中心市街地エリアの活性化に向けた取り組みについて( R4. 12)
質問
平成20年7月、大津市は中心市街地活性化基本計画を策定し、平成25年度からは第2期計画のもと、計10年間に渡って多くの市民、民間事業者、関係団体とのつながりを構築、発展させながら、活性化に資する様々な事業に取り組んでこられました。計画期間の終了にあわせてジュネーブ構想、大津宿場町構想が掲げられたものの、後にそのあり方は見直され、市民・民間事業者と行政との距離を縮め、地域とつながる開かれたオフィスづくりを進めるとして整備された「まち家オフィス結」は本年2月、3年足らずで閉館をされました。
そもそも、大津市は「結」という言葉にどの様な思いを込めたのか。協働のまちづくりを進める上において、条例の名称に「結」という言葉を冠した意味を私たちは今一度、再認識すべきと考えます。現在、大津市においては、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトに取り組まれていますが、中心市街地活性化基本計画に掲げられた理念については、時代の変化に適応しながら、今後も受け継がれるべきものと考え、以下、3点、質問を行います。
1点目、歴史的風致維持向上計画に位置付けられた大津百町エリアにおける事業推進体制について。令和3年9月通常会議、私は取り組み方針が明確となっていない大津宿場町構想のあり方について指摘を行いました。大津市からは、歴史的風致維持向上協議会において、人材の育成、エリアの魅力増進と発信、空き町家の活用について、事業内容や進捗状況について協議・報告をするとともに、ホームページでの情報発信や地域住民向けの勉強会などを開催していくことの答弁がありました。
また、推進体制については、宿場町構想実行委員会のメンバーを中心に、その他のまちづくり団体や地域住民などもメンバーに加えて、歴史的風致維持向上協議会の下で新たな組織体の設置を検討していくとの見解が示されています。現時点における取り組み状況と新たな組織体の設置に向けたスケジュールについて答弁を求めます。
2点目、都市再生整備計画の策定に向けた取り組みについて。令和3年9月通常会議、私は国からの支援を継続して受けていくためにも、また、今後の取り組み方針を広く市民、事業者と共有するためにも、都市再生整備計画をあらためて作成し、社会資本総合整備計画に位置付けたうえでハード、ソフト事業に取り組まれるべきと提言しました。
大津市からは、都市再生整備計画は公共施設の整備等を重点的に実施する区域を定め、都市の再生を効率的に推進するものであり、市街化調整区域である大津湖岸なぎさ公園などについては、水辺とまちが融合した良好な空間形成に向けて「かわまちづくり計画」を策定することにより、計画区域に加えることが可能となること、また、そのうえで、地域住民や河川管理者である滋賀県、その他関係機関等とともに「かわまちづくり計画」を策定した上で、都市再生整備計画に位置づけることで、国の補助制度が活用できるものと考えているとの見解が示されました。都市再生整備計画の策定に向けた現時点における取り組み状況と課題認識について答弁を求めます。
3点目、旧大津公会堂のさらなる活性化に向けた取り組みについて。これまでの間、旧大津公会堂については、大津市が出資をして設立をし、都市再生推進法人に指定をする株式会社まちづくり大津が施設の管理運営を担ってきましたが、令和5年度からの5年間、他の団体を指定管理者に指定するための議案が提出をされました。旧大津公会堂は歴史的資産を保存し、及び活用することにより、市民、観光旅行者等の交流を推進し、もって中心市街地の活性化を図ることを目的に設置されています。
大津市は旧大津公会堂指定管理者仕様書において、管理運営を行うだけでなく、当該施設の成り立ちと経過を十分に理解し、建物の保全に努めるとともに、市民の交流の拠点として活用を図ることを求めていますが、株式会社まちづくり大津をはじめ、これまで中心市街地活性化に取り組んでこられた地域住民や民間企業、関係団体との連携が必要不可欠と考えます。大津市は新たな指定管理者のもと、これら連携がどの様な形で実現すると考えているのか。設置者である大津市が果たすべき役割とあわせて見解を求めます。
また、建物の1階及び地下1階の商業施設部分は大津市と株式会社まちづくり大津との間で賃貸借契約が締結されています。建築設備の点検など、管理運営面での課題認識とその対応策について答弁を求めます。
答弁:都市計画部長
1点目の歴史的風致維持向上計画に位置付けられた大津百町エリアにおける事業推進体制についてでありますが、大津百町エリアにおける取り組み状況として、昨年度は歴史文化を気軽に触れることができる歴まち講座の入門編の開催や地域の歴史文化に関するまちづくり活動団体の交流を深めるための歴まち講座交流会を実施するとともに、大津宿場町構想実行委員会と連携したまち歩きを実施するなど、地域が歩んできた歴史やまちに息づく生活文化を学び、発見する機会の創出に取り組んでまいりました。
なお、今年度は昨年度の実施事業に加えて、歴史的風致維持向上計画を周知啓発するパネル展の開催、大津祭りや地域の歴史的資源を紹介するPR動画作成など、地域のさらなる魅力発信に向けた取り組みを進めております。今後はこれらの取り組みを踏まえ、さらに体系的な事業展開が重要であると認識をしております。また、より効果的な事業を実施していくためにも、大津市歴史的風致維持向上協議会や大津宿場町構想実行委員会、地域住民などと継続的に意見交換等を行いながら、令和5年度までに新たな組織体の設置を目指して調整を進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の都市再生整備計画の策定に向けた取り組みについてでありますが、中心市街地エリアにおける賑わいを創出するためには、市民や事業者、滋賀県を含めた関係機関とのさらなる連携が重要であると考えております。昨年度から事業者と共になぎさ公園周辺の魅力向上に向けたSLOW OTSUの取り組みを継続的に行うとともに、今年度は大津湖岸なぎさ公園において、賑わい拠点形成に向けた基盤調査等を行い、市民や各種団体、公園利用者などからご意見等をいただきながら当該エリアの活性化に資する取り組みの検討を行っているところでございます。また、大津港周辺においても、賑わい創出に向けて滋賀県と協議を進めているところであり、今後、これらの検討結果等を踏まえながら、川まちづくり計画の策定に向けて、様々な主体と意見交換等を重ねるとともに、活性化に寄与する事業を見極め、都市再生整備計画の策定にもつなげてまいりたいと考えております。
次に、3点目の旧大津公会堂のさらなる活性化に向けた取り組みについてのうち、一つ目の、地域住民や民間企業、関係団体との連携と大津市が果たすべき役割についてでありますが、旧大津公会堂は昭和9年に建設されて以来、その後、名称や用途を様々に変えながら利用されてきた施設であり、国の登録有形文化財にも登録されております。しかしながら、施設の老朽化やバリアフリー化に対応するため、平成21年度に改修整備を行い、平成22年度からはまちづくりや地域活動の拠点施設として、歴史資源を活用した市民の交流の場として利活用をしてまいりました。本市といたしましては、これまでの取り組みを踏まえるとともに、ポストコロナを見据え、当該施設が時代の変化に沿った人々が集える、繋がる場所となるよう、今後、指定管理予定者や地域住民、関係団体等と連携してまいりたいと考えております。
また、二つ目の管理運営面での課題認識とその対応策についてでありますが、現在、旧大津公会堂の1階及び地下1階の一部を貸し出しており、建築設備など、これまでの管理体制を整理する必要があると認識しております。今後、管理運営に当たりましては、新たな指定管理者の議決をいただいた後、飲食店店舗等の運営事業者などを含めて協議を行い、適切に対応してまいります。