中学校体育館を対象とした空調設備設置事業の実施方針について( R6. 3)

質問

大津市は新年度予算案に中学校の体育館14校に空調設備を設置するための事業費を計上されました。令和6年度から令和7年度の2カ年に渡っての事業であり、債務負担額とあわせて総事業費は104,1348千円になると説明を受けています。文部科学省においては、体育館の断熱性を確保することで、空調設備の定格冷房能力を抑えることが可能となり、中長期的な視点に立てば、断熱化改修工事費の増額分を電気代の削減分で回収できると試算されています。そのうえで、学校施設環境改善交付金については、体育館本体の建替えや全面的な改修工事に併せ、断熱性能を確保した上で冷暖房設備を設置することを補助要件とされています。
 
この度の事業では、緊急防災・減災事業債を活用されるとのことであり、断熱性の向上は図られないと認識していますが、維持管理費の縮減を図ることは、将来に渡る財政負担の軽減を図るためにも重要な取り組みとなります。学校体育館空調設備設置事業の実施にあたり、断熱性能の向上は図られないとされた理由と維持管理費の縮減に向けた取り組み方針について見解を求めます。
 
また、この度の事業については、設計・施工一括発注方式を意味するデザインビルド方式によって実施されると説明を受けています。発注方式として、同方式を採用された理由と当初予算案で計上されている予算額の積算根拠と算出過程について、答弁を求めます。 

答弁:教育長 

1点目の、断熱性能の向上を図らない理由と維持管理費の縮減に向けた取り組み方針についてでありますが、学校体育館の空調設備設置につきましては、昨年の夏以降、具体的な検討を進めてまいりましたが、他都市の導入事例の調査では、断熱工事を行わずに空調整備を実施している事例が多く、令和5年9月に現地視察を行った自治体でも、体育館の空間全体を冷やすのではなく、児童生徒が活動する区域に集中的に冷風を送ることを目的に、空調設備と送風機を組み合わせた整備が行われており、断熱工事がなくても十分な冷房効果が得られる整備方法が確認できました。これらのことから、導入に係る経費や冷房効果、断熱工事を実施した場合の教育活動への影響などを総合的に勘案し、断熱工事を行わず、財源として、緊急防災・減災事業債を活用し、学校体育館の空調整備を進めることといたしました。また、先ほど述べました他都市の事例を参考に、空調設備と送風機を組み合わせた整備を行うことで、効率的な冷房効果と同時に空調設備の容量を抑えることが可能となり、維持管理費の縮減にもつながるものと考えております。
 
2点目の、デザインビルド方式を採用した理由及び積算根拠と算出過程についてでありますが、学校施設につきましては、継続して実施している長寿命化改良工事、トイレ改修工事に加え、新たに空調設備の設置工事に着手するため、多くの発注業務を並行して進めることになります。

このことから、設計と施工を一括で行うデザインビルド方式を採用することで、入札不調のリスク低減や発注業務の軽減を図るとともに、整備スケジュールを短縮することで、教育活動への影響を抑えることができるものと考えております。また、予算額の積算根拠と算出過程につきましては、他都市の事例や業者からの聞き取り等を参考に、本市の専門職の職員が空調能力・配管等を類似案件から積上げした概略設計により算出したものでございます。

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