プロポーザル方式の適切な運用に向けて必要となるルールづくりについて( H23. 11)
質 問 |
プロポーザル方式とは、費用及び期待できる成果等について総合的な評価を行い、受注者を決定する方式で、大津市においてもさまざまな業務委託を対象に実施されている。しかしながら、大津市においては、プロポーザル方式による契約事務の運用マニュアルは策定されておらず、業務を担当する主管課が他市の事例等を参考に行っているのが現状であると理解している。
今年の8月にプロポーザルの公告がなされた大津市民病院医療事務等関連業務委託については、指名型でなく公募型を採用された。しかしながら、参加資格に大津市入札参加資格者名簿に登載されている者、また資格申請中であることというものが要件に入れられたことで、またそもそも大津市は入札参加資格申請書を年度途中で受け付けていないことから、参加が可能となる事業者は当初から3社に限定されていた。説明会にはこのうち2社が出席されたが、最終的に公募型プロポーザルに参加されたのは業務実績のある1社のみであり、この結果を受け、大津市民病院内に設置された委託先候補者選定審査委員会は、総合評価の合格基準となる点数を急遽定めることになった。その結果、条件を満たす点数であったため、委託先として選定されたが、点数が条件を満たさなかった場合には業務に支障を来すところであった。
契約過程の透明性を高めることを目指して取り組まれた点は評価するが、今後については手法のさらなる検討が必要であり、そのためには、プロポーザル方式による契約事務の運用マニュアルは必要不可欠であると考える。大津市民病院は、医療事務等関連業務委託を対象に行った公募型プロポーザルの実施結果をどのように総括しているのか、見解を問う。また、大津市は、これまで各課で行ってきたプロポーザル方式による契約事務をどのように評価し、今後より適切で効果的な運用を図る観点から、どういった取り組みが必要になると考えているのか、見解を問う。
答弁:市民病院長 |
昨年度、大津市入札事務適正化検討委員会での検討結果に基づき、市全体の契約事務の見直し方針が示されたことを受け、医療事務等関連業務委託についても、本年度10月以降の契約からその見直しを図ったところである。今回の契約方法については、院内委託契約審査委員会で審議の結果、当該業務が単に価格だけでなく、業務内容の改善提案も重視する必要があることから、公募型プロポーザル方式を採用することとしたものである。
プロポーザル方式で実施したことにより、レセプト精度向上などの収益増収の取り組み、患者サービスなど接遇面の質の向上に向けての新たな提案、さらには診療報酬改定時のサポート業務など、当院が求めていた成果を一定得ることができたと考えている。一方では、結果として参加業者が1社だけとなったことにもあらわれているように、参加業者の応募資格、契約期間の長さなどの取り扱いについて、今後検討を要する点が見受けられたところである。
当院においては、平成25年度をめどに電子カルテの導入を計画しており、これに合わせて医療事務の委託内容の見直しを予定している。次回の契約においては、今回の経過などを踏まえて、より公平性、透明性、競争性に留意しながら、適切に対応していきたいと考えている。
答弁:総務部長 |
プロポーザル方式による契約事務の評価についてであるが、プロポーザル方式は価格だけで評価する入札とは異なっており、提案書等の提出を求め、費用面に加えて期待できる成果について総合的な評価を行い、受注者を決定する方法であり、高度な技術や専門的な知識を有する業務を発注するに当たって、適した契約方式であると認識している。
本市の指定管理者の選定においても、この方式を採用しており、事務処理要領により適切に運用されているところである。現在、本市が発注する委託業務については、内容が多種多様にわたり、かつ業者選定については業務の専門知識を要することもあり、各部局における業者選定委員会にて審査し、各担当課にて入札・契約を行っているところである。
議員お述べのプロポーザル方式については、昨年度立ち上げた大津市の入札事務適正化検討委員会の場においても、その事務処理手順、そして選定メンバー等について意見が出されているところであり、まずは庁内におけるプロポーザル方式の実施状況等を調査した上で、そのあり方について検討をしていきたいというように考えている。
再 問 |
実施状況等について調査を行っていくことから始められるという答弁であったが、どういった期間をもって調査を行っていただけるのか。例えば今年度中に調査を行った上で、次年度以降、私が提案申し上げている運用マニュアル等の策定に向けて検討いただけるのか、もう少し具体的に答弁願う。
答弁:総務部長 |
今年度中には本市におけるここ数年の実施状況、件数であるとか、あるいはその業務内容、例えばシステム開発であるとか、業務の委託内容等も含めて調査をさせていただき、入札事務適正化検討委員会の中でも議論をしていきたいと考えている。