大津びわこ湖競輪場跡地の利活用に向けた取り組みについて( H28. 9)

質 問

 今年度においては、昨年度に定められた民間活力導入に向けた基本方針を踏まえ、優先交渉事業者の選定に取り組まれていますが、これまで議会に説明されてきたスケジュールに遅れが生じています。副市長、産業観光部長、政策調整部長、総務部長、都市計画部長から成る競輪場跡地利活用あり方検討会での検討を踏まえ、以下3点質問を行います。

 1点目、スケジュールに遅れが生じている理由について。平成28年6月22日に開催された生活産業常任委員会における説明資料によると、9月通常会議が開議されている時点において、民間事業者を対象とした現地説明会が既に行われているはずでした。しかしながら、平成28年8月2日に開催された庁内検討会で確認されたスケジュールにおいては、当該工程に3カ月近くの遅れが生じており、これに先だって予定されていた地元説明会についても今もって開催されていません。契約条件の整理に時間を要していることは理解をしていますが、どういった理由をもって事業スケジュールに遅れが生じているのか、今後の見通しとあわせて見解を伺います。

 2点目、定期借地権を活用する上での課題について。大津市は、平成28年2月の時点において、それまで約13億6,900万円と算出されていた既存施設の解体撤去費用を約19億1,400万円に修正されました。埋設杭の撤去処分に要する費用を加算するなどして算定された額ではありますが、競輪場跡地の賃借料については、あくまで民間事業者が実際に負担する解体撤去費用と相殺されることになっています。競輪場跡地の賃借料については、民間活力導入の基本的な方針を決定するに当たり、不動産鑑定評価額や現存施設の解体撤去費等を考慮し、詳細については民間事業者の公募時において示すとされていますが、公正な審査を行う観点から、清算時点において契約内容の変更が見込まれる可能性を大津市はどのように認識されているのか。
 また、定期借地期間の目安を20年以上とされながらも、できる限り短い期間での提案を募るとされています。提案のあった賃借料を評価するに当たり、その期間はどのように評価されることになるのか。事業者から得られる収入の活用方法とあわせて答弁を求めます。

 3点目、市民に対する情報開示のあり方について。公文書公開請求の手続を経て、先ほど申し上げました第1回競輪事業跡地利活用あり方庁内検討会における資料の開示を大津市長に請求しましたが、事務局を担う産業観光部商工労働政策課より関係各課に対して行われた意見照会の結果については、一律全て非公開として取り扱われました。
 私が強い違和感を覚えるのは、民間事業者が事業展開すると避難所としての機能は失われることになりますので、地域防災計画の変更についての考えをお聞かせくださいとの質問に対する危機・防災対策課からの回答についても非公開とされたことです。確かに防災機能の確保は評価のポイントとされていますが、自治体として説明責任を果たすべき内容であり、市が行う事務または事業に関する情報であって、公にすることにより当該事業の適切な遂行に支障を及ぼすとされる理由はないと考えます。
 大津市は次期大津市総合計画基本構想案において、安全・安心に暮らすことのできるまちを基本政策に掲げています。昨年度、滋賀学区を対象に行われたグループインタビューにおいても、避難所機能の確保については多くの意見が出されたところであり、現在策定中の災害対応マニュアルの内容にも影響を及ぼすことになると理解しています。大津市長は、なぜ避難所の確保及び地域防災計画に関する危機・防災対策課からの回答を非開示とされたのか。大津市情報公開条例は、市民の知る権利を尊重し、市の有するその諸活動を市民に説明する責務が全うされるようにするとともに、市民の市政への参画を一層促進し、市民の理解と協力を得て公正で透明な信頼される市政の運営の確保に努め、もって地方自治の本旨に則した市政の推進に寄与することを目的としていることへの認識とあわせて、見解を求めます。 

答弁:産業観光部長

 事業スケジュールに遅れが生じている理由についてでありますが、平成28年3月に策定いたしました大津びわこ競輪場跡地利活用における民間活力導入の基本的な方針についてに基づき、事業者を募集するに当たり、法的課題などの掘り起こしや、その解消に向けた考え方等を整理してまいりました。その中で、定期借地の期間や契約後の途中解約などのリスク分担の法的課題等が新たに見つかり、その課題の整理に時間を要したことから、当初スケジュールに遅れが生じております。今後は引き続き、これらの課題の解決に取り組み、その成果を募集要項や契約書に反映し、年度内の事業者決定に向け努力してまいります。

