土地開発基金において塩漬けとなっている事業用地のあり方について( H24. 9)
質 問 (用途不明確となっている事業用地について) |
平成24年7月31日時点における大津市土地開発基金の資産状況は、現金での保有が5億3,794万613円、土地での保有が7億6,676万3,176円、合計で13億470万3,789円となっている。しかしながら、土地で保有するうち6億4,070万9,991円、割合にして約84%以上は、10年以上にわたって塩漬けとなっている事業用地であり、条例で定める確実かつ効率的な運用はなされていない。
事業用地の先行取得機能のあり方については、外部の有識者から成る大津市土地開発公社経営検討委員会において、第三セクター等改革推進債を活用し、平成25年度末までに土地開発公社を解散することが望ましいとの結論が出された。主たる代替え機能と位置づけられた土地開発基金の健全な運用は、大津市が土地開発公社の解散を決定する上において重要な要素であり、平成23年度に策定された保有資産引き取り計画の着実な推進に期待するものである。しかしながら、土地開発基金が資産として保有する21事業用地のうち、旧志賀町によって取得され、現在は用途が不明確となっている一般廃棄物最終処分場用地及びじんあい処理場用地については、中期財政計画の計画期間外である平成29年度以降に引き取るとされ、事実上の先送りがなされている。
大津市和邇北浜の一般廃棄物最終処分場用地については、滋賀県が隣接地において産業廃棄物及び一般廃棄物焼却施設の整備を行うことを前提に取得をされたものであり、現状は、公簿面積で10haを超える山林となっている。平成12年10月に3億421万5,000円で取得されましたが、滋賀県によって事業化が断念された今日において、用途不明確な状態が自動的に解消されることはなく、当該事業用地に囲まれる形で民間所有地が点在していることから、敷地の一体的な利用にも制約がある。
次に、和邇高城のじんかい処理場用地については、昭和52年11月に、公簿面積7,833㎡を3,531万4,716円で取得されたが、これに先立ち、旧志賀町は、昭和48年6月から昭和51年5月にかけて、1万5,974㎡の隣接地を取得しており、実質的には約2.4haが長年にわたって未利用地となっている。大津市との行政事務組合によって別敷地に焼却場が整備されたことにより、当該事業用地は用途不明確な状態となったが、現状においては、里道以外に接道しておらず、山林のまま、いかなる土地利用も図れない状態となっている。
用途不明確となった事業用地を基金財産として漫然と保有し続けることは、事業の円滑な執行を図ることを目的に設置された土地開発基金のあり方そのものに関わる問題であり、これ以上解決を先送りにすべきでないと考える。大津市土地利用問題協議会に付議するなど、大津市国土利用計画並びに都市計画マスタープランの推進に寄与する土地利用のあり方について、地域住民の意見を踏まえながら、全庁的に検討されてはと考えるが、本市の見解を問う。
答弁:総務部長 |
土地開発基金のあり方については、平成23年度から検討している大津市土地開発公社の抜本的改革に合わせて、同基金の保有状況等を把握するため、各課ヒアリングや現地調査を実施する中で現状分析を行うとともに、中期財政計画に基づく引き取り計画を策定してきた。質問の2事業については、活用の見込みが不明確なこと、また多額の一般財源を要することなどから、引き取り計画における引き取り時期を平成29年度以降に設定せざるを得なかったところである。
しかしながら、土地開発公社を解散することが決定した場合は、同基金をその代替機能として活用する方向で検討する必要があること、また用途不明確となった事業用地を保有し続けることは、同基金の適正かつ効率的な運用面から見ても、将来的な基金運用に支障を来すものと考えている。このことから、第4次大津市国土利用計画の基本理念の趣旨を踏まえながら、議員から提案の大津市土地利用問題協議会への付議など、今後、問題解決に向けた取り組みを探ってまいりたいと考えている。
再 問 |
土地開発公社の清算を決定するまでに、土地開発基金をどういった形で健全に運用していくかを市民に対して明確に示す必要があると考える。今後という答弁であったが、どういった期間をもって検討を行っていくのか。
答弁:総務部長 |
特にこの2事業用地については、私も実際現場を見せていただいたが、かなり山深く、利用方法がすぐには決まるようなものではないと思った。また、議員お述べのように、その一帯の土地の中には他の方が所有する土地があり、一体利用がなかなか図れないということもある。開発公社の問題と絡めて、早急にすべき問題ではあるが、すぐにこれが解決に向かっていくともなかなか思えないので、猶予をいただきたいと考えている。
再々問 |
40年近くにわたって用途不明確であった土地の今後について、清算を決定されるまでに指針を示すべきと申し上げているのではない。公社の清算には大津市としても財政負担が伴うわけであり、市民に対して説明責任を負うことになるが、大津市土地利用問題協議会への付議などの目途が立たないということであれば、説明が不十分と考える。本市の見解は。
答弁:総務部長 |
土地利用問題協議会については、定期開催というよりは、議案のある都度に開催されるものと承知をしている。本案件については、開催時にあわせて庁内的に考えていただくことになるので理解をいただきたい。
質 問 (債務負担行為の設定について) |
土地開発公社を活用して事業用地の先行取得が行われる場合、大津市が買い戻すまでの期間と限度額は債務負担行為として設定され、議会の承認が必要となる。平成21年度予算からの取り組みであるが、事業用地の取得過程に対する透明性は高まったものと評価しており、財政規律の向上にも寄与するものであったと考える。
しかしながら、大津市土地開発公社経営検討委員会においても議論の対象となったが、土地開発基金を活用する場合には債務負担行為の設定はなされず、基金財産として事業用地が取得されている。確実かつ効率的な運用を行っていくためにも、債務負担行為を設定してはと考えるが、本市の見解は。
答弁:総務部長 |
今般、土地開発公社のあり方を検討する中で、土地開発公社経営検討委員会の委員の方からは、公社の代替機能として土地開発基金を活用する場合には透明性の確保や基準づくりが必要であるとの意見をいただいている。こうしたことから、事業の概要や先行取得をする土地の必要性などをより明確にするため、来年度予算からの債務負担行為の設定を含め、同基金の適正な管理運用に努めていきたいと考えている。