児童虐待防止対策のさらなる強化に向けた取り組みについて( R5. 6)
質問
令和5年4月1日、こども家庭庁の発足にあわせて「こども基本法」が施行されました。子どもを権利の主体として位置づけ、その権利を保障するための総合的な法律であり、こども施策の基本理念や基本となる事項が規定されています。全ての子どもには、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切な養育を受け、健やかな成長や発達、自立が図られることなどを保障される権利がありますが、令和3年度、全国の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は207,660 件で過去最多を記録しました。
令和4年度、大津市における児童虐待相談件数は1,019件であり、身体的虐待346件、心理的虐待317件、ネグレクト347件、性的虐待9件と公表されています。大津市子ども・若者支援計画(第2期大津市子ども・子育て支援事業計画)では、虐待から子ども・若者を守る環境づくりが基本目標として掲げられ、子どもの権利擁護、児童虐待の発生予防・早期発見、児童虐待発生時の迅速・的確な対応、社会的養護施策の推進が基本施策として位置付けられています。令和6年度までの計画期間中、これら施策の推進に取り組まれることになりますが、次期計画の策定にあたっても、虐待から子ども・若者を守る環境づくりのさらなる実現を目指し、事業の充実を図っていただきたいと期待するものです。
こども基本法第11条は、国及び地方公共団体は、こども施策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該こども施策の対象となるこども又はこどもを養育する者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとすると規定しています。こども家庭庁が執務参考資料として地方自治体向けに公表している質疑応答集ならびに令和5年4月1日、同庁長官名にて発出された通知文を確認しましたが、大津市が留意すべき事項は多岐に渡ります。同庁が公表する「こども政策決定過程におけるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する調査研究報告書」には、困難な状況にあるこどもほど声をあげにくく、虐待などの渦中にいれば声をあげるにも至らないこともあること、また、最も困難な立場の人の声は最も聴くのが難しいという前提を認識・共有する必要があると記されています。意見聴取における考え方のポイントとして、より困難な状況にあるこどもこそ声をあげにくいことを認識し、意見を聴くことができていないこども・若者が存在することを意識し、可能な限りの工夫を行うことが示されており、大津市においても参考にされるべきと考えます。
こどもの健やかな成長に影響を及ぼす児童虐待の防止は、社会全体で取り組むべき重要な課題です。大津市は今後、どの様な方針のもと、声をあげづらいこどもや若者の意見を児童虐待防止対策に反映していかれるつもりなのか、見解を求めます。
答弁:福祉部長
今後どのような方針のもと、声を上げにくい子どもや若者の意見を反映していくのかについてでありますが、困難な状況にあり、声を上げにくい子どもや若者の意見を聞くことは大変重要であると認識をしております。本市ではこれまでより子どもや若者との関わりの中で様々な意見や声を聞いてまいりましたが、声を聞くためには、信頼関係を築きながら、こどもや若者に思いを話していただくことが大切であると考えております。今後、声を上げにくい子どもや若者の意見も、児童虐待防止対策に反映させていくためには、子どもや若者への支援や関わりをされている事業者や団体の方からの意見も踏まえながら、方針を検討してまいりたいと考えております。
再質問
子どもたちの支援や関わりを持たれている団体の皆さん方と意見を交換しながら方針を検討されていかれるという趣旨の答弁でしたが、もう少し詳しくお答えをいただけないでしょうか。
答弁:福祉部長
初問で申し上げました、関係される方、事業者の方の声を聞きながら、やはりしんどい子どもたちを支援されてる方が普段、支援の関わりの中で様々な声を当然スタッフの方は聞かれている。そういう生の声を直にお聞かせいただきたい。そういう中で、どういう支援が子どもたちに必要なのかというところを導き出していくこともできるだろうし、また子どもたちの声を聞くのには、こういう方法があるよというアドバイスをいただける場合もあろうかと思っております。
いずれにいたしましてもこれだけではなくて、次年度、子ども若者支援計画、次期計画の策定がございます。これ全体につきましても、こども・若者の意見をどう施策に反映するのか、我々に課されてる義務だと承知をしておりますので、それも含めまして、しっかりと、どのような形で子ども・若者の声を聞き、そして施策に反映させていくのかという手法について、しっかりと検討してまいりたいと考えております。