バリアフリーのさらなる推進に向けた取り組みについて( H29. 2)
質 問 |
はじめに、社会体育施設におけるトイレの洋式化に向けた取り組みについて。市民部が所管する市民体育館、市民運動広場、市民プール等を対象として洋式便器の設置状況について調査を行いました。このうち市民運動広場においては、トイレの洋式化がほとんど図られておらず、私のもとには高齢者の身体機能に対する配慮を求める声が寄せられています。平成29年度大津市一般会計予算案においては、小学校におけるトイレの洋式化推進に要する予算が計上されています。取り組みの目的として、洋式トイレは和式トイレに比べにおいや細菌の発生が少なく清潔であること、また災害発生時における避難住民の利用のしやすさなどを上げておられますが、これらは社会体育施設においても留意すべき事項であり、手すりの設置とあわせて計画的に洋式化を図るべきと提言をするものです。大津市は新総合計画実行計画においてスポーツの普及、振興を施策に掲げています。足腰への負担が大きい和式トイレしか整備されてないことが要因となって、安心してスポーツが楽しめないことがあってはなりません。大津市は、今後どういった方針のもとで社会体育施設におけるトイレの洋式化に取り組んでいく考えなのか見解を求めます。
2点目、大津市が開設する施設を対象としたバリアフリーの推進に向けた取り組みについて。平成28年6月通常会議において、大津市が開設する施設を対象としたバリアフリーの対応状況については、一元的に管理を行い、施設利用者や専門家の意見を反映させながら計画性を持って充実に取り組むべきと提言をいたしました。大津市においては、公共施設管理者に配布するチェックリストの作成に向けた取り組みを進められていますが、その後の現地調査においても障害者福祉センターにおける階段の手すりや大津駅観光案内所の誘導警告ブロックにおいて不十分なバリアフリー対応が確認されました。担当課の迅速な対応により改善が図られることになりましたが、誰もが安心して利用できる公共施設の整備に向け決意を新たにしたところです。
内閣府においては、障害者差別解消支援地域協議会設置の手引において、障害者差別の解消に向けては発生した事案への対応だけでなく、障害者差別が起こらない地域づくりをしていくことが重要であるとの見解を示しています。障害者差別の解消に資する取り組みの共有、分析を促進する観点から、障害者差別解消法第17条に基づき立ち上げが予定されている障害者差別解消支援地域協議会のもと、実務者会議、いわゆるワーキンググループを設置し、大津市が開設する施設を対象としてバリアフリーの状況や障壁を解消し切れない場合における合理的配慮のあり方などについて協議・検討することを改めて提言します。
大津市は、自らが開設する施設のバリアフリーをどのような方針のもとで推進していく考えなのか、改めて見解を求めます。
3点目、JR大津駅の駅ビルにエレベーターが設置されていないことについて。JR大津駅の駅ビル、ビエラ大津には、高齢者や障害者などが2階飲食店へ円滑に移動するためのエレベーターが設置されていません。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令において、飲食店は特別特定建築物に該当し、新築、増築、改築または用途変更に係る部分の床面積が2,000㎡以上のものは政令で定める建築物移動等円滑化基準に適合させなければならないと定められていますが、用途変更の対象面積がこれに満たなかったため、エレベーターは設置されなかったものと認識をしています。特定行政庁としての対応に限界はあったと考えますが、だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例に基づく指導助言はJR西日本不動産開発株式会社にどのような形で行われたのか、エレベーターが設置されないことが明らかになった時点における執行部内での課題認識とあわせて見解を求めます。
また、今後は大津市独自に基準を設け、公共性が高いと判断される一定規模以上の建築物については、必要に応じて設計の段階から障害者、難病患者、高齢者、乳幼児を連れられた方、妊産婦及びけがをされている方など移動に配慮が必要な方の意見が施設整備に反映できる仕組みを制度化することを提言するものです。誰もが自らの意思で自由に行動でき、安全で快適に生きがいを持って暮らすことができる福祉のまちづくりの推進に資すると考え、検討に向けた本市の見解を伺います。
答弁:副市長 |
JR大津駅の駅ビルのエレベーターについてのうち、だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり条例に基づく指導助言についてでありますが、まずこの条例は生活環境のバリアフリー化促進のために制定された滋賀県の条例であり、事業者は施設建築時に知事への届け出を行い、施設を条例に定められたバリアフリーの基準に適合させるよう努力する義務があります。また、市長はこの手続について知事から委任を受け事務を行っております。
次に、条例に基づく指導助言の経過についてでありますが、事業者であるJR西日本不動産開発株式会社から平成28年9月2日にこの条例に基づく届け出が提出され、審査を行った結果、平成28年9月9日にエレベーターの設置を含め7項目について文書による事業者への指導助言を行いました。しかしながら、事業者によるエレベーターの設置の対応はとられておりません。
次に、エレベーターが設置されないことが明らかになった時点における執行部内での課題認識についてですが、エレベーターなどのバリアフリー設備を設置することが望ましいと認識しておりましたが、民間の商業施設に対して本市が負担をしてバリアフリー対策を行うことは困難であると考えておりました。
JR大津駅の駅ビルのエレベーターについてのうち、2点目の公共性が高い一定の建築物に対する市独自の障害者等の意見反映の制度化につきましては、本市ではバリアフリー基本構想策定時などに障害者団体や高齢者団体の代表者に参画していただくとともに、まちあるき点検調査にも参加いただき貴重な御意見をいただいております。
