基本構想の延長に必要な手続きを行う考えであります。

 

次に、2点目の次期大津市バリアフリー基本構想の策定に向けた取り組みについて、どういった方針のもとで改定に取り組んでいくのかについてでありますが、まずは、特定事業の評価を行い、現行の特定.ー化すべき道路や施設の現況を調査し、特定事業の更新を検討してまいりたいと考えております。次期基本構想の策定体制といたしまして、これまでと同様、大津市バリアフリー推進協議会において、協議を重ねるとともに、大津市障害者差別解消支援地域協議会との情報共有や意見聴取を行うことにより、幅広く意見を集約してまいりたいと考えております。なお、重点整備地区のさらなる拡充については、現行の重点整備地区において更新する特定事業の事業量も考慮しながら、慎重に判断してまいりたいと考えております。

 

再質問

まず1点目、未完了の事業が相当数あることから、総括できる状況にないとのことでした。長らく大津市はこの計画の実現に向けて取り組んでこられたわけですが、最終年度、現時点で迎えているに当たって、非常に残念に思います。改めてお伺いいたします。当面延長されるとのことでした。大津市バリアフリー推進協議会の開催時期、確認させていただきましたところ、年度末に開催されていることが多いと認識しています。これから下半期を迎えるに当たり、現時点で取り組んでいただける事業については、率先して取り組んでいただく必要があると思います。当面延長と話をされておられますが、どういった見込みのもと、現時点で取組が行われていない、なおかつ、行おうとすれば実施できる事業に着手されていかれる考えなのか、改めて見解を求めます。今年度にできることは、しっかりやっていただきたいというのが趣旨です。


2点目、重点地区のさらなる拡充について。大津市においては、都市計画マスタープランや国土利用計画に定められたターミナル、都市核といったエリアも存在します。私は、他のエリアにおいても、現状どういう状況にあるかをバリアフリー基本構想で位置づけた上で、計画的に取り組んでいく必要があると考えます。重点地区の拡充について、もう少し踏み込んだ積極的な答弁をいただければという期待の下で、改めて答弁を求めます。
 

 

 

答弁:建設部長

1点目、これからの協議会、今のところ年度末に予定しております。これまでの取組について、特に遅れている、先ほどお示しがありました市の施設並びに私どもの所管しております道路施設等、どういったことから進んでいなかったのかということも再度把握して、原因、課題を早急に検証し、まずは年度末までに優先的にやるべきことを選定して、取り組んでまいりたいと考えております。進捗率を上げること、いずれにいたしましても、バリアフリーのまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
もう一点、地区の拡充についてです。これにつきましては、拡大を否定するものではなく、我々も現在の取組、特に重点整備地区の事業について、より進めていった中で精査する中で、また更新しなければならないものと完了と見るものとを分けた中での更新を考えた中で、御答弁申しましたように、慎重に判断してまいりたいと考えております。
 

再々質問

重点地区の拡充に関して。具体的に申し上げますと、大津京駅、また石山駅については、ターミナル駅として市民の皆さんが多く御利用もされていますし、先ほど来紹介させていただきました生活関連施設というのもたくさん存在をしています。現時点で定められている地区において、どの事業を更新していくのかということを改めて整理いただくことは重要であり、そういただけたらと思うのですが、ほかの地区においても、率先して取り組んでいただけるようなバリアフリーに資する取り組みはあると思うのですよ。また、現時点で両地区においても、例えば道路の構造上の課題であったり、また関係機関の調整であったり、なかなか着手いただきにくい取り組みもあると認識をしています。私はこの2地区に限らず、同時並行的に他の地区においてもバリアフリーを推進していくことは大津市の姿勢だと思いますので、この点改めて答弁を求めます。

答弁:建設部長 

地区の拡充についての中で、大津京、石山地区というお話が出ています。バリアフリーの基本構想の下で2地区について重点で進めておりますが、我々の思いとしましては、この2地区に関わらず、駅周辺、人が多いところについては、拡充に関わらず、段差解消に向けた取り組み、バリアフリーを少しでも進めていきたいと考えております。

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