事業方針の再検討・早期の明確化が求められるふれあいセンターの今後のあり方について( R3. 2)
質問
令和元年度、予算決算常任委員会において、ふれあいセンター管理運営事業が議会における行政評価の対象となりました。一昨年10月には大津市議会基本条例に基づき市長へ提言書が提出されており、当該事業は「事業方針の再検討、早期の明確化」が必要と評価されています。
以下、予算決算常任委員会教育厚生分科会における評価理由をあらためて申し述べます。
①現在の使用状況は、ふれあいセンターを設置した当初の目的とは異なるものとなっており、当初想定していた役割は一定終えている。
②センターそれぞれで主な使用目的や使用状況が大きく異なっている。所在する地域ごとに市民ニーズが異なっていると考えられることから、今後も事業を継続するのであれば、センターごとの事業方針が必要である。
③必要な耐震性が確保できていない上に施設・設備も老朽化が著しく、市民が安心して快適に使用できるとは言い難い。
①及び②の理由から、事業の方針を根本的に再検討すべき。
なお、③は喫緊の課題であり、十分に留意した上で市民ニーズとコストの両面から検討し、改めて今後の方針を早急に決定するべきである。
平成23年3月には、「大津市地域福祉文化交流センター見直しについて」の報告書が同センター検討委員会によってまとめられました。策定から10年近くが経過をしましたが、報告書に記された将来構想の実現に向けた具体的な取り組みは進んでいないと認識しています。
また、行政評価における提言でも述べられていますが、伊香立、比叡、中、膳所、南ふれあいセンターのうち、新耐震基準で建築されているのは膳所ふれあいセンターのみであり、これら施設は避難所に指定されていることから、大津市公共施設の耐震化推進要領における評価を踏まえ、計画的な対応が求められます。
公共施設マネジメントの観点を踏まえ、計画的に施設の維持管理・更新整備を行っていくのであれば、ふれあいセンターにおける事業方針をあらためて明確にする必要があります。
大津市は今後どういった方針のもとでふれあいセンターのあり方を見直していくつもりなのか。当該施設における長寿命化計画の策定状況と施設運営に対する課題認識とあわせて答弁を求めます。
答弁:福祉子ども部長
1項目めの事業方針の再検討、早期の明確化が求められるふれあいセンターの今後についてでありますが、「ふれあいセンター」は現在、市民の福祉の増進及び市民の交流の促進に関し、場所を提供することを目的として、貸館事業を行っておりますが、その利用率は、最も高い比叡ふれあいセンターでも15パーセント程度と低迷している状況にあります。
また、膳所ふれあいセンターを除き昭和40年代後半から50年代前半に建築された建物であるため、新耐震基準で建設されておらず、かつ外壁等において広範囲に劣化がみられるなど、建物の老朽化も進んでおり、ふれあいセンターのあり方についての再検討を行う必要があると認識しているところです。
このようななか、膳所ふれあいセンター及び南ふれあいセンター以外は、児童館など他の用途の施設が含まれている複合施設でもあり、また市民体育館など近隣施設の管理を担当しているセンターもあることから、施設のあり方を検討するに際し、これらに与える影響を考慮する必要があるため、これまで庁内の関連する各課との協議を行ってまいりました。
現在、関連各課との協議に加え、それ以外の庁内の部局に対して、ふれあいセンターの建物の活用の可否、及び転用にあたっての留意事項に関する照会を実施しているところです。この照会の結果もふまえたうえで、本年4月以降に地元との協議を行い、10月を目途として一定の事業方針を決定できるよう取組みをすすめてまいります。
ふれあいセンターの長寿命化計画の策定に際しては、現在策定中である(仮称)大津市公共施設中長期保全計画との整合を図りながら、作業を行っているところであります。