老人福祉センターの機能充実に向けた取り組みについて( R5. 6)
質問
新型コロナウイルス感染症感染拡大期において、外出自粛が長引いたことによる「コロナフレイル」が社会問題となりました。新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行したものの、今も多くの高齢者の日常生活に影響を及ぼしていると認識しています。フレイルとは生活不活発(動かない状態)になった結果、体力や気力が低下して、一気に老化が進むことであり、健康寿命に大きな影響を及ぼすことになります。フレイルには可逆性という特性があり、自分の状態と向き合い、予防に取り組むことでその進行を緩やかにし、健康に過ごせていた状態に戻すことができます。
運動機能向上、低栄養予防、口腔機能向上、認知機能低下予防、社会参加を図ることなどが重要となりますが、大津市においては、高齢者の健康づくりの拠点施設として、市内五カ所に設置されている老人福祉センターの機能を充実させる方針が示されています。健康づくりのパッケージ化を目指されることに賛同するものですが、プログラムやメニューの決定には専門家による継続的な監修や助言が必要不可欠になると考えます。現在、老人福祉センターの運営には指定管理者制度が導入されていますが、大津市は設置者として果たすべき役割をどの様に認識されているのでしょうか。持続可能な支援体制の構築に向けた今後の方針とあわせて見解を求めます。
また、施設を設置する目的が市民により伝わりやすくなるよう、老人福祉センターという名称とは別に愛称を設けることを検討されているようですが、機能の見直しと充実が広く認知されなければ、利用者の増加、ひいては市民サービスの向上につながらないと考えます。令和4年度、施設によって割合に差はありますが、いずれの施設においても廃止が予定されている入浴を目的として、多くの市民が利用されています。これらのことを踏まえ、大津市は今後、どの様な方針のもとで施設の魅力を発信していくつもりなのか、見解を求めます。
答弁:健康保険部長
1点目の老人福祉センターの設置者として、市が果たすべき役割の認識と、今後の方針についてでありますが、老人福祉センターは、来年度より健康寿命のさらなる延伸に向けた高齢者の健康づくりの拠点施設として、順次、機能充実を図っていくことから、指定管理者の自主性を活かしながら、市の事業を老人福祉センターで展開するなど、これまで以上に主体的に関わっていく予定であります。
次に、2点目の施設の魅力を発信していく方針についてでありますが、令和3年度に実施したアンケート調査において、利用したい事業の上位が筋トレや有酸素運動、健康体操等であったことから、これらのニーズを踏まえた老人福祉センターの機能充実により、利用者の掘り起こしを図って参りたいと考えております。
また、施設の愛称を募集するとともに、市の広報やホームページはもとより、地域の各種団体や、相談支援事業所等を通じて、施設のリニューアルについて発信してまいりたいと考えております。
再質問
まず1点目、設置者として果たすべき役割についてです。答弁の中で指定管理者としての自主性を活かしながら、尊重されつつも、設置者として主体的に関わっていかれるといった趣旨の答弁をいただきました。この点、もう少し詳しく考えをお聞かせいただけないでしょうか。決意等ございましたら、あわせてよろしくお願いいたします。
2点目、多くの市民に利用いただくための取り組みについてです。介護予防、また、市民の皆様方に対しまして、健康運動のご指導など、現時点で様々な取り組みを行っていただいております。私は全庁的な連携をより一層強化いただくことで、現時点で取り組みをいただいている職員さん方々から発信いただくことも重要であると思いますし、それぞれの課において、どういった愛称になるかはこれからご検討ですが、新たな設置目的で機能充実を図っていかれる老人福祉センターをご利用されたらどうですかとお勧めいただくことも大切な魅力の発信だと思います。この点踏まえまして、お考えがありましたら、現状の課題認識とあわせてお答えをいただきたいと思います。
答弁:健康保険部長
最初に主体的に関わることについて、もう少し詳しく、決意も含めてというご質問であったかと思います。初問でも答弁いたしましたが、現在、指定管理者の事業に加えて、市としても、老人福祉センターを活かした取り組みをしているものもございます。例えば、それぞれの施設に月1回なのですけれども、もともと、そこでボランティア的というか自主的に発達したグループでの健康体操やおおつ光ルくん体操ですね、そういう取り組みもございます。それらを踏まえ、リニューアルする暁には、例えば今、現在市において、昨年度から民間事業者と提携した運動教室をしております。今年度また拡充する予定なのですけれども、そこの場所に老人福祉センターを活用すればどうかという案もございます。
また加えて、例えば栄養士、健康運動指導士が地域のサロンとかに訪問して、運動であるとか、例えば、栄養面での指導している、健康いきいき講座という事業がございます。それらも老人福祉センターの例えば、自主活動グループに対して派遣をして、かつ活動いただくというのも効果があるのではないかと考えています。ただし、これらの取り組み、もともとこういう取り組みしてはどうかというのは、数年前に庁内プロジェクトでいろいろ意見を出し合って、また社会福祉審議会の高齢者福祉専門分科会でも意見を聞いて始めて行っておりますので、来年度が初めての年ですので、これらの事業をしながらですね、庁内の関係課で、やはり適宜、検証、見ていく必要があるなと考えておりますので、そういった取り組みで頑張っていきたいなと思ってます。
2点目のPRですが、まさしく愛称募集っていうのは契機になるのかなと思っております。どのような形でするというのがまだ具体的に決まってはいないのですけれども、この愛称を決めたことによって、こういった形でリニューアルされるのですよっていう形を、新たなチラシといいましょうか、啓発できるものを検討していく必要あるなと思ってまして、それらは、ホームページはもとより、紙面の都合もあると思いますけれど、広報おおつにも掲載していきたいと思ってます。
また、やはり健康に携わる団体というのは、社会福祉協議会や民生委員さん、また、老人クラブ、またシルバー人材センターなど、多岐にわたる、関係される団体があると思いますので、それの会合に足を運んで丁寧に説明をして、何とか掘り起こして、あと魅力の発信に努めていきたいなというふうに考えております。