 次に、2点目の定期借地権を活用する上での課題についてでありますが、解体費が借地料に反映するため、重要な検討事項の一つであると認識しております。また、定期借地期間の評価といたしましては、20年を基本として、短ければよりよいと考えておりますが、借地期間を提案していただくか否かも含めて、どのように提案事業者の評価に結びつけていくか、現在検討中であります。
 事業者から得られる収入につきましては借地料であり、本市では借地料は一般財源として処理されていることから、一般施策の中で有効活用されるものと認識をしております。

 最後に、3点目の市民に対する情報開示のあり方についてでありますが、あり方庁内検討会資料で避難所の確保等に関する回答を一部部分公開といたしましたのは、今後事業者募集の条件に関わり、大津市情報公開条例第7条第6号の事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものに該当するためでございます。 

再 問

 まず1点目、事業スケジュールについてです。 めどはついているのでしょうか、お聞かせください。

 2点目です。私、公正な審査を行う観点から、清算時において契約内容の変更が見込まれる可能性をどのように認識されていますかという形で質問させていただきました。要は何をもって最終的な解体にかかった費用とするかというのは、終わってみないとわからないわけですし、それは行う事業者によって価格は当然上振れもすれば下振れもするわけです。どちらに変動しても、いわゆる評価される時点の見込まれた価格との差異というのは大きく公正な審査というものに影響を及ぼしてくるというふうに認識をしていますが、その点あわせて見解をもう一度伺いたいと思います。

 あと、事業者から得られる収入の活用方法ということについてなんですが、一般財源化されるということです。であるならば、仮に20年としたときに、その先、将来公園として整備するに当たって、また財源ないじゃないですか。その点を踏まえてお聞かせをください。
 最後、非開示とされた理由、地域防災計画の変更に関わる事由であるにも関わらず、非開示とされた理由について、先ほど私が初問で申し上げた、事務に影響を及ぼすといったような答弁ありましたが、なぜなんですか。地域防災計画、その目的を要約しますと、市民の生命、身体及び財産を災害から保護することを目的としているわけですよね。なおかつ、大津市災害対策基本条例において市の責務が明確にされていますけれども、これを踏まえた責務となっているんですよ。その点踏まえてお聞かせください。 

答弁:産業観光部長

 まず、スケジュールのめどでございますが、答弁でも申しましたように、3月末を目標として現在努力をいたしておるところでございます。法的な課題等さまざまな課題が残っておりますけれども、順次、鋭意この解決に向けて、先ほど申しました3月をめどにこれを解決してまいりたいというふうに考えております。

 それから、清算時の話でございますけれども、これにつきましては、まず解体そのものが今回の目的ではございません。ただし、その解体費用が、議員おっしゃるように、非常にこの中に大きなウエートを占めていることは十分に認識しておりますし、またその解体費用の精算、これは積算にも関わりますし、それから解体したときのリスクというんですか、現在は必要な書類、図面でもって19億円というものを積算しておりますけれども、これについても変更の可能性があるというリスクについては十分に認識をいたしておりますので、その点についても今現在検討している最中でございます。

 それから、収入が将来の公園の20年後ですか、公園のほうの財源にならないのかということでございますけれども、これにつきましては、歳入が特定財源としてされるものではなくて、一般財源というふうに我々は認識しておりますので、その中で全庁的な話の中で有効活用、公園もしかりだと思うんですけれども、そういった形で活用できればというふうに考えております。

 それから、情報の開示のことでございますけれども、今回民間の提案を公平かつできるだけ多く受け止めるという必要があります。このことから、現時点で議論が尽くされていない本市の考え方を公に示すことによって、民間事業者の事業参加についての検討や事業者間での競争を阻害するおそれがあるというふうに判断をしたものです。
 さらに、防災機能につきましては、議員お述べのように、市民の重要な関心事項であるということでございますので、未成熟な議論を公開することで市民に混乱を生じさせる情報となるということを判断したものでございます。
 しかしながら、申し上げたように、防災機能というのは、議員お述べのように非常に重要なことであるということは私どもも十分認識をいたしております。このことから、今後地域と協議の機会を持つことによりまして適切な情報の提供にも努めてまいりますし、また公開できる時期が来れば、できるだけ速やかに議会や地元等に公に情報が提供できるよう心がけてまいりたいと思います。 

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