ただ、個々の建築物について設計段階から障害者等の移動に配慮を要する方々から直接御意見をいただくことを制度化するということは、障害者や団体等の負担も含め対応が困難なことも予想をされます。このことから、御提案の市独自の制度につきましては、来年度に設置予定の障害者差別解消支援地域協議会において関係団体の御意見も伺い、対応が可能かどうかも含めて検討してまいります。
答弁:市民部長 |
バリアフリーのさらなる推進に向けた取り組みについてのうち、1点目の社会体育施設におけるトイレの洋式化に向けた取り組みについてでありますが、本市といたしましても、生涯スポーツの普及、振興のためには、社会体育施設におけるトイレの洋式化は必要であると考えております。今年度は、和邇市民体育館のトイレを男女1基ずつ洋式化したところでありますが、今後も施設の利用状況を踏まえ順次洋式化を進めていき、利用者が安心してスポーツを楽しんでいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
答弁:福祉子ども部長 |
バリアフリーのさらなる推進に向けた取り組みの2項目めの、大津市の施設を対象としたバリアフリーの推進に向けた取り組みについてでありますが、来年度設置予定の障害者差別解消法に基づく障害者差別解消支援地域協議会が障害当事者、行政機関を含めた地域におけるさまざまな関係機関の参画のもと、障害者差別を解消するための取り組みを効果的かつ円滑に行うネットワークとしての役割を担うものでありますので、本市の施設のバリアフリー推進に関しましても、この協議会を活用し、その協議等を踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。
このことから、この協議会における有効な協議方法についての運用を検討する必要があり、議員お述べのこの協議会における会議設置や協議内容に係る御提案の趣旨も踏まえて検討し、協議会の議論が有益なものとなりその役割を果たすことによって本市の施設のバリアフリーの推進につなげられるよう努めてまいりたいと考えております。
再 問 |
3点目のJR大津駅の駅ビルにエレベーターが設置されていないことについてです。
努力義務であるということは認識をしています。しかしながら、市長は大津駅を世界から人の集まる駅にすると宣言されているわけであって、やはりそこはどうすれば、努力いただけるかということについて、改めてしっかりと執行部内で検証いただく必要があると考えます。その上で確認をさせていただきます。
私、エレベーターが設置されないことが明らかになった時点と申し上げています。これいつなのですか。副市長、答弁で9月9日に指導助言を行われたと。しかしながら、用途変更に伴い建築主事は、建築基準法関係諸法令に照らし合わせて問題がなかったということで確認済証を発行されている。交付された日は8月18日です。その後の8月23日には、市長覚えておられると思うのですが、JR西日本不動産開発、西日本旅客鉄道、そしてテナントに入居される事業者さんと共同記者発表されていますよね。行われた後に対談もされているのですよ。申し上げたいのは、もっと早い段階でしていただけたのではないか、それにふさわしいタイミングがあったのではないか、執行部内で情報共有がなされずに課題認識が共有されなかったことが問題でないのかと思っています。改めて伺いますが、大津市長並びに大津市はどの時点でエレベーターが設置されないという認識を持たれるに至ったのか確認をさせてください。
答弁:副市長 |
実を申しますと、このバリアフリーの問題につきましては、このJRの駅ビルの改修につきましては、平成24年のときから話が始まりまして、ずっとJRのほうといろんなお話をさせてきていただいております。先ほど他の議員のお話にもありましたように、一番最初はエスカレーターを残せないかというようなお話をさせていただいたということがございます。その後、いろいろな経緯をたどる中で、どういった施設が入ってくるかというようなことについてもJRとお話をしてきておりますし、またその件につきましていろいろJRだけでやるのが難しいという中につきましては、我々としても何かできることをというような話のやりとりがありました。
そうした中でいろんな協議を経て外壁の改修というところで市費を使ってということにもなってきております。そうした中で、ちょっと記録の中でいきますと、平成26年4月には実はJRのほうからエレベーターを設置する意思はないということをお聞きしております。これは、どういうことかと申しますと、基本的に駅ビルの中のテナント誘致ということで、JRさんのほうとしては基本的に商業ベースでお話をされている中で、なかなか誘致が難しいと、厳しいという状況の中で、なかなかそういうところもできないし、その当時は実はまだ2階のテナントについては全くめどが立っていないという状況の中で、そういうことも織りまぜてなかなかエレベーターをつけるというようなことはできないよというようなことは言われておりました。そうした中で、いろんなそういった難しさとかということにつきましてはずっとJRとの話の中で共有しておりましたし、例えばじゃあ我々のほうでつける方策はないかというようなことも内部で協議したこともございます。
そうした中で、最終的にはテナントが決まってくる中で最終的には一店舗だけが上に入るというような形に決まったのも随分後になってからではございました。そういう形になったので、我々として何かをするということではないなというような判断をさせていただいたという状況でございまして、その後は法の手続の中で対応させていただいたということでございます。
再々問 |
市長はかねてから、トップセールスという言葉を用いておられます。平成26年4月と答弁されたが、随分前じゃないですか。そういった過去の経緯、経過も踏まえられて、改めて市長自らが、大津市が目指すべきまちづくりのありよう、目指すべき大津駅舎のありようも含めてしっかりと要望されるべきだと思うのですが、改めて決意を確認させていただきます。
答弁:市長 |
私自身は10月に駅舎がオープンした以降もJRとお会いした際には直接お話をしてきました。そして、これからもしっかりとJRの皆さんと協議、お話を続けていきたいと思っております。