多額の予算を措置されながらも事業者の認定に至らなかった本社機能移転促進助成金交付事業のあり方について( R6. 3)

質問 

大津市は今年度に引き続き、新年度当初予算案に本社機能移転促進助成金として五千五百万円を計上しました。当該助成金交付要綱において、建設型は五千万円、賃貸型は五百万円を上限額と設定され、地域経済の活性化を図るとともに、市民生活の向上に資することを助成金の交付目的と定めておられますが、今もって事業者の認定には至っていません。多額の予算を措置されながら、なぜ、未執行となってしまったのか。要因分析と効果検証を予断なく行い、その結果を令和6年度の取り組みに活かしていく必要があります。
 
ちなみに、令和52月通常会議における議会答弁において、事業者向け支援制度を網羅したパンフレット等を活用しながら、直接企業に本市の立地優位性を伝えるなど、積極的にPRを行っていく方針を示されましたが、大津市のホームページ上でこれらの情報を確認できません。今後は従業員の暮らしに深く関わる、教育や子育て支援などに係る情報や自然豊かな大津市での暮らしを想起いただける情報についても効果的に発信いただき、雇用の維持・拡充に向けた事業者の期待と意欲をあわせて高めていただきたいと考えます。
 
地方拠点強化税制等の関連施策を踏まえ、他都市においても同様の企業誘致施策が展開されるなか、大津市に本社機能施設を移転する優位性をどの様に評価されたうえで、さらなる情報の発信、関心企業の発掘に取り組んでいかれるつもりなのか。地域再生法に基づく地域再生計画として「滋賀県本社機能移転促進プロジェクト」を策定する滋賀県とのさらなる連携に向けた今後の展望と新たに予算計上された本社機能誘致関係広告費の活用方法とあわせて答弁を求めます。
 
また、大津市は大津市本社機能移転促進助成金交付要綱において、「当該本社機能の移転が市の経済活性化及び地域振興に資することが期待できるものとして市長が認めるものであること」を認定の要件として定めています。助成金の交付目的に即した内容と認識するものですが、大津市は具体的にどの様な判断基準をもって、当該認定要件の適否を判断されるのでしょうか。見解を求めます。
 
リンク:谷ゆうじホームページ 指摘・提言の実績 本社機能の移転促進による地域経済の回復と活力ある地域づくりに向けた取り組みについて
 

答弁:産業観光部長

1点目の今後の取組方針についてでありますが、これまでから市ホームページだけでなく、県や関係機関と連携した情報発信や、滋賀県宅地建物取引業協会、不動産会社、全国滋賀県人会連合会、市外の金融機関などへの訪問によるチラシの配布など制度の周知に努めているところです。また、東京や神奈川など、市内に拠点のある企業の本社を訪問し、直接、助成金制度について案内しております。引き続き、可能性のある企業を発掘するとともに、本社移転は、企業にとって大変重要な経営事項であることから、時間をかけて関係を構築することが重要であると考えており、これらの取組を継続してまいりたいと考えております。また、都市圏へのアクセスの良さなど、本市の強みを生かし、県との連携による企業誘致を進め、地域経済の活性化を図ってまいります。なお、新年度予算に計上する広告費は、全国滋賀県人会連合会の広報誌掲載料を想定しております。
 
2点目の認定要件の適否を判断する基準についてでありますが、市内での本社機能立地による経済効果や雇用創出の可能性を認定の基準としております。一方で、企業訪問の際に問い合わせもあったことから、要綱の一部改定や運用方針の策定を検討しており、併せて申請者に分かりやすい制度となるよう明確で理解しやすい基準へ改めたいと考えております。

再質問

1点目、今後の取組方針についてです。制度の周知に努めてこられたということと、時間をかけて取り組んでいくことも大事だというような趣旨で答弁をいただきました。大津市に本社機能施設を移転する優位性として、都市圏へのアクセスのよさを挙げていただきました。これ何も大津市に限った話ではないと思うんですよ。事前に聞き取りさせていただきましたところ、そもそも土地がないことも課題として挙げられますということを伺っております。今申し上げたことを踏まえて、もう少し詳しく、どのように今年度予算が執行できなかったことを踏まえて企業の発掘などに取り組んでいかれるつもりなのか、もう一度お聞かせいただけないでしょうか。 
 
2点目、認定要件の適否を判断する基準についてです。
現状の要綱について見直しが必要であるといった課題認識をお示しいただきました。もう一度教えていただきたいのですが、経済活性化及び地域振興に資するということをどのようなデータであったり、どのような機会を持って、大津市は意思決定されるのでしょうか。何かしらのデータを企業側に求められるのか。ただ、そうなってきますと負担にもなってきますし、そうかと申し上げて、主観的な判断だけでは公平性にも関わってくる問題だと思いますので、執行部の中で議論されて決定されるのか、また第三者の組織なりを別途設けられて意見照会されるのか。もう少しこの点を詳しく、今の私の課題認識を踏まえてお聞かせいただけないでしょうか。

答弁:産業観光部長

2点御質問いただき、1点目が今後の取組のうち、とりわけ企業の発掘を来年度どう行っていくのか、2点目は認定基準についてどのように市として客観的に判断していくのか、以上2点について御質問をいただいたと存じます。まず、1点目、今後の取組について、企業の発掘等についてでありますが、まず企業向けのプレゼンテーション用に多様な資料を作成いたしまして、また広告掲載等の手段により、助成事業の内容に加え、本市の優位性、そして住みやすさ、子育て支援であったり、暮らしやすさなど、従業員の方が市内に居住する際の利点も含めて総合的な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
 
次に、2点目の認定基準、どのように客観的に判断していくかについてでございますが、申請いただく企業より提出いただく事業計画書、また雇用計画書、その他関連資料に基づくヒアリングを実施させていただいて、市内での企業間取引であったり雇用創出効果の確認を想定しております。具体的には、今後要綱の改訂や運用方針の策定の中で検討してまいりたいと考えております。

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